概要・あらすじ
作家である桐生仁から情報を得た小松崎蘭(ラン)は、タロンの手が伸びているとされる王翠学院に図書館整理の仕事を装って潜り込む。そこでは不良グループと目される応援団新選組と、三好展之や不破霜子が率いる生徒会との対立があった。新選組の団長が殺害されたことをきっかけに新選組との協力体勢を築いたランは、英会話の学習システムに、タロンによる洗脳の仕組みが隠されていることを突き止める。
そのままタロンの手に落ちてしまうランであったが、そんな彼女を救出するため、新選組が行動を開始する。
登場人物・キャラクター
小松崎 蘭 (こまつざき らん)
古代人の血を引く強力な超能力者。もともと研究対象だった時に科学者であった小松崎宗に救い出されたが、その際に飛行機事故にあい5歳まで狼に育てられた。自らの意図で能力をコントロールすることはできず、怒りに満ちると髪が赤く変色して、能力が発揮できるようになる。
桐生 仁 (きりゅう じん)
調査能力に優れた小説家。タロンの野望を知り、小松崎蘭と共にそれを阻止しようとする。また、ランの超能力と、超能力を持ったことにより巻き込まれた境遇への数少ない理解者でもある。本作『紅い牙 ハトの旋律』では王翠学院がタロンに狙われていたのを突き止める。
榛原 奈留 (はいばら なる)
王翠学院の生徒。図書委員であったため、図書館整理の仕事として学園に潜り込んだ小松崎蘭と知り合い、親しくなる。姉の榛原真知は新選組の一員。冒頭では洗脳が及んで、新選組を憎んでいる様子も伺えるが、内情を知り新選組やランと行動を共にする。
三好 展之 (みよし のぶゆき)
王翠学院の生徒会長。情に厚いが実はタロンによって選ばれてたタロン配下のエリートであり、学校の生徒達を洗脳してタロンの配下にする計画に加担している。タロンにより様々な優遇もされているが、同時にタロンに派遣した女教師、四条により生命与奪を握られている。
不破 霜子 (ふわ そうこ)
王翠学院の副生徒会長。三好展之と同じくタロンに選ばれた協力者である。タロンに忠誠を誓った後、研修を受けて統率力を身につけ王翠学院に送り込まれた。何かにつけ三好を補佐してタロンの計画を進める。弓の名手でもある。
四条 (しじょう)
タロンの配下の超能力者。女教師として王翠学園に入り込んでいる。三好展之や不破霜子を裏で操り、学園を支配しようとする首謀者。「雪はふる」のメロディをピアノで弾くことで、三好と不破の脳に埋め込まれたチップを利用して彼等を処分する権限も与えられている。
集団・組織
タロン
『紅い牙』シリーズを通して度々姿を見せる悪の組織。各界に配下のエリートを送り込む「ハト計画」を通して、日本征服を企んでいる。
王翠学院 (おうすいがくいん)
タロンの洗脳計画の標的となっている横浜の私立高校。すでに多くの生徒に対してタロンの洗脳が進んでいる。
新選組 (しんせんぐみ)
王翠学園の応援団。他の生徒隊からは不良グループと目されている。洗脳の影響を受けておらず、生徒会と対立している。体育会系の掟が存在する。