風の谷のナウシカ

風の谷のナウシカ

高度な文明が崩壊した未来。少女・ナウシカはおびただしい争いを汚染された世界が浄化される秘密を解き明かし、残された人々を導いていく。第23回日本漫画家協会賞大賞、第26回星雲賞コミック部門受賞作。

概要

現代を遥かにしのぐ文明が火の7日間によって崩壊してから1000年近く経った世界。人々は旧世界が残したテクノロジーを発掘し、船と呼ぶ多様な航空機を操って暮らしている。だが火の7日間後に広がり始めた猛毒の森・腐海がその生活圏を浸食し、徐々に滅亡が近づいていた。辺境自治国の1つ・風の谷トルメキア王国から土鬼諸侯国連合帝国を攻撃するトルメキア戦役への参戦を命じられ、老いた族長・ジルに代わって娘のナウシカが出陣する。

ナウシカ腐海に住む異形の、とりわけ王蟲と心を通わせる能力を持ち、腐海が地上を浄化する役目を持つことを悟っていた。ナウシカが合流したトルメキア皇女・クシャナの戦隊は、彼女を疎むトルメキア王家の謀略で壊滅。

戦役を生き延びたナウシカは、土鬼が旧世界の技術で王蟲や腐海植物を兵器化していることを知る。だがこの試みは王蟲の大群の暴走・大海嘯を招き、土鬼の土地の3分の2が新たな腐海に沈んだ。いっぽうトルメキア王国への反撃を窺う土鬼の皇帝・皇兄ナムリスは、工房都市ペジテで発掘された巨神兵を手に入れる。

巨神兵は火の7日間で世界を滅ぼしたとされる巨大な人型の破壊兵器。だが目覚めた巨神兵はその起動に必要な秘石を持つナウシカを母と呼び、忠実なしもべとなった。ナウシカは自らオーマと名づけた巨神兵を従え、旧世界の遺産を保存したシュワの墓所の扉を閉める旅に出発。

その途中で自分たちが世界の浄化のため作られた人工の存在であり、浄化後の世界で生きられないことを知る。やがて墓所の主と対峙してそこが浄化後に人類を再生する装置だと知ったナウシカは、オーマに破壊を命じる。

登場人物・キャラクター

主人公

風の谷の族長・ジルの娘、後に族長を継ぐ。11人いたジルの子のうち、唯一の生き残り。空を飛ぶ船や凧(グライダー)を巧みに操り、剣術なども人並み外れた腕前。精神世界で蟲や一部の人間と交信する能力も持つ。ト... 関連ページ:ナウシカ

『風の谷のナウシカ』に登場する生物。王蟲を頂点に、大小さまざまな種が存在する。火の7日間の後で腐海とともに生まれ、特異な生態系を形成した。腐海を生息地とするが、その外部でも活動可能。普段は人に危害を加... 関連ページ:

伝説の剣士。ナウシカの父で風の谷の族長だったジルの旧友。常人離れした剣術の腕前に加え、古今の知見に精通している。腐海の謎を解く旅に人生の多くを費やした。トルメキア戦役の戦場に潜入した後、ペジテの長の息... 関連ページ:ユパ・ミラルダ

ジル

風の谷の族長・ナウシカの父。腐海の毒に冒され、体の石化が進んでいた。ナウシカの出陣からほどなく失明を経て没する。

風の谷で城に仕えていた初老の男性。ナウシカとともに出陣するが、クシャナの戦隊の壊滅ではぐれた。ユパ・ミラルダ、アスベルらと合流し、ナウシカを支えるため行動をともにする。腐海の毒に冒され、体の石化が始ま... 関連ページ:ミト

工房都市ペジテの長の息子、ラステルの兄。ペジテを滅ぼしたクシャナの船団をガンシップで襲撃した後、ともに土鬼の捕虜となったナウシカを助ける。ペジテの坑道で発掘された巨神兵の起動に欠かせない秘石をナウシカ... 関連ページ:アスベル

工房都市ペジテの長の息子・アスベルの妹。クシャナの戦隊によるペジテ攻撃を逃れて船で脱出したが、蟲に襲われて墜落。救助に来たナウシカに秘石を託して絶命した。ナウシカは後にアスベルと出会った際、秘石を手渡... 関連ページ:ラステル

土鬼の寺院で、ナウシカが出会った子供。その寺院は神聖皇帝の治世後に邪教とされた教義を密かに伝えていた。言葉を使わず精神で相手に話しかける念話の能力に優れ、たびたびナウシカのメッセージを群衆に伝えた。ク... 関連ページ:ルワ・チクク クルバルカ

土鬼の僧官。僧兵上がりで軍司令官を務める。貧民の自分を取り立てた皇弟ミラルパに忠誠を尽くす。だがナウシカと出会い、邪教とされたかつての教義が正しかったことを悟っていった。後に皇兄ナムリスが僧会を粛清し... 関連ページ:チヤルカ

『風の谷のナウシカ』に登場する不老不死の生物。旧世界の技術が作り出した。通常は人間の形をしているが、頭部だけになっても生き続ける生命力を有する。土鬼の皇兄ナムリスは自らをヒドラの体に作り替えていた。庭... 関連ページ:ヒドラ

皇弟ミラルパ、皇兄ナムリスの父。劇中には登場しない。かつて写本と音楽に秀でた少年だった頃、庭を訪れた。「人間を救いたい」との書き置きを残して何匹かのヒドラとともに外界へ戻り、圧政と狂気で人々を苦しめた... 関連ページ:神聖皇帝

神聖皇帝から超常の力を受け継ぎ、土鬼諸侯国連合帝国を統べる。旧世界の技術で延命処置を施されているが、定期的に薬液で沐浴しないと体が崩壊してしまう。兵器とするため王蟲、ヒソクカリなどを培養していた。だが... 関連ページ:ミラルパ

皇弟ミラルパの兄。自らをヒドラに改造している。超常の力を持たないため弟のミラルパに組み敷かれていたが、叛逆して権力を掌握。トルメキア王国の征服を企図し、捕えたクシャナに土鬼トルメキア二重帝国の建設を持... 関連ページ:ナムリス

僧正

高齢で盲目の土鬼マニ族僧侶。土鬼の古い信仰を守り、皇弟ミラルパや僧会と対立した。ユパ・ミラルダ、ケチャ、アスベルらを助けるため、自ら犠牲となって絶命。その後も魂がしばしば現れてナウシカらを助ける。

森の人。ナウシカに似た少年。祖母と母は蟲使い。腐海で遭難したユパ・ミラルダ、アスベル、ケチャらを救う。大海嘯で王蟲に助けられたナウシカを見つける。人の精神に接触する特殊能力を持ち、ナウシカに腐海の尽き... 関連ページ:セルム

旧世界が残したヒドラの一種。相手の心に入り込んで悲しみを忘れさせ、しもべにする。かつて初代の神聖皇帝が師と仰いだ。セルムは「旧世界の人間が造った不死の番犬」と呼ぶ。聖都シュワの墓所の主の一部でもあった... 関連ページ:庭の主

トルメキア王。3皇子と皇女クシャナの父。子供らを王位の簒奪者としてしか見ておらず、幼いクシャナに毒を飲ませようとしたこともある。聖都シュワで神聖皇帝らと同じく不老不死になることを願う。3皇子らの軍が敗... 関連ページ:ヴ王

トルメキア皇女。幼い頃に父・ヴ王から毒を飲むよう仕向けられるが、母が身代わりとなった。自ら育てた精鋭軍の信頼が篤いことから、ヴ王や兄の3皇子にうとまれる。トルメキア戦役では腐海の南下を命じられるが、こ... 関連ページ:クシャナ

知略に長けたトルメキア王国の軍人。平民出身で16歳の時からコルベットと呼ばれるトルメキア王国の戦闘艇に乗り組んだ。ヴ王からクシャナの監視および暗殺の命を受け、腐海を南下するクシャナの参謀に選任される。... 関連ページ:クロトワ

ヴ王の3人の息子でいずれもクシャナの兄にあたる。3皇子のうち1人はトルメキア戦役で飛行する蟲の大群に襲われ死亡。2人は敗退して帰国した後、ヴ王の叱責を受けて国境警備に就かされた。だがヴ王がシュワの墓所... 関連ページ:トルメキア皇子

工房都市ペジテの地下で発掘された巨神兵。化石化しておらず、接続された黒い箱の秘石が操作されたことで肉体が成長を始める。皇兄ナムリスが手に入れて利用を試みるが、制御できないことを知って人工の巨大な子宮で... 関連ページ:オーマ

『風の谷のナウシカ』に登場する架空の動物。トルメキア戦役の直前、風の谷を訪れたユパ・ミラルダからナウシカに与えられた。ながらくナウシカとともに旅をするがオーマが放つ毒の光で徐々に弱って死に、「庭」に埋... 関連ページ:テト

『風の谷のナウシカ』に登場する架空の動物。ダチョウに似た黒い動物で、人々が馬代わりに利用する。トルメキア戦役に赴くナウシカに、ユパ・ミラルダがカイと名づけられたトリウマを贈った。カイはサパタ土保国での... 関連ページ:トリウマ

集団・組織

教団

『風の谷のナウシカ』に登場する組織。墓所の主の下僕として住むことを許された人々。身体改造を施して数百年以上生きながらえてきた。墓所の主が示す文書の解読と検証に全てを捧げる。外部の権力者の協力を必要とし... 関連ページ:教団

蟲使い

『風の谷のナウシカ』に登場する一族。3度目の大海嘯を招いて滅んだ古エフタル王国の武器商人の末裔。巨大なナメクジ状の蟲を使って探索などを行う。「屍を好んでまさぐるいまわしきやつら」としてほかの民族から忌... 関連ページ:蟲使い

森の人

『風の谷のナウシカ』に登場する一族。腐海の奥深くに定住する人々。古エフタル王国の末裔。腐海や蟲と共生する特異な術を持ち、蟲使いが畏れ敬う。腐海の浄化が完成した腐海の尽きる所に何度も人を送り込んだが、み... 関連ページ:森の人

場所

風の谷

『風の谷のナウシカ』に登場する国家。人口500人の辺境自治国。300年前に20日間の大海嘯で滅んだ古エフタル王国の末裔。風の神への信仰を持ち、エフタル語を話す。腐海と砂漠に覆われた世界では貴重な草原や... 関連ページ:風の谷

ペジテ

『風の谷のナウシカ』に登場する国家。地中深く埋もれた太古の都市からエンジンを掘り起こす工房都市。トルメキア王国と古い盟約で結ばれていたが、巨神兵奪取のため滅ぼされた。

土鬼諸侯国連合帝国

『風の谷のナウシカ』の国家。内海をはさんでトルメキア王国と対峙する連合国家。土鬼と呼ばれる民族の51の小国を束ね、僧侶の集団である僧会を行政の中枢機構とする。旧世界の技術を伝えるシュワの墓所を擁し、テ... 関連ページ:土鬼諸侯国連合帝国

聖都シュワ

『風の谷のナウシカ』に登場する都市。土鬼諸侯国連合帝国の首都。シュワの墓所を中心に発展している。

シュワの墓所の貯蔵庫。浄化後の世界再建に必要な動植物の原種、また音楽と詩などを保存する。外観はのどかなで豊かな農村。だがその外部からは見えず、音も伝わらない。複数存在することが示唆される。200年前に... 関連ページ:

トルメキア王国

『風の谷のナウシカ』に登場する国家。大部分を腐海に覆われた陸地から突き出す半島状の土地を治め、風の谷など辺境の小国群を従える。南端にある首都トラスは、かつての巨大都市の廃墟に寄生した街。王族同士が血塗... 関連ページ:トルメキア王国

イベント・出来事

腐海

『風の谷のナウシカ』に登場する生態系。胞子で繁殖する巨大な植物群からなる樹海。王蟲をはじめとする多様な蟲が棲息し、しばしば腐海の外へ腐海植物の胞子を媒介する。腐海植物は瘴気と呼ばれる猛毒ガスを排出し、... 関連ページ:腐海

その他キーワード

ガンシップ

『風の谷のナウシカ』に登場する乗り物。現代の戦闘機にあたる小型艇の総称。風の谷は族長がガンシップの戦士としてトルメキア王の戦列に加わる盟約を結んでいた。建造後100年の風の谷のガンシップは同型がほかに... 関連ページ:ガンシップ

メーヴェ

『風の谷のナウシカ』に登場する乗り物。「凧」と呼ばれるエンジンつきグライダーの一種。優れた風使いでもあるナウシカが巧みに乗りこなす。

王蟲

『風の谷のナウシカ』に登場する生物。腐海に住む最大の蟲であり、腐海の守護者的存在。知性を有するが、ナウシカなど一部を除いて人間には理解されない。蟲を攻撃する人間に対して怒り狂い、腐海の外で破壊を繰り広... 関連ページ:王蟲

大海嘯

『風の谷のナウシカ』に登場する現象。王蟲の大群が暴走して腐海の外界を破壊する。やがて王蟲は力尽きて死に、そこから腐海が広がる。火の7日間から300年前までの間に3度起こった。3度目の大海嘯では古エフタ... 関連ページ:大海嘯

シュワの墓所

『風の谷のナウシカ』に登場する建造物。聖都シュワの奥深くにあると伝えられてきた黒い巨大な直方体。旧世界の遺産と浄化後に目覚めるはずだった人類の卵などが保管されている。神聖皇帝とその子・皇弟ミラルパと皇... 関連ページ:シュワの墓所

墓所の主

『風の谷のナウシカ』に登場する物体。古代文字で覆われた巨大で丸い肉塊。旧世界の知識を文書の形で冬至と夏至に1文ずつ、その表面に示す。人間の精神に直接話かけることも。旧世界の技術の一部を与える見返りに、... 関連ページ:墓所の主

粘菌

『風の谷のナウシカ』に登場する生物。土鬼が兵器として腐海植物のヒソクカリを培養した際、異常発生して巨大化した。4体が土鬼の地を浸食しながら合体し、大海嘯で押し寄せた王蟲の大群も飲み込む。だが蟲がもたら... 関連ページ:粘菌

巨神兵

『風の谷のナウシカ』に登場する生物。究極の破壊力を持った巨大な人型の存在。火の7日間で世界を滅ぼした破壊兵器だと語り継がれている。だがその正体は人間に裁きを下すために作られた「調停者にして戦士、そして... 関連ページ:巨神兵

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