部長が堕ちるマンガ

部長が堕ちるマンガ

会社で部下ににらみを利かせる堅物部長の小山田誠一郎は、女性への配慮に欠けた発言をした事で、腐女子社員の夢ヶ丘ユメミと岡磯辺マキから、未体験だった乙女ゲームの世界に引き込まれる事になった。これをきっかけに、握手会イベントや同人誌即売会など、めくるめくヲタクの世界に堕とされていく誠一郎の姿を描くシュール系堕落コメディ。「くらげバンチ」で2018年8月から2019年1月にかけて掲載された作品。

正式名称
部長が堕ちるマンガ
ふりがな
ぶちょうがおちるまんが
作者
ジャンル
サラリーマン
 
ギャグ・コメディ
関連商品
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あらすじ

バーコード頭の典型的な堅物部長の小山田誠一郎は、古い考えにとらわれ過ぎて、特に女性に対して偏見のある言動が多く見られていた。ある日、週明け早々遅刻した部下の夢ヶ丘ユメミから、電車で痴漢に遭い、警察に行っていたと聞いた誠一郎は、露出度の高いスカートをはく方に問題があり、大和撫子なら清楚な格好をするべきだと暴言を吐く。その場面を目撃した岡磯辺マキは誠一郎に対し、いきなり彼の眼鏡とスーツを題材にした男同士のエロ同人誌を作ると宣言する。さらに岡磯辺は、誠一郎の相手は人ではなく電柱であると告げ、そんな内容になるのは、誠一郎がスーツ姿で眼鏡をかけているせいだと意味の分からない言い分を主張する。一瞬動揺し、スーツも眼鏡も自分のために身につけているのだと反論した誠一郎は、そこでようやく自分が夢ヶ丘に発した言葉の過ちに気づくのだった。反省した誠一郎をよそに、後日、誠一郎と電柱を題材にした同人誌は即売会で販売され、意外にも人気を博す事になる。この一件から、その突拍子もない言動を警戒しつつも岡磯部の事を認めた誠一郎は、彼女から乙女ゲーム「ラブ☆トレーダー」を勧められる。こうして未知の世界に足を踏み入れた誠一郎は、乙女ゲームの奥深さに魅了され、57歳にしてヲタクの世界にハマっていく。(第1話「堕とされる部長」。ほか、10エピソード収録)

登場人物・キャラクター

小山田 誠一郎 (おやまだ せいいちろう)

(株)新超社の総務部で部長を務める男性。年齢は57歳。もともと時代小説と登山が趣味だったが、部下の夢ヶ丘ユメミや岡磯辺マキから影響を受け、乙女ゲームにハマってしまう。つねにスーツを着用し、眼鏡をかけている。頭髪は薄いバーコード状態で、いわゆる「おじさん」の代表のような風貌をしている。時代に即さない古い考えにこだわっており、特に女性に対しては、「大和撫子なら清楚な格好をするべき」「お茶くみは女性社員の仕事」など、かなり偏った考えを持っている。そのため、日常的に女性への配慮に欠けた発言が多く見られる。しかし、岡磯辺からのどこかぶっ飛んだ指摘を受けて、自分の考え方が間違っている事を自覚すると、謝罪して考えを即座に改めるなど、素直なところもある。岡磯辺から勧められた乙女ゲーム「ラブ☆トレーダー」にハマり、251回以上もクリア。これを機にすっかり乙女ゲームの魅力に取りつかれ、夢ヶ丘や岡磯辺に連れられて、声優の握手会イベントに参加したり、劇場版アニメの応援上映に参加したりと、ヲタ活に忙しい日々を送るようになっていく。

夢ヶ丘 ユメミ (ゆめがおか ゆめみ)

(株)新超社の総務部に勤める女性。女子力が高く、周囲にはちょっと気弱で柔らかそうな印象を与えるが、実は超浪費系の筋金入りヲタクで、部屋は女子とは思えないほど汚い。乙女ゲーム「ラブ☆トレーダー」が大好きで、登場人物の桜小路ヨハネを爆推ししており、担当声優の山田孝作の大ファンでもある。基本的に、自分と同じキャラクターを推しているファンを受け入れられない「同担拒否」で、半端なファンとは馴れ合えないという攻撃的な考えの持ち主。上司の小山田誠一郎からは、なにかとそのゆるい勤務姿勢をとがめられる事が多いが、いっしょにヲタク活動を行ううちに、強い仲間意識を抱かれるようになっていく。SNSでは「☆yumemii☆」の名を使っている。

岡磯辺 マキ (おかいそべ まき)

(株)新超社の総務部に勤める女性。同人誌などの創作にガチで取り組む「創作ガチ勢」で、二次創作はすべてBLというBL好き・BLクラスタ。上司である部長の小山田誠一郎の古い考え方を改めてもらおうと、誠一郎のスーツと眼鏡をネタに、エロ同人誌「電柱×部長」を作成する事を宣言。電柱や観覧車、高速道路などの人外無機物×部長という特殊ジャンルの18禁同人誌を執筆し、即売会で販売している。また、乙女ゲーム「ラブ☆トレーダー」を誠一郎に勧め、彼を乙女ゲームの世界にのめり込ませた。誠一郎からは、「岡悪魔」「闇磯辺」など、状況に応じてさまざまな呼び方をされるほか、SNS上では「おかっそべ」「オカッピョ」の名前で活動中で、フォロワーは5万人にも上る。岡磯辺マキ主宰の同人サークル「サークルオカッピョ」は、多くの固定ファンがおり、イベントでは超大手サークルを意味する「壁サー」となっている。

山田 孝作 (やまだ こうさく)

最近売れ始めた若手の男性声優。乙女ゲーム「ラブ☆トレーダー」では桜小路ヨハネ役を、「ゆめどき!モータースクール」では塩柱マサト役を務めた。夜6時以降は食事をしないなど、仕事への取り組みはつねにストイック。さまざまな役に挑戦したいと演技を学ぶ事に前向きであるにもかかわらず、基本的に主役のイケメンか、オッドアイの美少年役しか演じさせてもらえていない。その事情を知らないアンチにはネットで叩かれる事も多く、現状に満足できないでいる。ファンには役者としての自分自身は必要とされておらず、オッドアイのキャラクターなら何でもいいのではないかと悩んでいた時、イベントに参加した小山田誠一郎と話をした事で、自分の努力を認めてくれる人がいる事に感動し、今後も頑張っていく事を決意。これをきっかけに誠一郎に興味を持ち、ダメでもともととネットで検索したところ、簡単に彼のSNSアカウントを発見する事に成功。即座にフォローし、誠一郎にハマっていく。

木村 徹平 (きむら てっぺい)

最近売れ始めた若手の男性声優。乙女ゲーム「ラブ☆トレーダー」ではペンタゴン・佐々木・実篤・ローゼンベルグ役を、ゆめどき!モータースクール」ではマサトの飼育員役を務めた。仕事仲間の山田孝作とは正反対で、仕事に対しては自分のペースでのんびり取り組むタイプ。それでいて、山田が欲している「味のある脇役」の仕事を勝ち取っている状況にあるが、木村徹平自身は特にその事に気づいていない。

東堂 (とうどう)

執事喫茶「デス・ピサーロ」で執事として働いている男性。どんなに急なフリにも的確に対応し、執事としての心意気を忘れない、本気の仕事ぶりを発揮している。常連客の夢ヶ丘ユメミや、岡磯辺マキと共に来店した小山田誠一郎が、暴走した野生のエゾシカから店を守ってくれた事を受け、翌日に(株)新超社の総務部を訪れて、個人的に一日執事を務める事にした。東堂の誠実な仕事ぶりには、おじさんですら心をときめかせ、さまざまな取引先をトリコにする事に成功する。

ユカ

ロングヘアにした女子高校生。友達も少なく口下手で、内気な性格をしている。付き合っている彼氏のコウからはぞんざいに扱われ、ヘアスタイルやバッグなどのファッションセンスにも口を出されている。ある時、彼氏と小山田誠一郎が駅でぶつかった際に、誠一郎が落としていった携帯ゲーム機を拾い、誠一郎がプレイ途中だった乙女ゲーム「ゆめどき!モータースクール」を興味本位でプレイし、登場人物である塩柱マサトに思いがけずハマってしまう。それをきっかけに、SNSの裏アカウントでキャラクターに対する思いをつぶやき始め、乙女ゲーム愛でつながったファンの影響を受け、次第に前向きな性格になっていく。

コウ

ユカと付き合っている男子高校生。彼女であるユカをぞんざいに扱っている。ゲームをする女子を嫌っているため、ユカがキャラクターグッズを持ち歩くのを禁止している。彼女のヘアスタイルやバッグなどのファッションセンスにも口を出し、自分好みの女子にしようとしている。フェミニストのような立ち居振る舞いをするが、実際はつねに自分本位で、格好をつけているだけ。

常務 (じょうむ)

(株)新超社の総務部で、常務を務める男性。最近接待続きで肝臓の数値を気にかけている。会社への急な来客の際、お茶は女性社員が持って来るものと偏った発言を繰り返していたが、執事の東堂の仕事ぶりに感動し、東堂に惚れ込んでしまう。

小山田 理沙 (おやまだ りさ)

小山田誠一郎の娘。社会人1年目の新人。BL好きの腐女子であり、オリジナルの爽やか系BL同人誌を友人と共同制作して、冬コミに初めて参加する。その際、岡磯辺マキ主宰の超大手サークル「サークルオカッピョ」に父親が売り子として参加しているところを発見し、ショックを受ける。のちに岡磯辺が執筆した「北欧家具×誠一郎」のBL同人誌を読み、すっかりファンになってしまう。

その他キーワード

ラブ☆トレーダー

学園モノの女子向け乙女ゲーム。恋や友情、青春を題材としている。熱狂的なファンに支持され、キャラクターを担当する声優による握手会イベントや、ファンディスクの発売、舞台化も決定しており、その人気は飛ぶ鳥を落とす勢い。桜小路ヨハネ役を山田孝作が、ペンタゴン・佐々木・実篤・ローゼンベルグ役を木村徹平が務めた。夢ヶ丘ユメミや岡磯辺マキから勧められ、小山田誠一郎が最初にハマった乙女ゲームとなった。

ゆめどき!モータースクール

自動車教習所を舞台にした女子向け乙女ゲーム。略称は「ゆめモタ」。ひょんな事から大型一種免許を取得する事になったごく平凡な主人公が、個性あふれる熱血教官だらけの恋山自動車教習学校に通うというストーリー。オッドアイのオレ様気質でIQ380の天才教官、塩柱マサト役を山田孝作が、マサトの飼育員役を木村徹平が務めた。夢ヶ丘ユメミや岡磯辺マキから勧められ、小山田誠一郎が「ラブ☆トレーダー」の次にハマった作品。また、誠一郎がゲーム機を落とした事がきっかけで、ユカもこのゲームにハマる事になった。

電柱×部長

岡磯辺マキが制作した同人誌。女性への配慮に欠けた発言を繰り返す小山田誠一郎をネタに描き上げた18禁BL作品。思考能力を持った電柱が、眼鏡とスーツという特徴はそのままに、誠一郎を美形化した「小山田部長」に思いを寄せるという内容の、個性豊かなキャラクターとクサいセリフが特徴的な、無機物と有機物の恋物語。即売会やネット通販で人気を博し、「観覧車×部長」「首都高速×部長」など、無機物×部長という特殊ジャンルでシリーズ化された。ほかにも「部長×執事×常務」や「信長×部長」など、人と絡んだタイプの部長シリーズも存在する。

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