理系が恋に落ちたので証明してみた。

理系の大学に通う、恋愛に不器用な男女が、大学の研究室を舞台に、恋愛についてのさまざまな要素を定義しながら、答えを求めていく姿を描いたラブ・コメディ。「COMICメテオ」2016年3月号から連載の作品。

正式名称
理系が恋に落ちたので証明してみた。
ふりがな
りけいがこいにおちたのでしょうめいしてみた
作者
ジャンル
ラブコメ
レーベル
メテオCOMICS(フレックスコミックス)
関連商品
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あらすじ

理系が恋に落ちたので解析してみた。

国立彩玉大学に通う雪村心夜はある日、池田研究室でパソコンに向かい、多項式時間帰着の方法を探す作業に没頭していた。そこへ作業するためにやって来た同じ大学院生の才女・氷室菖蒲は、突然、心夜のことが好きかもしれないと告白する。心夜は突然の告白に驚くものの、どちらかといえば菖蒲に好意を持っていると、素直な気持ちを返す。すると恋愛経験がまるでない心夜は、菖蒲が自分に対して何を根拠に好意を持っているのかと疑問を投げかける。心夜の疑問を素直に受け止めた菖蒲は、確たる根拠もなく告白したのは、理工学専攻の院生として失格だと反省する。こうして、お互いが本当に好きなのか不安になった心夜と菖蒲は、「好き」という感情の定義と理論的根拠をはっきりさせるべく、恋愛感情に関するあらゆる研究を開始するのだった。この研究には後輩の奏言葉も巻き込まれることになり、心夜たちは彼女のサポートや助言を受けながら、さまざまな実験を繰り返すことになる。手始めに「一般性のある好きの条件」を見つけ、互いの気持ちを判定することにした心夜たちは、壁ドンや顎クイなどといったシチュエーションを再現し、そのたびに菖蒲の心拍数を測ることで、恋愛感情やときめきの定量的な計測を試みる。その後も頭をなでたり愛情を込めた料理を作ったり、好きの構成要素を解明してみたりと、さまざまな実験をする心夜たちだったが、納得の結果を得られないまま時間だけが過ぎていく。何かとズレている心夜たちにツッコミを入れたり呆れ返ったりする言葉をよそに、恋の実験を次の段階に進める心夜たちだったが、数値的な議論ばかりの彼らをもどかしく思った言葉は、ふつうの男女らしくデートをするように提案。次の休日にデートをすることになった心夜たちは、広大な遊園地を効率よく回るための考察や準備を進め、当日は理系らしくいつものように白衣を着て待ち合わせ場所に現れる。デートを観察する記録係として見守っていた奏は、すぐにデート用の服を買って着替えるように進言。買い物を終えて着替えた心夜たちは、いつものように心拍数計兼血圧計や体温計を装備し、スマートフォンアプリで「相手にドキッとした回数」などを計測・記録しながらデート実験を続ける。無事にデートを終えたはずの二人であったが、帰り道に菖蒲をナンパする男性が現れたことで状況が一変する。

理系が恋に落ちたのでキスしてみた。

雪村心夜氷室菖蒲は、理工学専攻として恋愛感情を理論的に証明できなければ理系として失格という信念をもとに、池田研究室のメンバーを巻き込んで、恋の定義に関する証明実験を続けていた。そんなある日、研究室のリーダーである棘田恵那から、恋愛的行為の一般条件は相手とキスをしたいと思えるかが重要な要素と指摘された心夜たちは、今度は菖蒲とキスに関する実験を始める。しかし、分度器で首の角度を正確に測り始めた心夜を見た菖蒲は、彼の作業的なキスを嫌がる。以前デートした時の観覧車の中のような、いいムードになればうまくキスができるかもしれないと考えた菖蒲は、心夜と共に恋人らしいムードを数値にした「ムード値」の定義式を見いだ出す。効率よくムード値を高める方法、そしてムード値が最も高くなる場所を探る心夜たちだったが、そこに犬飼虎輔と池田嘉信が乱入したことで、二次元女性との思い出と過剰な筋肉が加わり、議論をさらに白熱させていく。その後も男同士や女同士でのムード値を計測していく心夜たちだったが、納得のいく結果を得られず、その日の実験は終了となった。後日、前期課程を修了した池田研究室の面々は、酒や食べ物を持ち込んで研究室で打ち上げを行っていた。素数を順番に述べていく素数山手線ゲームなどで盛り上がる中、酔っぱらった菖蒲は酒を控えていた心夜に対し、勢いであることをしてしまう。さらにはいつもまじめな奏言葉までもが酔ってしまい、心夜に対して愚痴や不満を吐き出し始める。それぞれの親交が深まり、前回のキス実験や、ムードの数値化を通して研究が前進していく中、理系としての実力が試される一大イベントが心夜たちにせまっていた。

理系が恋に落ちたので研究発表してみた。

夏休みを迎えた池田研究室は、沖縄での合宿で研究発表会に参加することになった。この夏合宿まで1か月を切った頃、研究テーマが決まらないと悩んでいる犬飼虎輔を見た池田嘉信は、虎輔の好む恋愛ゲームのトゥルーエンドを一瞬で見つけられるアルゴリズムの研究を発表するように提案する。一方、雪村心夜氷室菖蒲は、好意を抱く相手との触れ合いで分泌されるホルモン「オキシトシン」に着目し、唾液に含まれるオキシトシン分泌量の研究を始めていた。これにより、触れた相手が好きかどうかを判定できると考えた心夜たちは、沖縄合宿中も実験のためのスキンシップを積極的に行おうと決める。池田研究室の卒業生・山本亜梨華が加わったうえで迎えた合宿当日、飛行機に乗った心夜は周囲の目も気にせず、菖蒲と密着しながら唾液の採取を行おうとする。その姿を、漫画のネタ集めのために参加した亜梨華は、不気味な笑みを浮かべながら観察していた。到着した先でさっそく向かった沖縄のビーチで、真夏の太陽に照らされた菖蒲の水着姿に心夜がときめきながらも、さっそく密着実験を開始することになるが、その前に男女が密着するときに密着面積が最大となるような体位を模索する「カップル最大密着問題」に挑み始める。翌日、大勢の教授や理系学生たちの前で、研究結果を発表する「研究発表会」が開催される。プレッシャーに怯えて発表前からパニックに陥った奏言葉を見た心夜は、菖蒲が見ていることも知らず、言葉の心を少しでも落ち着けようと抱きしめる。心夜の助言を思い出しながら言葉は無事に発表を終え、虎輔は予定どおり恋愛ゲームに関する発表を行い、恋愛ゲームへの情熱を感心されながらも、ほかの教授からその研究は人の役に立たないという指摘が入る。一方、自分の研究発表が好評だったのを喜ぶ言葉だったが、戻ると心夜と菖蒲が、先ほどの出来事を巡ってケンカしていた。最近心夜と密着実験があまりできていない嫉妬心から、菖蒲は勢いで厳しい言葉を投げかけてしまい、その後も険悪な状態が続く。そんな心夜たちのケンカを見ていた亜梨華は、またしても怪しく笑いながら二人の様子を見守るのだった。二人のケンカに責任を感じる言葉だったが、菖蒲は言葉も心夜も悪くなく、個人的な嫉妬心で動いてしまったことを自覚。そんな菖蒲を見た言葉は、合宿が終わる前に心夜と仲直りするように告げる。

理系が恋に落ちたのでカップルと比較してみた。

沖縄合宿終盤、早朝の静けさと朝日のレンブラント光線によってムード値が最高にまで高まった場所で、雪村心夜氷室菖蒲は理論値的に最高のキスを交わすことができた。だが、合宿中に採取した唾液量が不十分とわかり、池田研究室に戻ったあとも再測定することになる。そこで、唾液測定の専門として知られる理学部生体制御学科を訪れた心夜たちは、花魁のように妖艶な理系美女の藤原翠雨と、彼女の恋人であるクリス・フロレットと出会う。心夜たちは恋愛感情を論理的に証明する実験への協力を求めるものの、相思相愛な翠雨とクリスの放つ愛のオーラに圧倒されてしまう。それでも唾液測定を続ける心夜たちは、沖縄合宿での最高のムードでのキスを再現するかのように、対照実験のために再びキスを交わすことになるが、唾液に含まれるオキシトシンの量でクリスと翠雨のペアに大敗してしまう。数値的にも圧倒的なクリスたちに焦った心夜は、再度対照実験を申し出る。しかし、翠雨と心夜での実験が始まった途端に、蠱惑的な魅力を持つ彼女の魅力につい戸惑ってしまった彼を見て、菖蒲は自分の番が回ったあとも嫉妬で拗ねてしまう。そのまま菖蒲と痴話ゲンカに発展してしまった心夜を見たクリスは、冷ややかな目を向け、男として失格だと呆れながら指摘する。さらにはクリスから、心夜と菖蒲はお互いに「好き」に値する感情を抱いていないと指摘されたことに焦りながらも、心夜は感情だけに流されず論理的な思考で冷静に説を組み立てていき、「恋愛3年説」に基づいた反論を始める。新たな理論を持ち出しつつ、あきらめずに研究を続けることになった心夜たちは、心を入れ替えてオキシトシン以外の成分にも着目した実験に挑むのだった。一方、博士課程への進学を勧められたあとも、進路を決められないままだった棘田恵那はある日、池田嘉信が真剣に説いた筋トレの重要性に触れ、いつも昼寝とゲーム用に使っているソファで慣れない腹筋に励んでいた。そんな恵那を偶然見ていた犬飼虎輔は、いつもとは違う彼女の姿に見惚れてしまう。

理系が恋に落ちたので証明を終了してみた。

雪村心夜氷室菖蒲が根気よく積み重ねてきた恋の実験に、証明の時がせまりつつあった。いつものようにパソコン作業に励む心夜に対し、菖蒲はあらためて彼への恋心を告白。激しく動揺する心夜だったが、一度目の告白とは異なる言葉で淡々と思いを告げてくる菖蒲に対し、いかなる理論を持って自分を好きと判定したのかとあらためて尋ねる。菖蒲は何も言わずに心夜を外に連れ出し、心拍数計測、感情カウンター、キス実験、唾液検査をはじめ、今までに二人で挑んできた実験を交えながらデートを開始。デート終了後、菖蒲は心夜と恋愛研究をしている時間が最も楽しかったこと、まだこれからも彼と研究をしていたいという思いを押し殺しながら、一つの結論にたどり着いた以上は理系として、この研究を完結させなければならないという決意を抱く。二人で恋愛研究を楽しむ今の関係もこれで最後だと悟った菖蒲は、涙を浮かべながら心夜に思いを告げ、そんな彼女の姿を心から美しく思った心夜は、数々のデータを示したうえで、菖蒲への恋心を証明する。こうして、不器用な理系二人の恋の定義の証明は完了し、心夜たちの恋愛研究は完結したと思われたが、次の日には彼らによる「好きの定量化」「好感度の定義」に関する研究が始まってしまう。再び心夜たちの研究に巻き込まれることになった奏言葉は、相変わらずな二人の様子に呆れながらも、嬉しそうな菖蒲の笑顔に感動する。そして、言葉の思い出話を基に心夜たちが考案したのは、新たな研究の重要な基準となる好感度の統一単位「奏ラブパワー」だった。

理系が恋に落ちたので集団デートしてみた。

沖縄合宿で知り合った式城直哉からデートに誘われた奏言葉は、悩んだ末に彼とのデートに応じることになる。それを聞いた氷室菖蒲は、かわいがっている後輩の言葉にも好きな人ができるかもしれないと祝福しつつ、彼女のデートを遠くから観察・分析して好感度の研究に生かしたいと、思わず身を乗り出す。そこに雪村心夜も加わり、デート中は先日考案したばかりの好感度の統一単位「奏ラブパワー」を計測すると宣言。当日は国立彩玉大学に通うほかのカップルも呼び込んだうえで、「チェーン型対照デート実験」を開始し、人気デートスポットは理系男女たちによる巨大な実験と化していく。予定どおり直哉との待ち合わせ場所にやって来た言葉は、心夜たちの奇行やほかのカップルのせいで、集中できないまま直哉とのデートを続ける。さらに、デート中に高校時代の恩師・高橋先生と偶然再会したことで、彼との過去にトラウマを抱く彼女の運命に、さらなる波乱が訪れる。その頃、多くのカップルを間近に見ながら、愛する二次元キャラクター・藍香といっしょに買い物や映画に行ったりなど、デートを楽しんでいた犬飼虎輔だったが、自分だけはデートではなく人形遊びをしているのではないかという恐怖から、二次元愛の悲しい真実の前に涙を流しながら絶叫していた。高橋との再会で、高校時代のトラウマがよみがえった言葉を心配しながらも見守る心夜と菖蒲は、「集団恋愛同期」が発生していることに気づき、集団心理に引っ張られてお互いに気持ちが高まってしまう。トラブル連続の集団デート終了後、直哉からふつうじゃないと言われてしまったショックを引きずった言葉は、高橋との過去を思い出しながらしばらく調子を崩していた。そんな言葉を心配した菖蒲と心夜は話を聞くことになり、トラウマや悩みの理由を悟った彼は「ふつう」の定義について言葉に問いかけ、ふつうに執着して生きるのは下らないと断じたうえでその理由を説明し始める。

理系が恋に落ちたので学園祭の準備をしてみた。

「ふつう」という概念に奏言葉が悩み続け、雪村心夜との気まずい空気も続く中で、国立彩玉大学の毎年恒例の学園祭「むつみ祭」の時期がせまっていた。多くの一般客も訪れるこのむつみ祭では、さまざまなサークルや研究室によって出し物が催される。池田研究室の面々が出し物の内容を話し合う中で、心夜が提案したのは多数のコスプレ衣裳を用意して客にも貸し出し、魅力度の評価に参加してもらうという内容だった。さらにはこの出し物を通して、恋愛における見た目要素の重要性について、大規模な実験を行うことになる。恋愛において見た目がいかに大事かを力説すべく、心夜はスクリーンに氷室菖蒲のナース服とメイド服、猫耳などのコスプレ衣装を次々と映し出す。準備を整えて当日を迎えた池田研究室は、予定どおり「恋愛研究コスプレ体験室」を開催。菖蒲や棘田恵那の勧めで女装をすることになった心夜は、恵那が連れてきた双子姉妹コスプレイヤーの助けを借りて次々と見た目を変えていき、彼女たちの罠にはまったかのように美しい女装を披露して周囲をときめかせていた。一方、心夜の家庭教師のアルバイト先である、神楽野家の女子高校生・神樂野春は、彼が通う彩玉大学への興味から一人でむつみ祭を訪れていた。その途中で婦警のコスプレをした菖蒲に出会った春は、菖蒲に校内とむつみ祭を案内してもらうことになる。春のことを気に入る一方で、心夜が彼女と部屋で二人きりになっていることを知った菖蒲は、彼がかわいい女子高校生相手に鼻の下を伸ばしているのではないかと不安や嫉妬を募らせていく。さらにはウエディング衣装に身を包んでいた恵那と犬飼虎輔は、ある人物の策略によって事故でキスをしてしまう。騒がしいトラブルが連続する中、心夜との関係がギクシャクしたままの言葉は、むつみ祭に訪れていた式城直哉から告白される。恋のトラウマに悩み続けた言葉は告白の返事をするが、その口から出たのは断りの言葉だった。言葉の返事はかつてない波乱を巻き起こし、ショックを受けた勢いで態度が急変した直哉は彼女を気絶させたうえで、無理やり連れ去ってしまう。

理系が恋に落ちたので三角関係になってみた。

命懸けで助けてくれた雪村心夜に窮地を救われて以来、奏言葉は彼を異性として意識するようになってしまう。氷室菖蒲との恋仲を邪魔したくないと願う言葉は、自分の気持ちを認めないまま押し殺そうとするが、大学へ復帰したあとも彼への思いを否定すればするほど、好きの気持ちがあふれてしまう。そんな言葉の様子を見てあることに気づいた菖蒲は、複雑に思いながらも言葉の感情を否定することなく、共に心夜のもとへ向かって言葉の気持ちを報告したうえで、彼に対してある宣言をする。これによって複雑な三角関係が発生し、理系男子と理系女子たちが繰り広げる恋愛模様と実験は新たな局面を迎える。三人の恋を証明するために心夜、言葉、菖蒲の三人は、それぞれの好意を「プロトカナデラブ」として数値化する新たな恋愛研究を始める。そこには池田研究室のほかのメンバーも加わり、国立彩玉大学のむつみ祭はさらににぎやかになっていく。言葉が「ふつう」ではない自分を受け入れてくれる仲間の存在を実感して感動する中、むつみ祭の目玉イベントであるミスコンが開催され、菖蒲と言葉は周囲の勧めで飛び入り参加することになる。二人はステージの上で自己紹介をしたり理系女子らしいトークを披露したりしたあと、現在熱烈な恋心を抱いている相手がいることを宣言し、言葉は恥ずかしさのあまり途中で逃げ出してしまう。それでも菖蒲と言葉の表情には、好きな人を思うことの嬉しさと高揚感があふれていた。こうして池田研究室にとって忘れられないむつみ祭の3日間が終わり、雪の季節が訪れようとしていた。

メディア化

テレビアニメ

2020年1月から3月にかけて、本作『理系が恋に落ちたので証明してみた。』のテレビアニメ版『理系が恋に落ちたので証明してみた。』が、TOKYO MXほかで放送された。監督は喜多幡徹、総作画監督は五十内裕輔、牛島勇二が務めている。キャストは、雪村心夜を内田雄馬、氷室菖蒲を雨宮天が演じている。また、2022年4月からは続編として『理系が恋に落ちたので証明してみた。r=1-sinθ(ハート)』が放送された。

テレビドラマ

2018年9月から、本作『理系が恋に落ちたので証明してみた。』のテレビドラマ版『リケ恋~理系が恋に落ちたので証明してみた。~』が、テレビ埼玉ほかで放送された。監督は旭正嗣、脚本は幸修司が務めている。キャストは、雪村心夜を西銘駿、氷室菖蒲を浅川梨奈が演じている。

実写劇場版

2019年2月から、本作『理系が恋に落ちたので証明してみた。』の実写劇場版『劇場版 リケ恋~理系が恋に落ちたので証明してみた。~』が公開された。実写劇場版は本作のテレビドラマ版『リケ恋~理系が恋に落ちたので証明してみた。~』の続編となっており、監督は旭正嗣と佐藤敏宏が務めている。

登場人物・キャラクター

雪村 心夜 (ゆきむら しんや)

国立彩玉大学の理工学研究科に在籍する大学院1年生の青年で、池田研究室のメンバーの一人。年齢は23歳。黒の短髪で眼鏡をかけた超理系男子。ふだんはワイシャツの上から黒いネクタイを締め、白衣を羽織っている。外出時でも白衣を欠かさず、デートや合宿の時も白衣を着ていることがあった。かなりの理系バカで、どんなことも明確に定義して理学的に証明しないと気が済まない性格をしている。これらの徹底した研究者気質から、「憶測で物事を確定するな」が口癖となっている。池田研究室に入るまでは女性と縁のない生活を送ってきたため、恋愛経験は皆無に等しい。幼少期から神童と評されるほどの頭脳の持ち主で、大学院生になってからは池田研究室でパソコンに向かって作業を行う日々を繰り返していたが、同じ研究室に所属している氷室菖蒲に告白されたことで、日常や周囲との関係性が大きく変わる。突然告白してきた菖蒲に対し、何を根拠に好きだと思ったのかという疑問を投げかけ、納得した彼女と共に「好き」の定義をはっきりさせるための研究を始める。この際に菖蒲に対して、恋愛感情に近い好意を抱いているという素直な気持ちを告げているが、それらの感情に確証を持てないことから、好きの定義付けをはじめとする研究を通して、彼女と二人で奔走している。同じ理系として気が合う部分があるものの、菖蒲には好意だけでなくライバル意識を抱いていることから、研究や実験の途中で張り合うことも多い。自分が興味を持つ研究のためなら手段を選ばないところがあり、時には熱中のあまりデリカシーのない行動に走ることから、周囲に叱られたり制裁を受けたりすることもある。その一方で、菖蒲との恋を証明するためであれば、自分が嫌われても構わないと考えており、時折一途で真摯な態度や言動を見せては、彼女をときめかせている。昔から体力には自信がなく、運動も苦手。インドア派なこともあってかなりの色白肌であり、肌の白さを周囲にレフ板とネタにされてからかわれるほど。実は小学生の頃に菖蒲と出会っており、当時は自己肯定感が低かった彼女を励まして立ち直るきっかけを与えていたが、その時の記憶を覚えていない。身長は177センチ。好きな食べ物は効率よく栄養が取れる食べ物で、嫌いな食べ物はレバー。得意なことは研究で、苦手なことは運動全般。

氷室 菖蒲 (ひむろ あやめ)

国立彩玉大学の理工学研究科に在籍する大学院1年生の女性で、池田研究室のメンバーの一人。年齢は23歳。薄紫色のロングヘアで、眼鏡をかけている超理系女子。ふだんはブラウスの上から白衣を羽織っており、ハイヒールとミニスカートを着用していることが多い。後頭部でまとめられた後ろ髪の一部は、嬉しいときなど感情に合わせて揺れることがある。雪村心夜と同様にいつも白衣を欠かさず、外出時やデートの時でも白衣で現れることがある。心夜に劣らぬ理系バカであり、なんでも理学的に判断して証明しないと気が済まない性格をしている。同じ理工学専攻に所属し、研究室仲間でもある心夜が4月12日に夢に出てきて以来、彼を異性として意識し始める。そして研究室で二人きりになった時に思い切って心夜に告白をするものの、何を根拠に好きと思ったのかという疑問を、心夜本人から投げかけられる。自分が心夜に抱く感情を理論的に証明できなければ理系失格であると自覚し、「好き」の定義をはっきりさせるための研究を心夜と始めることになった。心夜への思いの定義付けや証明には毎回苦労しており、時折彼のデリカシーのない行為や嫉妬心に悩まされているが、心夜とは意気投合することが多いため、共にズレた発言や暴走を始めては奏言葉たちを呆れさせている。一方で、心夜よりも素直で感情的な面を見せることがあり、実験に乗じて甘えたりスキンシップを図ったりすることもある。理性的でない言動や行動に走ってしまうたびに自己嫌悪に陥ることがあり、沖縄合宿で心夜とケンカした際は、悲しさと後悔で泣きながら言葉に相談していた。酒に酔うといつもの何倍も素直になって心夜に甘えるような態度が多くなるが、泥酔中の記憶はなく、あとから知って強く後悔したり恥ずかしがったりすることが多い。幼少期は一人でダンゴムシの観察をするような少女だったため、学校では孤立しがちで、同級生から気味悪がられたりバカにされたりなど、陰湿ないじめを受けていた。そのため、当時は自信が持てず暗い性格をしていたが、同年代の理系少年に出会って理論的に励まされたことで救われて立ち直り、彼のような理系になることを目指すようになる。しかし、その時出会った理系少年が小学生時代の心夜であることまでは覚えておらず、心夜本人も覚えていない。身長は170センチ。好きな食べ物はスイーツ全般で、嫌いな食べ物は納豆。趣味は研究をすること。

奏 言葉 (かなで ことのは)

国立彩玉大学の工学部情報科学科に在籍する4年生の女性で、池田研究室のメンバーの一人。雪村心夜たちの後輩で、年齢は22歳。茶髪のセミロングヘアをポニーテールにまとめ、左右に分けた前髪にヘアピンを付けている。ふだんはセーターやミニスカートの上から、白衣を羽織っていることが多い。明るく素直な性格で、個性豊かな先輩たちに振り回されながらも、にぎやかで楽しいキャンパスライフを過ごしている。曲者ばかりの池田研究室メンバーの中では、最も常識人かつ良心的な常識的理系女子。池田研究室では研究や卒業論文の執筆に励んだり、論文などを読みつつ研究発表のテーマを考えたりする日々を送っていたが、心夜と氷室菖蒲のあいだで始まった恋愛に関する研究に巻き込まれてからは、記録係などの助手を務めるようになる。解説役や語り部もこなし、非常識な実験や発言を繰り返す心夜と菖蒲に振り回されては、文句やツッコミを入れながらも二人の研究に付き合っている。その一方で、心夜たちの奇行や遠回り過ぎる関係性をもどかしく思い、時には心の中で容赦のないツッコミを入れている。高校時代に数学の担当教師であった高橋先生に恋心を寄せ、当時は特に数学の勉強を頑張っていたことが、理系に進むきっかけとなった。両親からは男っ気が少ないことを心配される一方、武道の道場を営む祖父からは、言葉に道場を継いでほしいと期待を寄せられている。幼少期から鍛えてきたために武道に長けるが、デート中に高橋先生と手が触れ合った際に思わず彼を一本背負い投げで叩きつけてしまい、これ以降は恋愛にトラウマを抱え込むようになる。さらには、街中で騒ぎを起こしたために周囲にふつうじゃないと言われたことが原因で、「ふつう」という言葉に過剰反応する癖がつき、つねに周囲と自分が求めるふつうの女子でいようと意識するようになった。心夜と菖蒲に対しては優秀な先輩として尊敬やあこがれを抱く一方、つねに明後日の方向に向かうような関係には内心イラつきながらも、二人の恋愛模様を見て和んだり感動したりすることもある。沖縄合宿をきっかけに知り合った式城直哉から告白されるものの正確な返事は保留し、彼とメールやデートをしながらどう返事するかを考えている。身長は162センチ。好きな食べ物は菓子類。得意なことは場の空気に溶け込むことで、苦手なことは研究発表。

棘田 恵那 (いばらだ えな)

国立彩玉大学の理工学研究科に在籍する大学院2年生の女性で、池田研究室のメンバーの一人。年齢は24歳。腰まで伸びたロングヘアで、いつも眠そうな顔をしている。実年齢よりも童顔で見た目が幼く、幼児体型に近い小柄な体格をしている。黒いレースとフリルのあしらわれたワンピースの上から白衣を羽織り、黒いタイツを履いている。猫のように気まぐれでマイペースな性格で、基本的にやる気と覇気がない厨二病ダウナー系理系女子で、かなりのイタズラ好き。ゲームが大好きで、研究室ではテレビゲームや携帯ゲームに興じるか、ソファーで眠っていることが多い。見た目の幼さや、やる気のなさに反して成績優秀な天才で、池田研究室ではボス猫のような存在感を放ち、実質的に学生たちのリーダーを務めている。その才能はゲームでも発揮され、複数のゲームを軽々と同時プレイできるうえに、対戦ゲームでは画面を見ずに相手の表情筋から挙動を予測するなどの芸当をこなす。自然に毒舌を吐き、意地の悪い言動が多く、場を荒らしたり面白くしたりしては、トラブルを増やすこともある。特に後輩の雪村心夜と氷室菖蒲が恋愛研究を始めてからは、茶々を入れたり助言をしたりすることで二人の仲や実験を引っ搔き回している。幼なじみの犬飼虎輔をからかうのが趣味で、特に彼の幼少時の思い出を振り返りながら、彼が忘れたがっているほどに恥ずかしい少年時代をいじっている。しかし、付き合いの長い虎輔のことは何かと気にかけてかわいがり、彼が珍しく悩んでいる時には、理系女子らしく理論的に説明したうえで励ましている。オタクであると同時にBLを好む腐女子だが、BL以外のカップリングも幅広く好むなど、オタク関係にはかなり精通している。健全とはいえない複雑な家庭環境で育ち、闇の深い少女時代を過ごしたため、家庭や青春時代の話になると若干の暗さと卑屈さを見せることがある。身長は142センチ。好きな食べ物は和菓子で、苦手な食べ物は辛い食べ物。得意なことはゲームで、ホワイトボードにペンで書いて説明をしながら、片手で携帯ゲームを操作するのも可能。苦手なことは運動全般。

犬飼 虎輔 (いぬかい こすけ)

国立彩玉大学の工学部情報科学科に在籍する4年生の青年で、池田研究室のメンバーの一人。年齢は22歳。長髪を一つに束ね、首に二つのペンダントをぶら下げている。現在は引退しているが、サッカーサークルに所属していたこともあり、ふだんは白衣の下にサッカーのユニフォームを着用している。明るいお調子者で、チャラい見た目に似合わず、ゲームやアニメに没頭するオタク系理系男子。池田研究室では主に研究や卒業論文の執筆を行っており、同時期に配属された奏言葉とは同期。愛称は「トラスケ」。見た目や言動からチャラ男という印象が強いが、自他共に認める重度の二次元オタクであり、特に恋愛ゲーム「リケコイアナザー」に登場するヒロイン・真城藍香を愛し、彼女のグッズに総額22万円を超える金銭を費やしている。4桁に近い二次元女性を落としてきたと豪語しながら「愛に生きる男」を自称し、時にはキザな一面を見せるが、実際は美少女キャラクターに対して愛情と財産を注いできただけであり、現実の女性との恋愛経験は皆無に等しい。雪村心夜と氷室菖蒲の恋愛実験に巻き込まれており、二人の奇妙な実験に参加させられることもある。言葉ほどではないが恋愛観は常識的で、オタク趣味を通して得た恋愛知識も豊富。同じくオタク趣味を持つ棘田恵那とは、研究室でいっしょにゲームをしていることが多いが、彼女のプレイスキルの高さの前に連敗しては怒っている。恵那に対しては強い対抗意識を抱いて対抗や反発をするものの、彼女には軽くあしらわれ、口ゲンカでも勝てずにいる。付き合いの長い幼なじみでもある恵那とは仲がよく、幼少期は彼女を姉のように慕い、彼女からも弟のようにかわいがられていた。恵那に懐くあまり、幼いながら求婚のような発言までしていたが、成長してからはこれらの思い出は黒歴史となっており、彼女に思い出話でからかわれるたびに恥ずかしさで悶絶している。ただし、内心では現在でも恵那を大切に思い、彼女が見知らぬ男に腕をつかまれたのを見て、怒って殴り飛ばしたこともある。ふだんは自らの愛情を藍香に向けているが、のちに恵那の容姿や性格が藍香に似ている事実に気づくうちに、自分が恵那に思いを寄せている可能性に苦悩することが増えていく。

高橋先生 (たかはしせんせい)

奏言葉の高校生時代の数学教師。髪を中分けにしていて、メガネをかけている男性。タートルネックのシャツの上からVネックの白い長袖セーターを着用し、黒いスラックスを履いている。授業後は数学パズルの話をよくしていた。それがきっかけで、奏は数学パズルにハマる。授業の後も度々高橋先生のもとを訪れて、数学パズルの問題の答え合わせをしてもらっていた。

場所

国立彩玉大学 (こくりつさいたまだいがく)

雪村心夜たちが通っている大学。理工学を愛する者が集い、才能あふれる学生たちが日夜研究に励んでいる。理系の最高学府として有名で、3年生まではそれぞれの学部で講義を受ける。4年生になると、池田研究室をはじめとする研究室のいずれかに所属することになり、研究や卒業論文制作を行う。

池田研究室 (いけだけんきゅうしつ)

国立彩玉大学にある学生たちの研究室。世の中のすべてのことを数理学的に解析し、日々研究することを活動目的としている。研究室は共同生活の場ともなっており、学生たちは基本的には好きな時間にやって来て、好きな時間に帰っていく。室内には冷蔵庫があり、近くに共用の調理場もあるため、室内で食事をすることもできる。男子の多い理系大学の中では珍しく、研究室に所属する学生は女子が半分くらいを占める。

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