概要・あらすじ
連敗記録を更新中の若手弁護士の若林航大は、ある日消費者に訴えられたサプリメント会社を弁護するという仕事を受ける。事件の実情を知るため、依頼人のもとを訪ねた彼は、そこで小学生時代の同級生であり、現在はカリスマ営業マンとして働く松下弁吾と衝撃の再会を果たす。しかし、弁吾は航大のことなど覚えてはいないうえに、子供の頃とは別人のように軽薄な人間となっていた。
弁吾のあまりの変わりように当初は戸惑いを隠せない航大だったが、やがて弁吾の洞察力と話術を借り、2人で協力しながら訴訟へと挑むこととなる。
登場人物・キャラクター
若林 航大 (わかばやし こうだい)
「小花法律事務所」に勤務する男性弁護士で、曲がったことが大嫌いな堅物の体育会系。真面目過ぎるがゆえに弁護士としての成績は連戦連敗で、そのことを指摘する父親の若林泰三とよくぶつかっている。ただ、松下弁吾の突飛な言動に文句を言いながらも最後まで付き合ったり、事件に巻き込まれた後輩の面倒を最後まで見るという情に厚い部分もある。
松下 弁吾 (まつした べんご)
ハリウッドでアクション俳優になることを目指しているアメリカ帰りの青年。チャラい外見とは裏腹に卓越した洞察力と演技力を持っており、若林航大と再会してからは日本とアメリカ両方の司法試験に合格を果たす。その後「ユニバーサルロイヤーズ」で弁護士として働くことになる。子供の頃の自分を支えてくれたことがきっかけで、現在でも『ドラゴンボール』の熱烈なファン。 会話や法廷においても『ドラゴンボール』に例えた説明をすることが多い。
小花 沙織 (こばな さおり)
「小花法律事務所」に勤務する女性弁護士。若林航大の先輩で所長の娘でもある。松下弁吾の才能にいち早く気づき、彼に弁護士への道を勧めた。航大からは一方的に好意を寄せられているが、小花沙織自身は特に意に介していない。変わりゆく裁判制度に合わせ、弁護士のあり方も変化するべきであるという考えを持っている。
所長 (しょちょう)
「小花法律事務所」の所長。娘の小花沙織とは対照的に、変化する裁判制度に対して特別な対応を取ろうとは考えておらず、従来通りに職務を忠実に果たすべきだと考えている。成績の伸び悩む若林航大に対しても多くは語らず、見守るスタンスを貫いている。
江坂 晴海 (えさか はるみ)
法律事務所「ユニバーサルロイヤーズ」に所属する新人弁護士。松下弁吾のアシスタント的な役回りを担うが、弁吾の行動にいつも振り回されている。法律の専門的な会話を読者目線で語る、いわゆる「説明役」でもある。
リチャード・スペイシー (りちゃーどすぺいしー)
松下弁吾のアメリカでの友人で、プロファイリングの名手。眼鏡をかけた白人男性で、写真などを基に人物の内面や置かれている環境を分析する能力に優れており、しばしば弁吾に助言をしている。「誰でも気軽に法律の相談ができる環境があれば」という弁吾の考えに共感し「弁護士バーSHOWSO」の経営を始める。
竜崎 美和子 (りゅうざき みわこ)
法律事務所「ユニバーサルロイヤーズ」に勤めている色気に満ちた女性。入所してきた松下弁吾へ自身の理想に協力するように打診し続けるが、いつもかわされ反対に弁吾の手伝いをさせられることが多い。「弁護士バーSHOWSO」ができてからは、そこで女性スタッフとしても働くことになる。
若林 泰三 (わかばやし たいぞう)
若林航大の父親であり、法廷で強い発言権を持つ鬼検事。性格の不一致で度々航大と衝突しており、松下弁吾からも敵視されている。女性関係が派手で、航大が幼い頃から幾度も情事を目撃されているが、特に気に留めていない。「強いものこそ正義」という価値観を持ち、情で動く航大を苦々しく感じている。階級は検事正。
集団・組織
小花法律事務所 (こばなほうりつじむしょ)
小花沙織の父親が所長を務め、若林航大と沙織も所属している弁護士事務所。お金にならない案件や勝率の低い案件も扱うため、経営に余裕があるとは言いがたく小規模な活動を続けている。
ユニバーサルロイヤーズ
松下弁吾の所属する法律事務所。有望な人材を各地からスカウトし、話題性のある大きな事件を扱う大手として知られており、政界をはじめさまざまな業界とも繋がっている。
場所
弁護士バーSHOWSO (べんごしばーしょうそ)
「誰でも気軽に法律の相談ができる環境があれば」という松下弁吾の提案で出来た弁護士バー。事件や法律の問題で悩んだ人がやってくる駆け込み寺のような場所。オーナーは弁吾の友人であるリチャード・スペイシー。若林航大や弁吾もバーテンダーとして所属するほか、姉妹店の「ガールズバーSHOWSO」には竜崎美和子など女性弁護士も数人所属している。