蒼き氷河の果てに… ―植村直己物語―

蒼き氷河の果てに… ―植村直己物語―

世界的冒険家の植村直己が1960年に明治大学山岳部へ入部してから1984年冬にマッキンリーで消息を絶つまでを描いた人物伝。特に1965年のヒマラヤ未踏峰初登頂について詳しく描かれている。

正式名称
蒼き氷河の果てに… ―植村直己物語―
ふりがな
あおきひょうがのはてに うえむらなおみものがたり
作者
ジャンル
登山・キャンプ
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概要・あらすじ

1960年の春に明治大学へ入学した植村直己は、山岳部の部室入口で同学年の小林と出会う。入部した植村は、技術や体力のある小林のあとを追ううちに次第に実力をつけていく。山の魅力に取り憑かれ、国内の難しい山を単独で登っていた植村だが、ある日小林から、マッキンリーの氷河の写真を見せられ、その美しさにすっかり魅了されてしまう。

そして大学卒業後、移民船で渡米するのだった。

登場人物・キャラクター

植村 直己 (うえむら なおみ)

明治大学入学時に山岳部に入部。童顔・小柄で人が良く、山岳部入部当初は自分に自信を持てずにいた。高山病に掛かりにくい体質で、標高の高い場所でも自由に活動することができる。大学卒業後は小林に刺激され、海外の山に次々登頂した。1970年、日本人初のエベレスト登頂に成功している。 登山以外にも北極点に単独犬ぞりで到達など数々の偉業を成し遂げた。1984年、アメリカの真冬のマッキンリー登頂後に消息を絶っている。

小林 (こばやし)

植村直己と同学年で、一緒に明治大学の山岳部に入部した。さわやかで頼りがいのある青年。技術・体力ともに申し分ないが、高山病に掛かりやすい体質をもつ。植村の実力を早くから認め、共に切磋琢磨するライバルだった。植村にマッキンリーの氷河の写真を見せ、海外の自然への憧れを抱かせた。 1968年に交通事故で亡くなっている。

高橋 (たかはし)

明治大学の山岳部出身。1965年ヒマラヤの未踏峰ゴジュンバ・カン初登頂を目的とした明大遠征隊の隊長を務めた。当時34歳。当初小林による登頂を期待していたが、小林が高山病で動けなくなると、標高にめげず動きの良かった植村直己にアタックを指示した。 山岳部出身にしてはめずらしく、おだやかな性格の持ち主。

集団・組織

明大遠征隊 (めいだいえんせいたい)

1965年にヒマラヤの未踏峰ゴジュンバ・カンに登頂するため、明治大学山岳部出身者により組まれた遠征隊。隊長は高橋。メンバーはほとんど社会人で、遠征費用は隊員たち個人で負担していた。ゴジュンバ・カンの登頂は事前の予想より厳しく、途中でケガ人が出たりするなど難航を極めたが、隊員だった植村直己により初登頂を果たし、快挙を成し遂げた。

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