概要・あらすじ
新米弁護士の成歩堂龍一は、先輩弁護士である綾里千尋が営む「綾里法律事務所」に就職し、第一の事件で見事無罪判決を勝ち取り、颯爽とデビューを飾った。しかし第二の事件において、殺人事件の被害者となったのは千尋その人であった。しかも、千尋の妹である綾里真宵が犯人として逮捕されてしまう。デビューから2回目の裁判にして、単身で弁護士としての職務に臨む羽目になった龍一だが、難しい事件にも諦めることなく、真宵の弁護を買って出る。
登場人物・キャラクター
成歩堂 龍一 (なるほどう りゅういち)
新米弁護士の青年。まだ未熟なところも多く見受けられるが、職務熱心で正義感が強い。青いスーツを身に着け、それがトレードマークにもなっている。相手に指を突き付けて「異議あり!」と叫ぶ癖がある。さまざまな人たちに「ナルホド」と呼ばれており、綾里真宵には「なるほどくん」と呼ばれている。
綾里 真宵 (あやさと まよい)
霊媒師見習いの少女。綾里千尋の妹。千尋に会いに「綾里法律事務所」にやって来たところで、千尋を殺害したという濡れ衣をかけられる。これが「美人弁護士殺人事件」として、成歩堂龍一が2回目に手掛ける事件となった。「美人弁護士殺人事件」の解決後は、「成歩堂法律事務所」と改名された事務所に残り、龍一の助手を務めるようになる。 見習いなので能力は低いが、一応霊媒ができる。
御剣 怜侍 (みつるぎ れいじ)
年齢は24歳の男性検事。「どんな容疑者だろうと必ず有罪にする」というポリシーのもと、検事としての仕事をこなしてきた若きエリート。だが、「冤罪」を生み出しかねない自身のやり方に、次第に疑問を感じるようになっていく。成歩堂龍一と矢張政志の、小学校以来の幼なじみ。大場カオルからは親しみを込めて「ミッちゃん」と呼ばれているが、本人は非常に嫌がっている。
糸鋸 圭介 (いとのこぎり けいすけ)
綾里法律事務所の近隣の所轄署の若い男性刑事。警察の捜査担当者として、複数の事件に関わる。御剣怜侍の部下のような立場にあり、日頃からこき使われているうえ、給与の査定まで怜侍が行っている。成歩堂龍一には「イトノコ刑事」、綾里真宵には「イトノコさん」と呼ばれている。
裁判長 (さいばんちょう)
成歩堂龍一が関わるあらゆる法廷で、裁判長を務めている老人。裁判長でありながら、今一つ定見を持たず、他人の意見に流されやすい。また気が弱いので、強気な態度に出る検事や証人の前では、タジタジになってしまうこともしばしば。しかし、裁判長が木槌を叩かないことには、裁判は始まらない。
矢張 政志 (やはり まさし)
成歩堂龍一と御剣怜侍の小学校以来の幼なじみの青年。その時々によって色々な仕事をしており、また、ガールフレンドもしょっちゅう代わる。「モデル殺人事件」では犯人として逮捕されたが、龍一の活躍によって無罪となった。
亜内 武文 (あうち たけふみ)
中年の男性検事。「モデル殺人事件」の担当検事として、成歩堂龍一の弁護士としてのデビュー戦の相手となった。矢張政志が、痴情のもつれから被害者を殺害した、というストーリーを組み立てて、裁判に臨んだ。あまり有能ではなく、綾里千尋のサポートを受けた龍一の前に敗北を喫する。
綾里 千尋 (あやさと ちひろ)
「綾里法律事務所」の所長であった若き女性弁護士。成歩堂龍一の当初の雇主であり、また頼れる先輩でもあった。「モデル殺人事件」の法廷では龍一を導く役割を担ったが、「美人弁護士殺人事件」では、綾里千尋自身が被害者となってしまう。しかしその後、霊媒の力によって、綾里真宵の身体を借りて再び龍一の前に現れ、アドバイスを送った。
星影 宇宙ノ介 (ほしかげ そらのすけ)
「星影法律事務所」の所長を務める弁護士の老人。「美人弁護士殺人事件」で法廷弁護の依頼を受ける。一度は承諾したが、真犯人から脅迫を受けたため、弁護の依頼を断ってしまう。また、「DL6号事件」とも関わりがある。弁護士の生倉雪夫は、かつての部下にあたる。
山野 星雄 (やまの ほしお)
新聞勧誘員の中年男性。「モデル殺人事件」では、亜内武文に証人として出廷を要請された。その日は現場のマンションで勧誘をしていたが、現場の部屋のドアを開けたら死体を見つけたので、110番通報をしたと証言をする。
高日 美佳 (たかび みか)
22歳の女性モデル。矢張政志と交際しており、「モデル殺人事件」の被害者となった。亜内武文の調査情報によれば、政志とは既に別れていながら、政志の手作りである、どう考えても持ち歩くには適さない考える人の置き時計を、海外旅行に持って行くなど、その真意は不明である。
松竹 梅世 (しょうちく うめよ)
「美人弁護士殺人事件」で、御剣怜侍によって証人として出廷を要請された若い女性。情報調査会社「コナカルチャー」で、社長の小中大の秘書を務めていた。綾里千尋が綾里真宵によって殺害される瞬間を目撃したと主張する。
小中 大 (こなか まさる)
情報調査会社「コナカルチャー」の社長を務める中年男性。情報調査会社を名乗っているが、本業は脅迫・ゆすりの類を生業としている。やたらと気取っていて、英語交じりのおかしなしゃべり方をする。「美人弁護士殺人事件」では、証人として出廷を要請される。
荷星 三郎 (にぼし さぶろう)
特撮番組「大江戸戦士トノサマン」で、スーツアクターとしてトノサマン役を演じている年齢不詳の男性。巨漢ではあるが気の弱い性格の持ち主。「トノサマン殺人事件」が起きた時、犯人と目されて逮捕されてしまう。荷星三郎本人の供述によれば、事件の時間にはぐっすり眠っていたとのことで、つまりアリバイはない。
衣袋 武志 (いぶくろ たけし)
特撮番組「大江戸戦士トノサマン」で、スーツアクターとして怪人アクダイカーン役を演じていた37歳の男性。鋭い槍のようなもので刺されて死亡した。5年前に撮影所で起きた死亡事故に関わっており、プロデューサーの姫神サクラから恨まれ、脅迫されている立場にあった。
大場 カオル (おおば かおる)
特撮番組「大江戸戦士トノサマン」の撮影所で、警備員をしている中年女性。自分で自分のことを「オバチャン」と呼ぶ。「トノサマン殺人事件」の裁判で、証人として出廷を要請された。非常に饒舌で、ひとたびしゃべり出すと止まらず、御剣怜侍や裁判長も手を焼いた。
姫神 サクラ (ひめがみ さくら)
特撮番組「大江戸戦士トノサマン」のプロデューサーを務める年齢不詳の女性。非常に高飛車な性格で、女王様のごとき風格を持つ。「トノサマン殺人事件」の裁判で、証人として出廷を要請された。非力なため、犯行の凶器とされた「トノサマン・スピアー」を扱うことはできず、容疑者からは除外されている。
生倉 雪夫 (なまくら ゆきお)
ひょうたん湖で起きた殺人事件の被害者。壮年の男性弁護士。未解決事件である「DL6号事件」では、容疑者とされた灰根高太郎の弁護士を務めて無罪判決を得た。だが、弁護方針を巡って高太郎と対立しており、事件から15年の時を経て、なお高太郎との間には遺恨が残っている。
大沢木 ナツミ (おおさわぎ なつみ)
自称ジャーナリストの若い女性。ひょうたん湖で殺人事件が起きた際、たまたま現場の近くで、ひょうたん湖に棲むとされる謎の生物「ヒョッシー」のスクープ写真を撮ろうとしていた。事件の裁判で、証人として出廷を要請された。関西弁で話す。
灰根 高太郎 (はいね こうたろう)
元法廷係官の老年男性。「DL6号事件」で、被害者である御剣信を射殺した犯人の疑いをかけられた。生倉雪夫の弁護により、法廷では無罪を勝ち得たものの、社会的信用を失い、不遇の身の上に落ちぶれることとなった。その後、自らの手で両手の指紋を焼き、行方をくらませている。
狩魔 豪 (かるま ごう)
検事をしている老年男性。40年間無敗を誇り、人呼んで「検事局の魔王」。弁護士の御剣信とライバル関係にあり、信の没後、遺児である御剣怜侍を引き取って、一流の検事とするべく徹底的に育て上げた。非常に傲慢な性格の持ち主であり、裁判長に対してすら、命令するような言動を取る。
場所
綾里法律事務所 (あやさとほうりつじむしょ)
綾里千尋が所長をしていた法律事務所。成歩堂龍一も所属していた。所長の千尋が殺害された「美人弁護士殺人事件」の現場となった。事件解決後は、千尋の妹である綾里真宵の承認のもと、成歩堂龍一を所長とする「成歩堂法律事務所」として、再スタートを切ることになる。
ひょうたん湖 (ひょうたんこ)
弁護士・生倉雪夫が殺害された事件の現場となった湖。一帯は「ひょうたん湖自然公園」という公園になっていて、貸しボート屋、矢張政志がアルバイトをしているまんじゅう屋などがある。「ヒョッシー」という生き物が、湖の中に棲んでいるという噂が流れている。
イベント・出来事
モデル殺人事件 (もでるさつじんじけん)
高日美佳が自宅で殺害された事件。その恋人である矢張政志が、犯人とみなされて逮捕された。この事件を巡る裁判が、成歩堂龍一の弁護士としてのデビューの舞台となった。犯行に使われたとされる凶器は、考える人の置き時計。
美人弁護士殺人事件 (びじんべんごしさつじんじけん)
綾里千尋が綾里法律事務所で殺害された事件。その妹である綾里真宵が、犯人とみなされて逮捕された。犯行に使われたとされる凶器は、考える人の置き時計。最初は星影宇宙ノ介に弁護を頼む予定であったが、とある事情から断られてしまい、成歩堂龍一が弁護を引き受けることになる。
トノサマン殺人事件 (とのさまんさつじんじけん)
衣袋武志が、特撮番組「大江戸戦士トノサマン」の撮影所で殺害された事件。共演者である荷星三郎が、犯人とみなされて逮捕された。犯行に使われたとされる凶器は、撮影用の小道具である「トノサマン・スピアー」。これが「成歩堂法律事務所」にとって最初の事件となった。
ひょうたん湖殺人事件 (ひょうたんこさつじんじけん)
弁護士の生倉雪夫が、ひょうたん湖で射殺された事件。現職の検事である御剣怜侍が、犯人とみなされて逮捕された。その弁護を引き受けることになったのは成歩堂龍一、担当検事を務めたのは、怜侍の育ての親であり、恩師であるはずの狩魔豪であった。
DL6号事件 (でぃーえるろくごうじけん)
15年前に起こった殺人事件。地震によって停止したエレベーターの中で、御剣怜侍の父親である弁護士の御剣信が、何者かによって射殺された。容疑者の灰根高太郎は裁判により無罪となり、そのまま犯人は特定されず、未解決事件として迷宮入りしている。なお、怜侍は事件当時、現場に居合わせていた。
その他キーワード
霊媒 (れいばい)
霊媒師である綾里真宵が持つ能力。死者の霊を降霊させ、裁判の場で証言をさせることができる。なお、霊媒をすると、真宵の体格は降ろした霊のそれに変貌する。ただし、真宵はまだ見習いで、その力が未熟であるため、あまり長時間は霊媒を続けられないし、降霊させる相手を自由に選ぶこともできない。
考える人 (かんがえるひと)
手作りのからくり置き時計。矢張政志が、恋人の高日美佳にプレゼントするために作った。有名な彫刻の「考える人」の形をしており、首をひねると時刻を口にする、という高度な仕掛けになっている。かなり頑丈で、人を殴り殺す凶器にもなる。なお、プレゼントされたものと、政志が自分用に作ったものと、そっくり同じものが2つある。
大江戸戦士トノサマン (おおえどせんしとのさまん)
トノサマンというヒーローが、アクダイカーンという悪役と戦うヒーローもの特撮番組。綾里真宵はこの作品の大ファン。また、実は御剣怜侍もファンで、検事局の執務室にトノサマンの像を置いている。その後作られた続編のタイトルは「小江戸剣士ヒメサマン」。
トノサマン・スピアー (とのさまんすぴあー)
特撮番組「大江戸戦士トノサマン」の主人公・トノサマンの愛用の武器。番組の撮影用の小道具。「トノサマン殺人事件」で、犯行に用いられた凶器とされた。小道具とはいえ、重量が15kgもあり、槍の形をしているので、実際に人を殺傷するだけの威力を持つ。ただし、事件当時は事故で壊れており、テープで雑に修理しただけの状態だった。
クレジット
- 原作
-
カプコン
- 協力
-
読売テレビ , A-1 Pictures