概要・あらすじ
「地」「水」「炎」「風」の四界から成る「魔精界」は魔神たちが暮らす、人間界とは異なる世界である。長い間水界の竜王ラージャスが平和に統治してきたが、炎界の魔神ヴァグーラの反乱により均衡は破れた。竜王を討ち取り魔精界を征服したヴァグーラは、人間界への侵攻も企んでいた。水界の将軍オアンネスの娘ディーナは、竜王の血を引く孫のナーガスが人間界に存在することを知らされ、彼を探しに旅立つ。
一方人間界で平凡な高校生として暮らしていた霧山竜輝は、ある日突然魔神との闘いに巻き込まれる。竜輝はディーナから、自分がヴァグーラを倒す伝説のナーガスであると聞かされる。
登場人物・キャラクター
霧山 竜輝 (きりやま りゅうき)
高校2年生の男子。真っ赤な髪の毛を持つ。父親は剣道の道場を経営している。外国人の母親は自分の幼いころに亡くなったと聞かされてきた。平凡な学生として日常生活を送っていたが、ある日突然、自分が魔神ナーガスであり、炎の魔神ヴァグーラを倒すべき存在であると知らされる。生まれた時から首元に玉が付いていたが、これが魔神の証の竜玉であった。 当初は自分が魔神化する現実を受け入れられずにいたが、沙智や周りの人間を守るため、ヴァグーラとの闘いを決意する。
ナーガス
霧山竜輝の魔神化した姿。全身が厚い鱗に覆われ、長い尻尾と真っ赤なたてがみ、竜のような顔を持つ。炎の魔神ヴァグーラが竜王ラージャスの娘マナーサをめとって出来た娘エスリーンと人間の男性との間に産まれたので、水と炎の両方の力を受け継いでいる。「悠久の平和の後、炎が竜の王を倒す時、炎の孫ナーガスが現われ、炎を打ち消さん」という伝説の通り、邪悪な帝王ヴァグーラを倒せる唯一の存在とされる。 炎の攻撃である「炎竜焼牙(サラマンドラバーン)」、水の攻撃である「水竜斬刃(ハイドラシュレッダー)」等の技を持つ。再生力が強く、たとえ腕が切り落とされても一瞬で再生する。翼も持ち、空を飛ぶことも可能。
美森 沙智 (みもり さち)
高校2年生の女子。竜輝の幼なじみ。ショートカットでボーイッシュな元気いっぱいの少女。竜輝が魔神化してナーガスに変身する様子に最初は衝撃を受けたが、人間のために闘う竜輝に理解を示し、行動を共にするようになる。
ディーナ
水の魔神。将軍オアンネスの娘。外見は人間の姿で、金髪の若い女性そのもの。眉間に竜玉を持つ。父の指令を受け、人間界にナーガス探索にやって来た。竜輝に真相を知らせ、共に闘う同士となる。
ティア
手の平サイズの小さな女の子だが、太古より生きている魔神。魔精界と人間界を行き来する能力を持つ。魔神の力を使うたびに身長が縮んでしまう。
ヴァグーラ
炎界を支配する魔神。全身が炎に包まれた邪悪な顔立ち。長年魔精界を統治してきた竜王ラージャスを倒し、竜王の遺された娘マナーサを妻とした。権力欲と支配欲にまみれた恐ろしい存在。魔精界全体を征服した後、人間界に侵攻しようと企む。自らを滅ぼすという伝説の存在「ナーガス」が人間界に実在すると知り、ナーガス抹殺のための刺客を次々と送り込む。
ドリワーム
地の魔神。巨大な昆虫の胴体に人面のグロテスクな容貌。ナーガス抹殺のため人間界に送り込まれた。竜輝の通う学校に忍び込み、クラス全体を虫に寄生させ虐殺した。伝説のナーガスの実力を見てみたいと思い竜輝の魔神の力を呼び起こした結果、怒りに満ちた竜輝が変身したナーガスによって倒された。
ボレアース
風の魔神。巨大な翼を持ち、鳥類と人間の混合した姿を持つ。勇猛果敢で知られた武人であり、ナーガス討伐を命じられたが、ナーガスが本当に伝説通りヴァグーラを倒せる存在なのか確かめたいと考えた。魔神は己の属する自然の力を利用することで強大な力を使えるということを闘いを通してナーガスに伝え、正々堂々とぶつかり合った末に敗死した。
狢谷 太輔 (まみや たすけ)
17歳の男子。先祖の誰かが魔神だったようで、魔神化すると獣のような姿に変身する。ハリネズミのように硬い体毛を飛ばして攻撃する。魔神の気配によく鼻が利く。人間界で悪さをする魔神を憎んでおり、魔神退治を行なっていた最中に偶然竜輝と出会い、彼の闘いに参加した。実家がアパートを経営しており、竜輝と沙智を住まわせてあげた。
グライマー
炎の魔神。馬のような外見をしている。強力な攻撃でナーガスたちを追いつめる。しかし水の魔神の力に目覚めたナーガスによって倒された。
相田 光四郎 (あいだ こうしろう)
高校教師である中年男性。太輔の恩師。専攻は考古学で、宗教や魔術にも詳しい。魔神の存在も信じており、竜輝たちの良き理解者となった。
ギレウス
炎の魔神。人間からの信仰力を増大するため、ヴァグーラを神とする新興宗教を日本において布教中。外見は若い男性の姿だが、魔神化すると竜輝と同じく竜のような姿に変身する。ヴァグーラがナーガス伝説への対抗策として暗黒竜の種族の女に産ませた子ども。ナーガスを抹殺することが生まれた時からの使命であり、暗殺者として育てられてきた。 そのため愛や幸せを感じたことがなく、冷たい目つきの冷酷な男に成長した。自分を駒としか考えない父親ヴァグーラに反乱の意を抱いており、力をつけた暁には取って替わろうと考えている。
モリガン
風の魔神。黒い肌と大きな翼を持つ女性のような外見。空気中の光の屈折率を操り、幻影を作り出すことができる。ギレウスに付き従い人間界に来ている。当初は反乱の意志ありと見られるギレウスを監視するようヴァグーラに命じられていたが、ギレウスの強さと寂しさに魅せられ、彼に忠誠を誓った。 身分差を超え、徐々に彼を愛するようになる。
サルマリュート
水の魔神。炎の魔神ヴァグーラの支配によって壊滅寸前に陥った水界の中で残った数少ない反乱軍を指揮する隊長。竜のような外見を持つ。育ちが良く紳士的な人物。
ラーザニル
水の魔神。水界の反乱軍の副長。巨大な甲殻類のような外見。荒っぽく乱暴な性格。ヴァグーラの軍勢に愛する妻を殺されて以来、反逆と闘いの日々を続けている。魔精界に現われた竜輝のことを自分たちの希望の星であるナーガスだと最初は認めなかったが、旅を続けるうちに竜輝の意志と使命感の強さを実感し、彼を信用するようになった。
サザナミ
水の魔神。人間界の海を統べる竜宮の主。人間には「乙姫」と呼ばれている存在。ディーナたち一行は竜輝への助力を乞いにサザナミのもとを訪れた。しかし人間たちの環境破壊に憤慨しているサザナミは、本当に協力するに足る存在なのか確かめるため、沙智に対してある試練を出す。
集団・組織
魔神 (でぃーば)
『輝竜戦鬼ナーガス』に登場する種族。大地の精霊たちを統べる存在である種族。人間そっくりの者から動物や怪物そっくりの者まで、様々な外見を持つ。「地」「水」「炎」「風」の属性の魔神たちそれぞれが住む世界の総称が「魔精界」である。人間に信仰されることで力を得て、代わりに人間たちに自然の恵みを与えてきた。長い間そうやって共存共栄していたのだが、文明を進化させた人間の環境破壊によって水の魔神の力が衰え、炎の魔神が力をつけた。 それによって炎の魔神ヴァグーラが魔精界を支配するに至ったのである。