あらすじ
第1巻
ゲームクリエイターの越前創太は、周囲やユーザーからは「神罠師」として称えられていたが、最新作のユーザー評価は大不評で、発売元の会社のSNSは大炎上してしまう。上司からその現状を責められ、同僚からも手のひら返しで批判を浴びた創太は、勤めていた会社を辞める。その直後、創太は今までいた世界とはまったく様相の異なる世界に召喚される。この状況をまったく理解できない創太だったが、彷徨(さまよ)っているうちに自分を召喚した魔族のソフィーリア・ゴルガンティスに仕えるブレパスと出会い、ブレパスから自分が召喚された事情を聞き、魔族を理不尽に虐殺する四人の人間を見て魔族に協力することを決める。そしてソフィーリアから与えられた魔核により、創太は「罠を生成する能力」を得て、四人の人間のうち二人を罠であっという間に殺害する。残った二人は警戒心を高めるが、創太はさらなる罠を仕掛ける。
登場人物・キャラクター
越前 創太 (えちぜん そうた)
東京から異世界に召喚された男性。東京にいた時はゲームクリエイターとしてゲーム制作に携わっており、周囲やユーザーからは「神罠師」と称えられていた。自分の考えを一方的に押し付ける存在を最も嫌っており、異世界の人間が魔族を問答無用で虐殺していることに嫌悪して魔族に協力することを決める。戦う手段として自分を異世界に召喚したソフィーリア・ゴルガンティスから魔核を分け与えられて「罠を生成する能力」を得ると、罠を仕掛けて攻め込んで来る人間を撃退している。ゲームを作っていた頃から、他人と魂が焦げ付くような本気の戦いがしたいと考えていたため、殺すか殺されるかの異世界は天国だと思っている。
ソフィーリア・ゴルガンティス
越前創太を東京から異世界に召喚した女性。周囲からは「ソフィ」と呼ばれている。魔王の娘だが、魔王はすでに人間に殺されており、姉も人間に捕らわれているため、今は人間に発見されないように隠れている。角の多さが能力の高さに直結する魔族において、角が1本しかないため能力は相対的に低い。人間に対して敵対心が強く、別世界の人間である創太に対しても無意識に拒絶してしまう。
ブレパス
ソフィーリア・ゴルガンティスに執事として仕える一つ目の魔族。丸い頭部に1本の角と両腕が生えている。腰が低くて口調も柔らかく、周囲の気配りもできる。ソフィーリアが召喚した越前創太に事情を説明したり、ソフィーリアと創太の仲を改善させるなどさまざまな面で忙しく働いている。
アルベルト
異世界で越前創太が出会った冒険者の男性。剣術に長(た)けており、状況判断も優れている。新人冒険者のトーマに経験を積ませるために、ボーガン、アネッタとパーティを組んで初心者用ダンジョンに向かう。そこで偶然にも魔王の娘であるソフィーリア・ゴルガンティスを見つけて捕獲もしくは討伐しようとしたところ、越前創太の罠にかかる。
ベローチェ
異世界で越前創太が出会った冒険者の少女。アルベルトに対して歪んだ愛情を持っており、アルベルトの鎧に毎日追跡魔法をかけたり、アルベルトが冒険に出て留守のあいだ彼の許可を得ずに部屋の掃除や洗濯をしている。アルベルトが最近姿を見せていないことを不審に思い、アルベルトが向かった初心者用ダンジョンに向かう。そこで出会った創太に対して、か弱い少女の演技で近づいて情報を得ようとする。
その他キーワード
魔核 (すてぃぐま)
魔王の一族と契約した証(あかし)。魔核を与える主と、与えられる下僕で主従契約が成立し、下僕は主と別の次元に移ることができなくなる。その代わりに「授けられた者の資質にあった能力が発露する」という恩恵がある。元の世界にまったく未練のない越前創太は、ソフィーリア・ゴルガンティスから魔核を与えられて「罠を生成する能力」を得る。