裸足のアイツ

裸足のアイツ

父親の借金のかたに名門一族に住み込み、メイドとして働く事になった少女、浜田明星と、一族の長男、大友皆人が身分違いの恋に落ちる。神奈川県湘南エリアを舞台に、周囲の妨害や反対に遭いつつも、愛を深めていく二人の様子をコメディタッチで描いた作品。「少女コミック」1995年18号から1997年23号にかけて連載された。

正式名称
裸足のアイツ
ふりがな
はだしのあいつ
作者
ジャンル
ラブコメ
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あらすじ

明星と皆人の出会いと芽生えた恋(第1巻)

北海道出身の浜田明星は、明星の父の会社が倒産したため、神奈川県湘南に住む名門、大友一族のもとへやって来た。生活が落ち着くまでここで暮らし、ほどなくすれば実家に帰れるとばかり思っていた明星であったが、迎えに来た大友皆人から「借金のかたにメイドとして送られてきた」という衝撃的な事実を告げられる。さらに明星の父親が行方不明になり、明星はやり場のない不安と寂しさを覚える。しかし明星は開き直るしかないと考え、いけすかない皆人を見返すためにも、メイドの仕事を懸命にこなしていく。そんな明星の姿に皆人は興味を抱き、同時に皆人に悪い印象を抱いていた明星も彼の人柄を見直していく。二人の関係が急接近していく中、皆人の婚約者、比企砂織は彼と親しげにしている明星が気に入らず、海に突き落としたり、「借金を帳消しにするために身体を使って皆人に取り入っている」などと、無責任な噂を立てて嫌がらせをしていた。さらに砂織は、皆人と正式に婚約がしたいと、自分の父親や大友周一郎に泣きつき、婚約披露パーティーを開催。しかし、ステージ上に現われた皆人は「砂織との正式な婚約破棄」を宣言し、そのまま明星に告白をするのであった。

明星の学園生活と津波からのアプローチ(第2巻)

浜田明星大友皆人は公認の恋人同士になった。そして明星は、皆人から借金の帳消しと、メイドを辞めて湘法学園に編入し、寮生活を送るよう告げられる。しかし、明星はすべてを人任せにすることを拒否。素直に甘えてこない明星に苛立ちを覚えた皆人は、湘法学園の編入試験に自力で合格するよう命じるのだった。明星はレベルの高い湘法学園の編入試験に苦戦するものの、持ち前のガッツでなんとか補欠合格を果たす。そんな中、皆人の家族が長期のニューヨーク旅行から帰宅。義弟の大友津波は自分より優れた皆人に強いコンプレックスを抱いており、自身のプライドのために皆人から明星を奪おうと接近する。まずは二人を引き離すため、学校内に「メイドでありながらも皆人に取り入った腹黒な女がいる」と無責任な噂を流し、女子達に明星を攻撃させた。しかし、皆人が「俺が明星を口説いた」と堂々と宣言したので、逆に明星は人気者になってしまう。明星は卑怯な手を使う津波に怒り、一方の津波は明星の人柄に触れて、明星に本気の恋心を抱く。そして、明星を手に入れるため、さらなる策を講じるのだった。

ヨットレース大会と皆人の父からの反対(第3巻)

大友津波の策に落ちた浜田明星は、大友皆人に救われることとなった。皆人は気を失っていた明星を、自身の所有するレストラン「ラ・マル」へ連れて行き、二人きりで一夜を過ごす。翌朝、目を覚ました明星は、自分が服を着ていないことに気づいて激しく動揺するが、「服は濡れていたから干した」「寝ている女を襲う趣味はない」と皆人に告げられ、何もなかったと安堵する。津波のせいで住む場所を失った明星に対し、皆人は一緒に「ラ・マル」に住もうと提案。いきなりの同棲生活がスタートする。その事実を知った津波は、皆人に「ヨットレース大会に勝った方が明星の恋人になる」という条件を提示し、皆人はこれを受け入れる。皆人と明星はヨットレースでコンビを組み、津波の数々の卑劣な策をことごとく打破して正々堂々と勝利する。そして津波は二人のあいだに入り込めないと悟り、身を引くのだった。

こうしてますます絆を深めた二人の前に、皆人の父親、大友周一郎が現われる。周一郎は皆人に明星と別れるよう告げ、皆人はあっさりと承諾。ショックを受ける明星であったが、これは皆人の作戦であった。そして皆人は周一郎や見張り役のアンディの目をかいくぐり、駆け落ちをしようと、明星と共に空港へと向かうのだった。

駆け落ちの顛末と広海の明星に対する恋心(第4巻)

駆け落ちした大友皆人浜田明星が乗った飛行機はマイアミに向かい、そこには皆人の実母、ヒロ子と現在のヒロ子の夫であるシンイチが迎えに来ていた。皆人は、ヒロ子に会わせて、明星に自分が本気であると伝えるためで、実際には駆け落ちではなかった。そして、マイアミから帰国した明星と皆人に対し、大友周一郎は「明星が大友家にふさわしい女性になれたら交際を認める」と告げるのだった。こうして明星は、皆人のいとこにあたり、親友でもある大友広海の屋敷で、広海の祖母である大奥様から厳しい教育を受け、執事の八木からは激しい嫌がらせをされるようになる。最初こそ何もできなかった明星だが、課題も嫌がらせもガッツで乗り越えていき、広海はそんな姿を目の当たりにし、明星に恋心を抱いてしまう。そんな中、広海の屋敷を訪れた皆人は、広海が明星に好意を寄せているのを見抜き、広海と自分のどちらを選ぶのか、と明星に選択を迫る。

別れの危機を乗り越えた2人と周一郎との直接対決(第5巻)

一度は浜田明星に選ばれながらも、結局は拒絶されてしまった大友広海は、自分の負けを潔くよく認める。いてもたってもいられなくなった明星は、深夜にもかかわらず皆人のいる「ラ・マル」へ向かう。その最中、明星は大勢の不良に絡まれ、そこを偶然通りかかった皆人に助けられるのだった。自分のために殴られてしまった皆人を見た明星は、広海に心を揺らしたことを詫び、皆人も広海に「明星は自分のものだ」と素直に言葉にしなかったと謝罪。こうして互いの想いを確かめ合った二人はその後、初めて身体の関係を持つ。

それからしばらく、皆人に会えない不自由な生活を送っていた明星だったが、大奥様アンディの試練を乗り越え、ついに彼女達に皆人との関係を認めさせることに成功。だがそんな中、明星は自分が皆人と別れなければ、アンディがクビになってしまうと知る。明星は直談判するため、皆人、アンディと共に大友周一郎のいるニューヨークへと向かうのだった。

明星と皆人の婚約と明星の兄登場(第6巻)

ニューヨークで会った大友周一郎から「明日の500人集うパーティーに皆人が明星をエスコートし、明星が問題なく挨拶できたら交際を認める」と提案された浜田明星は、周一郎のお付きの人物からパーティードレスを買いに行くよう命じられる。警戒せずについて行ったところ、ニューヨークの治安の悪いエリアに一人置き去りにされてしまう。一方、部屋に監禁されていた大友皆人アンディの協力を得て何とか抜け出し、明星を助けることに成功。こうして二人は無事パーティー会場に到着し、周一郎はやっと交際を認めるのであった。

帰国した明星を待っていたのは、兄、浜田光であった。光は明星が皆人に騙されていると考えており、尾行の末、「ラ・マル」で皆人と美咲が密会している場面を目撃。明星に「二人が痴話喧嘩をしていた」と報告する。皆人は明星に誤解であると語るが、「なぜ痴話喧嘩をしていたのか」といった質問には明確な返答をしないままだった。これを気に病んだ明星は体調を崩し、寝込んでしまう。

明星の挑戦と皆人のライバル登場(第7巻)

美咲大友皆人の関係を知り、美咲との距離も縮まったので、浜田明星は「ラ・マル」で過ごす時が増えていた。そんな中、外洋旅行を目標としている大友皆人大友広海、美咲らの会話に入れず、寂しく感じていた。自分も外洋旅行に行きたいと考えた明星は、まずは小型船舶免許を取得しようと、酒井の力を借りて動き出す。そのさなか、船の制御ができずに危機に陥った明星を皆人は命がけで助け、この出来事がきっかけとなり、浜田光も二人の交際を正式に認めるようになるのだった。

外洋旅行のメンバーに加えてもらった明星は、ある日、かつて北海道にいた頃の友人、千葉洋平と再会する。洋平は船舶免許を取得することに加え、昔から好意を寄せていた明星に告白をするためにやって来たのだった。そして迎えた皆人の誕生日、明星は洋平にホテルに監禁され、皆人の誕生日を祝えずに終わってしまう。後日、改めて祝う約束をする明星だったが、そこで洋平のホテルの部屋に携帯電話の入ったバッグを置き忘れてきたことに気づく。その携帯電話を洋平が使ったため、皆人の誤解を招き、明星は彼に拒絶されてしまう。

明星の婚約と千波の攻撃(第8巻)

大友皆人に嫌われたと、ショックを受ける浜田明星は、千葉洋平に誘われるままデートに出かける。しかしそこで、実は皆人とのトラブルは、すべて洋平がわざと仕掛けたものであると知ってしまう。明星は激怒し、謝罪のために皆人のもとへと急ぐ。怒られるとばかり思っていた明星に対して皆人は、「誰も二人のあいだに入れないように、正式な婚約発表をしよう」とプロポーズをする。

後日、無事船舶免許を取った明星は、皆人と共に婚約披露パーティーの準備のため、静岡県伊豆市へ向かう。これは外洋旅行のためのヨットの練習も兼ねており、明星は日焼けをし、髪が潮風でボサボサになりながらも頑張っていた。そんな中、以前から皆人に恋心を抱き、明星を快く思っていない大友千波は、二人を別れさせようと画策。千波自ら皆人に色仕掛けで迫りながら、皆人の元彼女である潮乃満流を伊豆に呼び出し、日焼けと潮風でボロボロの明星が劣等感を抱くようにと対面させる。結局その策も功を奏さず、二人は無事婚約披露パーティーを開催する。そのパーティー最中、明星のもとに、行方不明になっていた明星の父からの電話が入る。

明星の父の病気と外洋旅行(第9巻)

行方不明であった明星の父は、浜田明星に対して「大友皆人と幸せになってほしい」と告げる。実は明星の父は婚約披露パーティー会場の近くに来ており、明星に一目会いたいと願っていたのだった。守衛に見つかった明星の父は明星と皆人の前に立ち、事業倒産での心労と以前からの病が悪化し、神奈川県にある小さな個人病院にずっと入院していて連絡が取れなかったと告げる。それを受け、皆人は明星の父を、彼の地元である北海道の大病院に転院させるよう、手続きを進めるのだった。

その後も、明星と皆人、大友広海美咲の四人は本格的にヨットでの外洋旅行の計画を進めていく。そんな中、明星は美咲が広海に対して恋心を抱いていると気づく。皆人の協力も得て明星はキューピット役として奔走し、広海と美咲は正式に恋人同士になる。そこへ、浜田光から「明星の父は大掛かりな手術が必要で、向こう5年間は注意が必要だ」との報告が入る。急いで北海道に帰った明星と皆人は、明星の父の状況から判断し、外洋旅行を延期しようと決断。そんな彼らに対して光は、「千葉洋平の実姉である千葉渚子と結婚をするから、明星の父のことは任せておけ」と芝居を打つ。これを受け、ずっと光に想いを寄せていた渚子は彼に気持ちを伝え、結局二人は芝居ではなく、本当に結ばれることとなるのだった。明星と皆人は光と渚子に背中を押され、予定通り広海と美咲の四人は、ヨットでの外洋旅行へと旅立っていく。

登場人物・キャラクター

浜田 明星 (はまだ あかり)

北海道出身の高校1年生の少女。年齢は16歳。4月16日生まれのO型。身長155センチで、視力は2.0。表情豊かで、太い眉毛がチャームポイント。家族構成は明星の父と兄、浜田光の三人家族で、母親は亡くなっている。浜田明星自身も「ガッツがウリ」というほどの根性の持ち主で、つねにポジティブで前向きな性格をしている。 相手がどのような立場の人物であろうと、言いたいことははっきりと口にするタイプ。そのため、大友皆人をはじめ周囲の人からは、「気性の荒いサル」呼ばわりされている。明星の父が会社経営に失敗し、実家が5000万円の負債を抱えてしまい、生活が落ち着くまで、明星の父の知り合いである湘南の名門、大友一族のもとで生活するようになる。 明星はただ預けられただけであり、転入してふつうの高校生活が送れると思っていたが、実はメイドとして借金のかたに身売りされただけであった。大友一族の長男である大友皆人を、最初は愛想のない嫌な奴だと感じていたが、彼の人柄に触れるうちに恋心を芽生えさせる。皆人と両想いになってからは、周囲によるさまざまな妨害や反対に遭うが、持ち前のガッツと大胆な行動力で突き進んでいく。 なお、皆人と交際後は湘法学園に入学して寮に入ったため、メイドの仕事は休止状態になるが、明星としては、大友家に借金をしている自覚を持ち続けている。勉強は嫌いで、学校の成績は非常に悪い。

大友 皆人 (おおとも みなと)

湘法学園に通う高校2年生の男子。神奈川県の湘南に住んでいる。年齢は17歳。2月8日生まれのO型で、身長177センチ。極度の近眼であり、眼鏡やコンタクトをしていないと、人や物をほとんど認識できない。湘法学園が所有する寮の寮長であり、大友皆人自身も住んでいる。学校での成績は非常に優秀で、毎回学年1位をキープしている。 実家は地元の名門、大友一族として知られており、金や権力を含めて周囲には一目置かれている存在。家族は実父、大友周一郎と義理母、義理弟の大友津波、義理妹の大友千波がおり、実母、ヒロ子は皆人が12歳の頃に駆け落ちをしたためいない。大友広海とはいとこで親友でもある。皆人自身は、何かと優遇されている自分の立場を気に入っておらず、もっと自由に生きたいと考えている。 普段はパワフルで男勝りな浜田明星が、風呂場で誤って裸を見られてしまった際に恥じらうギャップに惹かれ、想いを寄せるようになる。明星に対してはたびたび「気性の荒いサル」呼ばわりしているが、そんなところも可愛らしいと感じている。感情を表に出さない性格で、周囲には何を考えているのかわからないと言われるものの、本当は心優しく思いやりあふれる人柄。 趣味は料理とヨット。特に料理は、実家に隠れて所有しているレストラン「ラ・マル」のオーナー兼コックを務めており、かなりの腕前である。「ラ・マル」を経営しているのは、料理の趣味が高じた以外に、広海や美咲とヨットでの外洋旅行をするための資金を自分で稼ぐという理由もある。 比企砂織と一時婚約していたものの、明星への恋心から破棄している。

大友 広海 (おおとも ひろみ)

湘法学園に通う高校2年生の男子。大友皆人の親戚。非常に優しい性格をしており、皆人や美咲とは昔からの親友でもある。浜田明星にも、「湘南で一番いい人」と評されている。かつて美咲に片想いをしていたが、当時の美咲が皆人に恋をしていたため、何も進展せず終わった。皆人とはヨットの趣味が同じで、美咲も含めた三人で外洋旅行に行くことを夢見ている。 明星に対しては、最初は面白い子という程度の認識だったものの、次第に恋心を抱くようになった。しかし、自分は皆人に勝てない、二人が強く愛し合っている、そして大友広海自身が皆人も明星もどちらも好きである、といった事情から、潔く諦めている。美咲と共に皆人のレスストラン「ラ・マル」でアルバイトをしている。

美咲 (みさき)

湘法学園に通う高校3年生の女子。大友皆人と大友広海の友人。クールな雰囲気を漂わせた人物で、めったに感情を表に出さない。しかし根は優しく面倒見の良い性格であり、広海からは「皆人の女版」と評されている。皆人に対して片想いをしていた時期があったが、皆人には「お前は広海の好きな女だから手は出せない」と拒絶された。 その後は友達として接しており、なるべく女を感じさせないような言動を心がけていた。浜田明星に対しては、最初は皆人に憧れ、周りをちょろちょろしているだけの、ほかのミーハー女と同じだと思っていたものの、彼女の人柄を知るにつれ、次第に友情が芽生えていった。また、当初は異性として見ていなかった広海に対しても次第に愛情がわき、それに伴い、女らしい言動が増えていく。 ヨットの操縦ができ、知識も豊富なので、皆人と広海の外洋旅行のメンバーに入っている。広海と共に皆人のレストラン「ラ・マル」でアルバイトをしている。

比企 砂織 (ひき さおり)

湘法学園に通う高校2年生の女子。日本でも有数の金持ちと知られる比企財閥の一人娘。ゴージャスな美人ではあるものの、わがままで高飛車な性格をしており、何でも自分の思い通りにならないと気が済まない。父親に頼んで大友皆人を婚約者とし、「自分は皆人のフィアンセ」と周囲に言いふらし、湘南エリアで大きな顔をしていた。 メイドという立場にもかかわらず、皆人と親しくしている浜田明星に対して嫌がらせをすることも多い。その毒の強さゆえに、明星からは時々「さそりさん」と呼ばれている。皆人に婚約を破棄されても諦めきれず、明星に嫌がらせをしつつ皆人を追いかけている。

潮乃 満流 (しおの みちる)

大友皆人が小・中学生の頃の家庭教師。皆人が中学生の頃に交際をしていた女性。年齢は皆人より10歳以上年上。はかなげな雰囲気の美人で、穏やかな性格の持ち主。大友周一郎の反対に遭い、自分の年齢も考えて皆人との別れを決意し、静かに身を引いた。浜田明星に嫌がらせをするための材料として大友千波に呼び出され、皆人の前に再び姿を現した。 ちなみに、潮乃満流自身には千波に協力する気は一切なく、ただ成長した皆人に会いたかっただけである。現在は婚約者がおり、妊娠中でもある。

大友 周一郎 (おおとも しゅういちろう)

湘南エリアの名門、大友一族の当主の男性。大友皆人の父親。普段は仕事のため、ニューヨークに住んでいる。前妻のヒロ子は、皆人が12歳の頃にほかの男性と駆け落ちをして出て行ったため、現在は後妻を迎えている。後妻の連れ子である大友津波と大友千波も、実子である皆人と区別せず、同じ息子と娘として平等に扱っている。 明星の父とは知り合いであり、経営する会社が倒産した際には、浜田明星がメイドとして働く代わりに5000万円の借金を肩代わりした。クールな性格で、笑顔をほとんど見せない。いずれ大友家を継ぐであろう皆人には、対等な女性と交際してほしいと願っている。そのため、財閥の一人娘である比企砂織との婚約は受け入れたものの、元社長令嬢とはいえ、今は庶民の明星との交際には反対であり、今すぐ別れてほしいと考えている。 刑事ドラマ『刑事コジャック』の主人公に声が似ているので、明星からは「コジャックパパ」と呼ばれている。

大友 津波 (おおとも つなみ)

大友皆人の義弟で、高校2年生。湘法学園に通っている。大友周一郎の後妻の連れ子であるため、皆人と血のつながりはない。長いサラサラの髪の毛をなびかせて歩く王子様キャラであり、物腰柔らかで、優雅な立ち振る舞いをしている。周囲からの評判も高い美男子であるものの、義理の兄である皆人に強いコンプレックスを抱いている。 そのため、皆人の恋人である浜田明星を無理矢理奪おうとしたものの、皆人に阻止された。最初はあくまで自分のプライドを保つために明星に近づいたが、明星に殴られた際に、「あんな子はじめて」「かわいい」と、真剣に好意を抱くようになった。しかし、皆人と明星のあいだには入り込めないと悟ってからは、明星の恋を応援している。

大友 千波 (おおとも ちなみ)

大友皆人の義妹。大友周一郎の後妻の連れ子であるため、皆人と血のつながりはない。皆人に対して強い憧れと恋心を抱いていたものの、比企砂織や潮乃満流など歴代の彼女たちがお似合いの美人であったため、諦めていた。庶民的で大した美人ではない浜田明星が現在の彼女と聞き、納得できないでいる。そのため明星には冷たく接し、さらに皆人に身体を使って迫るなど、アプローチをし始めた。 皆人には「妹としか見られない」とふられているが、諦められずにいる。

ヒロ子 (ひろこ)

大友皆人の生みの母親であり、大友周一郎の前妻。現在は夫であるシンイチと共にマイアミで暮らしている。女子大学生の頃に大友家の調理場に野菜を運ぶアルバイトをしていたところ、料理長をしていたシンイチと恋に落ち、交際をスタートさせた。ある時、周一郎の気難しさに悩んでいるシンイチに対し、盛大に周一郎の悪口を言っている場面を本人に目撃され、その気風のよさに惚れられてしまう。 シンイチと別れさせられたうえに結婚までさせられ、その後は外に愛人を作って帰ってこない周一郎に嫌気がさしていた。そんな生活に耐え切れず、皆人が12歳の頃にシンイチと駆け落ちした。豪快で明るい女性であり、皆人との関係は現在も良好。浜田明星のことも認めており、二人の恋を応援している。

シンイチ

大友皆人の生みの母親であるヒロ子の現在の夫。ヒロ子と共にマイアミで暮らしている。以前は大友家の料理長を務め、大友周一郎に食事を提供していた。周一郎の気難しさのため自信を失っていた時、調理場に野菜を運ぶアルバイトをしていたヒロ子と出会い、恋に落ちる。だが、周一郎がヒロ子にほれ込んだため、無理矢理別れさせられた。 別れたあともずっとヒロ子が忘れられず、皆人が12歳の頃にヒロ子と駆け落ちした。皆人にヨットの楽しさを教えた男性でもあり、「皆人が自分の子だったらいいのに」と口にするほど関係は良好である。

アンディ

大友周一郎の側近を務める、金髪の若い男性。浜田明星と大友皆人の交際を強く反対する周一郎に、明星の見張り役として付られた。周一郎の言い付けを守って二人の恋を邪魔してはいたが、明星自身の人柄やガッツは認めており、好感を抱いていた。

酒井 (さかい)

大友家に執事として仕える高齢の男性。豊かなひげを蓄えており、いつもタキシードのようなスーツを着ている。つねに感情を顔に出さないポーカーフェイスの持ち主。メイドとして懸命に働く浜田明星には好意的であり、大友皆人と恋仲になった際も陰ながら応援していた。皆人を幼い頃から知っているため、幸せになってほしいと願っている。 船舶免許を持っており、ヨットやボートに詳しい。

大奥様 (おおおくさま)

大友広海の祖母で、大友皆人の叔母にあたる人物。広海と同じ屋敷に住んでいる。小柄で高齢だが、まだまだ元気いっぱい。偏屈で厳しい性格をしているが、大友一族には強い誇りを持っている。大友周一郎から、浜田明星を大友家にふさわしい女性になるよう教育してほしいと依頼され、明星に立ち振る舞いや茶道を教え込んだ。 最初は明星を追い返すつもりだったが、のちに明星のガッツを認めて皆人との関係を黙認するようになった。

八木 (やぎ)

大友広海が住む屋敷で働く男性の執事。主に大奥様にかかわる雑務をこなしている。庶民で気性の荒い浜田明星を、大友皆人の恋人と認めたくない思いから、明星を地下に閉じ込めるなど嫌がらせをした。

浜田 光 (はまだ ひかる)

浜田明星の兄で、年齢は25歳。明星の父の会社が倒産する少し前に、海外ボランティアとして出国しており、連絡が取れない状態となっていた。親戚から明星が湘法学園に通っていると知り、父親が行方不明になったうえに、慣れない土地で寂しがっているのではないかと案じ、明星のもとを訪ねた。以降、湘法学園の体育教師となり、大友津波のせいで寮を追い出された明星と共に、ボロアパートで暮らしていた。 湘法学園での人気は上々で、生徒からの信頼も厚い。かなりのシスコンであり、年の離れた妹である明星が大好き。昔から明星に近寄る男を撃退してきており、明星には迷惑がられていた。まるで戦隊ヒーローのような、まっすぐな熱血漢であり、噓がつけない。明星が大友皆人に騙されているに違いないと信じて、二人を別れさせようとしたが、のちに互いが本気であると知る。 それでも明星が好きなのは変わらず、皆人が彼女の側に近寄るのを嫌がっている。昔から千葉渚子に好意を寄せられており、のちに彼女の気持ちを知って結婚する。

明星の父 (あかりのちち)

浜田明星の父親。北海道で「浜田物産」という会社を経営していたものの、5000万円の負債を抱えて倒産してしまう。その後、知り合いである大友周一郎に頼み、借金を肩代わりしてもらう代わりに、明星を大友家のメイドとして送り出した。しかし、明星本人には「生活が落ち着くまで知り合いのところで暮らしてほしい」とだけ伝えており、メイドの件は伝えていなかった。 さらに明星からの電話にも出ず、行方不明になっていた。騙すようなかたちにはなってしまったものの、明星を愛していないわけではなく、周一郎への借金返済の目途がつき次第、迎えに行くつもりであった。

千葉 洋平 (ちば ようへい)

北海道在住の16歳の少年。浜田明星の小・中学校の友人であり、当時は仲がよかった。明るい性格で、小・中学校時代から現在に至るまで学校の人気者。イケメンなので、女子にも非常に人気がある。船舶免許の講習会で湘南を訪れた際、明星と再会する。明星には「実家が漁師であり、船舶免許を湘南で取ったらハクがつくので上京した」と伝えていたが、実際は明星に会って告白するのが主目的であった。 酷い北海道なまりでしゃべり、標準語に慣れてきた明星も千葉洋平と話をすると、つい引っ張られてなまってしまうほど。明星の気持ちが完全に大友皆人に向いていると知り、未練を残しつつも身を引いた。ただし地元の北海道で「皆人の容姿は21点」と言いふらすなど、ライバル心は消えていない。

千葉 渚子 (ちば なぎさこ)

北海道在住の女性。千葉洋平の姉。年齢は18歳。浜田明星とは昔から面識がある。年齢のわりに童顔で、少し抜けているところがある。高校を出てから就職活動をしており、できれば街で働きたいと考えていた。実は昔から明星の兄、浜田光に憧れており、お芝居と言えども、光からプロポーズをされた際には喜んで受け入れている。 のちに自分から告白し、光と結婚することになった。

場所

湘法学園 (しょうほうがくえん)

神奈川県湘南エリアにある共学の私立高校。大友皆人が寮長を務めている。規則はわりと緩く、男子寮に女子が忍び込むことも珍しくないが、秩序を乱すものは皆人からの制裁が下る。生徒には裕福な家庭の子息と息女が多い。

ラ・マル (らまる)

大友皆人が所有しているレストラン。皆人がオーナー兼コックを務めている。「ラ・マル」とはスペイン語で「海」の意味で、愛を込めて呼び掛ける時に使う。ちなみに皆人はこの店名に強い思い入れがあり、浜田明星が店名を「オ・マル」と言い間違えた時には、本気で激怒している。皆人が「ラ・マル」を開業した理由は、趣味である料理を作りたかったことと、ヨットでの外洋旅行の資金を自分で稼ぎたかったからである。 普段学校に通っている時や、皆人の不在時には人を雇っており、皆人の友達の大友広海や美咲もアルバイトしている。

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