概要・あらすじ
吉祥寺南高校写真部に所属する1年生の女子、峰村蘇芳は、ある日、校内フォトコンテスト用の写真を撮るために、学校をうろついていた。そこでフライングディスクを使うスポーツ「アルティメット」を見た蘇芳は、プレイしていた住吉あざみの動きに魅了され、思わずシャッターを切る。その後正式に許可を得て、アルティメットの写真を撮っている最中、蘇芳のところへフライングディスクが飛んできた。反射的に蘇芳は、住吉の動きを真似たジャンプで、ディスクを取ろうとするも失敗。しかし、その動きを見ていた住吉は、蘇芳の才能を見抜いた。翌日の放課後、多くの生徒がアルティメットを見るため、校庭に集まって騒いでいた。事情がわからない蘇芳だったが、実は彼女が騒動の張本人であった。蘇芳がSNSにアップした住吉の写真がバズったのだ。何をやっても不器用で、「見る側の人間(オーディエンス)」であり続けた蘇芳は、この時初めて「見られる側の人間(プレイヤー)」になりたいと思った。一方、蘇芳の写真を見た住吉は驚愕(きょうがく)する。どれも自分の中で手応えがあったプレーばかりだったからだ。日本中にアルティメットを広めたいという住吉は、蘇芳にある提案をする。それは、自分が所属する外のクラブチームにカメラマンとして来てほしいというものだった。バイト代が出ると聞いた蘇芳は、その提案を快諾した。次の日曜日、蘇芳は住吉に教えられた港区御成門のビルに向かう。そこは日本最大のアルティメット選手養成施設「ミナスギUC(アルティメットクラブ)」であった。係員に誘導された蘇芳は、いつの間にか着替えさせられ、大勢の選手候補生と一緒に競技場に立っていた。蘇芳は住吉に騙(だま)され、ミナスギUCの入所試験を受けることになってしまった。
登場人物・キャラクター
峰村 蘇芳 (みねむら すおう)
吉祥寺南高校1年生の女子。写真部に所属する。三編みのおさげ髪と眼鏡が特徴で、登山と山の景色の撮影が趣味。不器用で地味な文化系女子を自認していたが、フライングディスクの団体競技「アルティメット」との出会いで人生が変わっていく。SNSサイトをただのデータバックアップサイトだと勘違いしており、山の写真を投稿し続けていた。その結果、本人が知らないうちに、10万人のフォロワーを持つインフルエンサーとなっていた。「見る」能力に優れており、アルティメットのプレイを見るだけで、選手の実力を見抜く。また、優れたプレイを再現できる能力も併せ持つ。高校の先輩、住吉あざみに騙され、日本最大のアルティメット選手養成施設「ミナスギUC(アルティメットクラブ)」の入所試験を受験、合格する。また同時に「ミナスギUC」広報カメラマンとしてのオファーも受ける。
住吉 あざみ (すみよし あざみ)
吉祥寺南高校3年生の男子。フライングディスクの団体競技「アルティメット」の選手で、アルティメットを日本中に広めるという夢を持つ。日本最大のアルティメット選手養成施設「ミナスギUC(アルティメットクラブ)」のトップチームに所属する実力者。峰村蘇芳の素質を見抜き、蘇芳を騙して「ミナスギUC」の入所試験を受けさせる。
宰府 穂鳥 (さいふ ほとり)
高校1年生の女子。福岡県出身のお嬢様で、くるくるの巻き髪、丁寧なお嬢様言葉が特徴。ポジティブな性格だがプレッシャーには弱い。6回目の入所試験でやっと「ミナスギUC(アルティメットクラブ)」に合格する。峰村蘇芳の同期で友達になる。「ミナスギUC」のトップチームに所属する宰府水城を姉に持つ。