概要・あらすじ
慶応4年(1868年)戊辰戦争に参戦した白虎隊だったが、各所で苦戦を強いられた若い武士達は、飯盛山の上から、会津城下に広がる炎を見た。戦いに敗れたと勘違いした彼らは次々に自刃していった。その中で自らの喉を突いた飯沼貞吉のみが生き残り、助けられる。一命を取り留めた飯沼貞吉は戦いを思い出し、生きているのが辛いと号泣する。
登場人物・キャラクター
飯沼 貞吉 (いいぬま さだきち)
初登場時15歳。16歳と年齢を偽って白虎隊に入隊。他の隊士達と共に飯盛山の上から会津城下に広がる炎を見て、戦いに敗れたと勘違いし喉を刀で突いて自害する。しかし死にきれずに呻いていたところを会津藩士の妻(奥様と呼ばれる)らに介抱され、一命を取り留めた。白虎隊唯一の生き残りとなるが、助けられた直後は生きているのが辛いと号泣する。 その後、戦いの後の無残な姿を見て今まで教えられてきた武士としての生き方は間違っていたと悟り、会津を出て明治の世を生き抜いていく。歴史上の実在の人物、飯沼貞吉がモデル。
石田 和助 (いしだ わすけ)
16歳の白虎隊隊士。薩長連合軍との戦いで堤の上に立ち銃撃するが、被弾する。他の隊士達と飯盛山に逃れるが、会津城下に広がる炎を見て戦いに敗れたと勘違いし、弾疵の苦しさから真っ先に自害した。歴史上の実在の人物、石田和助がモデル。
篠田 儀三郎 (しのだ ぎさぶろう)
17歳の白虎隊隊士。他の隊士達からの信頼が厚かった。薩長連合軍との戦いの最中、隊長・日向内記がいなくなった後の指揮を執る。飯盛山に逃れた後、石田和助の自害を見届け、彼が腹に刺した刀を抜いて自らの首に当て自害した。歴史上の実在の人物、篠田儀三郎がモデル。
西川 勝太郎 (にしかわ かつたろう)
16歳の白虎隊隊士。薩長連合軍との戦いで飯盛山に逃れた16人の1人。他の隊士達が次々に自刃する中、何人かを介錯した後に自らも自害する。歴史上の実在の人物、西川勝太郎がモデル。
渡辺 左平 (わたなべ さへい)
会津藩士に仕える中年の男。岩穴で呻いていた飯沼貞吉を見つけたが、さわらぬ神に祟りなしとそのままにしていた。しかし戻って娘にこの話をしたところ、それを聞いた主人の妻(奥様と呼ばれている)の指示によって飯沼貞吉を連れ帰った。
日向 内記 (ひゅうが ないき)
白虎隊の隊長。薩長連合軍との戦いの最中、雨の中で隊士達を野営させる。兵糧が尽きたため同士の会津敢死隊から食料を分けてもらおうと単身隊を離れるが、そのまま戻らなかった。歴史上の実在の人物、日向内記がモデル。
奥様 (おくさま)
会津藩士の妻。使用人からは奥様と呼ばれている。息子の八次郎が戊辰戦争に参戦している。使用人の渡辺左平が白虎隊の生き残り・飯沼貞吉を見つけたことを耳にする。自分の息子かもという思いから渡辺左平と彼の娘と共に飯沼貞吉を連れ帰り、手当てをして命を救った。1人生き残ったことを悔やむ飯沼貞吉を、生き抜くよう説得する。
野村 駒四郎 (のむら こましろう)
17歳の白虎隊隊士。薩長連合軍との戦いで飯盛山に逃れた16人の1人。林八十治を介錯した後、自らの腹に刀を刺して自害した。歴史上の実在の人物、野村駒四郎がモデル。
林 八十治 (はやし やそじ)
16歳の白虎隊隊士。薩長連合軍との戦いで飯盛山に逃れた16人の1人。疲労と空腹から力が入らなくなった永瀬雄治と刺し違え、野村駒四郎の介錯によって果てた。
永瀬 雄治 (ながせ ゆうじ)
16歳の白虎隊隊士。薩長連合軍との戦いで飯盛山に逃れた16人の1人。疲労と空腹から力が入らなくなっていたが、永瀬雄治に頼んでお互い刺し違える形で果てた。歴史上の実在の人物、永瀬雄次がモデル。