赤ちゃんと僕

赤ちゃんと僕

母親を事故で亡くした小学生の榎木拓也と保育園児の榎木実の兄弟を軸に、家族の日常生活を描いた作品。コメディーではあるが、いじめ、老人介護、コンプレックスなど、深刻な問題を取り上げたエピソードも多い。第40回小学館漫画賞受賞。

概要

榎木拓也は小学5年生。交通事故で母を亡くし、まだ保育園児の弟・榎木実の世話と家事に忙しい日々を送っている。小学校の友人たちともそれなりにうまくやっているし、父の榎木春美も頑張ってくれているが、甘えん坊で泣き虫の弟には手がかかり、拓也の負担は少なくない。忙しい日常の中、さまざまなトラブルが起こり、時には感情を爆発させてしまう拓也だが、父や友人、周囲の大人たちに助けられながら成長していく。

登場人物・キャラクター

榎木 拓也

小学5年生の榎木家長男。家族想いで、誰にでも優しく真面目な男の子。普段は非常に温和だが、時に情緒不安的になるなど年相応の子供らしさも見せる。顔立ちも非常に整っており、クラスメートの女子からの人気も高いが、本人はまだ恋愛や異性には無関心である。

榎木 実

榎木拓也の2歳になる弟で、泣き虫で甘えん坊。物語開始時点では、言葉もほとんど話せないが、次第に語彙が増えていく。母の記憶はほぼなく、母代わりの拓也を「にーちゃ」と呼び慕っている。

榎木 春美

榎木拓也と榎木実の父親。ソフトウェアプロダクション社でシステムエンジニアとして働く。事故死した最愛の妻・榎木由加子が残した息子たちを溺愛しており、家事にも手は抜かない。しかし、それでも拓也に負担を強いていることは理解しており、心を痛めることも多い。

榎木 由加子

榎木拓也と榎木実の母親。物語開始時点で死亡しており、回想シーンや過去を描くエピソードにしか登場しない。両親を飛行機事故で亡くし、世話になった叔父の家を出てアルバイトで生活していた。18歳のときに学生だった榎木春美と出会い、結婚している。

木村 成一

榎木家のお向かいさんである木村家の息子で、洋食屋の料理人として働いている。元不良で、高校中退後家を出ていたが、妻子を連れて戻ってきた。榎木春美にとってはできの悪い弟分のような存在である。大のギャンブル好きで、それが原因でしばしば妻・木村智子と喧嘩になる。

木村 智子

木村成一の妻。成一との間に生まれた長男・木村太一と共に木村家に入る。鷹揚な性格で、舅・姑とも良好な関係を築いている。

木村 太一

木村成一、木村智子夫妻の息子。乳児であり、榎木実よりもさらに幼い。実とは対照的に、めったに泣かない。登場時には肺の病気を患っており、成一はその手術費を実家に頼ろうとした。

木村 源一

木村成一の父。榎木家のお向かいさんである木村家の主。息子である木村成一が家を出て行方不明になっていたため、長らく妻との二人暮らしを続けていた。妻と孫を連れて戻ってきた成一を許し、家に迎え入れる。

後藤 正

拓也の親友。がっちり型の体型にゲジゲジ眉など一見するといじめっ子タイプだが、友人思いの明るいムードメーカーである。

後藤 浩子

後藤正の妹で、榎木実と同じ保育園に通っている。兄の正そっくりの顔つきで、拓也と初めて会ったときには男の子と思われていた。実のことが大好きで、無口ながら積極的にアプローチしてくる。

後藤 正吉

後藤正、後藤浩子の父親。妻である後藤真美と共に、酒屋を営んでいる。生家は静岡県で、兄と父母が農業を続けている。

藤井 昭広

拓也のクラスメイト。端正なルックスとクールな振る舞いで、拓也と同様に女子からの人気が高い。6人兄弟の4番目であり、弟妹がまだ幼いこともあって、その世話を兄姉から押し付けられることが多い。そのことに不満が無いわけではないが、面倒見の良い性格であるためか、兄弟間の関係は良好である。

藤井 一加

藤井昭広の妹で、6人兄弟の5番目。兄譲りの整った容姿を持つ幼児で、わがままかつこまっしゃくれた性格。榎木実と同じ保育園に通っており、後藤浩子とは実をめぐってライバル関係にある。また、末弟の藤井正樹を子分的に扱っており、共に行動することが多い。

藤井 正樹

藤井昭広の弟で、6人兄弟の末っ子。榎木実とは年齢的に大差ないはずなのだが、非常に口が達者で、大人顔負けの発言を繰り返す。姉の藤井一加には従順で、そのわがままに振り回されることが多い。

森口 仁志

拓也のクラスメイト。児童会長を務める眼鏡の少年で、運動よりも漫画や絵を描くことを好む。あまり前に出る性格ではないようだが、女子や下級生からの人気は高い。

竹中 七海

拓也のクラスメイト。女の子と間違われるような美少年で女子からの人気が高い。父が船員であり家を長期間空けているため、実質的には母との2人暮らし。そのため、夢精を起こした際に相談相手がおらず、拓也の父である榎木春美を頼る。

玉館 時男

拓也のクラスメイト。裕福な家に生まれた、いわゆるお坊ちゃん。自分に有利な点があると、それを鼻にかける嫌味な性格である。後藤正とは犬猿の仲。

深谷 しな子

拓也のクラスメイト。いわゆる遅い子供で、両親共に高齢であることを気にしている。それを隠すためか、いくつかの些細な嘘をついたことで、クラスの女子からはあまり評判が良くなかった。拓也とその弟の榎木実を巡る騒動で女子たちと打ち解け、それがきっかけか、拓也に好意を抱くようになる。

松本 秀男

拓也の担任教師。5年2組(後に6年2組)担当。まだ若いためかやや頼りない面もあるが、子供思いのいい先生である。

熊出 充

拓也とは別のクラス(1組)の5年生。猿のような顔で、腕っ節には自信がある。非常に惚れっぽい性格だが、告白に成功した試しがない。拓也に好意を抱く中西亜由子にも振られており、そのため拓也に激しい敵愾心を燃やす。

村田 兄弟

拓也とは別のクラス(1組)の5年生で、双子の兄弟。問題行動の多い熊出充について回り、その行動をフォローする苦労人である。それぞれ「村田兄」、「村田弟」と名乗っており、本名は明かされない。

中西 亜由子

拓也とは別のクラス(1組)の5年生で、拓也に好意を寄せている美少女。ただし、拓也には名前すら知られていなかった。やや思い込みが激しいが、素直で思いやりのある性格。

槍溝 愛

拓也とは別のクラス(3組)の5年生。美少女ではあるが、「逆セクハラ」と称して男子の尻を撫でるなど、ちょっと変わった性格。後藤正の初恋の相手だが、本人は拓也に好意を抱いている。

向井 洋二

榎木実が通う「第二ひまわり保育園」の園長。大の子供好きだが、行動がやや極端で、部下の保母さんたちに窘められることが多い。また、常にサングラスをかけ、素顔をさらそうとしない。

江戸前 秋生

ソフトウェアプロダクション社で榎木春美の部下を務める男性。春美のことを上司として尊敬する一方、同僚の大森和美を巡る恋敵として一方的にライバル視もしている。悪い人間ではないが、軽薄な若者として描かれることが多い。

大森 和美

ソフトウェアプロダクション社で榎木春美の部下を務める女性。春美に恋しており、積極的にアプローチしているが、春美はあくまでも部下のひとりとして接している。

ネコ

『赤ちゃんと僕』に登場する「ネコ」という名前の犬。拓也たちからは、子供を見ると吠え掛かかってくる「バカ犬フランソワーズ」として知られている。登場時には飼い主は不明とされていたが、後に熊出充の犬であることが判明する。後藤浩子が榎木実に好意を抱くきっかけとなった。

集団・組織

シャボンファイブ

『赤ちゃんと僕』に登場するTV番組のヒーロー戦隊。正式名称は「洗濯戦隊シャボンファイブ」。「ザブ」、「サーフ」、「アタック」、「トップ」、「チアーズ」の5人組。榎木実は、このヒーローが大好きで、よく真似をしている。

紅南小学校

『赤ちゃんと僕』に登場する小学校。榎木拓也が通っており、多くのエピソードの舞台となる。

場所

流良町

『赤ちゃんと僕』の主な舞台となる架空の町。拓也の家がある。作中の表現により、東京またはその近郊と思われるが、明確な位置は不明。最寄り駅「熊ノ井駅」の北側に広がる住宅街で、近隣には「元町商店街」「栄町商店街」の2つの商店街もあり、そこそこの賑わいを見せている。

書誌情報

赤ちゃんと僕 全10巻 白泉社〈白泉社文庫〉 完結

第1巻

(2001年12月発行、 978-4592884187)

第2巻

(2001年12月発行、 978-4592884194)

第3巻

(2002年3月発行、 978-4592884200)

第4巻

(2002年3月発行、 978-4592884217)

第5巻

(2002年6月発行、 978-4592884224)

第6巻

(2002年6月発行、 978-4592884231)

第7巻

(2002年9月発行、 978-4592884248)

第8巻

(2002年9月発行、 978-4592884255)

第9巻

(2002年12月発行、 978-4592884262)

第10巻

(2002年12月発行、 978-4592884279)

赤ちゃんと僕 全9巻 白泉社〈花とゆめCOMICSスペシャル〉 完結

第1巻

(2010年4月発行、 978-4592198819)

第2巻

(2010年5月発行、 978-4592198826)

第3巻

(2010年6月発行、 978-4592198833)

第4巻

(2010年7月発行、 978-4592198840)

第5巻

(2010年8月発行、 978-4592198857)

第6巻

(2010年9月発行、 978-4592198864)

第7巻

(2010年10月発行、 978-4592198871)

第8巻

(2010年11月発行、 978-4592198888)

第9巻

(2010年12月発行、 978-4592198895)

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