あらすじ
第1巻
玄奘 三蔵(通称・三蔵)、孫 悟空(通称・悟空)、猪 八戒(通称・八戒)そして沙 悟浄の4人は行く先々で牛魔王が放つ刺客を退治した。そんな彼らの噂は世間に広く流布し始めていた。しかし、三蔵たちを狙う妖怪たちはさらに増え続けるのだった。一行が今回到着した町でも、女性ばかりが立て続けに3人も殺され、金品を盗られて八つ裂きにされるという痛ましい事件が起こったばかりだった。三蔵たちの噂を聞いていた町の人たちは皆、彼らが妖怪たちを退治してくれるだろうと到着を待ちわびていた。ようやく三蔵一行はこの町に到着した。しかし、三蔵は飯を食べたらすぐに出ると言う。それは追手の妖怪たちを巻くためで、一行にとって長居は無用なのだ。宿屋兼料理屋である町の食堂は美人の町娘、聖羅(せいら)が切り盛りしていた。身分を隠した三蔵一行は聖羅の店に一旦世話になることにした。ところが、その日4人をもてなすために市場に買い物に出た聖羅が3時間経っても戻らない。道に聖羅の買い物かごが落ちていたと町人が店に届けにきた。店は騒然としていた。騒ぎを知った三蔵が、何があったのかと聖羅の妹の星華に訊ねたが、星華は三蔵たちを殺人犯の妖怪だと思い込んでいて心を開かない。三蔵はなんとか誤解を解いて、聖羅のいそうな場所を聞き出し、星華と一緒に探しにでた。聖羅は町のチンピラにからまれていた。その頃、町の人は皆、悪行は全て妖怪の仕業だと思っていた。チンピラは、こっそり婦女暴行し、金品を盗み、最後は殺しても妖怪のせいになるのだから好都合だと言って、聖羅を狙ったのだった。そこへ銀の拳銃を持った三蔵が現われた。チンピラは三蔵一行にあっさりとやられてしまった。見ていた人たちは、ずっと待ちわびていた三蔵一行が来てくれたと大喜びしている。三蔵たちは町の皆に歓迎され、御馳走まで振舞われたが、さっさと退散することを決めるのだった。長居をすれば追手の刺客が増えてしまい、町が物騒になることを避けるためだった。悟空だけが、御馳走に未練がましい素振りをみせていた。が、実は悟空は御馳走だけでなく、星華と別れるのを名残惜しいと感じていたのだった。(ACT.1 RUN)
三蔵と悟空、八戒、沙悟浄が出会って3年の月日が経った。今は真冬で雪が降り続いている。彼らは西域への旅を一旦休み、寺院に世話になっていた。いつも明るく元気な悟空だが、雪が降り続くと、昔のトラウマに激しく苛まれる。悟空は長い間雪が積もる山の頂きに囚われていた。しんしんと降り積もる雪の世界は見るものに圧倒的な孤独を強いる。悟空はその頃の辛さを思い出して引きこもってしまうのだった。三蔵、八戒、悟浄はそれぞれ下界での仕事を持っていた。3人はたまに八戒の所に集まって食事を共にしながらお互いの近況を語り合うのが常だった。皆引きこもっている悟空ことが気になっていた。なんとか外へ引っ張り出せないかと知恵を絞るが、なかなかこれだと言うアイデアは無い。そこで、八戒がすき焼きパーティーの開催を企画する。悟空はすき焼きを知らない。八戒が、すき焼きとは牛肉や豆腐やネギなんかを醤油と砂糖で煮る鍋料理だと説明すると、悟空はよだれを垂らし、食べに行くと乗ってきた。悟空は重い腰を上げて、部屋の窓から外へ飛び出した三蔵の後に続いた。三蔵と八戒、沙悟浄の3人は口々にすき焼きに入れたい食材の話をしだした。牛肉、長ネギ、豆腐、シイタケと悟浄が言うと、麩も入れろと三蔵が言った。シラタキも忘れちゃいけませんねと、八戒が続けた。黙って聞いていた悟空が突然、俺のトラウマは食べ物で解消できるほど柔じゃないと怒りだした。(ACT.3,5 3years ago)
第2巻
玄奘 三蔵(通称・三蔵)、孫 悟空(通称・悟空)、猪 八戒(通称・八戒)そして沙 悟浄の4人は、西域への旅の途中、とある町でしばしの休憩をとっていた。ある時、悟空と八戒、沙悟浄は買い物に出かけ、三蔵は1人宿に残っていた。すると三蔵の前に、いきなり三蔵と瓜二つの人物が現われる。一方、買い物に出かけた悟空たちの前にも、悟空、八戒、沙悟浄そっくりの3人の人物が現れたのだった。三蔵と悟空たちは、それぞれに自分そっくりの人物と戦った。しかし、相手は信じられないほど強く、自分と同じ考えで行動しているかのようだ。見透かされて、やればやるほど傷ついてしまい一向に埒があかない。そこへ牛魔王の刺客、独角兕が現れた。式神たちに三蔵たち4人の行動パターンや戦いのパターンを学習させて、本物そっくりの妖怪を作り上げたと言う。それを聞いた三蔵が、いきなり自分のそっくり三蔵を倒した。そして三蔵は、昨日までの俺たちのコピーなら所詮そこまでだと言った。今日の俺たちは今日の俺たちだと反転攻勢を仕掛けたのだ。悟空や八戒、沙悟浄もそれに倣い相手を倒すことができたのだった。そうして4人はまた旅に向かったが、今度はある晩、三蔵たちを乗せて進む白竜ことジープがいなくなってしまった。何者かに誘拐されたようだ。ジープがいないと三蔵一行には足が無くなってしまう。4人は方々を探し回った。ジープは幼い子どもの兄弟に連れ去られていた。子どもたちの両親はいつも仕事で不在だった。寂しがっていた彼らは、車に変身する白竜・ジープを見つけ、どうしても欲しくなってしまったのだ。ジープも子どもたちを可哀想に思い、せめて一晩だけでも子どもたちに天空のドライブを楽しんでほしいと付き合ったのだった。(ACT.5deathmatch-2)
三蔵一行は旅の途中、大河に出くわした。到底泳いでなど渡れない。三蔵たちは村人に訊いてみたが、船を出してくれる者はいなかった。地図をみてもここを渡る以外道はない。困っているところへ1人の少年がやって来た。彼は一言、渡れないよと言う。少年の名は坤(こん)と言った。坤は親の使いでこの村へ来た時、妖怪の襲撃に遭い、両親が待つ村には帰れなくなっていた。川岸で石を投げている坤に悟空は陽気に振舞いながら近づき話を聴いた。そうしていつのまにか坤と悟空は仲良くなっていた。坤は悟空をカッコイイと言って兄貴のように慕った。その間に三蔵は以前船を出していたという船頭の元へ向かっていた。そして船ごと買い占めた。なんとか三蔵たち4人は坤を連れて船を出した。一見穏やかそうに見える大河だ。しかし船はわずかな間に一気に湧き起こる渦巻に巻かれてどんどん川底へ吸い込まれてゆく。渦巻は牛魔王の放った大量の刺客たちの仕業だった。船から絶対に振り落とされないようにという八戒の指示で皆、船にしがみつく。現れた妖怪を1匹、1匹と倒しながら船は怒涛の中を進んでゆく。妖怪と共に川に落ちてしまった悟空は、向こう岸で会うと決めて川の中の妖怪と戦い続けている。三蔵、八戒、沙悟浄と坤の乗った船は妖怪たちにぐるりと取り囲まれ、三蔵が妖怪に引っ張られ振り落とされた。(ACT.6against the stream)
第3巻
西域へと旅を続ける玄奘 三蔵(通称・三蔵)、孫 悟空(通称・悟空)、猪 八戒(通称・八戒)と沙 悟浄。大河を渡る途中、そこに棲む妖怪たちが三蔵たちの行く手を阻む。悟空は三蔵たちと分かれて戦っていた。三蔵と八戒、沙悟浄は新たに現われた刺客、雀呂(ザクロ)の幻覚に翻弄されていた。悟空が立ち向かっていたのは、川岸で出会った少年坤の村を襲う妖怪たちだった。4人はそれぞれ苦戦しながらも、なんとか敵を撃退した。ひと息ついた悟空の前にある人物が現れた。人体実験で最強の殺人鬼として生まれ変わった紅孩児だ。紅孩児は科学者、ニイジェンイーに操られていた。これまで三蔵をどこまでも追いつめてきた紅孩児だった。悟空は紅孩児を挑発し、敢然と立ち向かっていく。紅孩児との闘いの果て、川の終着地でなんとか皆と落ち合った悟空。力尽きて倒れこんだその姿をみて三蔵たちは紅孩児に悟空の弔い合戦を挑んだ。戦いには紅孩児を追ってきた八百鼡と独角兕も合流する。紅孩児は三蔵に経文を出せと迫り、拒む三蔵との壮絶な戦いが始まった。ニイジェンイーの人体蘇生実験で作り変えられてしまった紅孩児をあくまでも慕い続け守り続ける八百鼡と独角兕だった。そのふたりの心が氷に閉ざされた紅孩児の心に一筋の光となって差し込んだ。(ACT.11 against the stream-6, ACT.12. against the stream-7 ,ACT.13. against the stream-8)
今から15年前のこと。禅奥寺という寺に1人の若者が入門した。若者の名は健邑(けんゆう)と言った。禅奥寺の剛内三蔵様を慕って弟子入りを希望したと言うが、内心は違うようだ。健邑は、体力も法力もずば抜けていた。17歳にしてすでに法曹界での博士号までとっていたのだ。すでに完璧な健邑を今さらどうやって育てていけばいいのか、剛内三蔵は迷っていた。剛内三蔵には、健邑が完璧すぎて、かえって嘘があるように見えていた。健邑には野望があった。禅奥寺で修業をし、剛内三蔵亡きあと三蔵法師として認められる力が欲しかったのだ。三蔵法師をなるのはこの世で最も難しいことと言われていた。健邑は、自分にはその資格が十分すぎるほどあると信じて疑わず、自信に満ちていた。それからしばらくして、剛内三蔵は病に倒れ、病状はさらに悪化した。先行きが短いと悟った剛内三蔵は、弟子たちの中から自分の後を継ぐ三蔵法師候補を6名選んだ。その中には健邑の名前はなかった。選ばれなかった健邑は憤って剛内三蔵にその理由を訊いた。剛内三蔵の口から出た言葉は、選んだ6人は、健邑の持たぬものをすべて持っているというものだった。怒りの頂点に達した健邑は剛内三蔵と戦って痛手を負わせてしまい、独房に入れられてしまった。
ある時、剛内三蔵の一番弟子・光明三蔵が独房の健邑を訪ねてきた。光明三蔵は健邑にやんわりとなぜあのような事を仕出かしたのか訊いた。健邑は喰うか喰われるかの瀬戸際で生きてきたし、剛内三蔵の後を継ぐことだけが燃えるような生きがいだったと言った。そして、健邑は光明三蔵に自分を殺してくれと懇願した。しかし、光明三蔵は断った。傷の癒えた剛内三蔵は跡継ぎのために選出した6人に試練を与えた。その場に独房の健邑も呼ばれたのだった。剛内三蔵の跡継ぎとしての最終試験は、剛内三蔵を倒すことだった。最後の看取りと弟子の育成には光明三蔵が指名された。しかし、6人の弟子たちにとって、師匠であり三蔵法師である剛内三蔵を倒すなど畏れ多く、皆お経を唱えているだけで討ち取ろうととはしない。豪を煮やした健邑だけが、果敢に剛内三蔵に挑み、今持つすべての法力を使い、剛内三蔵を倒したのだ。しかし健邑に晴れがましい気持ちなど全くなかった。健邑は浴びた返り血をそのままに涙を滔々と流し続けるのだった。その時、一羽の黒い烏が舞い飛んだため、健邑は烏哭三蔵法師と名付けられた。善と悪を併せ持つ異例の三蔵法師だ。しかし、史上最年少で三蔵法師となった彼の額には選ばれし者の証、チャクラは現れなかった。(ACT.15 burial-烏哭の章)
第4巻
ある日、玄奘 三蔵(通称・三蔵)に声が聞こえた。声は三蔵の耳から離れず、追ってみるとどうやら森の中からする声のようだ。森の中へ入っていった三蔵はそこで1人の少年と出会う。少年の名前は孫 悟空(通称・悟空)と言った。まだ小さな子どもだ。何かの縁だろう、三蔵は悟空を寺院に連れて帰って食品倉庫に泊まらせた。それから5日が経ち、寺院の中で食品がなくなるという事件が勃発する。犯人は悟空だった。三蔵は悟空に毎日3度の食事を与えて様子を見ていたが、普通の子どもとはまったく違う大食漢だ。全然足りなくて、悟空は倉庫内の食品や果樹園の果物を好きなだけ食べていたのだ。困った三蔵は悟空に、寺院の物を勝手に食べてはいけないと社会のルールを教えた。1日の食事は十分に与えるからと言い聞かせた。三蔵は寺院の者に悟空の素性を調べさせていた。その答えを聞いた三蔵は驚きを隠せなかった。悟空は、500年前に天界で大罪を犯し、地上に封印された魔物に相違ないというのだ。悟空は、人でも妖怪でもない、大地が生んだ無二の存在、混沌の象徴であり、天に等しい力を授かっている魂だった。そして正式な名前は斉天大聖孫 悟空(せいてんたいせいそんごくう)。寺院の司教は、聖と魔の両経文を司る玄奘 三蔵と神と妖の力を持つ悟空との出会いが何を意味するのかはわからない。しかし、悟空の声が三蔵に届いたのは、まぎれもない三蔵にとっての真実だ、と述べた。またある日、寺院の中で揉めごとが起こった。原因は悟空だと言う僧侶たちが悟空を無理やり捉えようとしたが、悟空の持つ力は半端ではなかった。悟空の激しい動きを一瞬で止めたのは三蔵だった。(孫悟空の章[後編])
西域への旅を続ける三蔵、悟空、猪 八戒(通称・八戒)と沙 悟浄(通称・悟浄)。平穏な旅の途中で、またもや牛魔王の追手である刺客・式神が暴れ出した。ところが、いつもとは違って、式神だけでなく、黄色い目をした人間たちまでもが戦いに参戦してきたのだ。しかし、戦いの経験値を積んでいた三蔵たちは次々と式神を倒し、急いで宿探しに走った。その中で、八戒は黄色い目をした人間たちが口々に唱えていた「妖怪を殺せ!」という言葉が気になっていた。戦いでは多くの村人たちが傷つき、命を落としたのだった。八戒は自分の持つ気功の術でケガ人を助けて回ったが、死んでしまった人間は蘇生はできない。そんな折、村に西の大陸から妖怪退治の任を命ぜられたという男性司教が現れた。名をヘイゼル・グロースと言った。飄々とした明るい性格でなぜか関西弁の日本語を話す。彼は妖怪の魂を死んだ人間に移行させることで、人間の身体を蘇生することができる男だった。ヘイゼルは一夜にして村人の救世主となっていた。しかし、三蔵たち4人はヘイゼルに何か別の目的、野望が潜んでいるのではないかと感じていた。(ACT.14-1Even a Worm ACT.15-2 ACT.16-3)
第5巻
玄奘 三蔵(通称・三蔵)、孫 悟空(通称・悟空)、猪 八戒(通称・八戒)、沙 悟浄(通称・悟浄)の4人は、旅の途中、ある村で突然人間たちに襲撃された。妖怪への怨念を口々に唱えながら殺人鬼となっている村人たち。彼らは「妖怪憎し」と言いながら、三蔵以外の3人、悟空、八戒、悟浄だけを狙ってくる。村人は皆黄色い目をしており、生身の人間の匂いがしない。倒されると土の塊となってしまうから、怪しいことは間違いなかった。そんな時、三蔵一行の前に現れた司教、ヘイゼル・グロース。異国から来たという彼は、死者を蘇らせる力を持っていた。ヘイゼルは相棒のガティ・ネネホーク(通称ガド)と旅を共にしていた。旅の目的は全世界から妖怪を滅亡させるという壮大なもの。三蔵の西域への旅の目的が妖怪たちの異変を止めることと知り、ヘイゼルは一緒に組まないかと言ってきた。三蔵は一緒に旅をすることにした。ヘイゼルの目的は妖怪を倒すこと。そのため妖怪である悟空や八戒、悟浄の名前は絶対に呼ばなかった。一緒に行動するのは三蔵だけだ。ある町で、ヘイゼルが死んだ人を救ったと聞いた人が頼み事をしにきた。どうかこの町を妖怪から救ってほしいと言う。(ACT.18 Even a worm-5)
実は、ヘイゼルは妖怪の魂から転生した人物だった。彼は、三蔵たちと同行する途中、妖怪退治がなかなか進まないので、妖怪の魂のストックが切れてしまったと言う。ヘイゼルは、悟空、八戒、悟浄の魂を分けてくれと言うが、それは無理な話だ。その時、町で親を殺されて1人になってしまった妖怪の少年を見つけた。ヘイゼルは少年に命を差しだせと言う。そうすればもう人間界で物乞いをしながら生きていかなくてもいいのだと説得した。一度は揺らいだ少年の心だったが、我に返り、やはり生きたいと叫ぶ少年。その姿にヘイゼルはショックを隠せなかった。ヘイゼルの旅の目的は妖怪の絶滅だが、こんな幼い子どもまで殺さなければならない自分の運命を後悔し始めていた。しかし、気持ちを立て直し、ヘイゼルは三蔵にこれにて別れようと告げる。三蔵の旅の目的は妖怪の異変を止める事だし、ヘイゼルとガドの旅の目的は妖怪を根絶させるまで戦うというもの。三蔵は、妖怪を絶滅させるのが先か、異変を止めるのが先か面白くなってきたと言って別れたのだった。三蔵にはひとつだけ腑に落ちないところがあった。それは、あの人体蘇生実験の首謀者である牛魔王の一味が、蘇生術を操るヘイゼルを知らないはずはなく、ましてや見逃すわけはないということだ。そうして、三蔵一行と別れたヘイゼルとガドの前に意外な人物が現われるのだった。(ACT.21 Even a worm-8)
第6巻
異国の司教ヘイゼル・グロースは神出鬼没な法師・烏哭と出会った。その昔、烏哭はヘイゼルが修業していた西の異国の教会に2週間ほど滞在したのだった。烏哭は東の桃源郷のことに詳しく、その教会にいるフィルバート司教とヘイゼルによくその話をしていた。ヘイゼルからフィルバート司教は亡くなられたと聞いた烏哭はたいそう残念がった。昔話の途中、烏哭はヘイゼルが出会った玄奘 三蔵(通称・三蔵)一行の中に斉天大聖がいたのではないかと尋ねた。桃源郷で起こった妖怪の暴走は一切この斉天大聖が源だと吹き込んだのだ。その話を聞いたヘイゼルは、一度別れた三蔵に再び会おうと連れのガティ・ネネホーク(通称ガド)と共に引き返したのだった。
一方、三蔵と孫 悟空(通称・悟空)、猪 八戒(通称・八戒)、沙 悟浄(通称・悟浄)は、山々に囲まれたある村で休憩をとっていた。その村には妖怪が入り込めない結界が全体に張り詰められていると言う。結界を張っているのは道士という人物だ。道士は、三蔵一行が村に入ったと聞きつけて、村の者に自分の屋敷へと案内させた。三蔵はある情報筋から道士の話を耳に入れていて、胡散臭い人物だと思っていた。実は、道士が張っている結界とは名ばかりで、実際は旅をする者を村人に連れて来させ、妖怪のボスに生贄として差し出していた。その代わりに妖怪たちが村人に手出しをしないようにするという協定を結んでいたのだ。何も知らない村人たちはそれで平和が保たれていると思い込まされていたのだ。誰かの犠牲の上に成り立つ平和だった。(ACT.23 Even a worm-10)
妖怪たちの真の狙いは三蔵の持つ2つの経文を強奪すること。三蔵を狙うのは「三蔵法師の命を頂いた者は不老不死となる」という言い伝えによるものだった。道士の手下に捉えられた三蔵だが、得意の銃撃で妖怪をバタバタと倒してゆく。妖怪があと5人となった。銃弾は4発しかない。しかし、三蔵は、もう昔の自分ではないと心を強く持ち、妖怪たちを撃ち倒した。三蔵が町へ戻ると、悟空、八戒、悟浄の3人が道士の手下に囲まれていた。三蔵は容赦なくそれらを次々殺していった。様子を見ていた村人たちが、もう道士のイカさまには騙されないとばかりに、踏み込んできた。一方、再会を果たしたヘイゼルと烏哭は酒場で、情報交換をしていた。その中で、ヘイゼルはやはり三蔵一行の中に金色の目を持つ斉天大聖がいると踏んだ。ヘイゼルはガドにすぐ引き返して真相を確かめたいと言って店を出た。(ACT.26 Even a worm-13)
第7巻
旅の途中、突然襲撃された孫 悟空(通称・悟空)。玄奘 三蔵(通称・三蔵)は、目の前で起こった酷い現実に意識が錯乱した。そして、負傷した悟空を置いたまま襲撃した輩を追った。悟空の容体は危篤状態だった。何者かに受けた傷が深く、なんとかしなければ死んでしまう。猪 八戒(通称・八戒)と沙 悟浄(通称・悟浄)はそれぞれ悟空の介抱に当たった。何の手当てもせず、悟空を見放して行ってしまった三蔵に悟浄は怒りを露わにした。八戒は三蔵には何か考えがあるんだと悟浄をなだめ、気功で悟空の傷の手当をした。悟浄には悟空の金錮を外すように促し、自分の妖怪制御装置を外すのだった。
八戒と悟浄のおかげで斉天大聖となって復活した悟空だが、凄まじい勢いで妖力を全開にさせた。その暴走を止めるため、八戒は悟空と壮絶に争った。そして、ようやく悟空を鎮める事に成功した。そこへ犯人を追って出て行った三蔵が帰ってきた。(ACT.34 Even a worm-21)
悟空を襲った犯人捜しのためにヘイゼル・グロースと組んだ三蔵。ある村でまたもや妖怪に襲われたが、ガティ・ネネホーク(通称ガド)と三蔵の銃撃でほぼかたがついてしまった。そんな時、ヘイゼルが斉天大聖の話をした。三蔵は誰から聞いたのかと問うが、それには答えない。悟空、八戒、悟浄の3人はジープに乗り、三蔵を探しながら西域へ向けて出発した。三蔵がいた時は、すべての旅の経費を三蔵が出していた。今の3人は無一文に近かった。そこで、八戒の提案から次の村でアルバイトをすることにした。ところが、アルバイトは3日と持たなかったのだ。3人は無銭飲食をしたまま、砂漠へと逃げ込んでしまった。しかし、砂漠の暑さと飢えに苦しみ倒れてしまう。そんな時、村の少女が3人を助けた。少女に連れて行かれた場所は砂漠の中にある妖怪だけが住む村だった。悟空はその少女と仲よくなり、市場の売り子や品出しの仕事を手伝った。しばらくこの村に滞在することとなった悟空、八戒と悟浄。その頃、三蔵とヘイゼルは、丘の向こうにある人間の里で歓迎を受けていた。(ACT.36 Even a worm-23)
第8巻
玄奘 三蔵(通称・三蔵)一行が西域へ向かっていたところ孫 悟空(通称・悟空)が狙われて、襲撃を受けた。三蔵は悟空、猪 八戒(通称・八戒)、沙 悟浄(通称・悟浄)の3人と一旦離れ、真犯人を特定するために司教のヘイゼル・グロースと行動を共にしていた。三蔵は、ヘイゼルが犯人の手掛かりを掴んでいると思っていた。三蔵とヘイゼルは、砂漠を彷徨う途中、人間の村に到着した。その村は、オアシスを要塞として作り変え、水を独占していた。近隣の妖怪だけが住む村とは敵対していた。人間だけの村では妖怪を倒し、その魂を人間へと転生させることができるヘイゼルと法曹界の最高位を持つ三蔵の出現に湧いた。三蔵と別れた悟空、八戒、悟浄は旅を続けていたが、西域へ出向く意味を失いかけていた。数日間砂漠を放浪し、行き倒れた末に村の少女に助けられ、妖怪だけが住む村に身を寄せていた。奇しくも三蔵とヘイゼルを迎えた人間の村では妖怪の村を絶滅させようとの画策が始まっていた。長い妖怪との対決を終結させ、妖怪を絶滅させたいとの思いからだった。人間村に辿りついた三蔵たちも、妖怪村で助けられた悟空たち3人も、まさか自分たちの存在がその戦いを終結させるためのきっかけになっていたとは知らずにいたのだった。人間と妖怪の戦いは終わりがなく、先の見えない暗い戦いであった。悟空、八戒、悟浄の3人は妖怪たちの手伝いで日夜水を汲みに出かけていた。ある日、いつものように水を汲みにいっている間に、人間たちが村を襲撃し、焼いてしまう。悟空を助けた妖怪の少女の叔父は人間に殺されてしまった。少女は悲しんだが、亡くなったお婆さんから、妖怪に生まれたことを嘆かないようにと言い聞かされてきたのだと言った。八戒は、この村を助けられない自分たちは妖怪だけど半端者だと言った。悟空は少女に心を寄せ始めていた。しかし、少女は戦争の駒になる決意をし、戦車に乗り込むのだった。悟空は必死で止めに入ったが、妖怪として生きてきた証を果たすために行くのだと決意は固い。少女は悟空にお別れのキスをして戦場へ向かった。止められなかった事を泣き叫び悔しがる悟空だった。(ACT.3 Even a worm-26)
三蔵とヘイゼルらは、知らず知らずのうちに、人間村側として、妖怪村との戦いに加担する事になっていたことに驚いた。三蔵は妖怪を絶滅させる策略には毛頭乗るつもりはなかった。人間が上で妖怪は下だというヒエラルキーを誰が作ったのかと三蔵は思った。人間に誇りがあるなら、これほど酷いやり方で妖怪いじめを続けることはないだろう。人間村と妖怪村が和解する日はいつ来るのかと思うのだった。(ACT.41 Even a worm-28)
第9巻
孫 悟空(通称・悟空)、猪 八戒(通称・八戒)と沙 悟浄(通称・悟浄)の3人は玄奘 三蔵(通称・三蔵)と別れて、それぞれに西域を目指す旅に出発した。3人が自分たちの意思を持って決めたことだった。三蔵は悟空を襲った犯人を捜すために異国の司教ヘイゼル・グロースと行動を共にしていた。ある日、三蔵の目の前に1人の男が現われた。妖怪たちと共に天竺で人体蘇生実験を進めるチャクラを持たない異端の三蔵法師、烏哭だった。烏哭こそが悟空を襲った張本人でもあった。烏哭は、17歳の時に剛内三蔵法師に帰依した。そして、その剛内三蔵を倒して、烏哭三蔵法師の名と無天経文を引継いだものの、額に最高僧の持つ赤いチャクラは現れなかった。ゆえに正確には法位継承者ではない。しかし、師匠を倒したその力に圧倒され異端の三蔵法師と呼ばれるようになっていた。烏哭が引き継いだ無天経文の威力は凄まじく、空間、攻撃、人の存在すらもすべて無に帰す事ができる。万物を無に葬る力なのだ。烏哭の目的は、正しい法衣継承者である玄奘から2つの経文を奪うことだった。その上で元々玄奘 三蔵などという存在は無かったのだというシナリオを描いていた。三蔵の見てきた景色、育った環境、三蔵を取り巻く人たち、すべて三蔵を形作るものを無に帰してしまおうというのだ。正規のルートで三蔵法師の称号を得られなかった男の真っ黒な嫉妬の塊が見え隠れしていた。烏哭との打ち合いに負けた三蔵は、奈落の底に落ちる寸前、何者かに手を引かれ助けられる。それは、別れてしまった悟空、八戒、悟浄だった。朦朧としながらも三蔵は悟浄と悟空のいつもの痴話喧嘩を夢うつつで聞いていた。瀕死の重傷だったが、八戒の気功術で傷はみるみる癒されていった。そして、三蔵の意識は戻った。(ACT.44 Even a worm-31)
第10巻
孫 悟空(通称・悟空)は思っていた。玄奘 三蔵(通称・三蔵)、猪 八戒(通称・八戒)、沙 悟浄(通称・悟浄)と一緒に旅に出てからというもの、たくさんのいろんなものを見てきた。自分のこと、人のことをそれなりに考えるようにもなった。自分の心が少しずつ変化してきたと感じている悟空だった。ただし、ずっと変わらない大事なものが1つだけあると気がついた。烏哭は、科学者ニージェンイーの元に、悟空、八戒、悟浄、ヘイゼル・グロース、ガティ・ネネホーク(通称ガド)などを連れて帰りたいと策略していた。天竺での人体蘇生実験の研究者であり科学者ニージェンイーの恰好のモルモットにするためだ。そして、邪魔な三蔵は殺すつもりだ。妖怪と人間の混血、悟浄、人間から妖怪へと体組織そのものを変貌させた男、八戒、人間でもなく妖怪でもないエネルギー体として独立した魂を持つ伝説の精霊・斉天大聖である悟空。それから、他者の命を受け蘇生した死人・ガド、妖の魂を体内に共生させる事で特殊な蘇生能力を操る呪術師・ヘイゼル=グロース。どの個体もニージェンイーにとっては希少価値の高い生体研究に値するものばかりだと烏哭は考えていた。(ACT.45 Even a worm-32)
陽が沈み、暗闇が訪れると、烏哭との戦いが始める。三蔵一行とヘイゼル一行6人がかりでも、烏哭を撃つことは容易ではない。無天経文を自在に操り、諸刃の剣として使う烏哭の挑発に乗るヘイゼルを庇ってガドは半身切断をされてしまった。その瀕死の姿にヘイゼルは怒り心頭に達し、烏哭に果敢に挑むがまったく歯が立たない。しかし、ヘイゼルはもう怯えてはいなかった。そんなヘイゼルに烏哭は最後の一打を与え、ヘイゼルは崖から崩れ落ち命尽きてしまったのだった。三蔵、悟空、八戒と悟浄は皆それぞれ烏哭との戦いで重症を負いながらも、お互いを守り助け合ってきた。そして、先に傷の癒えた三蔵は油断した烏哭の脳を拳銃で打ち抜いた。急所は外れてしまったが、姿を消した烏哭。その日以来烏哭はどこにも姿を現さなくなった。三蔵一行は西域への旅を再開した。数日後、亡くなったと思っていたヘイゼルがある村で助けられていたことを知る。(ACT.48 Even a worm-35)
登場人物・キャラクター
玄奘三蔵 (げんじょうさんぞう)
第31代唐亜玄奘三蔵法師を務める金髪で美形の男性。紫暗の瞳を持つ。額には三蔵法師の証である赤いチャクラの印がある。最高僧である玄奘三蔵でありながら口が悪く、喫煙、飲酒をする破戒僧。タバコの銘柄はMarlboro。プライドが高く気が短い。自己中心的で冷淡とも思われる性格だが、仲間思いな一面も。戦いはリボルバー式の銀の銃のほか、経典の魔天経文と聖天経文を用い、魔戒天浄などの技を繰り出す。新聞など、細かい文章を読む時にはメガネをかけることがある。江流は幼名。西域への旅の目的は牛魔王蘇生実験の阻止で、観世音菩薩からの命令であった。その旅のお供になる妖怪、孫悟空、沙悟浄、猪八戒を伴って天竺国を目指す事になる。
孫 悟空 (そん ごくう)
少年の姿をした男性の妖怪。玄奘三蔵と共に西域天竺を目指し旅をしている。小柄で明るく元気な性格で、常に腹を空かせている。幼少期に犯した大罪の償いとして500年間岩牢に幽閉されていたが、玄奘三蔵によって連れ出された過去を持つ。戦闘時には使用者の意のままに形状を変化させるという棒・如意棒を使用して戦う。封印されていた500年の記憶は一切持たないが、なぜか雪を嫌う。また、わさびが食べられない。悟空は超単純な頭脳の持ち主で、常に頭の中は食べ物の事でいっぱい。食べる事で思考を司っているようだ。「腹へった!」が口癖。また、元来の負けず嫌いで、強い相手が現われると、ワクワクが止まらなくなる。本能の赴くままに行動するタイプで、制御が効かなくなる事も多い。物事を深く考えず能天気な性格で、隠し事が大嫌いだ。額にある金鈷(きんこ)が妖力制御装置の役目を果たす。これを外すと、本来の姿である斎天大聖・孫悟空となり敵味方関係なく容赦なく暴れ出す。武器は如意棒。
沙 悟浄 (さ ごじょう)
父親が妖怪で母親が人間の半妖の男性。玄奘三蔵と共に西域天竺を目指し旅をしている。混血の証である赤い髪と瞳を持つ禁忌の子として、人間、妖怪、どちらからもつまはじきにされ、チンピラ同然に生きてきたが、猪八戒との出会いをきっかけに生活を変える。口が悪く大雑把で、博打と女性が好き。喫煙者で、タバコの銘柄はhi-lite。戦闘時は鎖ガマを自在にあやつることのできる錫月杖を使用するが、素手で戦うことも多い。梅干しが嫌い。荒っぽい言動からいい加減そうに見えるが、実は仲間思いの頼れる兄貴分だ。幼い頃、妖怪である義母に殺されそうになった所を兄に助られた過去を持つ。武器はロングチェーン(鎖)。
猪 八戒 (ちょ はっかい)
元は人間だったが、恋人の復讐のために大量虐殺を犯し妖怪となった男性。玄奘三蔵と共に西域天竺を目指し旅をしている。礼儀正しく、頭脳派で、常に笑顔を浮かべている穏やかな性格だが、毒舌で酒にめっぽう強い。モノクルをしているが、過去には通常のメガネだった。右目は義眼で、左耳にはイヤーカフ状の妖力制御装置をつけている。気功を用いることができ、戦闘の際、気を飛ばし相手を倒す気功砲として利用するほか、治癒を行うこともできる。
ジープ
『最遊記RELOAD』に登場するキャラクター。玄奘三蔵一行を乗せて走る自動車。小さな白竜が変身したもの。言葉は話せないが、意思疎通は可能で、猪八戒によく懐いている。
ヘイゼル=グロース
桃源郷の西にある大陸からやってきたエクソシストの男性。供としてガティ=ホークを連れている。京都弁のような言葉遣いで話し、物腰は穏やかで人懐っこいが、かなりの自信家で、人を食ったような発言が少なくない。幼い頃、師であるフィルバート=グロースをモンスターに殺されて以来、モンスターを憎み、根絶やしにするために旅をしている。胸に下げた六芒星のペンダントに魂を溜め、それを用いて死者を蘇らせるという蘇生術を使用する。賭け事に強い。
ガティ=ネネホーク
ヘイゼル=グロースの供として旅をする男性。通称ガド。ネイティブ・アメリカンのような風貌を持つトカチャ族出身の屈強な肉体の大男。戦闘の際には二丁拳銃を使用する。過去、モンスターに襲われそうになったヘイゼルをかばって命を失っているが、ヘイゼルの蘇生術により生き返っている。そのため、痛みや空腹を感じることがなく、体を盾にしてヘイゼルの命を守ることもある。寡黙で表情を顔に出さないが、仲間思い。
烏哭三蔵法師 (うこくさんぞうほうし)
メガネをかけた男性。三蔵法師でありながら、額に赤いチャクラの印を持たない異例の三蔵。無天経文を保持している。師である剛内三蔵と無天経文の後継者候補をすべて殺し、三蔵となる。彼の烏哭の名は光明三蔵がつけた。また、你健一という科学者として妖怪側につき、牛魔王の復活や紅孩児の洗脳などに参加する。 玄奘三蔵と敵対しているが、真意は不明。飄々としており、笑顔を浮かべていることが多いが、人や妖怪をコマのように扱い、殺すことに躊躇がない性格破綻者。ヘイゼル=グロースとは、過去、西の異国へ渡った際に知り合っている。
光明三蔵 (こうみょうさんぞう)
玄奘三蔵の師匠であり、先代の三蔵だった僧侶の男性。才と人柄でふたつの天地開元経文の守り人を務める。穏やかで優しい性格だが、喫煙や飲酒など、僧侶としては型破りな一面もある。江流(玄奘三蔵の幼名)三蔵の位を譲った晩に妖怪の野盗に襲われ、江流と魔天経文を守り死亡。 剛内三蔵の親友で、烏哭三蔵が剛内三蔵を殺し無天経文を継いだ際もその場に立ち会っている。烏哭の名を与えたのも光明三蔵である。
待覚 (じかく)
慶雲院大僧正で、長いあごひげをはやした老人。光明三蔵、剛内三蔵の師範でもあるが、深夜、人気のない場所でタバコを吸うなど、破戒も行う。タバコの銘柄はMarlboro。強奪された聖天経文を探し彷徨っていた頃の玄奘三蔵と出会い、罪の意識や与えられた立場への重圧から荒んでいた玄奘三蔵に道を説いた。
紅 孩児 (こう がいじ)
牛魔王と羅刹女の息子。李厘の兄。義母である玉面公主に実母の羅刹女を人質に取られているため、いたしかたなく玉面公主の言いなりになっている。情け深く正義感が強いことから、妖怪のカリスマ的存在として人気。しかし、你健一に洗脳され、玄奘三蔵から魔天経文を奪い取ることだけを目的とした殺人マシーンと化した。炎、霧のほか召喚術を使えるが、洗脳されている間は人格が変わっているため呼び出すことができなかった。八百鼡と独角兕を部下として従えている。
雀呂 (ざくろ)
玉面公主より玄奘三蔵の刺客として一行の抹殺と魔天経文の強奪を命じられている男性の妖怪。言葉による幻覚誘導の能力を持っている。術にかかった人間にとって、幻覚は現実となり、幻覚の中で起こったことは現実にも影響する。実力はほどほどにあるのだが、調子に乗りやすく、決まり切らない。 大言壮語、しかも独り言が多いなど、コメディ要素が強いキャラクターだが、義に厚く、孫悟空に助けられた恩に報いるために、彼のピンチを救ったこともある。
砂漠の村に住む妖怪の少女 (さばくのむらにすむようかいのしょうじょ)
砂漠で行き倒れそうになっていた孫悟空、沙悟浄、猪八戒を助け、面倒を見てくれた少女。妖怪だけが住む砂漠の村で暮らしている。気が強く、言いたいことをはっきりというが、面倒見がよく、憎まれ口は照れ隠しのことも。共に生活をするうち、悟空と少女の間に好意が生まれていた。 兄と二人暮らし。人間たちに街を奪われ、以降も理不尽に虐げられていることから、人間に対して憎しみの感情を抱いている。紅孩児のことをアイドル的に慕っている。
場所
桃源郷 (とうげんきょう)
人間と妖怪、科学と妖術が均衡を保ち、平和に共存していたが、突如、妖怪が自我を失い凶暴化。人間を襲うという異変が発生する。玄奘三蔵は三仏神に命じられ、この凶暴化の元凶とみられる牛魔王の蘇生実験を阻止し、桃源郷に平和をもたらすために孫悟空、沙悟浄、猪八戒とともに西域天竺を目指している。
前作
最遊記 (さいゆうき)
中国の伝記奇譚「西遊記」をベースにする、峰倉かずやの代表作。玄奘三蔵が孫悟空沙悟浄猪八戒という3人の妖怪を連れて牛魔王復活を阻止すべく天竺へ向かう。道中様々な敵と出会い、戦いながらそれぞれの過去を紐解... 関連ページ:最遊記
続編
最遊記RELOAD BLAST (さいゆうきりろーど ぶらすと)
『最遊記』、『最遊記RELOAD』の続編。西域で行われている禁忌の術・牛魔王蘇生実験を阻止するために集められた玄奘三蔵、孫悟空、猪八戒、沙悟浄の4人が、西域へ向かうため旅を続けていた。その道中、襲いか... 関連ページ:最遊記RELOAD BLAST
関連
最遊記外伝 (さいゆうきがいでん)
峰倉かずやの漫画『最遊記』と同じ世界を舞台にしたスピンオフ。『最遊記』からおよそ500年遡った時代の天界を舞台に、孫悟空と彼を取り巻く人々とのドラマを描く。スクウェア・エニックス「月刊Gファンタジー」... 関連ページ:最遊記外伝
最遊記異聞 (さいゆうきいぶん)
峰倉かずやの『最遊記』のスピンオフで、「最遊記」シリーズの原点ともいえる作品。本作『最遊記異聞』の主人公である峯明は、のちに「最遊記」シリーズに登場する玄奘三蔵の師となる人物・光明三蔵であり、峯明がい... 関連ページ:最遊記異聞
アニメ
最遊記RELOAD GUNLOCK
桃源郷で起こった妖怪達の暴走は、玉面公主による牛魔王の蘇生実験が原因だった。実験阻止を命じられた玄奘三蔵は、孫悟空、沙悟浄、猪八戒の3人も旅に同行し、遥か西方の天竺を目指す。 そんな彼らの前に、異国か... 関連ページ:最遊記RELOAD GUNLOCK