男旗

男旗

大阪にある愛染高校のピンホール応援団を舞台に、第60代団長雄方男旗を中心として、団員たちが熱い絆で結ばれ、互いを磨きながら男として成長してゆく熱血長編。団員たちの応援への情熱や仁義を重んじる男気あふれる姿勢を、過剰に熱く描いている。

正式名称
男旗
ふりがな
だんき
作者
ジャンル
青春
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概要・あらすじ

大阪にある愛染高校のピンホール応援団は、名門応援団としてその名を轟かせていた。新たに第60代団長に就任した雄方男旗の男気あふれる魅力に心酔した様々なタイプの猛者たちが次々と入団してくる。雄方を頂点としたピンホール応援団は、ケンカは強く正義漢だがおっちょこちょいの羽竜匠や1年生にして旗手長に抜擢された加納克臣など多彩な団員を擁し、年に一度の応援演武対決「六旗の集い」や高校野球選抜大会での応援合戦など、多くの試練に挑戦しながら、各々が応援団員として、ひとりの男として成長してゆく。

登場人物・キャラクター

雄方 男旗 (おがた だんき)

愛染高校3年生。第60代愛染高校ピンホール応援団の団長。オールバックが特徴的で凛々しい眉毛に力強い眼差しを持つ男らしい顔つき。右の眉からまぶたにかけて傷を持つ。1年生の時に団旗を24時間持ち続けて倒れず、旗手長の栄誉を勝ち取ったという伝説を持つ。男気にあふれ、団員のみならず他の生徒、教師、他校の応援団員からも尊敬を集める存在。 争いは好まないが、いざ拳を振るうととんでもなく強い。

赤尾 御幸 (あかお みゆき)

愛染高校3年生。第60代愛染高校ピンホール応援団の副団長。常にキセルをくわえている。キセルが無いととても弱くなってしまう。一見いいかげんで軟派な性格だが、胸の底には熱い応援魂があることを雄方男旗に見抜かれ、副団長に抜擢された。

鮎原 浩次郎 (あゆはら こうじろう)

愛染高校3年生。第60代愛染高校ピンホール応援団の主務。女性的な顔立ちに長髪が特徴的。応援団の活動を行なう時には長髪は学帽にしまい込む。その学帽は、かぶって応援すると必ず勝利を呼び込むという伝説の「必勝確実帽」である。鮎原は孤児だったが愛染高ピンホール応援団団長に救われ、この学帽を託されて、念願の応援団へ入団を果たした。

片桐 直哉 (かたぎり なおや)

愛染高校3年生。第60代愛染高校ピンホール応援団の統制部長。パンチパーマに、常にサングラスをかけている。非常に目つきが鋭く、他人と目が合うとすぐケンカになり荒んだ生活を送っていたが、雄方男旗に敗れ、サングラスをもらい、応援団に入団した。団員たちを一人前に仕立て上げるため、厳しい練習を連日課している。

大丸 玄児 (だいまる げんじ)

愛染高校3年生。第60代愛染高校ピンホール応援団の幹事長。団の会計管理担当。渉外として外部との交渉も務める。温厚な性格。小太りで運動オンチだが学校と生徒を愛する心は強く、その心意気が認められ応援団に入団した。

羽竜 匠 (はりゅう たくみ)

愛染高校1年生。不良中学生だったが偶然ピンホール応援団と出会い、入団を決意する。ケンカっ早くお調子者でおっちょこちょい。常に鼻の頭にバンソーコーを貼っている。俳優の松田優作を崇拝している。ダーツが得意。自らの不手際で応援団の団室を火事で焼失させてしまうが、根性で再建させ、補欠ながら入団を許可される。 大工の父親はピンホール応援団の第38代団長だった。人格は未熟でトラブルを起こすこともしばしばだが、応援団で厳しくしごかれながら成長してゆく。

加納 克臣 (かのう かつおみ)

愛染高校1年生。長い後ろ髪を束ねている。酒豪。ケンカは強く中学時代はその名を周囲に轟かせていた。中学の先輩である雄方男旗の凛々しい応援姿に憧れ、彼が所属するピンホール応援団に入団するため愛染高校へと入学した。伝説の重さ200キロもする大団旗を掲げることに成功し、1年生にして旗手長に抜擢された。

小柴 総司 (こしば そうし)

愛染高校1年生。剣道の腕が立ち、ケンカは強いが、一見すると優男ふうで線が細い。汗くさい印象のピンホール応援団からは距離をとっていたが、同級生の羽竜匠や加納克臣の奮闘ぶりを近くで見ているうちに魅力を感じ始め、入団することとなる。

新美 昆太 (にいみ こんた)

愛染高校1年生。背が低く、近眼でメガネをかけたにきびの目立つ少年。体育は不得意で内向的なガリ勉タイプだが、ひょんなことからピンホール応援団に入団することとなる。幹部たちの鋭い眼光から目をそらさず耐えるという入団試験を、近眼のおかげで状況がよくわからないまま合格してしまったのだ。 体格が劣り気も弱いので厳しい練習に人一倍苦労するが、なんとか食らいつき少しずつ成長してゆく。小さいころ身体が弱く神奈川県の親戚にあずけられていたため、大阪弁ではなく標準語を話す。

樫 慶磨 (かたぎ けいま)

海風高校3年生。海風高校全高応援団の団長。海風中学でも応援団長を務めていた、風格にあふれた男。愛染高校ピンホール応援団とは、毎年「六旗の集い」で最優秀校の座を争うライバル関係にある。

哀川 誠 (あいかわ まこと)

銀破高校3年生。応援団の団長。礼儀正しいが胸の奥には野心を秘めている。銀破高校の応援団はわずか5人だけだが、情熱は他校に劣らない。来年から合併されるため銀破高校としては最後の野球部地区予選大会にて、対戦相手である愛染高校のピンホール応援団に、お互いの大団旗を賭けた勝負を挑む。 数では圧倒的に劣るが、秘策をもってピンホール応援団を苦しめることとなる。

真野 涼胡 (まの りょうこ)

愛染高校3年生。チア・リーダー部のキャプテン。雄方男旗とは中学からの同級生。スケ番の非行少女だったが、ピンホール応援団に入団し更生した緒方から応援の素晴らしさを学び、チア・リーダー部に入って応援に情熱を注ぐようになった。緒方に密かに好意を寄せている。 妹の愛子は羽竜匠の同級生で愛染高校の1年生。

集団・組織

ピンホール応援団 (ぴんほーるおうえんだん)

『男旗』に登場する組織。愛染高校の応援団。大阪一の名門応援団と名高い。名前の由来は、団員全員が学ランの襟を止めるピンホールを付けているから。団員にとってピンホールは団の象徴であり、己を戒める大切な存在。故に、馬鹿にされたり奪われると団員は激怒する。団員は七ヶ条「団結・剛健・明朗・礼節・自律・服従・押忍」を本分とする。 心身ともに清潔でなければならず、制服・靴は黒、シャツは白、靴下は黒か白で統一という規則。正確には男子生徒限定の応援組織「リーダー部」と音楽担当の「吹奏楽部」、女子生徒限定の「チア・リーダー部」の3つの部から構成されている。

イベント・出来事

六旗の集い (ろっきのつどい)

『男旗』に登場する行事。愛染高校、海風高校、砂川高校、西大付属高校、PM学園高校、回天工業高校の六校が競い合う大会。一年に一度開催され、通算33回行なわれている伝統的行事。校歌斉唱、応援歌斉唱、応援拍手演武を行ない、審査員による点数制で最優秀校が1校選ばれる。優勝するとトロフィー・賞状及び伝統の特大学生服が授与される。 この学生服は優勝校が次回大会まで所持できる。胸には代々の優勝校のボタンが付けられている。モデルは実在する東京六大学応援団連盟主催のステージ「六旗の下に」である。

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