概要・あらすじ
高校2年生の少女・三井倉継は、小学生のころ大阪に引っ越していたが、父親の死をきっかけに生まれ育った田舎に戻ってくる。引っ越した日の夜、継は小学生のころ仲よしだった大友空、鹿嶋優心、朝里と再会する。仲よし4人組が、全員同じ高校に進学していたことを知ってよろこぶ継だったが、3人にはそれぞれ変化が訪れていた。
以前から優心に好意を抱いていた朝里は、引っ越してきてからも子どものころのように優心に屈託なく接する継にいらだちを覚え、ささいなことから継とケンカをしてしまい、クラスメートといっしょに継を村八分にしようとするようになる。また、小学生の頃は優等生だった優心は、いつからか不良グループの一員になっていて、不良たちといっしょに空をいじめるようになっており、継は空がいじめられている現場にいあわせてしまう。
3人との関係に不穏なものを感じ、落ち込んでいた継は、川原で空が練炭自殺をしようとしているところを見つけてしまうのだった。
登場人物・キャラクター
三井倉 継 (みいくら つぐ)
高校2年生の少女。小学生のころ、大阪に転校するが、高校2年生の冬、父親を亡くしたことをきっかけに生まれ育った田舎に戻ってくる。引っ越してからは母親と姉、2人の姪と女ばかりの5人で暮らしている。趣味はエレキギターを弾くことで、父親から教えてもらった昔のハードロックが好き。長く大阪にいたことで大阪弁を話す。明るく屈託のない性格だが、そのせいで転校してからはクラスで少し浮いてしまっている。 引っ越してからは、小学生の頃に仲の良かった大友空、鹿嶋優心、朝里たちと同じ高校に通うようになり、新生活に胸を踊らせていたが、朝里とはふとしたすれ違いからケンカになってしまう。また、空が優心たちにいじめられているところを見かけてしまう。
大友 空 (おおとも そら)
高校2年生の少年。祖母と大学教授の父親の3人で暮らしている。三井倉継たち仲よし4人組の1人。小学生の頃から漫画家志望で、現在はアニメの絵を描くのが趣味。おとなしい性格で、学校も休みがち。鹿嶋優心たちから陰で暴力を振るわれたり、カツアゲされたりしているが、それを誰にも相談できずにふさぎ込むようになっている。ある日、それを苦にして練炭自殺を図るが、継に見つかって未遂に終わる。
鹿嶋 優心 (かしま ゆうしん)
高校2年生の少年。三井倉継たち仲よし4人組の1人。ボクシングジムに通っている。小学生の頃は真面目な優等生だったが、現在では不良グループの1人。学校では女子からの人気は高いが、どこか距離を置かれており、親しく話しかけようとするクラスメートは少ない。学校では明るく振る舞っているが、常に何かにいらだっている。不良グループといっしょに大友空に暴力を振るったりカツアゲをしたりしている。
朝里 (あさり)
高校2年生の少女。ロングヘアでメガネをかけている。三井倉継たち、仲よし4人組の1人で、親しい友人たちからは名前をもじった「サリー」というあだ名で呼ばれている。鹿嶋優心には小学生の頃から好意を抱いている。保育園のころからいっしょで親友だった継にはそのことを打ち明けていた。しかし、転校してきた継が、小学生のころと変わらず優心と親しく接するのを見ていらだちを覚えはじめ、ふとしたすれ違いをきっかけにケンカをしてしまう。 それ以降、転校したばかりでクラスで浮いている継を、クラスメートといっしょにいじめようとし始める。
書誌情報
金のひつじ 3巻 講談社〈アフタヌーンKC〉
第1巻
(2018-03-23発行、 978-4065111260)
第2巻
(2018-09-21発行、 978-4065127698)
第3巻
(2019-04-23発行、 978-4065151839)