真・中華一番!

真・中華一番!

独創的な発想力を持つ中華料理人の少年が、中国料理界を牛耳ろうとする悪の組織を相手に、伝説の料理道具を巡る料理対決を繰り広げる。『中華一番!』の直接的な続編で、主人公の劉昴星をはじめとする、主要キャラクターたちが引き続き登場する。講談社「週刊少年マガジン」1997年第1号から1999年第22・23合併号にかけて連載された作品。

正式名称
真・中華一番!
ふりがな
しん ちゅうかいちばん
作者
ジャンル
料理バトル
レーベル
講談社漫画文庫(講談社)
巻数
全8巻完結
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あらすじ

史上最年少で特級厨師となった劉昴星(マオ)は、師匠であるチョウユの勧めで、一番弟子の四郎とともに西南中国へ料理修行の旅に出ていた。約半年の時を経て、かつて修行をしていた陽泉酒家に戻った折に、チョウユと深い因縁を持つリエンとの料理対決を行うことになる。この出来事をきっかけにして、マオは中国料理界で暗躍する裏料理界と戦うことを決意。裏料理界に対抗するために、伝説の厨具を探すために再び旅に出る。

表現上の特徴

料理対決における審査員役となる人物たちが、料理を食した際に取る派手なリアクションが本作『真・中華一番!』の最大の特徴といえる。また敵として相対する裏料理界の幹部たちはいずれも超人的な能力の持ち主で、現実的には不可能な調理方法や、さながらバトル漫画のような必殺技を次々と繰り出す。

メディアミックス

テレビアニメ

1997年4月27日から1998年9月13日にかけて、フジテレビ系列で日本アニメーション制作のテレビアニメ版が放送された。タイトルは『中華一番!』で、序盤の物語は前作『中華一番!』のものとなっているが、中盤からはタイトルはそのままに、本作『真・中華一番!』の内容にあたる物語が展開された。テレビ放送中に原作に物語が追いついたため、終盤からラストにかけてはテレビアニメ版オリジナルの設定やストーリーになっている。なお本作の放送終了によって、1975年1月開始の『フランダースの犬』から23年9か月続いた日本アニメーション制作枠も終了となった。

登場人物・キャラクター

劉 昴星 (りゅう まおしん)

最難関とされる広州の特級厨師試験を史上最年少で突破した、若き中華料理人の少年。菊下楼の料理長だった両親の才能を受け継いでおり、どんな逆境やピンチでも諦めることなく、誰も思いつかないような独創的な方法で料理を生み出していく。普段は柔和で心優しい性格だが、「料理は人を幸せにする」という信念を持つため、人々を料理で苦しめる者に対しては強い意志で立ち向かう。

周 梅麗 (ちょう めいりぃ)

チョウユの一人娘で、劉昴星(マオ)とは互いに好意を抱き合う関係。料理人としての突出した才能はないが、細かい雑用全般を担ってマオを献身的にサポートしている。

四郎 (しろう)

劉昴星(マオ)の一番弟子として、ともに旅をする少年。どんな逆境にあってもマオのことを信じており、少しずつ料理人としての才能を開花させていき、マオの勝利をサポートするようになる。母親が日本人のため、納豆やおにぎりといった日本独自の食文化にも精通している。

シェル

中華点心の最高位資格とされる特級面点師の有資格者で、「鋼棍のシェル」という異名を持つ青年。焼売作りに関しては大陸一を自負しており、その実力はルオウからも天才と称されるほど。常に携えている料理道具の鋼棍には、これまで料理対決で倒してきた料理人の数だけ星マークが刻まれている。劉昴星とは点心対決を経て、良き好敵手になった。

レオン

劉昴星よりも以前に陽泉酒家で修行していた料理人。師匠であったルオウからは「早咲きの天才」と評価されていた。陽泉酒家を出て料理修行に出た際に、高すぎる向上心から裏料理界へと入門するが、その恐るべき実態を知って脱走。裏料理界を打倒するために、伝説の厨具を得ようと陽泉酒家へ戻って来た。ラァチェによって作られた七星刀を駆使して調理を行う。 かつては中性的な外見の少年だったが、厳しい修行によって屈強に成長した。

蘭 飛鴻 (らん ふぇいふぉん)

劉昴星(マオ)と同じく広州の特級厨師試験を突破した青年で、現在は宮廷に仕える龍厨師。マオとは互いを最大のライバルと認識している。裏料理界のもとで生まれ、パイに命を救われた過去を持つ。

チョウユ

京劇役者のような強面が特徴的な、陽泉酒家の副料理長。周梅麗の父親にして、劉昴星にとっては師匠にあたる存在。常に何かを食しており、広州大食い選手権で10年連続覇者になるほどの大食漢。

ルオウ

陽泉酒家の総料理長を務める老人。陽泉酒家の経営をチョウユに一任しているため、普段は表舞台に立つことはないが、特級厨師だけあり料理人としての実力は確かなもの。伝説の厨具について知っており、裏料理界と戦おうとする劉昴星たちにその存在を伝えた。

メイカ

周梅麗の母親で、チョウユの妻。リエンの想いを知っていたが既にチョウユと恋仲にあり、想いを踏みにじりたくないという一心での行いが、3人の間に悔恨を残す悲劇を招いてしまう。亡くなる直前まで、そのことを後悔していた。

唐 三傑 (たん さんちぇ)

上海の老舗「龍鎮酒家」の御曹司で、陽泉酒家での劉昴星の兄弟子。かつては修行中の事故が原因で刀工恐怖症だったが、努力の末に見事克服。レオンさえ驚愕させるほどの精巧な刀工技術を身につけた。

カリン

劉昴星(マオ)の姉で、彼のことを溺愛している。料理修行に出ているマオに代わり、菊下楼を必死に切り盛りしている。容姿は母親であるパイに似ているが、マオと違い料理の才能は受け継がなかった。

パイ

劉昴星とカリンの母親。菊下楼の料理長を務め、「四川料理の仙女」とまで称された。弟子であったショウアンの裏切りによって多額の借金を背負い、その心労が原因で他界してしまった。実は若い頃に裏料理界と戦うため、伝説の厨具を求めて旅をしていた。

ショウアン

パイの一番弟子で、彼女の技術を受け継いだ元特級厨師の男性。劉昴星(マオ)との料理対決に敗れてから裏料理界へ入門し、マオへの激しい憎悪を原動力として短期間で急激な出世を遂げていく。上海で再びマオの前に現れ、以前と同じ麻婆豆腐で対決を行うことになる。

凱由 (かいゆ)

五虎星の筆頭にして、裏料理界の長でもある男性。料理で人や国を支配しようと目論んでおり、目的のためならば人命すらも利用する残忍な性格。そのカリスマ性と料理人としての実力はすさまじく、中国の長い歴史上で最も恐ろしい人物とまで評されている。

燕青 (えんせい)

五虎星の1人で、凱由やアルカンですら真意を掴めないほど、底の見えない器を持つ男性。聴覚がすさまじく発達しており、わずかな音だけで食材の状態を察知することが可能で、煮込みや揚げ物といった料理を得意とする。

アルカン

五虎星の1人で、凱由とともに現在の裏料理界を作り上げた男性。敏感に熱を察する優れた触覚を活かして炎を巧みに扱うことから、「爆炎厨師」の異名を持つ。全身の体温が異常に高く、常に水を飲んでいる。

リコ

アルカンに付き従う麟厨師の少女。神の舌と呼ばれるほど味覚が発達している。アルカンに対して絶対的な忠誠心を抱いており、彼と最後まで運命をともにする揺るぎない覚悟の持ち主。

ジュチ

劉昴星(マオ)の故郷で全幅の信頼を得て、菊下楼で臨時総料理長を務めることになった少年。実は五虎星の1人であり、マオを裏料理界へ引きずり込むために送り込まれていた。銀の長箸を使った派手な調理法と、匂いだけで料理の状態を察知する嗅覚が最大の武器。

ミラ

インド人の血を引く美女で、五虎星の紅一点。超人的な視覚によって対決する料理人の動きを完璧にトレースし、そのうえで相手の料理を上回る絶妙なスパイスの技術を併せ持つ。裏料理界で生きてきたために感情を見せない機械のような性格になっていたが、シェルとの料理対決を経て、彼と接する中で本来の明るい性格を取り戻していく。

リエン

仮面をつけた裏料理界の料理人。かつてはチョウユと同門で、切磋琢磨していた良きライバルだった。メイカを賭けたチョウユとの料理対決に毒針を仕込まれていたことで敗北し、それ以来チョウユを激しく憎むようになった。

シャン

裏料理界に属する女性の麟厨師。レオンと同様、ラァチェの作った七星刀と高い刀工技術を用いて調理を行う。勝つためなら手段は厭わない卑劣な性格で、劉昴星たちにさまざまな妨害を働いていたが、ことごとく失敗に終わる。

ロウコ

巨漢の麟厨師。スープに関しての知識は裏料理界随一で、「湯皇帝」と称されている。唐三傑とのスープ対決でもその実力を遺憾なく発揮するが、お題に適さない理由で敗北し、難吃印を焼き付けられてしまう。

ラコン

諸葛亮に仕えていたという白羅家の末裔で、「面点王」の異名を持つ100歳超の老人。対戦相手となったシェルとは不思議な友情を育み、自身が愛用する面点棒を彼に預け、10年後の再戦の約束を交わして味修行の旅へと出た。

リー

宮廷料理における大厨房の総監督官で、中国料理界の絶対的権威の持ち主。若い頃にパイに救われた過去があり、その恩義から劉昴星の後見人のような役を買って出た。

西太后 (せいたいごう)

中国における実質的な最高権力者。圧倒的な美貌とカリスマ性を兼ね備えた女性で、民衆からは絶大な支持を得ている。彼女の誕生祝いで行われた紫禁城料理大会は、劉昴星と裏料理界の最終決戦の場となった。実在の人物、西太后がモデル。

ウォン・セイヨ (うぉんせいよ)

自らを福建省の特級厨師と名乗る小柄な男性。実際は三級厨師であり、嘘で作り上げた立場を利用して私腹を肥やしていた。各地で悪事を働いては、そのたびに劉昴星たちに成敗されている。

ラァチェ

七星刀を作り出した名工。七星刀を超える名刀が生まれることを恐れたレオンに刺されて死んだかと思われていたが、のちに瀕死のところをシャンに救われ一命を取りとめていたことが判明する。

集団・組織

裏料理界 (うらりょうりかい)

凱由を長として、中国料理界の裏で暗躍する闇の組織。かつては表舞台を追われた料理人たちが集まり静かに暮らす組織だったが、凱由によって大変革が起こされ、大きな勢力へと変貌していった。所属する料理人たちは、中国の伝奇小説『水滸伝』に登場する英傑と同じ異名を持つ。

場所

菊下楼 (きっかろう)

パイが料理長を務めていた四川省国営による名料理店。またパイが料理長になる前は、彼女の亡き夫である劉昴星の父親が料理長を務めていた。現在はカリンによって守られている。

陽泉酒家 (ようせんしゅか)

ルオウが総料理長、チョウユが副料理長を務める広州の名店。劉昴星がリーの推薦によって、修行のためにやって来た店でもある。ルオウの意向によって、伝統を覆すことという一風変わった伝統が受け継がれている。

その他キーワード

伝説の厨具 (でんせつのちゅうぐ)

約1000年前に、伝説の名工シュウリが宇宙から飛来した隕鉄を鍛え上げて作った8つの厨具。いずれも人智を超えた効力を有しているほか、各厨具自身が選んだ者でなければ使いこなすことは不可能とされている。料理以外の目的で使用すると霊力を失い、特殊な効力が発揮されなくなってしまう。若く有能な厨師が8つの厨具すべてを使って作った料理を食すことで不老不死になる、という言い伝えがあり、1000年前には中国大陸全土を巡る大規模な捜索が行われた。

永霊刀 (えいれいとう)

ルオウが管理している伝説の厨具の1つ。魚介類を浄化する力があり、切られた食材は失われた味さえ取り戻すことができる。継承者が手にすると刀身に雄々しい龍の紋様「覇龍紋」が浮かび上がる。

転龍壺 (てんりゅうこ)

上海に保管されていた伝説の厨具の1つ。壺の中に集められた宇宙の気を用いて、瞬時に熟成ダレを作り出す。劉昴星が継承した後に、裏料理界との最終決戦に備えて唐三傑に預けられた。

魔聖銅器 (ませいどうき)

伝説の厨具の1つ。アワビやツバメの巣といった乾貨を、通常の数百倍もの速度で戻すことができる。処分されそうになっていたところをウォン・セイヨに拾われ悪用されていた。

迦楼羅刀 (かるらとう)

伝説の厨具の1つ。切った鳥獣の肉を瞬時に浄化できる包丁で、永霊刀とは対を成す存在。継承者が手にすることで、伝説の霊長である鳳凰を描いた「瑞鳳紋」が刀身に浮かび上がる。

貪狼壺 (どんろうこ)

伝説の厨具の1つ。ミキサーのような形をした大きな壺で、食材を中に放り込むと自在にミンチやみじん切りにすることが可能。泰山で厳重に保管されていたが、燕青によって封印を解かれてしまう。

霊蔵庫 (れいぞうこ)

伝説の厨具の1つ。名前が示すように冷蔵庫のような形をしている。中に入れられた食材は、永遠に鮮度を保てるようになる。シェルとレオンが、所有権を賭けてミラと争った。

玉龍鍋 (ぎょくりゅうなべ)

「その所有者、全八厨具の所有者とならん」という言い伝えがある最後の伝説の厨具。宮廷厨房最大の秘宝として、紫禁城に保管されていた。2つの鍋で1つの厨具だが、その効力は謎に包まれている。

特級厨師 (とっきゅうちゅうし)

料理人としての最高資格。4年に一度、各地域で行われる試験に合格するとこの称号を得られ、その証として龍の絵に「特」の文字が入った衣装を身に着けられる。食の都である広州での試験が最難関とされている。

五虎星 (ごこせい)

裏料理界における最高幹部。それぞれが発達した五感を有しており、料理術として用いている。いずれのメンバーも、虎にまつわる刺青や装飾品を体のどこかに施している。

麟厨師 (りんちゅうし)

裏料理界に所属する料理人たちで、その実力は特級厨師さえ上回るとされている。体のどこかに麟厨師の証として、包丁をくわえた伝説の霊獣である麒麟を象った「黒雲麒(こくうんき)」の刺青を施している。人数は総勢で1800名。

難吃印 (なんちーいん)

裏料理界における敗者の烙印。「難吃」とは「まずくて食べられない」を意味する言葉で、料理対決に敗北した者は、自らの命を絶つかこの印を体に焼き付けられるかの選択を迫られる。

前作

中華一番! (ちゅうかいちばん)

清朝の中国を舞台に、類いまれな料理への情熱と才能を持つ少年・マオの活躍を描く料理漫画。後に『週刊少年マガジン』で続編『真・中華一番!』が連載された。講談社「週刊少年マガジン」1995年第43号より連載... 関連ページ:中華一番!

続編

中華一番!極 (ちゅうかいちばん きわみ)

小川悦司の『真・中華一番!』の続編。久しぶりに帰郷した特級厨師の少年・マオは父親・マリウの法要中に事件に巻き込まれ、彼の死の真相を知るための旅に出る。清朝末期の中国を舞台に、マオと仲間たちの冒険や料理... 関連ページ:中華一番!極

書誌情報

真・中華一番! 全8巻 講談社〈講談社漫画文庫〉 完結

第1巻

(2003年12月12日発行、 978-4063606775)

第2巻

(2003年12月12日発行、 978-4063606782)

第3巻

(2004年1月9日発行、 978-4063606799)

第4巻

(2004年1月9日発行、 978-4063606805)

第5巻

(2004年2月10日発行、 978-4063606812)

第6巻

(2004年2月10日発行、 978-4063606829)

第7巻

(2004年3月12日発行、 978-4063606836)

第8巻

(2004年3月12日発行、 978-4063606843)

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