肉女のススメ

肉女のススメ

年齢も立場も違う3人のOLが、日常のストレスに苛まれながらも大好きな肉料理を通じて関係を深めていく姿を描く、肉好きによる肉好きのためのミートストーリー。「ヤングコミック」2015年10月号から連載の作品。

正式名称
肉女のススメ
ふりがな
にくじょのすすめ
作者
ジャンル
グルメ
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あらすじ

第1巻

デザイン事務所に勤めている27歳のOL、狼谷花子は、挙式を3週間後に控えたある日、食べ方が下品な事を理由に、婚約者にふられてしまう。彼からの言葉に傷つき、打ちのめされていた花子は、自戒の念を込めて大好きな肉料理を絶ち、この状況を乗り越えようとしていた。しかし、年下の上司である鷹木誠と仕事でチームを組むようになった事がきっかけで、大好きな肉を解禁する事を決める。解放感たっぷりに肉を味わう花子の姿を見た鷹木は、もともと苦手意識を持っていたはずの彼女に対し、なぜか欲情をかきたてられてしまう。(1皿目「泣き狼とハンバーグ」)

デザイン事務所の受付嬢を務める24歳の犬塚まりあは、可憐な外見で人気が高く、会社に出入りするさまざまな男性からお誘いを受けては、上手にかわす日々を過ごしていた。一方で、そんな彼女にいい印象を抱かない女性社員達は、モテモテのまりあを「尻軽女」と蔑み、彼女を悪口の標的にしていた。会社ではいつも笑顔で麗しい自分を作り上げているまりあだが、自宅に戻ると、その様相は一変。ちらかった部屋でだらしなく寝そべり、とても同一人物とは思えない状態となる。社内の軋轢や、下心が見え見えの男性達からの誘い、取引先との味気のない食事など、日々多くのストレスと戦っているまりあは、スナック菓子を食べながら大好きなオンラインゲームをし、時にはカロリーも気にせず深夜のカツカレーを食べ、ストレスを発散していたのだった。(2皿目「吼える深夜のカツカレー」)

デザイン事務所に勤めている29歳の熊代奈津美は、チーフとして責任のある仕事を任される立場にあり、忙しい日々を送っていた。だが30歳の誕生日を間近に控えたある日、奈津美はそんな自分の在り方に突如疑問を感じる。自分のやりたい事について、改めて思いを巡らせ考え始めた奈津美は、雪の降る中、見知らぬ定食屋に偶然入る。(3皿目「悦熊の唐揚げ定食」)

花子、まりあ、奈津美の3人は、専務の提案で急きょ社内の飲み会に参加する事になった。居酒屋では、幸せそうな顔をして焼き鳥を頬張っている花子に対して、同席していた鷹木が「同じ女性なのに、まりあとはエライ違い」と、花子の食べ方について暴言を吐く。その言葉に傷ついた花子の様子に気づいたまりあは、花子を連れて早々に飲み会を退席。そしてまりあは花子と共に、牛丼チェーン店を訪れる。(4皿目「犬と狼とトロ玉牛丼」)

先日の飲み会で、鷹木から暴言を吐かれた花子は、元彼を夢に見るなど憂鬱な日々を送っていた。一方の鷹木も、自分が放った失言を後悔し、思い悩む日々を送っていた。そんな折、花子は鷹木から話があるからと、喫茶店に誘われる。その日の仕事帰り、流れで喫茶店ではなく食事をする店に入った2人は、お店のおすすめメニューであるローストビーフ丼を注文する。(5皿目「憂鬱狼とローストビーフ丼」)

会社でのランチを弁当にしようと考えた奈津美は、いつも近所にフードカーで店を出している弁当屋に出向く。飲み会以来、いっしょに食事をするようになった花子とまりあを気にかけつつも、同僚以外を食事に誘うのは気が引けると、奈津美は一人で弁当を食べるのだった。それからしばらく経ち、奈津美はまた弁当屋に向かうが、その日は開店がいつもより遅れていた。これをきっかけに、奈津美は弁当屋の主人とプライベートな会話を交わす仲になる。(5.5皿目「デレ熊さんと肉弁当」)

大型連休前、花子とまりあは目の回るような忙しさの中、遅くまで残業を行っていた。そんな2人に、夜になって出先から戻った専務と奈津美は、お土産として買ってきた餃子を差し出す。2人はその餃子を休憩室に持ち込み、思い思いの食べ方で食べ始める。そこへ遅れて仲間に入った奈津美も、2人のオリジナルな食べ方に参加し、仕事仲間として意識的に取っていた距離を、縮め始めていくのだった。(6皿目「3匹のケモノと残業餃子」)

お盆休みを翌日に控え、最後の仕事を終えた花子は、まりあ、奈津美と待ち合わせて、焼き肉食べ放題店を訪れた。こうして、遠慮なく好きな物を食べる女子会が始まる。今まで同じ社内にいても、年齢も立場も違ったため、話す事もあまりなかった3人は、大好きなものを囲んでいっしょに食べ、急速に仲よくなっていく。(7皿目「狼犬熊で焼き肉ヘヴン!」)

第2巻

夏休みに入り、犬塚まりあは自宅でお菓子を片手に、趣味の漫画やアニメ、ゲーム三昧の日々を満喫していたが、ついに重い腰を上げ、実家に帰省する。暑い中、地元に到着したまりあは、寄り道をしてから迎えに来た母さんの車で実家へと向かう。久しぶりに帰省した娘、まりあをもてなそうと、母親が腕をふるって作ったのは、まりあにとっての思い出の味である「馬肉チャーシュー」でつくったチャーシュー丼。なつかしの味と再会したまりあは、母親と父親、お姉ちゃん子の弟、犬塚学を交え、実家暮らしを堪能する。(8皿目「犬と家族の馬肉チャーシュー」)

友人に誘われてランチに訪れたレストラン「Asian Dining」で、キーマカレーを堪能していた狼谷花子は、店員の男性から「美味しそうに食べるところがいい」と、食べっぷりを褒められる。食べ方が下品だと婚約を破棄された事がある花子は、思いがけない言葉に、動揺を隠せずにいた。後日、「Asian Dining」が夜はダイニングバーとして営業している事を知った花子は、友人と再び店を訪れる。店員が自分を覚えていてくれた事に喜びを覚えた花子は、改めて自分が店員を意識している事を自覚する。自分の気持ちに気づいた花子は、昼休みに気合を入れて来店し、店員をお茶に誘おうと、意を決して声をかける。(9皿目「哭き狼と激辛キーマカレー」)

相変わらず忙しく仕事に追われ、終電にギリギリで滑り込み、食事も簡易的なもので済ます毎日に、さすがの熊代奈津美も疲れを感じていた。休日、家に持ち帰った仕事をようやく終えると、すでに夕方であった。たまにはまともなご飯が食べたいと考えた奈津美は、近所に新しくオープンした定食屋に入店。そこで目にした「チキン南蛮定食」を注文し、2日ぶりの温かいご飯を堪能する。(10皿目「働き熊とチキン南蛮定食」)

花子は、仕事を早く終わらせ、商店街の秋祭りに訪れた。そこで屋台を見て回っていた奈津美と偶然顔を合わせる。この際だからと、いっしょに見て回る事になった花子と奈津美は、祭という非日常の中で、人目を気にせず食べ歩く幸せをかみしめる。その後、まりあとも偶然合流。3人は、買いあさったたくさんの屋台の料理を、お酒を片手に堪能するのだった。(11皿目「3匹ケモノと屋台メシ」)

金曜日の今日は、まりあが待ちに待ったゲームの発売日。ゲーム三昧の土日を過ごすため、仕事を早く終えてお菓子やジュースを買い込み、準備万端で家に戻った瞬間、まりあは買ったはずのゲームを会社に忘れてしまった事に気づく。そして翌日の土曜日、まりあは会社にゲームを取りに向かう。そこでまりあは、鷹木誠と顔を合わせてしまう。いつもしつこく言い寄って来る鷹木に苦手意識を持っていたまりあだったが、今日はせっかくだからと彼の誘いに乗り、前から行ってみたかった店へと向かい、「牛カツとろろ定食」を堪能する。(12皿目「欲望犬と初めての牛カツ」)

会社の好業績による臨時ボーナスを受け取った花子は、夜ご飯を豪華にしようと決め、おいしい店の情報収集に精を出していた。そこへ顔を出したまりあも加わり、奈津美も誘って3人は高級すき焼き店を訪れる。家で作るものとは違う、有名店の本格的なすき焼きに、舌鼓を打つ3人。そんな中、花子は、いっしょにご飯を食べてくれるまりあと奈津美の、存在の大きさをかみしめるのだった。(13皿目「狼犬熊ですき焼きヘヴン!!」)

登場人物・キャラクター

狼谷 花子 (かみや はなこ)

契約社員としてデザイン会社に勤めている27歳のOL。婚約者がいたが、挙式の3週間前に「食べ方が下品」と告げられ、結婚を白紙にされてしまう。これにより、男性から食事に関する話題を振られることがトラウマとなっている。無類の肉好きで、好きなものを食べている間は異常な色気を発するのが特徴。普段は目つきが悪く、地味で真面目。おとなしく、涙腺が弱い。

犬塚 まりあ (いぬづか まりあ)

デザイン会社の受付嬢を務める24歳の女性。可愛らしい見た目から、社内外問わず男性からの人気は高い。その反面、女子社員からは「尻軽女」のレッテルを貼られ、悪口の標的にされがち。普段見せる笑顔の素敵な受付嬢というイメージとは裏腹に、社内の人間関係には思うところが多々あり、相当腹黒い。人間関係においてはそれをおくびにも出さないが、帰宅して1人になると本性を現す。 実はアニメ、漫画、ゲームが大好きなオタク。部屋は荒れ放題の面倒くさがりで、掃除と食事の支度は、時々様子を見に来る弟の犬塚学に任せきりという状態。職場の飲み会後、一緒に牛丼屋に行ったことがきっかけで、狼谷花子と関係を深めていく。

熊代 奈津美 (くましろ なつみ)

デザイン会社でチーフを務める30歳の女性。スポーツ万能で筋肉質、さらに男性陣だけでなく同性の目をもくぎ付けにするほどの巨乳の持ち主。だが、本人は180センチほどある長身を気にしている。口数が少なく普段は単独行動が多いが、これは自分の立場を鑑みたうえでのことであり、本当はもう少し他の女子社員との距離を縮めたいと考えている。 30歳を目前にしたある日、自分自身の在り方に思い悩んでいたところ、偶然入った定食屋の唐揚げ定食と運命の出会いを果たし、悩みを吹っ切る。

鷹木 誠 (たかぎ まこと)

デザイン会社に勤める24歳の男性。狼谷花子にとっては年下の上司にあたり、仕事の企画で花子とチームを組むことになる。仕事はできるがノリが軽く大雑把で、チームではまとめ役を務めるものの、空気を読まない性格が災いして失言が多い。仕事は自分のペースで進めたいタイプのため、堅物の花子とはそりが合わず、苦手意識を持っている。 実はEDで、本人は悪びれることなくそれを公言しているが、花子と一緒に食事をした際、恍惚とした表情で食べ物を口に運ぶ彼女を見て体が反応してしまう。その事実を受け入れることができず、苦悩することとなる。

由美 (ゆみ)

デザイン会社に勤める26歳のOL。狼谷花子とは社内でも仲が良く、一緒にランチを取ることがある。甘いものが大好きで、おっとりした性格。

弁当屋の主人 (べんとうやのしゅじん)

フードカーで弁当を売りに来る男性。よく弁当を買いに来る熊代奈津美の名前を認識しており、気さくに振る舞う。娘がいるが、奈津美に対してただの客以上の想いを抱いている様子。

犬塚 学 (いぬづか まなぶ)

犬塚まりあの16歳の弟。きれい好きで、姉想いの優しい青年。だらしない姉に代わり、部屋の掃除や片づけ、食事の支度に至るまで、世話をするために一人暮らしのまりあの部屋に通っている。母親が心配していることを理由に、なんだかんだと文句を言いつつも、大好きな姉の希望通りに動いている。

都築 (つづき)

デザイン会社で専務を務める男性。勤務時間中に飲み会の誘いをするなど、その立場によらず気さくな人物。遅くまで働いていた狼谷花子と犬塚まりあと熊代奈津美に対して差し入れをするなど気が利くが、その差し入れが行きつけの店で買った餃子という、良くも悪くも気取ったところのない性格。

母さん (かあさん)

犬塚まりあと犬塚学の母親。時々実家に帰って来るまりあを、まりあの好きな食べ物で精いっぱいもてなし、迎える。

店員 (てんいん)

狼谷花子と犬塚まりあがランチに訪れた店「Asian Dining」の店員の男性。客の顔を覚えるのが得意。カレーを頬張る花子に「美味しそうに食べるところがいい」と伝え、彼女の胸をときめかせる。

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