甘神さんちの縁結び

甘神さんちの縁結び

内藤マーシーの代表作。京都府を舞台に、縁結びの神社「甘神(あまがみ)神社」の巫女(みこ)である甘神夜重、甘神夕奈、甘神朝姫の三姉妹と、将来的に婿養子になることを条件に引き取られた少年上終瓜生の同居生活と恋愛模様を描いた、一つ屋根の下×巫女×三姉妹のセクシーラブコメ。神社を守るために三姉妹と瓜生が協力しながら絆(きずな)を深めていく姿が、お色気たっぷりに描かれる。講談社「週刊少年マガジン」2021年1号に読み切り版が掲載され、同誌2021年21号から連載を開始。

正式名称
甘神さんちの縁結び
ふりがな
あまがみさんちのえんむすび
作者
ジャンル
ラブコメ
レーベル
講談社コミックス(講談社)
巻数
既刊14巻
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巫女×三姉妹×一つ屋根の下の絶対正義ラブコメ

本作は京大医学部を目指す児童養護施設で育った高校生の上終瓜生と「甘神神社」の巫女(みこ)三姉妹、甘神夜重、甘神夕奈、甘神朝姫による共同生活ラブ・コメディ。それぞれ魅力的な美少女である三姉妹と、神様を信じていないことを公言する施設育ちの主人公、瓜生が結婚して婿養子となる前提から共同生活が始まる。考え方の違いや、結婚を前提とした関係性が原因で距離感を測りかねている四人が、お互いの信条を理解し、生活を共にしていく中で絆(きずな)を深めていくのが、おおまかなストーリーラインとなっている。また、作中ではループする七夕や予知夢といったファンタジーやSFっぽい要素が登場し、瓜生と三姉妹の未来を暗示したり、相互理解を深める手助けとなったりすることがある。こうした、不思議な現象が起こるストーリーテリングが神社や京都という舞台設定と合わさることで、本作の大きな魅力となっている。

魅力豊かな三姉妹との共同生活

共同生活の「お約束」であるハプニングは本作にも存在する。部屋での着替えや風呂場での不意の遭遇など、共に限られた生活空間で暮らすうえで避けられないイベントが、作中には目白押しとなっている。ほかにも、長女の甘神夜重は部屋の掃除が苦手な自由人だったり、次女の甘神夕奈は丁寧すぎるあまり朝ご飯の完成が昼になったり、三女の甘神朝姫は不器用すぎて洗濯物を干すとすべて地面に落としてしまったりと、三姉妹それぞれに個性的な欠点がある。受験生であるものの、施設育ちであるため家事全般に通じる上終瓜生は、そんな彼女たちのフォローのため、日常的に奔走している。また、神社という特殊な環境での共同生活が、巫女として神楽(かぐら)を奉納する彼女たちの神秘的な姿であったり、巫女服を着こなす姿であったりと、ふだんとはまったく異なる彼女たちの魅力を浮き彫りにしていくのに一役買っている。

婿入りを前提とした三姉妹との関係性

上終瓜生は育った施設を退去しなければいけない必要性から、甘神神社の三姉妹の誰かと結婚することを前提として共同生活をスタートさせる。当初こそ距離感のあった彼らだが、心の距離が近くなってからは瓜生の婿入りに関して、さまざまなアプローチが取られていくようになる。勉強する瓜生の後ろで行われる、彼のことが好きだという姉妹間での告白や、姉の魅力に負けたくない三女の甘神朝姫が見せた決意など、魅力的なシーンが多く存在しており、それぞれが美麗な見開きで描き出されるのが本作の特徴となっている。また、未来を暗示する予知夢において、物語の早い段階から瓜生が三姉妹の全員と結婚する姿が提示されている。このことが、瓜生が誰を選ぶのか、それとも別の選択肢もあるという、予想の楽しさにつながっている。

登場人物・キャラクター

上終 瓜生 (かみはて うりゅう)

京都の高校に通う男子。年齢は17歳。目が隠れそうな長めのショートヘアに吊(つ)り目が特徴。少々ぶっきらぼうながら、知的で落ち着いた雰囲気を漂わせている。恋愛に関してはうぶで奥手なことから、名前の「うりゅう」とかけて「うぶーさん」「ウブ」と呼ばれることもある。幼い頃に母親を病気で亡くし、親戚中をたらいまわしにされた挙句、児童養護施設「きせき園」で暮らすことになる。母親の病気が治るように日々神様に願っても叶(かな)えてもらえなかったことから、極端な現実主義者となった。その後、医師を志して日夜勉学に励み、京都大学医学部を目指している。そんな中、きせき園卒園の時期がせまり、寮母兼専属医師の姉小路舞昼の計らいによって京都の神社「甘神神社」の巫女である三姉妹、甘神夜重、甘神夕奈、甘神朝姫のいずれかの婿になることを条件に、引き取られることになる。当初は引き取ってもらったことに感謝しつつも、神様のことは信じていないため、婿になることにも消極的だった。しかし三姉妹と過ごすうちに、心境の変化が訪れることとなる。何をやらせてもそつなくこなし、甘神神社にふりかかるさまざまな難題も、持ち前の知性と勤勉さで、甘神三姉妹と協力して乗り越えていく。身長は175センチで、誕生日は1月21日。

甘神 朝姫 (あまがみ あさひ)

京都府にある「甘神神社」の三女。巫女を務める女子中学生で、年齢は14歳。一人称は「うち」で、丁寧口調で話す。淡い水色のセミロングヘアで、組み紐(ひも)の髪飾りを付けている。明るく物おじしない性格で、自分のかわいさを自覚したあざとい一面を持つ。人をからかって遊ぶのが好きな小悪魔的な美少女ながら、人一倍背伸びしている。年上の上終瓜生に対して、思わせぶりな話題を振ってどぎまぎさせて楽しんでいるが、思わぬ反撃を受けることも多い。細かい作業が苦手で、スマートフォンの入力では文末の「です」を「でふ」と打ち間違えることが多い。洗濯物を干すのも苦手で、失敗しては瓜生によく助けられている。姉妹の中では一番遊んでいるように見えるが、実は陸上部のエースで特に長距離走では数々の輝かしい成績を残しているため、「薄明の走り姫」を自称している。身長149センチで、誕生日は4月8日。血液型はO型。

甘神 夕奈 (あまがみ ゆな)

京都府にある「甘神神社」の次女。巫女を務める女子高校生で、年齢は17歳。赤茶色のロングヘアで、組み紐(ひも)で髪を結っている。男勝りな口調で話す。責任感が強く生真面目な性格ながら、ちょっとしたミスですぐに落ち込んでしまう。また、自分のわがままを主張することが苦手で、素直になれない一面がある。姉妹の中でも「甘神神社」に特別な感情を抱いており、神様への信心も人一倍強い。そのため、神様のことを信じない上終瓜生とは反りが合わないが、お互いの考えを理解しあってからは気の置けない仲となる。学業優秀で巫女の仕事もそつなくこなすが、ふだんの家事は丁寧すぎて時間が掛かりすぎるという欠点がある。また、落ち込んだ時には瓜生曰(いわ)くアホみたいな表情を浮かべて無気力になるなど、喜怒哀楽の感情表現が豊か。身長は162センチで、誕生日は7月11日。血液型はA型。好きなものは団子と猫。

甘神 夜重 (あまがみ やえ)

京都府にある「甘神神社」の長女。巫女を務める女子大学生で、年齢は20歳。黒髪のベリーロングヘアで、組み紐(ひも)を髪の一房に巻き付けてある。自由奔放な性格で、長女ながら姉妹の中で一番子供っぽいところがあるが、姉妹の中では一番スタイルがいい。芸術大学に通っており、イラストや彫刻など創作的な分野に秀でている。そのため、甘神神社のお守りなどのデザインを手掛けている。一方、自分で物事を決めるのが苦手で、自販機の前で数十分立ち尽くすこともある。また部屋の掃除も苦手で、散らかしては上終瓜生に掃除されることが日常化している。瓜生からは、目を離すとすぐにいなくなる危うさや、性格をひっくるめて「迷子」のようだと例えられている。身長は167センチで、誕生日は10月15日。血液型はB型。

書誌情報

甘神さんちの縁結び 14巻 講談社〈講談社コミックス〉

第1巻

(2021-07-16発行、 978-4065240410)

第2巻

(2021-09-17発行、 978-4065248317)

第3巻

(2021-11-17発行、 978-4065259344)

第4巻

(2022-02-17発行、 978-4065268995)

第5巻

(2022-05-17発行、 978-4065279243)

第6巻

(2022-07-15発行、 978-4065284964)

第7巻

(2022-09-16発行、 978-4065291276)

第8巻

(2022-12-16発行、 978-4065299357)

第9巻

(2023-03-16発行、 978-4065309728)

第10巻

(2023-05-17発行、 978-4065316078)

第11巻

(2023-07-14発行、 978-4065321904)

第12巻

(2023-10-17発行、 978-4065328941)

第13巻

(2023-12-15発行、 978-4065338971)

第14巻

(2024-03-15発行、 978-4065348789)

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