あらすじ
第1巻
剣崎七菜は仕事はできるものの、同僚たちに仕事ぶりを認められる反面、やっかみも受けているために孤立気味だった。そんなある日、仕事のストレスを発散すべく居酒屋に行こうと思い至るが、京都の居酒屋はどこも人がいっぱい。そして居酒屋を求めながら夜の街を歩いていた七菜がたどり着いたのは、閑散とした居酒屋「白熊」だった。七菜はそこでゆるふわ店主の野波隆一と、客のおすましカメラマンである芦刈鉄雄に出会う。店は寂れているものの隆一の出す料理とクラフトビールの味は絶品で、七菜と鉄雄は白熊での時間を満喫する。そして七菜と鉄雄の職業を知った隆一は、二人に店を繁盛させるためのアドバイスを求めるのだった。店のアドバイザーになることを了承した七菜は、隆一に居酒屋をクラフトビール専門店にすることを提案。さっそく隆一は生ビールサーバーを増設して店の改装を行い、心機一転、クラフトビール専門店「白熊」を切り盛りしていく。
登場人物・キャラクター
剣崎 七菜 (けんざき なな)
広告代理店に勤めるOL。誕生日は8月31日で、年齢は25歳。出身地は山梨。ライトブラウンの髪を結ってポニーテールにしている。大手航空会社に派遣され、広告用のCM担当に抜擢された。仕事ぶりは優秀だが、正社員を差し置いての抜擢なためにやっかみを受けており、社内では孤立気味。趣味はお酒とご飯を楽しむことで、会社でのストレスを食べ歩きで解消している。京都で道に迷ううち、居酒屋「白熊」にたどり着く。お店の料理とお酒を気に入り、店主の野波隆一にお願いされて店のアドバイザーとなった。そして白熊で飲んだクラフトビールのおいしさに魅せられ、隆一に白熊をクラフトビール専門店にするように提案する。フルーツ系のフレーバーがあるビールが好み。女優のMAKOTOの大ファンで、彼女のイベントをチェックしており、有給を取ってでも彼女のイベントを見に行くほど。そのため、白熊にMAKOTOが訪れた際には驚喜した。
野波 隆一 (のなみ りゅういち)
居酒屋「白熊」の店主を務める男性料理人。誕生日は5月6日で、年齢は28歳。出身地は土佐。癖のある茶色の髪で、大柄な体格をしている。ゆるい雰囲気を漂わせた美形だが、性格は適当で営んでいる居酒屋の利便性が低かったり、接客の最中にお酒を飲み始めたりしている。そんな姿勢から、終始店は閑古鳥が鳴いていた。偶然、店を訪れた剣崎七菜と芦刈鉄雄にアドバイスをお願いし、七菜の提案に従って店の方針をクラウトビール専門店へと転換する。性格に反して料理は繊細でかなりの腕前を誇る。クラフトビールのよさを引き出す料理を提供している。趣味はプロレス観戦と絵を描くことだが、七菜からは絵がヘタだと思われている。
芦刈 鉄雄 (あしかり てつお)
京都出身の男性カメラマン。誕生日は11月27日で、年齢は27歳。アメリカ、カナダ、アラスカ、ハワイと世界中を飛び回って写真を撮ってきたが、現在はビザの期限と各国の物価の高さから帰省し、故郷の京都を拠点として仕事をしている。海外の滞在経験が豊富なため、英語をネイティブに話せる。野波隆一の描いた居酒屋「白熊」の看板の絵を前衛芸術だとカンちがいし、絵を撮影するために入店する。隆一にお願いされて広告用の店の写真を撮影した。登山やランニング、旅を趣味としており、趣味と実益を兼ねてよく旅をしている。現在も金欠で日本にとどまっているが、気が向いたときは北海道などに旅行している。女優のMAKOTOとは幼なじみで、かつては毎日遊んだ仲。ただ高校時代は彼女がオーディションに落ちるたびにゲームでのストレス発散に付き合ったため、現在はその経験から苦手意識を抱いている。
MAKOTO (まこと)
京都府出身の人気女優。誕生日は8月29日で、年齢は27歳。黒い髪を長く伸ばした美女で、人当たりのよい爽やかな性格をしている。23歳の時にCMで芸能界デビューし、それ以降は映画やドラマに引っ張りだこ。現在は雑誌「un・un」で京都を食べ歩きする「MAKOTOの京めぐり」というコーナーを担当している。趣味は料理、ゲーム、ギター。実は芦刈鉄雄とは幼なじみの関係で、高校時代はオーディションで落ちるたびにゲームで鉄雄にストレスをぶつけていたため、彼からは未だに苦手意識を抱かれている。グリフ・ハーヴェイと共に居酒屋「白熊」に訪れる。
グリフ・ハーヴェイ
料理評論家の中年男性。髪を七三分けに整え、スーツを身にまとっている。「しゃべりすぎる」批評家として有名で、歯に衣着せぬ物言いをする。雑誌などをメインに活動して人気を集めているが、グリフ・ハーヴェイ自身はしゃべりすぎる性格を自覚しており、テレビ出演は拒否している。MAKOTOと共に居酒屋「白熊」に訪れ、取材で舞い上がっていた野波隆一の料理を自己主張の激しい「空っぽ」と批評した。だが、その言葉で奮起した隆一が新たに作った料理に関しては、ビールの味を引き立てる「興味深い空っぽ」と評し、再び店を訪れると告げた。口は悪いが物のよし悪しを見抜く審美眼は確かで、料理の評価も的確。そのため彼の著した本も評価は高く、MAKOTOも彼のファンだと語っている。
クレジット
- 原作
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村野 真朱
- 監修
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杉村 啓
書誌情報
琥珀の夢で酔いましょう 8巻 マッグガーデン〈マッグガーデンコミックスEDENシリーズ〉
第7巻
(2024-02-14発行、 978-4800014221)
第8巻
(2024-10-11発行、 978-4800015112)