概要・あらすじ
「恋をすると女は綺麗になる」という事が、化学的に解明された世界。初恋を経験した少女には、とある生理現象が働き、大人の女性へと肉体的に成長する少女性徴覚醒という現象が起こっており、それはつぼみが花咲くように例えられていた。中学教師の大草拓馬は、大人の女性を見るたびに「この人を最初に咲かせのはどんな男だろう」と考えてしまっていた。
社会人になってもその癖は治らず、恋人はできないまま。その他にも、拓馬は中学生時代、幼馴染で初恋の相手である姫川いばらに対して、告白を失敗した事をいまだに引きずっていた。そんな中、拓馬は中学校の同窓会に誘われるが、成長したいばらの姿を見たくない拓馬は、出席を断って部屋に引きこもっていた。ところが、そんな拓馬の前に、中学生の頃のいばらにそっくりな姿をした少女が現れる。
自分の妄想かと思う拓馬だったが、話をするうちに、その少女こそ25歳になったいばら本人である事を拓馬は知る。25年間、他人を好きになる気持ちがわからなかったいばらは、中学生の頃から成長が止まっていたのだった。「初めて自分を咲かせる人は、よく知っている男のほうがいい」といういばらは、拓馬に自分を咲かせるように求めるのだった。
登場人物・キャラクター
大草 拓馬 (おおくさ たくま)
25歳の男性教師。髪を茶髪に染めている。福島県で生まれ育ち、現在は母校の中学校で生物を教えている。中学生の頃に、幼馴染で初恋の相手である姫川いばらへの告白を盛大に失敗した事を引きずっており、女性とうまく付き合う事ができないままでいる。さらに、大人の女性を見るたびに「この人を最初に咲かせたのはどんな男だろう」と気にしてしまうようになっており、成人してもそんなふうに考えてしまう自分の事を異常だと思い、悩んでもいる。 「中学生当時のいばら」に執着しているが、実際に中学生のときのままのいばらが現れると、周囲の人達から「中学生と付き合っている男と思われかねない」と考え、困惑している。
姫川 いばら (ひめかわ いばら)
大草拓馬の幼馴染の女性。中学校までの同級生。中学生の頃は学校のマドンナ的存在だったが、中学3年生の時期に転校。その後、他人の事を好きになるという気持ちがわからず、14歳ほどで成長が止まってしまっている。そのため実年齢は25歳だが、外見上は中学生にしか見えない。しかし子供扱いされる事は嫌がっている。「自分を最初に咲かせるのは、よく知っている男のほうがいい」と考え、自分に好意を向けていた拓馬のもとに突然姿を現し、恋人として振る舞い始める。
富田 (とみた)
大草拓馬の勤めている中学校の女性保健医。学校では生徒達の少女性徴覚醒のケアも担当しており、自分も恋愛話が好きな事もあって、女子生徒からの人気が高い。また、かなりグラマラスな体型で、屈託のない性格のため、同僚の男性教師からの人気も高い。既婚者で3人の子供がいる。
香里ヶ丘 蘭 (こうりがおか かおる)
大草拓馬の勤める中学校に通う女子中学生。フェンシング部に所属し、全国大会ではベスト16と好成績を収め、活躍している。どことなくボーイッシュなためか、同性の生徒からも人気が高く、よく告白されている。同性から好かれる事を多少気にしていたが、ある日の下校中に偶然出会った姫川いばらに対して少女性徴覚醒を起こしてしまう。
五十嵐 (いがらし)
大草拓馬の勤める中学校の男性教師。拓馬とは中学校の同級生でもある。調子のいい性格で、いまだに初恋の事を引きずっている拓馬の事をよく茶化している。とくに、中学生のころに拓馬が姫川いばらへ送るつもりだった告白メールを、間違えてクラスメート全員に送ってしまった事は、いまだに笑い話にしている。
その他キーワード
少女性徴覚醒 (しょうじょせいちょうかくせい)
初恋を経験した少女に訪れる生理的な変化の事。特定の相手と接している時に、心拍数が安静時を上回った時間の合計時間が一定数を越すと起こるとされているが、引き起こされる条件にはかなり個人差があるらしい。少女性徴覚醒を経験した女性は、身体的にも大人らしい体になり、花のつぼみが開く様子に例えられて「咲いた」などと表現されている。 相手は芸能人やアニメのキャラクターであったり、あるいは女性に対してでも起こるらしい。