芋虫

芋虫

原作は江戸川乱歩の短編小説『芋虫』。須永時子は戦争で大けがを負い四肢と聴覚、声帯を失った夫須永中尉と暮らしている。時子は彼を看病しているが、体の不自由な夫を自己の欲望を満たすための道具と考えている。

正式名称
芋虫
ふりがな
いもむし
原作者
江戸川乱歩
脚色
ジャンル
裏社会・アングラ
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概要・あらすじ

鷲尾邸内の離れ座敷に暮らしている須永時子は、シベリア出兵で負傷し、戻って来た夫の須永中尉を看病し続けている。夫は四肢を失い、ダルマのような姿で、医師からは奇蹟と言われる状態で生命を取りとめていた。須永中尉は、人間の五感がほぼ失われ、動物のように欲望で動いている存在となっていた。田舎の離れ座敷で欲望を持て余す彼女は、自分が居なければ何もできない夫をさいなむ事が愉悦となっていた。

登場人物・キャラクター

須永 時子 (すなが ときこ)

日露戦争の頃に須永中尉と結婚。子供に恵まれず養子をもらうが、スペイン風邪で亡くしてしまう。シベリア出兵から無残な姿で帰国した夫にショックを受けつつも、三年間、看病を続けていた。その一方で体の不自由な彼を玩具のように弄ぶことに愉悦するようになる。耳が聞こえなくなった夫とは、通常は筆談や指の仕草でやり取りをしているが、つい普通に話しかけることも少なくない。

須永中尉 (すながちゅうい)

両手両足、聴覚、声帯を失い、胴体だけの姿である。唯一両目だけが正常に機能している。戦時中、大けがを負い衛戍病院に送られた。怪我を負う前は手柄を立てて称賛されており、彼の武勲が書かれた戦争当時の新聞と、与えられた金鵄勲章を、須永時子に見せてくれるよう、度々せがんでいた。

鷲尾少将 (わしおしょうしょう)

戦時中は須永中尉の上長官であり、現在、邸内の離れを無償で須永夫婦に貸している。根気よく看病する妻の須永時子を称賛し、夫婦を哀れみ、果物の差し入れをしている。

クレジット

原作

江戸川乱歩

ベース

芋虫

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