狼領主のお嬢様

狼領主のお嬢様

守野伊音の小説『狼領主のお嬢様』のコミカライズ作品。裕福な家庭に生まれたシャーリー・ヒンスは、その生活が民衆たちの犠牲の上にあることを知らずに育った。その後、悪逆領主を憎む民衆の手で処刑されたシャーリーは、前世の記憶を持ったまま、同じ領土内の養護院で生活する少女として生まれ変わる。奇しくも前世では恋人同士であり、裏切られたカイド・ファルアの屋敷でメイドとして働くことになったシャーリーの姿を描く、ファンタジーラブストーリー。「B's-LOG COMIC」で2018 Oct.Vol.69から配信の作品。

正式名称
狼領主のお嬢様
ふりがな
おおかみりょうしゅのおじょうさま
原作者
守野 伊音
作者
ジャンル
ファンタジー
 
恋愛
レーベル
B's-LOG COMICS(KADOKAWA)
巻数
全6巻完結
関連商品
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あらすじ

生まれ変わったシャーリーとカイドの再会

領主の一人娘の少女は、幼い頃から何不自由なく生活を送っていた。さらに屋敷で働く少年と恋に落ち、現在の身分を捨ててもいいから結婚したいとの思いを抱いていた。そんな中、少女の一族は悪事の限りを尽くして民衆を苦しめてきたことから恨みを買い、ついに起こった革命に巻き込まれ、祖父や両親たちは次々と処刑されてしまう。何も知らない少女は死刑は避けられる立場だったが、民衆へのせめてもの罪滅ぼしのため、わざと傲慢な令嬢を演じて民衆の反感を買って処刑されてしまう。そして15年の時は過ぎ、かつて処刑された少女は、養護院で「シャーリー・ヒンス」という名前を与えられていた。前世の記憶を持ったまま生まれ変わったことに気づいたシャーリーは、民衆への贖罪のために生きることを決め、何も望まずに暮らしていた。そんなシャーリーのことを心配した院長は、現在の領主であるカイド・ファルアの屋敷で、メイドとして働くことを勧める。カイドは生まれ変わる前に屋敷で働いていた少年で、前世のシャーリーとは恋人同士だった。シャーリーは奇妙な縁に翻弄されつつも、カイド付きのメイドとして、彼と行動を共にしていく。

メイドとして働くシャーリー

カイド・ファルアの屋敷でメイドとして働くシャーリー・ヒンスは、幼い頃に自らを世話してくれていたメイドのカロリーナ・フォックスと再会する。さらに愛想のない自分になにかと話し掛けてくれるジャスミンたちとの出会いを通じて、少しずつ笑顔を見せるようになる。また、自身の領土に住む民衆のために力を尽くし、さらに屋敷で働く者たちにも気配りを忘れないカイドを見て、シャーリーはかつて自分の一族が傲慢だったことをあらためて思い知らされる。そんなある日、カイドの領土では祭りが催されることになり、その準備のためにシャーリーは彼の仕事に同行する。同じく同行してきたイザドル・ギミーは、シャーリーに対してカイドのなんなのかと尋ねる。イザドルはカイドがシャーリーを特別視しており、またシャーリーも事あるごとにカイドを目で追っていることに気づいていたのだ。そんなイザドルに対してシャーリーは、自らがかつて民衆のあいだで起こった「ライウスの革命」で処刑された令嬢の生まれ変わりであることを匂わせる発言をする。

シャーリーの前世に気づくカイド

カイド・ファルアシャーリー・ヒンスと接していくうちに、彼女がかつて恋人だった少女の生まれ変わりだと気づく。こうしてシャーリーもその事実を認め、カイドが秘密裏に弔ってくれていた一族の墓に行き、墓前で当時の思い出を語り合う。カイドはスパイという立場であったものの、シャーリーを本当に愛していたと告げ、シャーリーもカイドのためなら家族を裏切ることも厭わなかったと打ち明ける。そして二人は、来世で出会ったのならば、その時はいっしょになろうと約束を交わす。そんな中、カロリーナ・フォックスからティムが何者かによって毒を盛られたと知らされる。さらにシャーリーの目の前でカイドのお茶にも毒が盛られてしまう。すべての黒幕はティムであり、彼は前世のシャーリーの婚約者だったウィルフレッド・オルコットの生まれ変わりで、自らを死に追い込んだ者たちに復讐をしようとしていた。ティムはシャーリーが、かつて処刑された令嬢の生まれ変わりだということを見抜いており、カイドの解毒剤を渡す代わりに、自身の仲間になるように取り引きを持ち掛ける。

思いを確かめ合うシャーリーとカイド

ティムシャーリー・ヒンスを連れ出し、ジョブリンの支援を受けてカイド・ファルアの領土を抜け出す。ジョブリンはカイドを毒殺した褒美として、ティムとシャーリーを夫婦にし、好待遇を与えると言い出す。さらに、シャーリーのもとにカイドが毒によって死亡したという報告が入り、彼女は絶望する。こうして流れに身をゆだねるシャーリーはティムと結婚することになるが、すんでのところで死んだはずのカイドが現れ、シャーリーを助け出す。こうして来世ではいっしょになろうと誓い合ったシャーリーとカイドだったが、現世で共に生きることを誓い合うのだった。

関連作品

原作小説

本作『狼領主のお嬢様』は、守野伊音の小説『狼領主のお嬢様』を原作としている。原作小説版は守野伊音が小説家になろうに投稿したもので、KADOKAWA「カドカワBOOKS」より刊行されている。

登場人物・キャラクター

シャーリー・ヒンス

悪逆領主の一人娘。裕福な家庭に生まれたが、その生活が民衆たちの犠牲で成り立っていることを知らずに育った。虐げられた民衆が叛逆(ほんぎゃく)を起こした「ライウスの革命」により、17歳の時に家族と共に処刑される。その後、前世の記憶を持ったまま、「シャーリー・ヒンス」という名の少女として生まれ変わり、雨の日に養護院の前に捨てられていた。養護院では養子の申し出を断り続け、養護院を出てからは修道院に入り、前世の罪をつぐなう人生を望んでいた。しかし院長のつてで、前世で恋人だったカイド・ファルアの屋敷で働くことになる。カイドが前世の自分と恋人同士になったのは、民衆に悪逆領主の情報を流すためで裏切られたと感じているが、シャーリー自身の一族が行った悪逆を考えると恨むつもりはない。前世の記憶から、笑顔を見せることが苦手なため、周囲からは陰気な性格だと思われて距離を置かれている。また、前世で民衆を飢餓で苦しめたことを悔いて最低限の食事しか取らないため、瘦せた体型をしている。

カイド・ファルア

シャーリー・ヒンスの住む街の領主の男性で、年齢は30歳。シャーリーが生まれ変わる前、悪事の限りを尽くしていた当時の領主であったシャーリーの一族が暮らす屋敷に出入りし、民衆に悪逆領主の情報を流すスパイとして活動していた。その中でシャーリーと恋人同士になっていたことから、彼女からは情報を得るために演技していたのかと、失望されている。シャーリーの一族に虐げられた民衆が叛逆(ほんぎゃく)を起こした「ライウスの革命」では、リーダー的な役割を担っていた。スパイという立場からカイド・ファルア自身の本音は最後まで告げられなかったものの、シャーリーのことは本当に愛していた。現在は優秀な領主となり、民衆からの信頼も厚い。新しくメイドとして屋敷に入ってきたシャーリーが、前世での罪をつぐなっていると語ったことから興味を抱き、自分付きのメイドとして指名する。本来は雑用をする必要のない立場ではあるが、自分でできることは自分でするという信条から、毎日忙しく過ごしている。スパイ活動をしていた時は、「ヘルト」という偽名を使っていた。

ジャスミン

カイド・ファルアの屋敷で働く若い女性。生まれ変わってカイドの屋敷でメイドになったシャーリー・ヒンスと同室で生活している。陰気な性格だと、周囲から距離を置かれているシャーリーにも気さくに声をかけ、打ち解けようとしている。瘦せているシャーリーの体を心配しており、口の中にスキを見てお菓子を入れることも多い。明るくポジティブな性格で、思ったことがすぐ口に出るタイプ。また足が非常に速く、若い男性でも追いつくことができない。

サムア

カイド・ファルアの屋敷で執事を務める男性。生まれ変わったシャーリー・ヒンスが、カイドの屋敷でメイドとして働くことになって知り合った。屋敷で働く人々の管理を任されており、シャーリーをはじめとする使用人たちがカイドに失礼なことがないようにチェックしている。生真面目な性格で、ジャスミンとティムのペースに巻き込まれ、トラブルに遭うことが多い。

ティム

カイド・ファルアの屋敷で執事の見習いとして働く少年。年齢は15歳。生まれ変わったシャーリー・ヒンスが、カイドの屋敷でメイドとして働くことになって知り合った。明るい性格のムードメーカー的な存在で、やや天然ボケな一面を持つ。なんでも思ったことは口に出してしまうため、サムアからたびたび注意を受けている。実はシャーリーの婚約者の生まれ変わりで、彼女と同様に前世の記憶をすべて持っている。シャーリーとは政略結婚であったため、お互いに愛情はなかった。前世でシャーリーの一族が処刑されたあと、自らも命を狙われるのではないかと恐れ、雪山に身を潜めていたところ、運悪くそのまま命を落とした。とぼけたキャラクターも周囲を欺くために演じており、本来は計算高く残忍な性格の持ち主。自身を死に追いやったカイドはもちろん、民衆を恨んでいる。前世での名前は「ウィルフレッド・オルコット」。

カロリーナ・フォックス

カイド・ファルアの屋敷で働く若い女性。メイド長として周囲から信頼を集めている。シャーリー・ヒンスが生まれ変わる前に、彼女の屋敷でメイドとして働いており、幼い彼女の身の回りの世話をしていた。シャーリーから慕われていたものの、同じ屋敷内で働いていた男性との交際を雇い主たちに反対され、最後のあいさつもできないまま解雇された。生まれ変わったシャーリーが、カイド・ファルアの屋敷でメイドとして働くことになって再会する。顔のそばかすを気にして、いつも濃い目の化粧をしている。幼いシャーリーからは「カロン」と呼ばれていた。

セシル・フォックス

カロリーナ・フォックスの夫。一人娘にアデル・フォックスがいる。画家を生業にしている男性で、シャーリー・ヒンスが街に行った際、偶然顔を合わせたことで知り合った。気分が乗らないと筆が進まない芸術家肌で、たびたびカロリーナを困らせている。その一方で、カイド・ファルアの領土内では有名な人物で、祭りが催される時にはメイン会場に飾る絵を任されている。

アデル・フォックス

カロリーナ・フォックスとセシル・フォックスの一人娘。シャーリー・ヒンスが街に行った際、偶然顔を合わせたことで知り合った。カロリーナをそのまま小さくした感じの幼い少女で、シャーリーを和ませている。少女ながらもプライドが高いため、目上の人にも生意気な口を利くことが多く、セシルを困らせている。カイド・ファルアに恋心を抱いている。

イザドル・ギミー

カイド・ファルアの領土と隣接した領土を持つ、ギミー家の嫡男。シャーリー・ヒンスの一族に民衆が苦しめられた末に起こった「ライウスの革命」では、ギミー家がカイドたち民衆の後ろ盾となって行動していたことから、現在でもカイドの領土と親交が深い。優しい顔立ちをした美男子で、軽いノリのお調子者。ただし表には出さないものの優れた洞察力を持っており、シャーリーがただのメイドでないことにもすぐに気づいた。人とコミュニケーションを取ることが大好きで、誰が相手でも愛想を振りまいて一方的に激しいスキンシップを取ろうとする悪癖を持つことから、カイドからは煩わしいと距離を置かれている。一方で、ファルア家のメイドからは絶大な人気を誇っており、屋敷に行くと女性たちからまるでアイドルのような扱いを受けている。

ジョブリン

デリヒ領の領主を務める中年の男性。カイド・ファルアの領土に近いこともあり、カイドと親交がある。秘密裏にカイドの領土を狙っている悪人で、ティムをスパイとして送り込んでいる。ティムとシャーリー・ヒンスの前世のことを知っており、二人を都合よく利用しようと画策する。食べることが大好きで、非常にふくよかな体型をしており、イザドル・ギミーからは「デブリン」と呼ばれている。

クレジット

原作

守野 伊音

キャラクター原案

SUZ

書誌情報

狼領主のお嬢様 全6巻 KADOKAWA〈B's-LOG COMICS〉

第1巻

(2019-04-10発行、 978-4047355569)

第2巻

(2020-02-01発行、 978-4047358881)

第3巻

(2020-12-01発行、 978-4047364158)

第4巻

(2021-12-01発行、 978-4047368521)

第5巻

(2022-09-01発行、 978-4047371491)

第6巻

(2023-09-01発行、 978-4047376144)

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