銀河少年

銀河少年

突然の気候変動により大氷河に襲われることとなった地球と、そのパニックの中で生き抜く少年と狼の姿を描いた、漫画と挿絵、文章を取り混ぜた絵物語。「おもしろブック」1953年4月号から1954年2月号にかけて掲載された作品。

正式名称
銀河少年
ふりがな
ぎんがしょうねん
作者
ジャンル
パニック
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概要・あらすじ

カナダの北にある小さな町に、大氷河の訪れを知らせる手紙を乗せた馬車がやって来た。しかし町へ来る途中でウルが率いる狼の一団に襲われ、馬車には馭者も客もおらず、郵便袋がひとつきり乗っているだけだった。大氷河から逃れるために人間たちは町を捨て、狼たちは餌がどんどん少なくなり次第に飢えていく。一団の中で産まれた狼のブウはウルから命を狙われ、母親のプーケと共に逃げ出すが追いつかれてウルに母親を殺されてしまう。彼はそんな危ないところを助けてくれた人間の少年、ケンジを友達と慕うようになるのだった。 その後、ブウと別れたケンジは大氷河を避けて南へ避難するなかでジュリーという少女に出会い、彼女の父親であるアンダースン氏の会社で働くようになる。一方、大氷河を破壊するために投下された原子爆弾の影響で、ブウは不思議な力を持ち、「金色の魔獣」と恐れられるようになってしまう。ケンジともう一度会いたいという想いを胸に、ブウは人間たちに命を狙われながらも南を目指すのだった。

登場人物・キャラクター

ケンジ

大氷河が来る前は、材木屋の親方にいじめられながらも懸命に働いていたが、大氷河の報せを聞いて逃げ出した親方に置いていかれてしまった。ウルに殺されそうになっていたブウを助け、たった一人の友達として慕われるようになる。心優しいが負けん気の強い性格で、アンダースン氏の息子たちに亡き父親からもらった帽子を奪われそうになった時は、3人がかりで殴られても立ち向かった。

ブウ

ウルの一団にいた狼の一匹。母親のブーケと一緒に狼の一団から逃げ出したが、ウルに母親を殺されてしまう。この時に自分を助けてくれたケンジをたった一人の友達として慕っている。大氷河を破壊するために投下された原子爆弾の影響で不思議な力を身に付け、「金色の魔獣」として恐れられるようになる。ケンジに会うため、カナダから南へ向かう。

プーケ

ウルの一団にいた狼の一匹でブウの母親。大氷河の影響で次第に食べ物がなくなっていったことでウルがブウと自分を狙っていること知り、歩けるようになったブウと一緒に逃げ出すが、その道中でウルに殺されてしまう。

ウル

プーケやブウの属する狼の一団を率いるリーダー。いつもは山道を通る人間を襲っていたが、町に大氷河が訪れるという報せを受けた人間たちが村を去り、餌を狩る機会がなくなったため、飢えた仲間から肉を奪ったり仲間を殺して食っており、産まれたばかりのブウも狙っていた。

ジュリー

アンダースン会社の社長令嬢。スリと間違えられて、自社の従業員である工員に殴られたケンジを気の毒に思い、父親に雇ってくれるように頼む。思いやり深く、3人の兄に苛められるケンジを何かとかばう。

アンダースン

ジュリーの父親で、材木を扱うアンダースン会社を経営している。大氷河の影響で山から材木を切り出すことができなくなり、経営が危機に瀕している。先妻の連れ子である3人の息子たちの非行に悩まされており、血のつながったジュリーを可愛がっている。心根が真っ直ぐなケンジに目をかけている。

ダドリー大尉 (だどりーたいい)

アメリカ軍の空軍大尉。大氷河を破壊するために新型原子爆弾WH一八号を投下した。数日後に偵察に出かけ、大氷河の破壊に失敗したことを知る。原爆投下後に「金色の魔獣」と呼ばれる怪物が現れたと知り、退治してやろうとカナダの国境に向かう。

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