概要・あらすじ
藤宮紅葉は鄙びた村で巫女をしていたところを、1匹の荒神と草薙護に襲撃される。実は紅葉は自らの生命に換えて荒神を殲滅できる「奇稲田の血を継ぐもの」といわれる人柱で、草薙は紅葉の死によって荒神が殲滅されないよう、彼女を守る使命を荒神に負わされていた。しかし、荒神は人間のテクノロジーを使って安全に奇稲田一族を始末する方法を会得、既に紅葉の双子の姉・奇稲田楓は殺害したと告げる。
一方の草薙は、逆に紅葉を人柱として殺害することで荒神を殲滅し、自らの解放を目論んでいた。荒神と草薙による紅葉の争奪戦の中、紅葉は草薙を庇って瀕死の重傷を負ってしまう。だがこの時草薙によって生命を救われた紅葉は、荒神たちと戦うことを決意し、国土管理局に身を寄せる。
そんな彼女の前に、荒神側の相手として意外な人物が立ちはだかるのだった。
登場人物・キャラクター
藤宮 紅葉 (ふじみや もみじ)
島根県の山村で老婆に巫女として育てられた少女。奇稲田の一族の血を継いで、人柱として死ぬことにより荒神たちを殲滅できる。一度死にかけたが、草薙護に荒神を移植され、一命を取りとめた。
村山 (むらやま)
あまり身長の高くない、冴えない男子中学生。春から男子高校に通うことになるので、彼女を作ろうとあせっている。あゆみとデートしたという既成事実を広めたくて、学校の掲示板に写真を公開して、あゆみに振られてしまう。
奇稲田 楓 (くしなだ かえで)
藤宮紅葉の双子の姉。紅葉もその存在を知らされないまま、国土管理室に身を寄せていた。荒神に殺されたことになっていたが、荒神側の人間として紅葉の前に立ちはだかる。
草薙 護 (くさなぎ まもる)
荒神に身体の一部を寄生されている青年。藤宮紅葉を人柱として機能させないため、彼女の生命を守る使命を荒神に負わされている。自らの解放を目論んで紅葉の生命を狙っている。
スサノオ
荒神たちの王と呼ばれている、巨大な胎児の姿の荒神。御座(みざ)と呼ばれる場所の液体の中に沈んでいる。藤宮紅葉がその液体に落ちた際、奇稲田楓が単なる人柱ではないことを彼女に告げる。
成田 (なりた)
長身の女子中学生で、熱烈なトンボマニア。村山が公開したあゆみとのデート写真に写ったトンボの「ナリタアカネウチワヤンマ」が新種ではないかと考え、所在を知るために村山に近づく。実はケンカが強い。
あけみ
割と移り気で怒りっぽい女子中学生。村山とデートしたが、デート写真を公開されて激怒して村山を振る。その後不良っぽい男と付き合うが、その男が成田に殴り飛ばされるのを見て幻滅、その男も振ってしまう。
集団・組織
荒神 (あらがみ)
古来から存在する化物、妖怪と呼ばれていたもの。巨大で人間より遥かに長寿命で、また個々に特殊な能力を持つ。人柱を亡き者にして日本を支配することを目論んでいる。実体は植物であり、大きなダメージを受けると植物の姿に戻る。
国土管理室 (こくどかんりしつ)
正確には総理府国土管理室。主に荒神たちに対抗するために作られた国家組織。防衛庁、科学技術庁、警察機関等々より各エキスパートを選抜して編成されている。かつて奇稲田楓が身を寄せていた組織で、藤宮紅葉も所属することになる。