概要・あらすじ
山形県の山村で暮らす少年、藤原良はある日、白い秋田犬と出会う。喧嘩で助けてもらったこともあり、良はその犬を飼おうとするが、逃げられてしまう。時を同じくして、良の住む村は野犬の群れによる被害を受けており、村人たちは駆除のために山へと向かう。子犬のことを心配した良は、大人たちの後を追って山に行き、そこで子犬が野犬のボスで過去に闘犬の横綱として名を馳せた名犬の吹雪の子であることを知る。
人を殺したとして危険視された吹雪の子であるために、その存在を危惧する声もあったが、良が責任を持って育てるということで、子犬は正式に良の飼い犬となり、ヤマトという名前を授けられた。その後、良は知人の提案に従いヤマトを闘犬にすることを決意。
闘犬師の東三郎のもとで訓練を積んだヤマトは、闘犬としての才能を瞬く間に開花させていく。ヤマトと良は、宿敵の立花親子との長い戦いや、新たな友人たちとの交流を通して成長していき、闘犬の横綱を目指して奮闘していくのだった。
登場人物・キャラクター
ヤマト
秋田犬ながらも闘犬の横綱になったことがある名犬の吹雪を父親に持つ子犬。村人によって野犬狩りにあった後、少年の藤原良によって飼われ、その後、闘犬の世界へと進んでいく。身軽な体から繰り出す空中戦を得意としており、また相手の必殺技をすぐに習得してしまう学習能力の高さも強みの一つ。 正義感が強く情に厚い性格であり、時には感情のみで動いてしまうことも。良のことは心から慕っており、仲が非常に良い。名前は戦艦「大和」から取られている。必殺技は、吹雪の持ち技であり、彼の元飼い主の竹内善吉から教わった、相手の顎を突進で破壊するジョークラッシュ。
藤原 良 (ふじわら りょう)
ヤマトの飼い主である少年。明るく元気で、ややお調子者の気がある。ある日、上級生と喧嘩をしていた時にヤマトに助けられ、その後、ヤマトの父親の吹雪が殺されたのを機に彼を正式に飼うことになる。ヤマトとの信頼関係は非常に厚く、彼の戦いを常に側で見守っている。喧嘩っ早いが、一度敵対した相手でもすぐに友達になってしまうほど高い社交性を持っている。
吹雪 (ふぶき)
ヤマトの父親である秋田犬。かつて横綱にまで上り詰めた闘犬。しかし、飼い主の 竹田善吉に彼の孫娘を殺したと勘違いされて激しく打ち据えられてしまい、その後は野良犬のボスとして山に君臨していた。最後は村人たちからの野犬狩りに遭い、ヤマトの前で撃ち殺される。
立花 年男 (たちばな としお)
山形闘犬会の実力者である父親を持つ少年。勝つためには手段を選ばず、次から次へと持ち犬を取り換える、ヤマトと藤原良の宿敵とも言える存在。特にヤマトのことを敵視しており、彼を潰す為に父親と組んで様々な作戦を画策する。
石垣 子助 (いしがき こすけ)
ブルドックの闘犬ジャンボの飼い主であり、藤原良の親友でもある少年。お調子者であり、屈託のない性格。東京出身だが、全国を回って修行をしている時にヤマトと良に出会う。短気で自信過剰なところが弱点。
ジャンボ
ヤマトの戦友とも言えるブルドックの闘犬。豚と間違えられるほどの肥満体系だが、実力は折り紙つきであり、力だけでなく器用さも持ち合わせている。飼い主の石垣子助に似てお調子者であり、芸達者。その後、野犬の群れに襲われて片目と片足を失うものの、義足と眼帯を付けて闘犬に復帰する。 得意技は相手の肉球に噛みつくまんじゅう潰し。
ハヤテ
ヤマトの実兄である秋田犬。猟師の息子、冬木憲一に狩猟犬として飼われており、口に咥えた苦無を武器に熊に立ち向かうほどの実力者。その後、ヤマトとの戦いを経て闘犬へ歩みを進めることになる。狩りと闘犬では必要とされる資質が異なっているために最初は苦戦するが、ヤマトに欠けている闘争心はかなり強く、場合によってはヤマト以上の実力者になるのではと期待されている。
冬木 憲一 (ふゆき けんいち)
猟師の息子であり、ハヤテの飼い主。山の中で厳しい生活をしているため、非常にストイックな考え方の持ち主。最初、狩りについての考え方に反対する藤原良とヤマトと戦うが、その後、ハヤテを闘犬に参加させるようになり、良の仲間となる。堪え性がないのが弱み。
竹田 善吉 (たけだ ぜんきち)
ヤマトの父親、吹雪の元飼い主。数年前に、吹雪が孫娘を殺したと勘違いしたことから、吹雪と仲違いしており、吹雪の息子であるヤマトに関しても良く思ってはいない。しかし、家が火事にあった際に自分のことを命がけで助けたヤマトを見て考え方を変え、彼に吹雪の必殺技であるジョークラッシュを伝授する。
その他キーワード
ジョークラッシュ
『白い戦士ヤマト』に登場する必殺技。ヤマトの必殺技であり、また彼の父親の吹雪も得意としていた技。相手の顎めがけて突進し、破壊してしまうという一撃必殺の大技。あまりにも威力が大きいため、吹雪はこの技で何匹かの犬を殺してしまっているほど。後にヤマトのライバルたちも使用するようになる。