あらすじ
第1巻
天地乱れる混乱の時代。或るところに人間と妖怪が共存を果たす平和の地があった。そこは文化と信仰の源であり、桃源郷と呼ばれていた。しかし、とうとうその桃源郷にも妖怪が人間を襲い、殺し合う殺伐とした時代が始まる。平和だった桃源郷のあらゆるバランスが崩れ去った。何者かが、牛魔王蘇生実験を始めたばかりに世界が魔界に飲み込みこまれてしまったのだ。危機感を感じた天界では三仏神が4人の妖魔たちを選び集めた。玄奘 三蔵(通称三蔵)・孫 悟空(通称・悟空)・猪 八戒(通称・八戒)・沙 悟浄(通称・悟浄)だ。彼らは矢面に立ち、次々と襲いかかる妖怪・怪物たちを相手に傷つき倒れボロボロになるも必死に立ち上がり前進していく。妖怪制御装置を持つ彼らの口癖は「死にたきゃ死ね。俺は生きる。だれのためでもなく自分のために」だった。自己中心的発言に聞こえるが、根底には節理・規則・生き様などが深く根付いている。そこから発せられる言葉には強さや優しさがあった。(序章 Go to the West)
幼名を江流(こうりゅう)という三蔵。揚子江から流されてきた赤子(後の三蔵)を拾った光明 三蔵(こうみょう)はその子に江流(こうりゅう)と名付け大切に育てた。仲間たちは突然家族を持った光明が羨ましく、やっかみやひがみ、嫌がらせした。そこへ妖怪たちが現われ光明が所持する開天経文が奪われてしまう。さらに江流をかばった光明は妖怪に殺されてしまう。死の直前に光明は江流に三蔵の名を譲り、江流の法名は玄奘 三蔵(通称・三蔵)となった。彼の額には最高僧の印、赤いチャクラが現われたのだった。500年前に天界で、季塔天(りとうてん)の企みによって五行山で幽閉の身となった悟空。呼ばれたかのように三蔵は幽閉されている悟空を見つけ出した。三蔵は牢を開け、悟空を自分の用心棒・下僕として西域の旅へ同行させるのだった。
悟浄は人間と妖怪の両親から生まれたハーフで、トレードマークの紅い髪と紅い目を持っていた。しかし、母はそんな悟浄の姿を嫌い、疎んじた。 悟浄は悲しい幼少時代を過ごしたのだった。ある日、正気を失った母は悟浄を殺そうとする。それを見ていた悟浄の兄、爾燕(じえん)は、思いあまって母を殺すのだった。爾燕は悟浄の前から姿を消した。悟浄は、西域への旅に召集された時、爾燕を探しだせるのではないかという強い期待を持っていた。
八戒は、実の姉と愛し合いながら慎ましく生活をしていた。しかし、八戒が留守の時に妖怪に襲われた姉は妖怪の子を身籠り、八戒の目の前で自殺した。姉の自殺でショックを受け、我を忘れた八戒は妖怪を殺し、その返り血を浴びた事から自らも妖怪となってしまう。この4人は天界から与えられた妖怪制御装置をつけているため、どのような局面でも暴走することはない。彼らは今後数々の修羅場をくぐり抜け西域を目指すのだ。三蔵の父、光明が持っていた経文には、世界を変える力がある最高僧の肉を喰うと不老不死となると説かれていた。つまり三蔵は妖怪たちが常に狙う最重要人物となっていたのだ。牛魔王と羅刹女の子供である紅孩児も三蔵の命と経文を狙っていた。紅孩児にはどうしても三蔵を殺さねばならない理由があったのだ。(第1話 First game)
第2巻
桃源郷の異変の元凶は500年前に封印された大妖怪・牛魔王の蘇生実験によるものだった。禁忌とされた化学と妖術の合成を阻止するため観世音菩薩は玄奘 三蔵(通称・三蔵)・孫 悟空(通称・悟空)・猪 八戒(通称・八戒)・沙 悟浄(通称・悟浄)の4人を西域へ送る。4人は旅の途中で出会う、妖魔たちを次々と打倒するのだった。その中でも最強の刺客と言えるのは牛魔王の息子、紅孩児だった。旅の途中で立ち寄った村に、悟浄の兄・爾燕(じえん)がいたことが明らかになる。ある日、ちょっとした言い合いから4人が乗るジープが川へ転落してしまう。そこで、彼らは洗濯に訪れていた旬麗(しゅんれい)と言う村娘と出会う。びしょ濡れになってしまった4人に着替えと食事を提供すると言う旬麗。誘いに乗った4人は旬麗と父の2人住まいの家へと向かった。着替えを出してくれたが、すべて4人にぴったりの若者の衣服だ。八戒はどうしてこんなに男物の衣服が揃っているのか不審に思い、旬麗の父に訊ねた。その時ちょうど4人のために用意した食事を持って村のおばさんがやってきた。そしておばさんは旬麗の過去について話しだした。旬麗には、とても仲の良い恋人がいた。しかし彼は妖怪だった。人間と妖怪の異種間の交わりは禁忌とされていることを旬麗は承知の上だった。働き者の二人は周りからも祝福されるほどのいい仲だった。しかし、世界中の妖怪が突如として妖魔となり人間を襲う事件が多発し、狂暴化した妖魔の中に彼もいた。どうやら人間を襲って喰ったのだという噂まで広がった。旬麗は彼を信じて待った。いつ帰ってきてもいいように、部屋を整えて待ち続けた。彼の名は慈燕と言うと聞いたとたん、悟浄が異様な反応を示した。母を殺し、自分の前から姿を消した慈燕。その兄と同じ名前だったのだ。妖怪狂暴化の時期もほぼ同じ。悟浄はこの旅の目的である腹違いの兄を探すというミッションの糸口を掴んだのだった。(第6話 Cleaning beauty)
第3巻
10年前、玄奘 三蔵(通称・三蔵)は師匠の死を経験していた。光明 三蔵の愛弟子だと仲間からは怖れられ、孤独だった三蔵をいつも気にかけてくれた人物が、師範代の朱泱(しゅえい)だった。光明が殺されて、開天経文が奪われた日、かばって助けてくれたのも朱泱だ。その後、山を離れた三蔵は再び妖怪たちが山を襲ったことも知らなかった。朱瑛は、妖怪を殺すために禁じ手の術を使い、朱泱ではなく妖怪喰らいの六道と名乗るようになったのだと三蔵に言った。変わり果てた姿の朱瑛に三蔵は銃を向け、撃とうとするが、孫 悟空(通称・悟空)が止めに入った。その瞬間の事だった。悟空の額の金鋸(きんこ)が壊れた。斉天大聖(せいてんたいせい)となった悟空はもうこれまでの悟空ではなかった。朱泱は斉天大聖に深い傷を負わされて三蔵を傷つけた恐ろしさ、罪の深さに耐え切れず、その場から逃げ去って行った。すべてを破壊し続ける悟空に周りの声は全く通じない。今の悟空はすべてを破壊する妖怪らとなんら変わりはなかった。そこへ姿を現したのは観世音菩薩だ。悟空の額の金鋸をかけ直した。そして、三蔵の傷も癒し、観世音菩薩は忽然と姿を消した。宿に戻った悟空はやっと我に返った。三蔵は悟空が落ち込んでいる姿を目にするのだった。沙 悟浄(通称・悟浄)と猪 八戒(通称・八戒)も心配していた。そして、三蔵は朱瑛との決着をつけに一人出て行った。(第12話 Metamorphose)
朱泱は逃げたものの、完全に我を忘れたわけではなかった。自分の弱さに気づき、罪の重さに耐えかねて三蔵が持つ銃の銃口を自分の額に当てた。三蔵はトリガーを引く。師範代の朱泱は葬られた。一時は放心状態となった三蔵。顔を上げると何事もなかったかのように悟空、八戒、悟浄ら仲間の笑顔があった。そんな4人を天界で見守る観世音菩薩。何度、生まれ変わっても、500年前からお前たちは変わらないなと呟いた。
ある日、三蔵一行はにぎやかで活気づく街に辿りつく。悟空は嬉しくてはしゃいでいた。ある人物が彼らに話かけてきた。占い師だと言う。八戒を指さし、占ってあげましょう、死相が出ていると言うのだ。八戒に因縁をつける占い師に怒りをぶつける悟空。一方、紅孩児は三蔵たちと出会ってからというもの、思案にふけっていた。玉面公主(ぎょくめんこうしゅ)のいいなりになっていると言われたのははどういう事か。母を人質に獲られている以上、戦わなければいけないのかと、自問自答を繰り返していたのだ。そんな兄の姿をみた幼い妹の李厘(りりん)は勝手に三蔵の元を訪ねる。紅孩児一行は消えた季厘を探してまわった。突然、人混みの中に巨大な怪物が現れた。三蔵たちを戦闘態勢に持っていくための季厘の作戦だった。季厘は怪物の中から勢いよく飛び出してきた。三蔵たちに向かって、お兄ちゃんのためにみんな殺すのだと言って鼻息も荒い。(第15話 Drop a bomb)
第4巻
玄奘 三蔵(通称・三蔵)が猪 八戒(通称・八戒)に出会ったのは3年前のこと。ある時、斜陽殿では三蔵に「1000人の妖怪を殺したという人間を探せ」と言う命令が下った。ボディガードの孫 悟空(通称・悟空)と共に探しに出る三蔵。実はその人物こそが八戒だったのだ。当時、八戒は猪 悟能(ごのう)(通称・悟能)と言う名の人間だった。悟能は村で小学校の教師をして生計を立てていた。そして、実の姉・花喃(かなん)と禁断の愛を育んでいた。この村で百眼魔王(ひゃくがんまおう)一族が女狩りを始めた。村人たちは悟能が仕事で留守の間に花喃を妖怪に差し出してしまう。それを知った悟能は、花喃を救うべく百眼魔王のアジトに向かった。そして妖怪たちを次々と殺し、自身も血みどろで瀕死の状態だったが、やっとのことで牢に囚われている花喃と再会した。ところが、悟能は花喃からとんでもない事実を聞かされる。花喃のお腹には妖怪の子どもが宿っているという告白だった。最愛の悟能にそう告げた花喃はごめんなさいと言って自害した。(第20話 Wandering destiny)
百眼魔王(ひゃくがんまおう)一族と闘った後、悟能は沙 悟浄(通称・悟浄)と出会った。2人はお互いに名前も聞かないうちに惹かれ合い、不思議な共同生活を始めるのだった。悟能の事情を何も知らないままに悟浄は、三蔵と悟空に付いて百眼魔王の城へ向かっていた。一方、悟能は花喃が死んだ城で自分も死のうと、沙悟浄よりも先に城へ着いていた。しかし、花喃が死んだ後、城は一面の砂漠と化していた。そして、花喃を救えなかった猪悟能は無数の妖怪を殺した際に、その返り血を浴びたため自らも妖怪となってしまっていた。生きる目的も人間としての身体も全てを失った悟能だった。砂漠となった城へ着いた三蔵は一切の迷いを打ち消すような曇りのない声で経を読誦し始めた。そして傷ついた悟能を斜陽殿に連れて行き、妖怪として猪 八戒と名付けたのだ。悟能が百眼魔王の城で最後に殺したのが清一色だ。清一色は悟能の腹を引き裂き妖怪に変化させた張本人だった。清一色は死の直前に自分の身体に式神という呪術をかけてゾンビになった。悟能が何度殺しても、苦しめ続けるためだけにゾンビとして存在し続ける清一色。八戒となった悟能の仲間を全員殺し苦しむ姿を見たいというのが清一色の目的だった。清一色の攻撃により、三蔵、悟空、八戒、悟浄の4人は皆、戦いで傷ついていた。沙悟浄は悟空を背負いながら三蔵と八戒がいる場所へと向かう。そこで目にしたのは三蔵が倒れて横たわっている姿だった。しかし、これは三蔵と八戒が仕組んだ芝居だった。三蔵が倒れたと油断した清一色の心臓を八戒が一撃で貫通させた。そして完全に葬ったのだった。戦い終わって八戒は亡くなった花喃に届くように、もう少し自分のために生きてみたいんだと言葉を放つのだった。(第21話 Dead)
第5巻
3年前、ある村で百眼魔王の一族およそ1000人をたったひとりで皆殺しにした青年、猪 悟能(通称・悟能)。悟能は玄奘 三蔵(通称・三蔵)に出会ったことで猪 八戒(通称・八戒)という妖怪として生き直すこととなった。当時、沙 悟浄(通称・悟浄)は街で毎夜賭け事に明け暮れていた。土砂降りの雨の中、酒場からの帰り道、なにやら内臓が飛び出たような人が倒れているのを見つけた。死んでいると思って近づいてみると、まだ息がある。百眼魔王の一族と闘って瀕死の状態となった悟能だった。理由は一切聞かず、お互いに名前も名乗らず、沙悟浄は悟能を自分の部屋に迎え入れた。そして、2人の不思議な共同生活が始まったのだった。
悟浄と悟能が一緒に暮らし始めた頃、三蔵のいる寺院では、緑色の目をした男の話で持ち切りだった。それは街で見かけた悟能のことだった。この寺院に三蔵が入った目的は、悟能を最短ルートで探し出すためだった。この寺院で牢屋に入っていた孫 悟空(通称・悟空)は三蔵の計らいで牢屋から出され、三蔵に随行することになった。行先は西域。旅の途中で猪悟能を探すことも使命なのだった。しかし、三蔵たちが探し出す前に、悟能は街から出ようとしていた。悟能は悟浄に生い立ちと大量虐殺の罪を背負っていると話した。悟浄の紅の目や髪の色は自分が犯した罪への戒めと感じていると言った。しかし、悟浄は自分も同じように切り捨てることのできない血の呪縛を持って生きているのだと告げ、2人はお互いさらに親しみを感じたのだった。その晩、三蔵と悟空が悟能を探して悟浄の部屋を訪ねて来た。(第24話 BE THERE <1>)
悟能の居場所を尋ねる三蔵と悟空に沙悟浄は白を切った。寺院と街での情報を集めた三蔵は、ここに悟能がいるのは明らかだと踏んで乗り出すのだった。彼らは取っ組み合いの喧嘩になった。殺すなら殺せと三蔵を罵倒する悟浄。ただならない様子に、悟能が飛び出して来てしまった。三蔵は、悟浄の力の強さに惚れ込んだ。また、悟能の妖力にも目を見張るものがあった。悟能は落ち着いて三蔵に話し出した。そしてまだやり残したことがあるので少しだけ時間がほしいと言って、3人の前から姿を消した。三蔵は承知したが、成り行き上、再び悟空と共に悟能を探しながらの旅にでる。悟浄は俺もつれて行けと半ば無理やり旅の一行となったのだった。(第25話 BE THERE<2>)
第6巻
玄奘 三蔵(通称・三蔵)は天からの声を拠り所としてきた。ある日、「強くありなさい、玄奘 三蔵法師」という声で目が覚めた。そして通りがかりの村に立ち寄った三蔵、孫 悟空(通称・悟空)、猪 八戒(通称・八戒)と沙 悟浄(通称・悟浄)の一行は驚くべき話を聞く。それは、三蔵なる僧侶が砂漠の妖怪に殺されたそうだという内容だった。早速4人は調べ始めた。ところが、ジープごと一面の砂漠に飲み込まれてしまったのだ。気が付くと悟空、八戒、悟浄の3人はサソリの群れに囲まれた牢屋に監禁されていた。三蔵はサソリの毒にやられて、1人別部屋のベッドに寝かされてピクリともしない。全く意識がない様子だった。経文も盗られてしまい、サソリ妖怪が、以前に三蔵を食った覚えがある、これで三蔵は2人目だと話す声がした。サソリ妖怪は、自分はこれで不老不死だと高笑いをする。意識を取り戻した三蔵は激しく怒り、サソリ妖怪に何弾も銃弾をぶち込んだ。そこへサソリ牢から脱出した悟空たち3人も合流した。三蔵はサソリ妖怪から経文を取り返そうとした。その背後から致死量の毒針を三蔵に差して自滅するサソリ妖怪。三蔵が死んでしまうと焦った3人は何とか助ける道はないか必死で考えた。その時、部屋の中へ大量の砂が降り注いできたのだ。八戒は気功の術で埋まってしまうのを防ごうとする。すると、紅い風が一陣吹き荒れて、砂を飛ばしてくれたのだ。4人はなんとか埋まらずに済む。(第30話 selfish)
紅孩児(こうがいじ)は三蔵に、俺が負けたら助けてやるが、お前が負けた時はその経文は頂くと言った。三蔵は危篤状態だった。悟空、八戒、悟浄の3人も極度に疲労していた。瀕死の三蔵を抱き抱えた悟空はどうするか考えた。悟空はこの3年、三蔵が目をかけてくれたおかげで、牢屋から脱出でき、自由な生活を得る事ができた。三蔵を失いたくないという激しい欲求が悟空に湧き上がってくる。遠い昔にも同じように誰かを助けた記憶があった。悟空は額の金鋸を外して斉天大聖となり、守るべき者のために戦いを開始したのだ。悟空は紅孩児の腹を引き裂き、その血をしゃぶる。紅孩児の妖力を遥かに上回る破壊力だ。紅孩児のサポートに入った独角兕(どくがくじ)もひとひねりで抑えた。あまりの凄さに、もういいだろうと、悟空に戻そうとする悟浄と八戒。しかし悟空はその手を止められず、悟浄の肋骨をへし折ってしまったのだ。その時、銃声が1発、空高く響き渡った。瀕死の三蔵だった。三蔵は魔天経文を使い、悟空の額に金鋸をはめ直して倒れ込んだ。(第32話 Thicker then blood )
第7巻
みんなの買い物を頼まれた沙 悟浄(通称・悟浄)は不満たらたらで街に出た。その不満を聞きつけた見知らぬ子どもが悟浄に声をかけてきた。子供は、僕が悪い奴をやっつけたよと言う。買い物を終えた沙悟浄が宿に戻ると、玄奘 三蔵(通称・三蔵)を始め、孫 悟空(通称・悟空)、猪 八戒(通称・八戒)、が倒れている。盗賊に襲われてやられてしまったかのような大惨事だ。しかし、悟浄は不思議に思った。みんなの力なら、盗賊ごときに倒されるはずなどない。そこへさきほど街で出会った子どもが巨大な岩の怪物に乗って現れたのだ。子どもは金閣、怪物は銀閣と名乗った。金閣は、街での悟浄の不満の声が耳に入り、買い物を頼んだのがそんなに悪い人たちというなら僕が殺してくると襲ったのだった。その時、倒れていた三蔵が突然目を覚まし、銃で怪物を一撃した。そして、勝手に殺すなと金閣を罵倒する。三蔵は金閣も銃で撃とうとしたが、悟浄は止めに入った。すると、あやうく助かった金閣と傷は深いが死ななかった怪物銀閣は逃げてしまった。どうして止めたのかと悟浄を非難する三蔵。三蔵は、子どもとは言え悪は滅せなければならないと強く言い張った。三蔵は、襲われた時、金閣が持っていたひょうたんに八戒と悟空の魂を吸い上げているのを見ていた。まだ2人は死んでいない。三蔵と悟浄の2人は悟空と八戒を助けるために、金閣と銀閣の行方を追った。(第37話 Out Of Gear)
ひょうたんの中で八戒と悟空は目を覚ました。そこで見えたのは砂漠で無数の人の死骸や骨が転がっている地獄絵図だった。悟空はとっさに思った。このまま三蔵より先に死ぬわけにはいかない。2人が目を覚ました事を知り、岩のような怪物が次々と襲いかかってきた。なんとか出口を探す八戒と悟空。その時、銀閣が2人の前に現れた。ひょうたんの中では、銀閣は怪物ではなく普通の子どもの姿をしている。金閣と銀閣は双子の兄弟だったのだ。銀閣は八戒と悟空に、兄の金閣を助けて欲しいと懇願するのだった。三蔵と悟浄は、お互いを役立たずとか、高慢ちきとか罵り合いながらも、牛魔王の刺客を次々と倒して進んだ。痛めつけられてボロボロになりながらも、三蔵と悟浄はなんとか金閣と岩の怪物、銀閣を探し当てた。沙悟浄は金閣になぜ人を大量に殺すのかと訊いた。金閣は、カミサマが悪い人を殺せば、弟の銀閣を元の姿に戻すと約束をしてくれたからだと言った。三蔵は金閣を羽交い絞めにして言った。兄弟で多くの人を殺しておいて、元の姿に戻るなど許されない。動揺した金閣は妖力で三蔵を木に思い切り叩きつけた。悟浄は三蔵に言われるまま銃を手に取り、金閣のひょうたんを打ち抜いた。金閣はカミサマがくれたひょうたんを壊したと泣きそうな面持ちだ。そして銀閣と共に三蔵と沙悟浄に襲いかかった。しかし、悟浄は銀閣の目をつぶしてしまうのだった。壊れたひょうたんからは悟空と八戒が飛び出してきた。やっと戻れたのだ。目をつぶされて傷ついた銀閣を金閣は必至でかばい、自分はどうなってもいいから弟を助けてくれと言った。八戒は金閣に諭すように話しはじめた。弟銀閣はもうとっくにカミサマに殺されている。岩の怪物は言わば幻だ。真実を知った金閣の前に三蔵と同じ法衣を着たカミサマが現れた。カミサマは金閣を用なしと判断し、妖力で頭を打ち抜いて殺してしまう。三蔵と同じ法衣を着こみ、額には赤いチャクラを持つカミサマはキミより僕は強いからと三蔵を挑発してきた。殺された金閣の前で、悟浄はカミサマに一体何がしたいのかと激しい口調で問いただした。その瞬間カミサマは姿を消した。そして、翌朝、今度は悟浄が皆の前から姿を消してしまった。(第 41話 Farewell)
第8巻
カミサマから無残に殺された金閣を埋葬して姿を消した沙 悟浄(通称・悟浄)。突然いなくなった沙悟浄に玄奘 三蔵(通称・三蔵)、孫 悟空(通称・悟空)、猪 八戒(通称・八戒)は怒りだすのだった。悟浄は消えたカミサマを探しに行ったと思うと八戒が言った。三蔵もそう思った。3人は沙悟浄を探すべきか、西域への旅を再開すべきかで揉めた。三蔵は勝手な行動をとる悟浄に内心ムカムカとしていた。しかし、次の町へ入る途中、結局は三蔵の一声で悟浄を探しに出ることになる。カミサマがいる森には結界が張られていて、まったく中に入ることができなかった。三蔵はまだ体の小さい悟空ならいけるかもしれないと考えた。悟空は裸にされ、三蔵は悟空の体中にマントラを書き込んだ。悟空はどんどん結界にぶち当たっていく。これで結界が破れたと思いきや、今度は厳しい山道をひたすら登らなければならなかった。長い先の見えない階段を登り続けるような3人だった。皆頭の中は怒りが頂点に達していた。(第43話 Be Lacking 第44話rabbits)
姿を消した悟浄はやはりカミサマの森の中にいた。しかも神殿への入口に立っていた。霧がかかって先が見えない長い階段だ。何時間もひたすら登り続ける悟浄。その時、悟浄と因縁の深い母が斧を持って現れた。もちろんそれはカミサマが仕組んだゲームの1つだ。腹が減り、体力も消耗していた悟浄だったが、最後の力を振り絞って幻覚の母親を殺すのだった。同じ頃、三蔵たちも神殿の入口に立っていた。長い先の見えない階段を喧嘩しながら登ること数時間。なぜか3人の前にいなくなった悟浄が現れた。階段から飄々と降りてきたのだ。しかも1人でカミサマを倒したといきなり豪語する。その悟浄は偽物で幻覚だと三蔵は瞬時に見破った。悟空は悟浄を殴り倒し、八戒は腕をへし折るのだった。彼らもまた、カミサマのゲームに付き合わされていた。さあ、本番だと神殿に向かう三蔵一行。神殿の前では悟浄とカミサマが戦っていた。赤い髪のお兄ちゃんは僕のおもちゃだからとカミサマが言った。抵抗する悟浄は手も足も出ない。ちょうどその時、悪いがそいつを返してもらうと三蔵一行が現われたのだ。三蔵たちの攻撃をひょいひょいと軽く交わすカミサマ。カミサマの見えない攻撃で4人は血まみれだった。悟空は腹をえぐられ、三蔵は全身打撲で倒れ、八戒は血嘔吐を吐き倒れた。悟浄も酷く打撲した。カミサマにとってはほんの遊びのような攻撃だった。三蔵は三蔵法師を名乗る資格なんかないと罵倒され、足蹴にされた。そして大事な経文を奪われてしまった。カミサマは逃げる三蔵一行に弱虫と何度も罵詈雑言を浴びせていた。血まみれで倒れた三蔵たち3人をジープに乗せた悟浄は、前の町で世話になった居酒屋のマスター宅に転がり込む。マスターが医者を呼んで4人はなんとか命だけは助かったのだ。しかし三蔵の様子がおかしい。4日経っても目覚めないのだった。(第47話 recreation 第49話 take To flight)
第9巻
カミサマにズタズタにされて、逃げてきた玄奘 三蔵(通称・三蔵)孫 悟空(通称・悟空)、猪 八戒(通称・八戒)、沙 悟浄(通称・悟浄)。三蔵は全身打撲で危篤状態。もう4日も昏睡したままだ。悟浄も酷い打撲だが、まだ体を動かせるため三蔵をずっと見守っている。悟空と八戒は傷が重くベッドに横たわっていた。悟空は何か考え事をしていたが、意を決して、松葉杖をついて町へ出ていった。悟浄と八戒は今回負けた原因について話し込んでいた。そして、解決策も出ないまま悟浄は八戒に忌々しい気持ちだけをぶつける。八戒は負けを覚悟でまた向かっていくのかと声を荒げた。その声に三蔵が目を覚ました。そして、すべては経文を奪われた自分の問題でおまえたちには関係ないと言った。それを聞いた悟浄は怒り、取っ組み合いの大げんかになってしまった。そこへ悟空が帰ってきた。悟空は麻雀を手に持ち、みんな、麻雀やろうよと言う。突然のことに呆気にとられた3人。仕方なく麻雀に付きあい始めた。結果は10回やってすべて悟空の勝ちだった。悟浄はイカさまをしているではないかと訝しげだ。しかし悟空は、今のみんなはいつもより弱いし、勝つのは簡単だと言った。悟空の言葉に、皆はカミサマに勝つための方法を考え始めていた。そして、八戒が口を開いた。それぞれが当たるのではなく、総合力で勝負をつければ勝てるのではないかと発想の転換を図ったのだった。そして迎えたカミサマとの一戦。カミサマを滅して経文を取り返すのが戦いのミッションだ。(第50話 Play go 第51話 DAWN)
油断して隙だらけになってるカミサマに、まず三蔵が銃を一発放った。驚いたカミサマは4人の間断なき攻撃に手も足も出ない。フクロダタキに遭い血まみれなったカミサマ。とどめに、三蔵はカミサマの師匠の名前「烏哭三蔵法師」を耳元でつぶやいた。それは、善と悪を合わせ持ちチャクラを持たない別の三蔵法師の名前だった。無天経文を所持する若干23歳の青年であり牛魔王蘇生実験をする科学者であり、またの名をニージェンイーと言った。10年前、烏哭三蔵法師はカミサマに城、法衣、法力、おもちゃ(人の命)とありとあらゆるものを与えたが、唯一、経文と法名を授けなかったのだ。カミサマが倒れる寸前、三蔵は魔天経文を必死で唱えた。(第54話 Nothing to give 第55話 Falling Rising)
登場人物・キャラクター
玄奘 三蔵 (げんじょう さんぞう)
最高僧である23歳の男性。美形で金髪、タレ目が特徴。最高僧でありながら喫煙、飲酒、博打もする破戒僧。プライドが高く気が短い。「死ね」、「殺すぞ」が口癖。自己中心的で冷淡とも言える性格だが実際は仲間思いの一面もある。酒に弱い。生まれてすぐ川に流されていたところを光明 三蔵に拾われ金山寺で修行する僧侶になった。幼い頃から飛びぬけた力があったが光明 三蔵が死の直前に三蔵の法名を与えた。額には三蔵法師の持つ赤いチャクラの印がある。武器は拳銃・昇霊銃を携帯する。ただ、元々持っているクールで静寂を感じさせる佇まいがカリスマ性を生み、抜群の判断力を備えている。西域への旅の目的は牛魔王蘇生実験の阻止で、観世音菩薩からの命令であった。妖怪の孫 悟空(通称・悟空)、沙 悟浄(通称・悟浄)、猪 八戒(通称・八戒)を伴って天竺国を目指す事になる。常に、この世で五つ存在すると言われる経典「天地開元」の1つ「魔天経文」を身にまとっている。正式な肩書きは第31代唐亜玄奘三蔵法師北方天帝使玄奘三蔵。
孫 悟空 (そん ごくう)
18歳の少年の姿をした妖怪。厳密には大地のエネルギーが集まった岩から生まれたので妖怪とは言い切れない異端な存在。歳をとらないで500年間魔界に封印されていたが、玄奘 三蔵(通称・三蔵)に出会いその封印を解いてもらい自由の身となる。その時から三蔵の旅の護衛として雇われる。封印されていた500年の記憶は一切持たない。悟空は超単純な頭脳の持ち主で、常に頭の中は食べ物の事でいっぱい。「腹へった!」が口癖。元来の負けず嫌いで、強い相手が現われると、ワクワクが止まらなくなる。本能の赴くままに行動するタイプで、制御が効かなくなることも多い。物事を深く考えない能天気な性格で、隠し事を嫌う。額にある金鈷(きんこ)が妖力制御装置の役目を果たす。これを外すと、本来の姿である斎天大聖・孫悟空となり敵味方関係なく容赦なく暴れ出す。武器は如意棒。
沙 悟浄 (さ ごじょう)
22歳の青年の姿をした妖怪。父親が妖怪で母親がその愛人をしていた人間だったため実は半妖。そのため妖力制御装置を持たない。赤い色をした髪と目を持つ。口が悪く大雑把で女好き。喫煙、賭博が好き。幼い頃妖怪である義母に殺されそうになったが兄の沙 爾燕に助けられた。倒れていた猪 八戒(通称・八戒)を助けたことによって玄奘 三蔵(通称・三蔵)、孫 悟空(通称・悟空)とも出会うことになる。荒っぽい言動からいい加減そうに見えるが、実は仲間思いの頼れる兄貴分な一面もある。武器はロングチェーン(鎖)。
猪 八戒 (ちょ はっかい)
22歳の青年の姿をした妖怪。昔は猪悟能という名前の人間で教師をしていた。しかし姉であり恋人であった花喃が妖怪に攫われ、自殺してしまったことから妖怪の一族や、村の人間を虐殺したため妖怪になってしまった。穏やかで優しい性格だが毒舌。一行のまとめ役。酒にはめっぽう強く、白竜(ジープに変身する野鳥)の飼い主でもある。左耳のカフスが妖力制御装置。これといった武器は持たないが、気功術を使い天変地異させて攻撃と防御をすることができる。右目は義眼でモノクルをしている。
三仏神 (さんぶつしん)
女性、男性、中性の3人から成る神。観世音菩薩の命を玄奘三蔵に伝える役目を担っている。玄奘三蔵のみが拝謁を許されている。過去には猪悟能の連行なども命じたことがある。
観世音菩薩 (かんぜんおんぼさつ)
天界を司る五大菩薩の1柱。両性具有で慈愛と慈悲の象徴。玄奘 三蔵一行に牛魔王討伐を命じた。飄々としているがその力は絶大で孫悟空に妖力制御装置をつけることのできる数少ない存在。常に女体を見せびらかすような薄衣を身にまとい、エロチシズム全開。しかし言葉遣いはやはりゴッドそのもの。
二郎神 (じろうしん)
観世音菩薩に従っている神。髭の生えた老人の容姿をしている。よく観世音菩薩に振り回されている。
明茗 (ほうめい)
茄陳の町で不良に絡まれていたところを沙悟浄、孫悟空に助けられた宿屋の娘。料理が上手い。妖怪を毛嫌いしている。妖怪に人質として攫われた。
蜘蛛の妖怪 (くものようかい)
紅孩児によって玄奘三蔵の元に送られた刺客。女性のような容姿をしているが正体は巨大蜘蛛。玄奘三蔵を食べようとした。
宿屋の主人 (やどやのしゅじん)
明茗の父親であり宿屋の主人。メガネをかけた男性。蜘蛛の妖怪に明茗が襲われた時はその身を挺して助けようとした。過去、親友の妖怪がいた。
紅孩児 (こうがいじ)
牛魔王と羅刹女の一人息子。母の羅刹女を人質にとられているため嫌々ながらも玉面公主の言うことを聞いて玄奘 三蔵(通称・三蔵)の邪魔をしている。過去、牛魔王が討伐された際に自身も封印された。玄奘三蔵の敵ながら情け深く正義感も強い。妖怪のカリスマ的な存在。妹の李厘とは異母兄妹。三蔵一行に対しては、数々の刺客を放ち、自らも戦いを挑んで行く。
牛魔王 (ぎゅうまおう)
500年前闘神哪吒によって封印された大妖怪。人間との共存を拒み、私欲のままに人間を食べたと言われている。封印後玉面公主によって禁術を用いた蘇生実験を行われている。
葉 (よう)
玄奘三蔵ら一行が一晩泊めてもらった寺院で修行する幼い僧侶。当初は玄奘三蔵一行の行いに破戒な行動に面食らったが、最終的に理解を示すようになった。
寺院を襲った妖怪
紅孩児によって玄奘三蔵の元に送られた刺客。玄奘三蔵らが一晩泊まっていた寺院の僧侶たちを次々と殺した。しかし玄奘三蔵らに適わないとわかったら自害した。
玉面公主 (ぎょくめんこうしゅ)
牛魔王の現在の妻で科学と呪術を織り交ぜた禁術を用いて牛魔王蘇生を目論む首謀者。強欲で非常な性格。李厘の実母。牛魔王の正室、羅刹女を封印し、正室の息子である紅孩児をも従わせている。自分の欲しいものは何を犠牲にしても手に入れようとする非情な考え方の持ち主。
旬麗 (しゅんれい)
玄奘三蔵一行が川に落ちたところに居合わせ服を貸してあげた若い女性。妖怪である茲燕という恋人がいた。
半おばさん (ぱんおばさん)
旬麗の隣に住む中年女性。恋人を失って塞ぎ込む旬麗を心配し、何かと気にかけている。
爾燕 (じえん)
旬麗の恋人だった妖怪。銀髪。子供好きで穏やかな妖怪だったが牛魔王蘇生実験の影響を受けて自我を完全に失う前に旬麗の前を去った。
八百鼡 (やおね)
紅孩児の部下の女性の容姿をした妖怪。かつては薬師として働いていたため薬や毒の調合ができる。その美貌から百眼魔王(ひゃくがんまおう)に貢物として献上されそうになった所を紅孩児によって助けられた。それ故にいつでも紅孩児にすべてを捧げ、自分の身を投げ出すほどの忠誠心を持つ女性。紅孩児のことを誰よりも愛している。真面目で礼儀正しいがドジな一面もある。
飛 (ふぇい)
玄奘三蔵一行が酒場で出会った男性。酔って八百鼡に絡んでいたことで玄奘三蔵一行と飲み比べ勝負をすることになる。
六道 (りくどう)
妖怪退治をするために各地を転々としている僧侶。大男で体中に札を貼っている。実は玄奘三蔵がまだ金山寺にいた時の札使いの師範代であり兄弟子。江流が珍しく心を開いていた人物。江流が金山寺を去ったその夜に魔天経文を奪いに来た妖怪達に対抗するため禁術・阿羅琊の呪を自らにかけてしまった。 その後10年間自らの痛みを和らげるためだけに良い妖怪も悪い妖怪も区別なく殺し続けた。
光明 三蔵 (こうみょう さんぞう)
玄奘三蔵の師匠であり先代の三蔵の名を持っていた僧侶。穏やかで優しい性格でありながら隠れて喫煙をする等僧侶としては型破りな一面もある。川に流れていた江流を拾い弟子にした。髪を後ろで三つ編みにしている。まだ年若い江流に三蔵の位を譲った晩に妖怪の野盗に襲われ江流と魔天経文を守って死んだ。
羅刹女 (らせつにょ)
牛魔王の正妻であり紅孩児の実の母親。吠登城に今も封印されたままでいる。
李厘 (りりん)
玉面公主と牛魔王の一人娘。一人称は「オイラ」。紅孩児とは異母兄弟で、直属の部下である。やんちゃで活発な性格で、ものおじしない破天荒娘。しかしとてもわがままで、食べ物で手なずけられてしまうあたりは、女版孫 悟空ともいえる。紅孩児の事をとても慕っているため、実母である玉面公主のやることに対して常に良く思っていない。
清一色 (ちんいーそー)
猪八戒がかつて虐殺した百眼魔王一族の生き残りの妖怪。実は猪語能が妖怪になった時に殺されており自らを式神にして生きながらえている。猪八戒を精神的に苦しめることを目的に玄奘三蔵一行近づく。人を操る能力がある。名前も麻雀の配役の一つであり、何かと麻雀を使ってくる。
花喃 (かなん)
猪八戒が人間だった頃の恋人であり実の姉。幼い頃猪八戒とは別々の孤児院にいた。猪八戒と二人で暮らしていた村に百眼魔王一族が来た際に村人に差し出され百眼魔王に陵辱され子供を身籠る。それが原因で自殺した。
黄博士 (ほわんはかせ)
牛魔王蘇生実験に携わる科学者。真面目な性格で你健一とは馬が合わず度々衝突している。玉面公主に強い憧れを抱いているが恋愛感情も含んでいるらしい。メガネをかけた女性の容姿をしているが実は妖怪。
王老師 (わんろうし)
牛魔王蘇生実験に携わる科学者。スキンヘッドの老人のような容姿をしている妖怪。
蓮麗 (れんりー)
砂漠を移動する玄奘三蔵一行を襲った妖怪。以前に他の三蔵法師を食べた。女性のような容姿をしているが性別は男。毒を使う。
金閣 (きんかく)
幼い男の子の容姿をした妖怪。銀閣という双子の弟がいる。牛魔王蘇生実験の影響で村の妖怪が暴徒と化し、銀閣と二人で逃げ出した先でカミサマに出会う。素直な性格でカミサマを心から信用していた。銀閣を元の姿に戻すために自分が悪者だとみなした人間の魂を瓢箪に吸い取り、人殺しを繰り返している。 額に「忠」という文字が書いてある。
銀閣 (ぎんかく)
幼い男の子の容姿をした妖怪。金閣という双子の兄がいる。牛魔王蘇生実験の影響で村の妖怪が暴徒と化し、銀閣と二人で逃げ出した先でカミサマに出会う。カミサマの胡散臭さに気づき、金閣を連れて逃げようとしたがカミサマに見つかり化物に変えられてしまう。魂は金閣の持つ瓢箪の中におり、人殺しを繰り返す金閣を止めようとしている。 額には「義」という文字が書いてある。
カミサマ
三蔵法師の格好をしている人間の青年。顔の右半分に火傷の跡がある。見た目は大人だが子どもと変わらない性格、行動をとっている。飄々としているが冷酷な一面もあり圧倒的な強さを見せつける。実は烏哭三蔵法師のかつての弟子であり、法力や法衣は受け継いだものの三蔵法師の証である経文を受け継がせてもらえなかった。
バーのマスター
町のバーのマスター。中年男性。チンピラを玄奘三蔵と沙悟浄に追っ払ってもらったこともあり玄奘三蔵一行に部屋を貸し、ケガをおった彼らの面倒を見た。
ジープ
猪八戒に飼われている小さな竜のような生き物。ジープに変身することができる。言葉は話せないがある程度の意思疎通は可能で猪八戒によく懐いている。
独角兕 (どくがくじ)
紅孩児の部下であり兄貴分の妖怪。かつては沙 爾燕という名の妖怪で沙 悟浄(通称・悟浄)の異母兄弟だった。弟の悟浄が錯乱した実母に殺されそうになった際、実母を殺し悟浄を助け、姿を消した。豪快な性格で仲間思い。吠登城(ほうとうじょう)へ転がり込んできた所を紅孩児に助けられ、紅孩児の側近にと引き取られた。三蔵一行への第一の刺客。八百鼡と同じく紅孩児を唯一の主君だと思い、命を捧げる覚悟を持っている。紅孩児にとっては頼りになる腹心であり、優しい兄貴分でもある。
哪吒 (なたく)
闘いの神。かつて牛魔王を討伐し牛魔王をその一族と共に天竺の吠登城に封印した。
你健一 (にぃじぇんいー)
牛魔王蘇生実験に携わる科学者。生命工学の第一人者と言われる天才。飄々とした性格で不精髭とメガネが特徴。よくうさぎのぬいぐるみを持ち歩いている。実はかつては三蔵法師の一人でありカミサマの師匠でもある烏哭三蔵法師を名乗っていた。冷酷で残忍な一面がある。三蔵法師持っているはずのチャクラを持たない異例の三蔵法師だった。 無天経文を保持している。
その他キーワード
天地開元経文
最高僧である三蔵法師の称号を持つ者がそれぞれに守人として保持する5つの経典。玄奘三蔵は魔天経文、光明三蔵は聖天経文を持っていた。聖天経文は妖怪達に奪われた。
三蔵法師
僧侶の最も位の高い称号。玄奘三蔵が最年少の12歳で三蔵法師の法名を授かった。また光明三蔵も烏哭三蔵法師もそれぞれ当時の最年少で三蔵法師になった。妖怪たちの間では三蔵法師を食べれば不死身になれると噂されていたが、それはデマだった。
続編
最遊記RELOAD (さいゆうきりろーど)
前作『最遊記』から約半年後を描いた続編。妖怪が自我を失い凶暴化した原因を排除すべく、玄奘三蔵と孫悟空、沙悟浄、猪八戒の三人の妖怪が、西域天竺を目指し旅をする途中、出会った事件や人々、それらに関連する各... 関連ページ:最遊記RELOAD
最遊記RELOAD BLAST (さいゆうきりろーど ぶらすと)
『最遊記』、『最遊記RELOAD』の続編。西域で行われている禁忌の術・牛魔王蘇生実験を阻止するために集められた玄奘三蔵、孫悟空、猪八戒、沙悟浄の4人が、西域へ向かうため旅を続けていた。その道中、襲いか... 関連ページ:最遊記RELOAD BLAST
関連
最遊記外伝 (さいゆうきがいでん)
峰倉かずやの漫画『最遊記』と同じ世界を舞台にしたスピンオフ。『最遊記』からおよそ500年遡った時代の天界を舞台に、孫悟空と彼を取り巻く人々とのドラマを描く。スクウェア・エニックス「月刊Gファンタジー」... 関連ページ:最遊記外伝
最遊記異聞 (さいゆうきいぶん)
峰倉かずやの『最遊記』のスピンオフで、「最遊記」シリーズの原点ともいえる作品。本作『最遊記異聞』の主人公である峯明は、のちに「最遊記」シリーズに登場する玄奘三蔵の師となる人物・光明三蔵であり、峯明がい... 関連ページ:最遊記異聞