概要・あらすじ
人口3000人ほどの小さな町で暮らす双子の姉妹、古戸森百花と古戸森花耶。彼女たちは鬼神を奉る氏子の家に生まれる。小さい頃から二人のうちのどちらかが、この町の守り神である鬼の末裔、天鬼家に嫁ぐことが決められていた。許嫁の天鬼凰介は、百花と花耶の幼なじみだ。百花と花耶は顔はそっくりだが、花耶は控えめで女らしく、百花はハッキリものを言う活発な女の子。凰介にいつも文句を言うのは百花だった。花耶は昔から凰介のことが好きで、百花も実は凰介のことを好きだったが、その気持ちをずっと隠していた。凰介には花耶の方がお似合いだと、百花は二人のために身を引き、町を出る決意をした。凰介には「やりたいことがあるから、町を出る」と伝え、ほどなくして凰介と花耶の婚約が決まる。花祭りでの二人の婚儀の舞を見届けて、百花は町を去るつもりだった。花祭り当日、「花耶がいなくなった」と母から百花に連絡が入る。百花は心当たりを捜すが、山中で足をすべらせ、坂をすべり落ちてしまう。落ちた先には頭から血を流した花耶が倒れていた。雨が降り、どんどん冷たくなっていく花耶。百花は「凰介を悲しませたくない」「花耶が生きていたほうがいい」ととっさに自分の着ていた服を脱ぎ、花耶の衣装と交換する。こうして百花は花耶に成り代わり、本当のことを誰にも言い出せないまま、1年がたった。なんとか一命を取り留めた花耶は未だに目を覚まさず、あの日中止になった婚儀の日を迎えてしまう。
登場人物・キャラクター
古戸森 百花 (こともり もか)
鬼神を奉る氏子の家に生まれた双子の姉。黒髪のストレートで、顔は妹の花耶と瓜二つだが、花耶と違ってしっかり者で活動的。幼なじみで許嫁の天鬼凰介のことをずっと好きだったが、天邪鬼で素直になれず、凰介に会うと言い争いばかりしていた。素直で優しい妹の花耶をうらやましいと思っている。花耶の気持ちを思い、町を出る決心をする。
天鬼 凰介 (あまき おうすけ)
百花と花耶の幼なじみで許嫁の未成年の男性。広大な土地山林を所有し、町の守り神である鬼の末裔でもある天鬼家の跡取り。前髪は目にかかるくらいの長さで毛先を遊ばせている。優しい男性で、百花も花耶も大事に思っている。
古戸森 花耶 (こともり かや)
鬼神を奉る氏子の家に生まれた双子の妹。姉の百花と同じく黒髪のストレートで、顔もよく似ている。小1の頃から、幼なじみで許嫁の天鬼凰介が好きだった。凰介の嫁になり、花祭りで凰介と婚儀の舞を踊るのが夢。控えめで大人しく、素直でかわいらしい女性。