黒×羊~12人の優しい殺し屋~

記憶を失った人気俳優と、その俳優にそっくりな容姿をした謎の人物。2人の周囲で起こる数々の殺人事件と、失われた記憶の謎を探るクライムサスペンス。コナミデジタルエンタテインメントによるユーザー参加型コンテンツ『12人の優しい殺し屋』を原作とする作品群の1つだが、漫画版の設定はオリジナルのもので原作とは異なる。「月刊!スピリッツ」2009年10月号から2011年11月号にかけて連載された作品。

正式名称
黒×羊~12人の優しい殺し屋~
ふりがな
くろ ひつじ じゅうににんのやさしいころしや
作者
ジャンル
サスペンス
レーベル
ビッグコミックス(小学館)
巻数
全8巻完結
関連商品
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あらすじ

第1巻

表向きは人気若手俳優、裏では殺し屋として活動する角坂翔は、2年前に飛行機事故に遭って以来、事故に遭うまでの記憶をなくしたまま生活している。事情を知る者からは、記憶喪失になるまでとは別人のようだと言われつつも、順調に活動を続ける翔だったが、その裏では、翔にそっくりな容姿をした謎の男性が暗躍していた。謎の男性はから指示を受け、極悪人を次々と殺害していたのだった。そんなある日、翔は芸能人の集まるパーティに参加する。そこで翔が、謎の男性の次のターゲットである金剛丈仁と、そのマネージャーの征真依と知り合った事で、翔と謎の人物の人生は交差し始める。

第2巻

俳優、金剛丈仁のマネージャーとして働く征真依は、母親の征晴依から、丈仁には近づくなと忠告されていたにもかかわらず、丈仁の自宅に招かれてしまった。丈仁が真依の亡くなった兄、征眩晴の死の真相を知っていると聞き、眩晴の死を引きずる真依は、居ても立ってもいられなかったのである。しかし丈仁の目的は、真依を強姦する事であった。真依はそこに現れた角坂翔にそっくりな謎の男性により救出されるが、翌日何者かに丈仁が殺害され、さらに入院中の晴依も亡くなった事を知るのだった。それからすぐ、翔は新作映画の公開を控え、新たに真依を専属マネージャーに迎える事になった。そんな折、翔と、翔と以前共演したアイドルタレントの姫沼千佳が交際しているという、根も葉もないスキャンダルが出る。困惑する翔のもとに千佳が抗議に現れるが、それは千佳の仕掛けた罠であった。千佳は、自分の代わりに千佳に扮した妹の姫沼万希をけしかけて、記者にさらなるスキャンダル現場を撮影させようとしていたのである。それを見抜いた翔は万希を追い出すが、その一部始終が撮影され、誇張して報道されてしまうのだった。

第3巻

姫沼万希は、姉の姫沼千佳 に扮して角坂翔の前に現れ、翔を騙そうとした自らの行いを、深く反省していた。しかし、そんな万希のもとに翔が現れ、万希をデートに誘う。そして翔は、2年前に飛行機事故により自分が記憶喪失になってしまった事、会いに来た日に万希がした指摘通り、その頃から自分の演技が変わってしまった事を語るのであった。一方その頃、千佳は千佳の過去をネタにゆすりを続ける鳥屋野草兵を殺害するため、薬物が大量に入った酒を用意していた。千佳はそれを万希に運ばせ、飲ませる事で草兵を殺し、万希に罪をなすり付けようとしていたのである。何も知らない万希は、仕方なく千佳の命令に従い、草兵に会いに行くが、酒に酔った草兵とその仲間に集団強姦されそうになる。しかし、そこに助けに入ったのは、翔にそっくりな謎の若い女性であった。草兵に酒を渡した事により、一時は容疑をかけられる万希であったが、その直後、千佳が遺書を残して自殺した事により疑いは晴れる。そして万希は、千佳が草兵にゆすられていた事を知るのであった。

第4巻

姫沼千佳の自殺により、千佳の恋人と噂されていた角坂翔は、マスコミからのバッシングを受けていた。一方、警視庁捜査1課の阿佐森良章は、姫沼万希の証言から、姫沼姉妹と翔には深い関係があり、万希を助けた謎の女性とは、女装した翔の事ではないかと考えるが、証拠はつかめずにいた。その直後、翔の新作撮影現場に、かつて翔と親しくしていた女優の久里満璃子がやって来る。翔は満璃子の事をまるで思い出せず困惑するが、満璃子もまた、親しくしていた頃とはまるで違う様子の翔に驚く。そして、やがて満璃子は、自分の知る翔と、現在の翔は、本当は別人なのではと考えるようになるのであった。一方その頃、良章は街で偶然、翔にそっくりな謎の女性と出会う。彼女こそが万希を助けた女性ではと考える良章だったが、彼女にははぐらかされる。さらにそのすぐ近くで、良章は謎の女性に殺されたと思われる死体を発見するのであった。

第5巻

阿佐森良章は、角坂翔が、姫沼千佳の件をはじめとする数々の事件にかかわっていると考え、ついに翔を警察に呼び出す。翔の発言から、とうとう関与の証拠を握りかける良章であったが、そこになぜか係長の対馬剣司が現れ、良章はまるで剣司に妨害されるような形で取り調べを終了させられてしまう。一方その頃、久里来也久里満璃子同様、翔が自分の知る翔とは別人と考え、満璃子にも秘密で翔を尾行していた。しかしそれはすぐさま翔に見つかり、さらに付近で起きた殺人の現場を目撃した来也は、翔にそっくりな謎の男性に頭を撃たれてしまう。来也は命を取り留めたものの意識不明の重体となり、ショックを受けた満璃子は、現在の翔について本格的に調べるため、探偵事務所に依頼をする。しかし後日、探偵の青戸康則からの調査報告を受けるため満璃子が事務所に向かっている最中、康則は突如現れた斑鳩公平によって殺害されてしまうのであった。

第6巻

角坂翔は、醍醐小太郎から久里満璃子が危機に陥っている事を知らされ、青戸探偵事務所に向かっていた。翔は満璃子を殺そうとしていた斑鳩公平から満璃子を救出し、ケガをした彼女を病院に運ぶ。公平は逃げ出すが、そこに現れた翔にそっくりな謎の男性により殺害される。阿佐森良章ら警視庁捜査1課は、姫沼千佳の事件と久里来也の事件、そして今回の公平の事件には関連性があると判断し、良章は入院中の満璃子に話を聞きに行く事にする。しかし満璃子は、翔が事件に関与していると確信しながらも、警察には協力せず沈黙を貫くのだった。一方その頃、美神蝶子から翔の見張りを命じられた小太郎が翔の自宅へ訪れるが、その帰り道に翔にそっくりな謎の女性を目撃する。その直後、小太郎から呼び出しを受けた翔は、そこに翔の代わりに現れた蝶子と出会う。蝶子は自らの使う術でマインドコントロールを行い、翔の記憶を改ざんしようとする。これまでも翔は忘れてしまっていただけで、蝶子に何度も記憶操作されていたのである。蝶子の術中にはまりかける翔であったが、そこに突如現れた翔にそっくりな謎の男性により、蝶子が射殺される。困惑する翔に、男性は自分は翔の影であると語り、その場を去るのであった。

第7巻

角坂翔は、突如現れた自分にそっくりな男性の存在と、これまでずっと美神蝶子により記憶を改ざんされていた事に強いショックを受け、混乱していた。衝動的に翔は、退院したばかりの久里満璃子の自宅へ向かい、これまで満璃子とのあいだに生じていたすべての誤解を解き、結ばれる。これにより満璃子も、自分の周囲には、翔の他に翔にそっくりな人物がおり、翔はそれにより苦しんでいるらしいと悟るのだった。一方その頃、警視庁捜査1課の鳰路竜太朗は、自分達の上司である対馬剣司が警察を裏切り、何者かをかばうために行動していると確信する。竜太朗はもう一度満璃子に話を聞くために満璃子の自宅を訪れるが、そこに現れた翔にそっくりな謎の男性により射殺される。そして謎の男性は満璃子を拘束し、翔へ、満璃子を助けたければ自分のところへ来いと誘う。しかし翔が満璃子の自宅に到着した頃には2人の姿は消えており、翔は竜太朗を案じて満璃子の自宅に訪れた阿佐森良章と遭遇する。そこで良章は竜太朗の死を知り、そして、これまで翔に対して感じていた違和感の正体に気づくのであった。

第8巻

これまで角坂翔の周辺で起きた数々の殺人事件の犯人は、翔ではなく、翔の双子の弟の穂村耀であった。耀は幼い頃に眞宮陽が率いる殺し屋の組織に誘拐されて以来、ずっと殺し屋として活動していた。本来ならば組織と無関係であった翔は、2年前の飛行機事故を機に耀のダミーとして利用されるようになり、美神蝶子に術をかけられ、耀の犯した殺人を自分の犯行だと思い込まされていたのである。対馬剣司は組織の一員としてそのすべてを知っており、これまで耀をサポートしていたが、体調を崩した陽の回復はもう困難な事、組織の瓦解が近い事を悟り、組織が生み出した怪物である耀を、せめて自分の手で殺そうと耀のもとを訪れる。しかし耀はそれを返り討ちにし、また、それがきっかけで記憶を取り戻す。これまで耀は、翔だけが蝶子に記憶を改ざんされていると考えていたが、実際は自分も術にかけられ、噓の記憶を刷り込まれていたのである。諸悪の根源は陽であると感じた耀は陽の屋敷へ向かうが、そこに翔が現れ、2人の戦いが始まる。そこに陽が登場し、耀を撃って屋敷に火を放つが、耀は陽を倒し、翔は耀と離れ離れになったまま、駆けつけた阿佐森良章により救出されるのだった。そこで翔は、良章から衝撃の事実を知らされる。耀は蝶子にかけられた術によりずっと自分を男性だと思い込んでいたが、実際は女性で、翔の双子の弟ではなく妹であった。つまり耀の女装した姿と思われた、翔にそっくりな謎の女性こそ、耀の本来の姿だったのである。そして2年後。翔は銃の不法所持と警察官業務執行妨害の罪には問われたものの、殺人には一切関与していないと実証され、俳優として復帰できる事になった。耀の安否は依然不明なままだったが、もしかしたらどこかで耀が生きているかもしれないと希望を抱きながら、翔は新作の撮影に励むのであった。

登場人物・キャラクター

主人公

人気の若手男性俳優。芸能事務所「叢芸(そうげい)」に所属している。年齢は22歳。前髪を目が隠れそうなほど伸ばした茶色のウルフカットにしている。両親の離婚により生き別れた双子の妹の穂村耀がいるが、角坂翔... 関連ページ:角坂 翔

穂村 耀 (ほむら よう)

角坂翔の双子の妹。眞宮陽率いる地下組織の一員の殺し屋を務める女性。年齢は22歳。美神蝶子の術により自身を男性と思い込まされ、男性として暮らしていたが、実際は女性である。組織において、主に殺しを行うものとして「殺人星(アナレタ)」とも呼ばれている。髪型は前髪を目が隠れそうなほど伸ばし、胸の下まで伸ばした巻き髪ロングヘアで、スタイル抜群で胸が大きい。 1987年4月2日にアメリカのシアトルで生まれるが、両親は在来日本人であるため、耀もハーフやクォーターではなく、純粋な日本人。3歳の頃に両親が離婚し、父親について日本へ帰国する。その後は祖母のもとで養育されていたため、祖母のものである「穂村」姓となる。しかし8歳の時に誘拐され、陽のもとへ連れてこられた。 だが、実際に陽が占いにより、殺し屋として育てるのに的確と判断して、狙っていたのは翔の方であり、耀は取り違えられて誘拐されている。その後、組織の一員として殺し屋となり、ナオキと共に依頼をこなすうちに恋人になった。しかし、2年前、何に変えても耀を幸せにしたいと考えるナオキにより、実は穂村耀には双子の兄がおり、俳優として活躍している事を知らされる。 そしてナオキの手配で、ニュージーランド行きの飛行機内で翔と再会するが、その直後、飛行機が墜落。墜落事故を起こした張本人であり、翔と耀を入れ替え、耀に翔としての新たな人生を送らせようとするナオキにより、翔が殺されかける。しかし、それを止めるため、耀はナオキを殺害してしまう。 その後は事態を知った組織により記憶を改ざんされ、ナオキの記憶を消され、ナオキではなく、対馬剣司が自分のそばにいたのだと思い込まされていた。しかし耀自身はそれを知らず、蝶子が記憶操作を行ったのは翔だけだと考えていた。殺し屋としての腕は一流で、基本的には対象を無感情に、効率よく殺害する。 しかし、自分が憎み、報復が必要であると判断した相手に対しては、過剰なまでの暴力をふるい、苦しめたうえで殺害する。また、変装の達人で、瞬時に別人に成り代わる事ができる。さらに自身を男性と思い込んでいたため、翔にそっくりな姿で行動する事が多い。

久里 満璃子 (くり まりこ)

かつて角坂翔と親しくしていた若手女優。久里来也の姉でもある。前髪を目の上で切ったショートカットヘアにしている。「くりまりこ」という名前から、どこまでが苗字で、どこからが名前かわかりにくいため、翔からは「リマリコちゃん」「クマリコちゃん」などと呼ばれる事もある。明るく心優しい性格の持ち主。翔とは、とあるパーティで知り合い、二度ほど共演したのち、来也も交えて友人として親しく付き合うようになる。 しかし2年前のある日、どこか様子のおかしい翔から、海外旅行に行くという話を聞いた直後、1か月以上音信不通になってしまう。そのため翔を非常に案じており、何度も連絡を取ろうとしていた。そしてある日、とうとう翔と連絡が付いたものの、別人のように冷たくなった翔の態度に驚き、深く傷つく。 それ以来、翔とは接触しないようにしていたが、2年後のある日、不祥事を起こした女優の代役として訪れた現場で、翔と共演する事になる。そして共演を始めてすぐに、翔が昔とはまるで別人である事を見抜き、不審感を覚える。やがて同様に不審に思っていた来也が、翔を尾行した事により何者かに撃たれて重傷を負い、意識不明となったのを機に、探偵事務所に翔の調査を依頼。 そこを斑鳩公平に襲われた事により、翔に関する真相を知っていく。翔のみならず、穂村耀とも何度も遭遇するが、2人の違いを感覚的に察している。そのため殺人を犯しているのは耀であり、翔は無実であると信じている。かつて翔からプレゼントされた小さなクマのぬいぐるみを、今でも大切にしている。

久里 来也 (くり らいや)

久里満璃子の弟。あだ名は「来」。前髪を真ん中で分けて額を全開にし、髪全体を後ろに流したウルフカットにしている。長身でがっしりとした体型をしており、腕っぷしが強い。満璃子とは実の姉弟だが、満璃子に対して非常に心配症で、過干渉気味な事から、周囲からはシスターコンプレックス扱いされている。角坂翔とは、2年前翔が記憶喪失になるまでは、満璃子と3人で友人として親しく付き合っていた。 しかし、2年前のある日、翔が満璃子に海外旅行へ行くと告げて以来音信不通になり、連絡が取れた後は別人のように冷たくなってしまった事に、強い怒りと違和感を感じている。そのため、2年後に満璃子が撮影現場で翔と再会したあとも、翔を快く思っていなかった。だが、自身も翔と再会したのを機に、満璃子と同様、翔が自分達の知る翔とは別人に変わってしまっているのではと考えるようになる。 そのためある日、翔を尾行するが、それは翔ではなく穂村耀であり、さらに耀が犯した殺人現場を目撃してしまったために、口封じとして頭を銃で撃たれ、意識不明の状態になる。その後、長らく目を覚まさずにいたが、すべての事件が解決し、翔と満璃子が結ばれ、さらに満璃子が妊娠したあとに目を覚ました。 酒は苦手で飲めない。

阿佐森 良章 (あさもり よしあき)

巡査部長の若い男性。警視庁捜査1課に所属している。前髪を左側は眉上で短く切り、右側は上げて額を見せた、ツンツンのショートカットヘアにしている。あだ名は「アサ」「アサやん」。まじめで仕事熱心な性格で、非常に勘がいい。そのため角坂翔と出会ってすぐに、翔が多数の事件に関与しているのではと考えるようになる。その後、調査を続けるうち、穂村耀の存在を知り、翔と耀に関する真実にたどり着く。

鳰路 竜太朗

巡査部長の若い男性。阿佐森良章の上司で、警視庁捜査1課に所属している。前髪を眉上で短く切ったベリーショートカットヘアにしている。良章とは親しく、良章の勘のよさを信頼していた。そのため角坂翔の周辺で起こる殺人事件と翔には深い関連があるという良章の主張を支持し、サポートしていた。しかし、その過程で上司である対馬剣司が、警察を裏切って、一連の事件の犯人をかばっている事に気づいてしまう。 その直後、事件の重要参考人である久里満璃子の自宅へ話を聞きに行った際、突如現れた穂村耀によって殺害された。しかし、剣司の裏切りに関するものなど重要な情報を握っており、別の刑事に預けるという形で良章に手がかりを残す。愛煙家で、路上喫煙禁止の場所でも煙草を吸っていた。

対馬 剣司 (つしま けんじ)

警視庁捜査1課の係長を務める中年の男性。阿佐森良章の上司でもある。その正体は、眞宮陽率いる地下組織の一員。角刈りヘアにがっしりとした体型の、強面の容姿をしている。穂村耀のサポートを行っており、耀が犯した殺人事件の捜査の妨害や、殺人ではなく自殺と断定するといった事を行っている。耀の事は、耀が組織にやって来てから面倒を見ており、耀という怪物を生み出してしまった事に責任を感じている。 そのため、陽が体調を崩し、組織の崩壊が近づいてる事を察した段階で、耀の殺害を決意。しかし、返り討ちに遭って重傷を負った。その際、耀を止めるために自身の罪を認め、良章に真実を話した。

眞宮 陽 (じんぐう あきら)

正義の名のもとに、極悪人を殺害する活動を行っている地下組織のボス。前髪を目の上で切りそろえて真ん中で分け、腰まで伸ばしたストレートロングヘアをした、年齢不詳の男性。依頼を受けて組織の人間を派遣し、多額の報酬と引き換えに、対象を殺害するという活動を行っている。しかし、実際は義憤と私怨を取り違えており、法で裁かれる前に私刑をしているに過ぎない。 自らを特別な存在だと思っており、人間を支配し、裁く側の存在だと思っている。そのため、永遠の命を手に入れるために朔をはじめとする自らのクローンを何体も作り、現在の身体に限界が来たら、手術を行い、クローンの身体に自身の精神を移して延命を図ろうとしている。

(はじめ)

眞宮陽が作り出した、陽のクローンの1人。クローンであるため、仲間には同じ容姿の少年が多数おり、さらに名前もみな「朔」と書いて「わたる」「ながむ」といった違う読み方の名が付いている。女性の服装を好み、つねに女装して現れる事から、角坂翔からは「お嬢ちゃん」と呼ばれている。前髪を目の上で切り、腰まで伸ばしたストレートロングヘアをし、ゴシックロリータ風の服装を好む。 陽の代理として耀、あるいは翔の前に現れては、依頼し、指示をする。最終的には陽の新たな肉体に選ばれ、手術をして肉体を陽に与える形で死亡した。

醍醐 小太郎 (だいご こたろう)

眞宮陽率いる地下組織の一員。ナイフを扱う殺し屋の若い男性。表向きはホストとして働いており、「美童貴史」の源氏名で新宿歌舞伎町にあるホストクラブ「OVER LORD」では、不動のNo.1ホストとして名高い。前髪を目が隠れそうなほど伸ばした金色のウルフカットにしている。お金と名声を愛する、明るく現金な性格だが、客に対しては非常に誠実。 大口顧客にも、月に数万円しか支払わない客にも同様に接し、彼女達の望みを叶えるために真摯に接客している。また、仕事と無関係であっても女性全般を非常に大切に思っており、たとえば組織の方針であっても、無実の女性を殺害する事には反対している。そのため、美神蝶子が久里満璃子を殺害しようとしているのに気づき、さりげなく妨害したり、角坂翔に情報を与えたりして助けていた。 穂村耀に惹かれており、組織の崩壊後、実は生きていた耀を発見する。そして耀の罪を共に背負うためにいっしょに生きる決意をし、共に海外へ渡った。

美神 蝶子 (みかみ ちょうこ)

眞宮陽率いる地下組織の一員。占い師の年齢不詳の女性。前髪を目の上で切りそろえ、胸の高さまで伸ばした金髪のストレートロングヘアにしている。左目を囲むように大きな蝶の入れ墨を入れており、胸が大きい。現在は派手で露出度の高い服装を好むが、かつては別人のように暗く地味な雰囲気であった。表向きは雑誌で占いなどをしているが、催眠術を使用したマインドコントロールを得意とし、対象の人物の記憶を歪めたり、作り替えたりという方法で、事実とは違う偽りの記憶を刷り込む事ができる。 そのため、角坂翔と穂村耀にも術をかけ、翔には耀の記憶を自分のものだと思い込ませたり、耀のナオキに関する記憶を奪ったりしていた。90年代、陽のもとへやって来る前は、カルト教団の幹部を務め、そこで主に催眠術を使用したマインドコントロールを実践していた。 しかし21世紀初頭に教団が解散し、その後占星術に傾倒するようになった。

斑鳩 公平 (いかるが こうへい)

眞宮陽率いる地下組織の一員。殺し屋の若い男性。表向きは撮影メイクアップアーティストとして働いており、久里満璃子とは撮影所で会った事もある。前髪を真ん中で分けて目の上で切りそろえ、胸の下まで伸ばしたストレートロングヘアをポニーテールにしている。一見穏やかで女性的な雰囲気だが、実際は非常に残忍な性格。ある日美神蝶子の命令で、満璃子と、満璃子に翔についての調査を依頼された青戸康則を殺しに、青戸探偵事務所までやって来る。 到着後、すぐさま康則を殺害し、満璃子も殺そうとするが、そこに現れた翔によって撃退される。その後、夜の公園まで逃走するが、最終的には穂村耀に激しい暴行を受けたのちに殺された。

ナオキ

眞宮陽率いる地下組織の一員。殺し屋の若い男性。穂村耀の恋人だったが、2年前に亡くなっている。前髪を目が隠れそうなほど伸ばし、肩につくほどまで伸ばした外はねセミロングヘアにしている。耀が角坂翔と間違えられて誘拐され、組織で殺し屋として育てられるようになってからずっとそばで支え、共に依頼をこなしてきた。そのため耀を誰よりも大切に思っており、どうにかして耀を明るく平和な世界で生きられるようにしたいと考えていた。 そこで、2年前、翔に、耀に会わせるという名目で偽造パスポートを渡して耀と同じ飛行機に乗せ、飛行機事故に見せかけて乗客と翔を殺害し、翔と耀を入れ替えるという方法を思いつく。しかし飛行機が墜落し、翔を殺す直前で耀に止められ、耀の手で殺害された。

楠船 義哉

角坂翔のマネージャーを務める若い男性。芸能事務所「叢芸(そうげい)」で働いている。前髪を上げて額を全開にし、胸まで伸ばして細く巻いたパーマヘアを1つにまとめた髪型に眼鏡をかけている。目が細く、いつも目を瞑(つぶ)っているように見える。生真面目で落ち着いた性格だが、自由奔放ですぐに連絡がつかなくなる翔には手を焼いており、振り回される事が多い。 実はマイケル・ジャクソンのファンで、髪型もマイケルに似せている。

征 真依 (ゆき さなえ)

角坂翔の専属マネージャーを務める女性。芸能事務所「叢芸(そうげい)」で働いている。年齢は24歳。15年前に亡くなった若手俳優の征眩晴の妹で、征晴依の娘でもある。自身もかつては「由岐さなえ」の芸名で、ファッション雑誌のモデルやグラビアアイドルとして活動していた。前髪を右寄りの位置で斜めに分け、胸まで伸ばしたストレートロングヘアをポニーテールにしてまとめ、眼鏡をかけている。 その後、髪を切ってショートカットヘアに変える。身長173センチの長身に大きな胸という、抜群のスタイルを持つ。まじめで物静かな性格の持ち主。芸能活動をやめたあとは、芸能事務所で、眩晴の友人でもあった金剛丈仁の専属マネージャーとして働いていた。しかしある日、亡くなったはずの眩晴が突如現れたのを境に、丈仁殺害事件に巻き込まれる。 芸能活動をしていた頃に関しては、真依自身は、あまり人気が出なかったと考えている。しかし、18歳の頃に出版した写真集「蜜」は非常に人気があり、翔に写真集の事でからかわれる事もある。1984年9月18日生まれで、出身地は神奈川県。芸能活動をしていた頃は、高身長すぎると人気が出づらいという理由から、3センチ低く鯖を読んで170センチとしていた。

アヤ

連続保険金殺人犯、端塚融の婚約者の若い女性。前髪を目の上で切り、胸が隠れるほど伸ばした巻き髪ロングヘアにしている。一回り以上年上の男性を好み、極端に年上の男性とばかり交際してきた。しかし男性運が非常に悪く、過去の交際相手には暴力を振るわれたりと不幸な目にばかり遭っている。ある時から融と交際を始め、今度こそ幸せになれると考え、友人に融を紹介する。 だが友人の正体は、アヤの友人に扮し、融の殺害計画を立てていた穂村耀であった。最後までそれを気づく事がないまま、融の死を知る事になる。

端塚 融 (はしづか とおる)

連続保険金殺人犯の男性。年齢は39歳。前髪を上げて額を全開にし、撫でつけ髪にしている。たれ目で三白眼。一見のんびりした雰囲気だが、実はこれまでに4人の女性と結婚し、その全員に多額の生命保険金をかけ、事故や病死に見せかけて殺害した極悪人。現在はアヤをターゲットにしており、婚約までしていたが、眞宮陽から依頼を受けた穂村耀によって殺害された。

金剛 丈仁 (こんごう たけひと)

俳優として活躍する若い男性。15年前に亡くなった若手俳優、征眩晴の友人でもあり、眩晴の妹である征真依とは、自身が死亡するまでは、芸能人とその専属マネージャーの関係であった。目が隠れそうなほど伸ばし、真ん中で分けて右に向かって流した前髪に、肩につくほどまで伸ばしたウルフカットにしている。眩晴とは親しく、演じる役柄の傾向も似ていた事から、眩晴が亡くなるまではライバル関係でもあった。 しかし、2人がオーディション等で競うと金剛丈仁が敗北する事が多く、そのため眩晴が交通事故で亡くなった際には、丈仁が関与を疑われる事もあった。そして、実際に眩晴の死亡事故の犯人でもあり、眩晴に細工を施した自身の車を貸し、交通事故に合わせるという方法で殺害した。 これについて、眩晴の母親である征晴依には見抜かれており、晴依の依頼によって現れた穂村耀に殺害された。角坂翔とは、2年半前に映画「炎上・本能寺」で共演しており、翔の事を、生意気で恐れ知らずの将来有望な俳優だと思っていた。

征 眩晴 (ゆき くれはる)

15年前に亡くなった俳優の若い男性。征真依の兄で、征晴依の息子。金剛丈仁とは俳優仲間としても、友人としても親しかった。前髪を上げて額を全開にして撫でつけ髪にした、がっしりとした体形で、強面の容姿をしている。しかし公正で心優しい性格で、真依に非常に慕われていた。俳優としてはアクションや極道物を中心に活躍しており、15年前、主演映画で日本アカデミー賞を受賞する。 それがきっかけで大作シリーズ映画に主演が決定するが、その直後、丈仁から借りた車を運転中に事故に遭って亡くなった。

征 晴依 (ゆき はるえ)

征眩晴と征真依の母親。前髪を目の上で切って真ん中で分け、胸に届くほどまで伸ばしたストレートロングヘアを1つにまとめている。病気でT京医科大学病院に入院しており、自らの命がもう長くない事を自覚している。さらに眩晴は交通事故で亡くなったのではなく、金剛丈仁に殺された事を知っていたが、時効により法では丈仁を裁けなくなった事に強い怒りを感じていた。 そのため穂村耀に依頼し、自らの生命保険金を報酬に丈仁を殺させる。また、ほぼ同じタイミングで、自身も亡くなった。

姫沼 千佳 (ひめぬま ちか)

アイドルタレントの女性。公称は19歳だが、実際は22歳。妹で20歳の姫沼万希より年下という複雑な状態となっている。前髪を目の上で切り、胸まで伸ばした巻き髪ロングヘアをハーフアップにしている。3年前、当時の恋人である鳥屋野岳と大麻を吸ってセックスしたところを岳に撮影され、その動画データをネタに脅迫されるようになる。 その後、岳のゆすりと暴力に耐えかねて、酒の中に大量の薬物を混ぜ、岳を殺害した。しかし、今度は岳の遺品から動画データを発見した、岳の兄の鳥屋野草兵にゆすられるようになってしまう。そのため、万希を利用して、同様の手口で草兵とその仲間3人も殺害した。その直後にすべてを見抜いた穂村耀により自身も殺害されるが、耀が遺書を偽造した事により、自殺として世間に発表された。 角坂翔とは1年前「君だけに月は輝く」で共演しているが、メインキャストの翔と、端役の姫沼千佳というかかわりの薄い配役であったため、翔はそれを覚えていなかった。

姫沼 万希 (ひめぬま まき)

姫沼千佳の妹。津土塾(つどじゅく)大学に通っている。年齢は20歳。千佳の公称が19歳であるため、姫沼万希の方が姉であると誤解されやすいが、実際は万希が千佳の2歳年下。前髪を目の上で切りそろえ、顎の高さで切りそろえたボブヘアに眼鏡をかけている。地味なファッションと眼鏡のために、周囲から目立たない女性と思われている。 しかし眼鏡をはずし、かつらをかぶると、千佳と見分けがつかないほど変貌する。ある日、千佳が角坂翔とのスキャンダルを捏造するのに利用され、千佳の命令で千佳に扮して翔のもとに現れる。そのまま翔の自宅に招かれるが、実は翔の熱心なファンであったために、翔の演技が2年前から変わった事を指摘してしまう。それを理由に追い出されるが、その後、詫びに来た翔と出かけた際に、万希の指摘は事実であり、2年前に飛行機事故に遭って記憶喪失になったのを機に、演技が変質した事を打ち明けられて驚く。 その後は翔ともう会う事もないと思って生活していたが、またも千佳に利用され、鳥屋野草兵に薬物の入った酒を渡すように命じられる。しぶしぶ従ったところを、草兵とその仲間に集団強姦されかけるが、そこを翔にそっくりな謎の女性に助けられ、事なきを得た。 しかし、それからすぐに草兵達が薬物中毒で死亡したため、一時は4人の殺害容疑をかけられてしまう。だが、それからすぐに千佳が4人を殺害した事を認める内容の遺書を残して自殺した事で、容疑は晴れた。

鳥屋野 岳 (とやの がく)

姫沼千佳の元恋人で故人。鳥屋野草兵の弟でもある。前髪を左寄りの位置で斜めに分けた短めのウルフカットにしている。もともとは千佳と同じ芸能事務所に所属するタレントだったが、3年前、薬物スキャンダルで芸能界を引退する。しかし、その後も事務所で千佳との交際を続けており、ある日、千佳に大麻を吸いながらのセックスを提案する。 そしてその光景を撮影し、動画データをネタに千佳を脅し、暴力を振るうようになる。やがて耐えかねた千佳によって、薬物が大量に入った酒を飲まされ、殺害された。

鳥屋野 草兵 (とやの そうへい)

鳥屋野岳の兄。前髪を上げて額を全開にしたドレッドヘアにしている。目の下に大きなクマがあり、口にピアスを開けている。岳の死亡後、遺品から偶然、岳と姫沼千佳が大麻を吸いながらセックスしている動画データを発見する。以来、それをネタに千佳を脅していた。しかし、耐えかねた千佳が用意した、薬物が大量に入った酒を飲まされ、仲間と共に殺害された。

青戸 康則

青戸探偵事務所で探偵として働く壮年の男性。前髪を上げて額を全開にし、顎の高さまで伸ばした後ろ下がりのボブヘア全体を、後ろに流した髪型をしている。顎髭を伸ばし、三白眼の目が細く、いつも笑っているように見える。久里満璃子から依頼を受けて、角坂翔について調査していた。芸能人である満璃子から高額な調査料をせびろうとしていたが、調査報告をする前に斑鳩公平に襲われ、死亡した。

書誌情報

黒×羊 全8巻 小学館〈ビッグコミックス〉 完結

第1巻

(2009年10月30日発行、 978-4091827555)

第2巻

(2010年2月27日発行、 978-4091830395)

第3巻

(2010年5月28日発行、 978-4091832382)

第4巻

(2010年8月30日発行、 978-4091833846)

第5巻

(2010年11月30日発行、 978-4091835796)

第6巻

(2011年2月26日発行、 978-4091836502)

第7巻

(2011年7月29日発行、 978-4091840103)

第8巻

(2011年10月28日発行、 978-4091841247)

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