ソラニン

ソラニン

浅野いにおの代表作の一つ。東京都狛江市の小田急小田原線和泉多摩川駅周辺を舞台に、社会人2年目のOL・井上芽衣子とフリーターの種田成男の恋愛と青春を描く物語。退屈な日常を送る芽衣子が、同棲相手の種田に勇気付けられて会社を辞めることから物語は始まる。芽衣子の決断に触発された種田は本格的にバンド活動を開始し、「ソラニン」という楽曲を完成させる。その後、ライブイベント出場を機に芽衣子も本格的にギターを習い始める。本作は、バンド活動と恋愛関係を主軸とした青春漫画である。大学卒業後の不安定な時期にある若者たちの心境と、音楽を通じた自己表現が重要な要素として描かれている。また、多摩川の河川敷などの実在する風景描写による、リアルな生活感のある舞台設定が特徴となっている。小学館「週刊ヤングサンデー」2005年から2006年まで連載。実写映画(劇場)化され、2010年4月に公開された。

正式名称
ソラニン
ふりがな
そらにん
作者
ジャンル
バンド
レーベル
ヤングサンデーコミックス(小学館) / ビッグ コミックス(小学館)
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作品の概要

基本情報

浅野いにおの代表作の一つ。

要旨と舞台設定

東京都狛江市の小田急小田原線和泉多摩川駅周辺を舞台に、社会人2年目の芽衣子とフリーターの成男の恋愛と青春を描く物語である。退屈な日常を送るOLの芽衣子と、バンドマンの夢を諦めきれずにいる種田の関係を軸に、東京近郊の多摩川沿いの風景とともに物語が展開される。作品には実在の地名や風景が多数登場し、リアルな生活感のある舞台設定となっている。

ストーリー展開

会社員としての日々の暮らしに疲れ始めた芽衣子は、同棲している種田に後押しされ、会社を辞めることにする。芽衣子の決断に触発された種田は本格的にバンド活動を開始し、「ソラニン」という楽曲を完成させる。その後、芽衣子の友人である加藤賢一と山田二郎がバンドに加わり、三人での活動が始まり、ライブイベント出場を機に芽衣子も本格的にギターを習い始める。

ジャンル的特徴と位置づけ

本作は、バンド活動と恋愛関係を主軸とした青春漫画である。大学卒業後の不安定な時期にある若者たちの心境と、音楽を通じた自己表現が重要な要素として描かれている。また、単純な成長物語やサクセスストーリーとは異なり、現実的な人生の困難さと向き合う登場人物たちの姿が特徴的である。

連載状況

小学館「週刊ヤングサンデー」2005年から2006年まで連載。

メディアミックス情報

実写映画(劇場)

2010年4月3日公開。

あらすじ 

第1巻

井上芽衣子は、東京でOLとして地味な毎日を送っていた。日々の繰り返しに疲れ始めた頃、同棲している彼氏の種田成男の後押しもあり、ある日会社を辞める。そんな時、芽衣子は友達の小谷アイから、種田にどうしてほしいのか真剣に話すべきだと勧められる。そこで芽衣子は、種田に本当は音楽をやりたいのではないかと聞いてみる。芽衣子に問われた事で、種田はもう一度真剣にバンド活動を開始。種田は「ソラニン」という曲を完成させ、デモCDを各レコード会社やライブハウスに送る。すると一社だけ反応があり、種田達は緊張しながらもレコード会社に赴く。しかし、それはバンドとしての活動ではなく、アイドルのバックバンドの誘いだった。種田達が思い描いていたものとはまったく異なる活動内容に、いっしょについて来ていた芽衣子は怒ってその話を断る。その後、どの会社からも連絡がなかった事で、種田はバンド活動をあきらめる。種田はもといたデザイン会社でもう一度働き始め、芽衣子や友達がいる事が幸せだと自分に言い聞かせ、普通の暮らしに戻る事を決める。しかし本当にそれで幸せなのかという、自問自答は消える事はなかった。

第2巻

種田成男は乗っていた原付で事故を起こし亡くなってしまう。種田の死から2か月が経ち、井上芽衣子は商店街の花屋でアルバイトを始めていた。一見明るく振る舞う芽衣子だが、種田がいなくなってしまった事にひどく落ち込む毎日を送っていた。そんな時、芽衣子のもとを、種田の父親が訪れる。穏やかな雰囲気の種田の父親に、芽衣子は種田の面影を見る。種田の父親から、種田の事を忘れないであげてほしいと言われ、種田がこの世界にいた事を証明したいと考えた芽衣子は、バンドを始めようと思い立つ。こうして、芽衣子の友達で、種田のバンド仲間でもあった加藤賢一山田二郎を加え、三人でのバンド活動が始まる。そんな中、芽衣子達は、1か月後に行われるライブイベントに出場する機会を得る。芽衣子は加藤と山田に教わりながら、必死にギターを覚え、やがて迎えたライブ当日、種田が作った曲「ソラニン」を熱唱する。

登場人物・キャラクター

井上 芽衣子 (いのうえ めいこ)

東京の機器メーカーに務めるOL。種田成男とは同棲をしていた。ある日、社会や大人に対しての限界を感じていたところ、種田成男の後押しで仕事をやめてしまう。実家は秋田の農家で、普段から山ほど野菜を送ってくる。種田成男も仕事を辞めてしまい、お金のない現実に責めさいなまれる。種田成男が事故で死亡してからすっかりふさぎこんでしまっていたが、ある日彼女は種田成男のギター、フェンダー・ムスタングを手に、彼のバンド仲間の前に姿をあらわす。 直情的で、気の強い部分が多いが、基本明るくみんなに愛されるムードメーカー。

種田 成男 (たねだ なるお)

福岡から上京してきて、井上芽衣子と同棲していた。デザイン事務所で下請けをしており、忙しい単純作業の仕事の合間にバンドのギター練習をし続けていた。楽観的ではあるが、決断するとすぐに行動できる男性で、井上芽衣子にも決意や愛情をはっきり言葉で伝えていた。バンドを再びやると決めてからは、仕事をやめてレコーディングに打ち込む。 大人として改めて仕事とバンドを両立させようと考えなおした日、バイクの事故で死亡してしまう。ギター・ボーカル担当で、フェンダー・ムスタングを愛用。

加藤 賢一 (かとう けんいち)

大学6年生。ベースをこよなく愛しており、アダ名は「デブ」。一応自分でも太っている容姿は気にしている。脳天気に明るい部分があり、いまだ大人になりきれていない部分が他のメンバーより多い。小谷アイに何度もアタックし続けて、付き合うようになった。種田成男の死以降、バンド活動をしながら就職活動も行うようになる。 井上芽衣子の呼びかけで、再び愛用のフェンダーのプレシジョンベースを握る。

山田 二郎 (やまだ じろう)

実家の薬局で働いている。アダ名は「ビリー」。革ジャンに髭面でバイクを乗り回す、とっぽい男性。メンバーが集まると真っ先にバカをやらかすのが定番の人物。井上芽衣子の心の傷に対しては非常に優しい。ふざけている事が多いものの、演奏になると真剣な眼差しになる。バンドではドラム担当。

小谷 アイ (こたに あい)

加藤賢一の彼女。何度もアタックしてきた加藤を振り続けてきたが、4年たって付き合うようになった。豪快な性格の持ち主。井上芽衣子とは非常に懇意で、たびたび相談相手になっている。

鮎川 律子 (あゆかわ りつこ)

加藤賢一に話しかけてきた後輩。たくさんの人に自分の歌を聴いてほしいと考えて、何度か相談をする。レコード会社のオーディションで入賞する。

冴木 隆太郎 (さえき りゅうたろう)

レコード会社の新人開発部で働いており、デモCDを送った種田成男に、新人アイドルのバックバンドになってくれと話を持ちかける。種田成男には解散したバンド「QOONELDAS」のメンバーだと見ぬかれ、叱咤される。その後彼は業種を変え、井上芽衣子たちと出会うことになる。

芽衣子の母 (めいこのはは)

秋田在住。いつも東京に住む井上芽衣子に、野菜を大量に送りつける。仕事を辞めた芽衣子を怒鳴る。同棲している種田成男には、「よろしくお願いします」と頭を下げる。

種田の父 (たねだのちち)

種田成男の葬儀のあとに、荷物を取りに来た。種田成男がバイトしながら東京で音楽をやると言った時に大げんかをし、大学卒業してそれでも音楽をやりたいならやれ、ただし絶対逃げ出すな、と言ったことがある。種田成男が事故の前に父親に「東京で大切なものが見つかったから」と電話をしていることを話したことを聞く。 これがきっかけとなり、井上芽衣子はギターを手にする。

大橋 (おおはし)

井上芽衣子が新たに始めたバイトの花屋の青年。18歳。井上芽衣子のことが好きで、いつもまっすぐに励まそうとしている。

書誌情報

ソラニン 2巻 小学館〈ヤングサンデーコミックス〉

第1巻

(2005-12-05発行、978-4091533210)

第2巻

(2006-05-02発行、978-4091510761)

ソラニン 新装版 小学館〈ビッグ コミックス〉

(2017-10-30発行、978-4091897367)

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