概要・あらすじ
アシカの煙草たちが、出会いと別れ、生と死などを通し、大切なものに気づいていく哲学的作品。抒情的な70年代のアメリカの地名と、黒と白を効果的に使ったレイアウトを用い、シュールに、そして比喩的に描いているポエムアートファンタジーマンガ。
登場人物・キャラクター
煙草 (たばこ)
クジラ解体工場で働いているアシカ。カンサスからニューメキシコへ旅している途中で珈琲と出会い、良き相棒となる。
珈琲 (こーひー)
煙草の相棒で一緒に住んでいるアシカ。突然、卵になってしまうが、190日目に卵から孵り、その背中には小さな羽が生えた。
ロバート・B・パーカー
アシカの雄。奥さんのメリィ・B・パーカーは、30年前にクジラに食べられてしまった。以後、孤独な生活を送っている。
アシカ大王 (あしかだいおう)
煙草と珈琲たちアシカの神様のようなもの。アシカが死ぬと、アシカ大王に弟子入りすることとなる。
ジミー
アシカの雄。弟のルイースと両親と共に、海に行くが、両親と弟は、引き潮で流されてしまい、以後、1人ぼっちとなった。ウサギのバニラに惚れてしまい、ウサギのコスチュームに身を包んで、ウサギのふりをして彼女にアプローチをかけていた。種族の差に悩み、バニラとの別れを決意するが、翻意し、アシカ大王の目の届かない世界へ行こうと、バニラとともに車で当てのない、逃亡の旅に出る。
藍蓮花 (ぶるー・ろーたす)
中国から来たアシカ。クジラ解体工場で働いている。さくらんぼ煙草を大事にとってあり、仕事が終わって1本だけを吸う。故郷に土地があると言っているが、アメリカまでの旅費を作るために売ってしまっていた。
カエル将軍 (かえるしょうぐん)
煙草とコーヒーの家に住むカエル。ニンゲンの捨てた手袋がお気に入りで、これを家としている。
チェリー
アシカの雌。小説を書いている。クジラ工場の煙突が倒れ、家がつぶれ死ぬ。
サー・フェリベ・ドン・カステリョⅢ世 (さー・ふぇりべ・どん・かすてりょさんせい)
アシカにはめずらしい豊かな金髪とニヒルな美貌で映画にデビュー。しかし、1度もスターとは呼ばれず「グレイト・ラバー」と呼ばれていた。
ミシュランザウルス
フランスの動物園からアメリカに贈られた猛獣。脱走したが、森で野犬に食べられ死んでしまう。動物界の5つ星と言われる美味しさ。
バブリー
髪型と明日のドレスを気にするアシカの雌。
ジャック
アシカの雄。ベティの夫。既におじいさんだが、戦争に出かける。
ベティ
ジャックの嫁。昔、ジャックとはフロリダの桃の木の下で出会い、結婚した。
ロバンソン
ロバの雄。彼女と一緒に住んでいるが、彼女がいないとパンツの場所もわからない。