町田くんの世界

町田くんの世界

人間が大好きで、誰にでも優しく手を差し伸べる少年・町田一が、他人を拒絶していた少女・猪原と出会い、恋へと続く感情を育んでいく物語。

正式名称
町田くんの世界
ふりがな
まちだくんのせかい
作者
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概要・あらすじ

人間が大好きで、誰にでも優しく手を差し伸べる少年・町田一。成績も運動神経も人並み以下だが、この性格により、周囲からの信頼は厚い。ある日、周囲を拒絶して生きる少女・猪原と出会ったは、見知らぬ自分に優しくできる猪原が、なぜ周囲を拒絶しているのか気に掛かるようになる。一方、の優しさに触れた猪原は、彼に好意を抱き始めるが、孤独だが安定した日々を送っていたことが壊れることに、恐怖と戸惑いを覚えるのだった。

そんな猪原に対して、は、抱えている気持ちを「ゆっくり、いっしょに考えていこう」と告げるのだった。

登場人物・キャラクター

町田 一 (まちだ はじめ)

町田家の長男。16歳。弟が2人、妹が2人おり、弟妹たちからは非常に慕われている。現在、母が妊娠しているため、代わって料理をするようになるが、料理は卵を焼くか茹でるかしかできない。秀才に見られがちな容姿をしているが、成績は並以下。運動神経も女子と同レベル。自然と気配りができ、努力家でもあるため、能力の割りに周囲からの評価は高い。 博愛精神は強いが、恋という感情に疎い。5歳の頃は何人にもプロポーズをしていたが、このことを本人は覚えていない。その行動の根本は人を愛していることによる。その言動が独特で、相手を勘違いさせるような発言をすることがある天然の女たらし。手を切った際、保健の先生が不在だったため、偶然居合わせた猪原に手当てをしてもらい、以降、猪原のことを気にかけるようになる。 それは、人嫌いという猪原と、面識のなかった人のために手当をしてくれた猪原が、つながらないためであった。以降、猪原と親しくなっていき、彼女から告白される。

猪原 (いのはら)

町田一のクラスメイト。一が手を切って保健室を訪れた際、サボってベッドで寝ていた。人嫌いで人とのかかわりを避け、なるべく教室にいないようにしている。保健の先生が不在であったため、一の手当てをし、包帯がなかったので自分のハンカチを使って止血した。以降、一から気にかけられるようになる。 食費を浮かすためにナンパについていっているところを一に見られ、これを止められる。純粋に心配してくれた一に心を許し、様々な言葉を交わし、以降、一への気持ちが募っていった。西野亮太から告白され、そこに立ち会っていた一と3人ならと提案する。デートをした際、亮太の後押しを受け、一へ自分の気持ちを伝えた。 自分を恋の対象としてみていない一に対し、「もっとかまって」と告げたが、以降、逆に素っ気無い態度をとるようになる。誰も自分を求めていない代わりに、自分も誰も求めないというスタイルでいたが、一と接することで、その気持ちが崩れていってしまったため、自分がわからなくなりそうで怖くなっていた。 複雑に錯綜する気持ちを一に告げた際、「ゆっくり、いっしょに考えていこう」と言われ、再び一と親しく付き合うようになる。

町田 ニコ (まちだ にこ)

町田一の妹。中学二年生。人のことをよく見ており、人に対して自然と優しくできる兄のことをカッコいいと思っている。明るく活発な少女。

町田 ミツオ (まちだ みつお)

町田一の弟。いつも植木鉢の水遣りをしている。気が小さい。

町田 しおり (まちだ しおり)

町田一の妹。5歳にして彼氏がいる。

町田 けいご (まちだ けいご)

町田一の弟。くせっ毛をした美少年。乱暴なところがあり、すぐに手が出る。公園の近くに住む老人、妹尾と仲良くなり、彼の家にお邪魔してお菓子を貰っていた。けいごを介して、一たちも妹尾と仲良くなり、兄弟ぐるみで親交を深めている。

町田 六郎

町田一の弟。町田家の第六子。物語り当初は胎児であったが、2巻にて誕生。

妹尾 (せのお)

公園で町田けいごと知り合い、仲良くなってお菓子などを与えていた老人。妻に先立たれ一人暮らしをしている。弟のことを心配して訪れた町田一から信頼を得るようになる。これ以降、町田家の兄弟姉妹たちが家を訪れるようになった。一から、ひとりぐらしは寂しいかと問われ、寂しいのは愛する人がいることだ、と答えた。 陶芸が趣味であり、電子窯もあたため、一のアドバイスを受け、陶芸教室を開くようになる。

カズミ

町田一の叔母。結婚しているが子供はいない。子供をほしいと思っているが、なかなかできないことを、密かに気に病んでいる。第六子の出産を間近に控えた町田家へ手伝いにくる。弟妹が多く、母からあまりかまってもらえなかった一を気にかけ、面倒を見ていた。一は、カズミに愛情を注いでもらったため、弟妹に優しくできるようになったと感じている。

高嶋 さくら (たかしま さくら)

町田一の隣のクラスの女子。失恋したところ、一からさりげない優しさを受け、一を気にかけるようになる。ぶりっ子で男たらしと噂されているが、実は一人としか付き合ったことがなく、料理がうまくなったのもぶりっ子なのも、その男を振り向かせたくてやったことだった。失恋を忘れようとして、一に猛烈なアプローチをかけたが、そのことに一は気づいており、告白した際、本当にそれでいいのかと聞かれ、元カレが忘れられない自分の気持ちを素直に告白。 元カレと復縁した。この後、猪原と仲良くなり、相談相手を申し出る。

ひなた

町田ニコと同級生の少年。中学二年生。小学生のころ、町田一になついており、彼のことを「あにき」と呼んでいた。中学に入り、柔道をはじめ、今では一より頭ひとつも大きくなった。ニコに淡い恋心を抱いている。小学3年生のころ、ニコが中学生に絡まれている際、助けに出られなかったことを悔やみ、自然と疎遠になってしまっていた。 一と再会した夏、町田家から夏祭りに誘われ、同行。この際、ナンパされていたひなたを、一の後押しによって助けることができ、トラウマを解消する。一人っ子であったため、一のことを本当の兄だったらと思うほど慕っていた。

英子 (えいこ)

町田一の幼稚園時代の先生。幼稚園児の一からプロポーズをされた。婚活がうまくいかず、橋の上でため息をついていたところを、飛び降りるのではないかと心配した一に気にかけられ、再会。美人だが気が強いため、結婚相手が見つからず、すさんだ気持ちになっていた。一と再会したのは、2年前に期限を決め、結婚式の写真撮影の予約を入れていた日(40歳の誕生日)であったが、これを聞いた一がキャンセルするより、笑ってしまえるよう、一緒に写真を撮ろうと提案。 これに乗って、写真を撮りにいく。幼稚園児の一が発した、どうして家族と家族じゃない人がいるのかという言葉に、守れる者や愛せる人数に限りがあるから、でも、「本当はみんなを家族と思うのが一番」と話した。 これが、一の心に刻まれ、現在の一の言動につながっており、このことを聞いた英子は、心が癒されることとなった。

(さかえ)

町田一のクラスメイトの女子。うわさ好きで、高嶋さくらがぶりっ子で男たらしらしいと、一に警告した。異性として一に好意を抱いているわけではないが、一がさくらのような女に引っかかるのは阻止したいと考えている。さくらの出来事を通して、猪原と仲がよくなる。

西野 亮太 (にしの りょうた)

町田一のクラスメイトの男子。出す相手を間違えて町田一の下駄箱にラブレターを入れた。おっちょこちょいで弄られキャラなところがあり、女性からは「友達としてならいいが、恋愛対象にはならない」と言われてしまうことが多い。一に応援され、ラブレターを渡そうと思っていた相手に直接告白した。 告白した相手は猪原であり、断られそうになったが、機転を利かせて1度だけデートをしてほしいと頼む。これに対して猪原は一と3人でならと答えたため、3人でデートをすることになった。猪原の一への気持ちに気づいていた亮太は、デートの最中、猪原と2人きりになった際、猪原の恋を応援する言葉を残して立ち去った。

町田一の母 (まちだはじめのはは)

町田一の母。ふんわりとして優しい雰囲気の女性。一が身重の自分に代わって料理をし始めてくれたことをきっかけに、いろいろと仕込もうとしている。自分も結婚した手の頃は料理が下手だったが、夫の言葉に励まされてがんばって覚えた。

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