概要・あらすじ
小松桃は、15年前に離れ離れになった兄弟たちに、結婚の報告をすることになった。だが、久しぶりに再会した本田蒼吾、松田銀、鈴木碧葉から、桃は、婚約者である榊晃司が借金のある嘘つき男であるという真実を聞かされる。結局結婚は破談となり、傷心の桃を心配した兄弟たちは、15年ぶりに桃と一緒に暮らすようになる。
一つ屋根の下でともに暮らすうちに、桃は昔大好きだった次男の蒼吾に恋をしてしまうのだった。そんななか、桃は新たな職場で同僚となった本田さくらが、蒼吾が養子に行った先の義理の妹であること、そしてさくらが蒼吾に恋心を抱いたために、蒼吾が本田家を出たことを知る。その事実に動揺した桃は、ついに蒼吾に告白するが、蒼吾は桃の告白を拒み、彼女の前から姿を消してしまう。
登場人物・キャラクター
小松 桃 (こまつ もも)
小松家の長女で23歳のOL。兄が2人、弟が1人いたが、15年前に父親を事故で亡くした際、母親が病弱だったこともあり、兄弟は親戚の家の養子となって離れ離れになる。それからは母親と2人で暮らしていたが、その母親も3年前に他界した。桃は結婚の報告を機に、15年ぶりに養子に行った本田蒼吾、松田銀、鈴木碧葉と再会。 彼らから、桃の婚約者の榊晃司が、借金まみれの嘘つき男であると知らされ、結婚は破談となった。頑張り屋な性格だが、甘えるのが下手で意地っ張りな面がある。15年ぶりに同居生活をするようになった兄の蒼吾に、恋心を抱いている。
本田 蒼吾 (ほんだ そうご)
小松桃の兄。元小松家の次男で弁護士。15年前に本田家の養子となり、「本田さくら」と義理の兄妹となった。無愛想でぶっきらぼうだが、昔は桃が困っていると一番に手を差し伸べる優しい兄だった。15年ぶりの再会で桃との距離がうまく測れず、桃に素っ気なく接している。小松母が亡くなる前に、彼女から連絡を受けて、桃の後事を託されており、その約束を果たすため、小松家に戻って来た。
松田 銀 (まつだ ぎん)
小松桃の兄。元小松家の長男で、職業は小説家。在宅仕事なので家にいることが多い。趣味で調理師免許を取得しており、家では桃たちに手料理を振るまっている。15年前に松田家に養子として引き取られた。優しくしっかり者で、兄弟げんかの際には仲裁に入るなど、家族のまとめ役でもある。再び兄弟で暮らすことを夢見ていた。
鈴木 碧葉 (すずき あおば)
小松桃の弟。元小松家の三男で、現役大学生。15年前に鈴木家に養子として引き取られ、鈴木家の製菓店の跡取りとして育てられた。明るく甘え上手で、家族のムードメーカー。幼い頃は、弟だからと言う理由で、数々の悪事を許されてきた。容姿も可愛く、女装してもバレることがない。
有末 志信 (ありすえ しのぶ)
本田蒼吾と同じ事務所に所属する優秀な弁護士。女性に関して守備範囲が広く、女なら誰でもいいという手クセの悪い男性だった。小松桃と知り合ってからは、桃に想いを寄せて真剣な交際を申し込むなど、変化を見せ始める。言動は軽いが、仕事には手を抜かない真面目な一面もある。
本田 さくら (ほんだ さくら)
本田蒼吾が養子に行った先の娘。蒼吾の義理の妹。小松桃の異動先の会社に勤める同僚でもある。蒼吾を兄として見ておらず、恋心を持って接していたため喧嘩となり、蒼吾が本田家を出ることになった。蒼吾がいなくなってから、ずっと蒼吾の行方を探していた。
榊 晃司 (さかき こうじ)
小松桃の婚約者。桃と同じ会社に勤めており、小松母の葬儀をきっかけに交際が始まる。温厚で優しそうに見えるが、ギャンブル好きで借金を抱えている。桃と結婚した暁には、桃の家を売り払って借金の返済に当てようとしていた。本田蒼吾、松田銀、鈴木碧葉に本性を見破られ、桃との結婚は破談になる。
小松母 (こまつはは)
小松桃、本田蒼吾、松田銀、鈴木碧葉の母親。体が弱く、夫を事故で亡くした際に、子供4人の面倒は見られないだろうと、親戚の同情を買い、泣く泣く蒼吾、銀、碧葉を養子に出した。桃と2人で暮らしていたが、桃が20歳の時に他界した。亡くなる前に、蒼吾に「桃のことを頼む」と言づけていた。
鈴木 節子 (すずき せつこ)
鈴木碧葉の養母。碧葉が6歳の時に養子に迎えた。製菓店を営んでおり、碧葉を跡取りとして育ててきた。碧葉を可愛がるあまり小松家との血の繋がりを恐れており、小松母が亡くなったことを碧葉に告げずにいた。
白木 香菜子 (しろき かなこ)
幼い頃の本田蒼吾と写真に写っていた女性。小松桃が昔のアルバムを見ている際に発見にした。連続殺傷事件に巻き込まれ、その際に深い傷を負い亡くなってしまう。