概要・あらすじ
丹角先生という男に石ころを金に変えるという錬金術を指導された三太の両親は、何百回という失敗にもくじけず、日々を研究と実験に費やしていく。失敗しても失敗しても、錬金術に情熱を傾ける両親に疑問を抱いた三太は、丹角先生に、これ以上両親を惑わさないでほしいと訴えるのだった。荒唐無稽な出来事に精を出す両親と、醒めた目をもった息子を通して、幸福とは何かを描く。
登場人物・キャラクター
三太 (さんた)
錬金術を成功させ、石や瓦から金を生み出そうとする両親をもつ少年。両親を手伝ってはいるが、錬金術には疑いをもち、今の生活を無為と嘆く。ある日、意を決して、両親へ錬金術の指導をする丹角先生へ苦言を呈しに行く。
丹角先生
三太の両親に錬金術を教えている男。三太の両親に、無上九還丹の秘法やもがりの術を教える。これ以上両親をたぶらかさないでくれという三太に対し、自分が考えている幸福観を語った。『ゲゲゲの鬼太郎』のねずみ男と同じ容姿をしている。盆栽や植物を育てるのが趣味。
お父ちゃん (おとうちゃん)
三太の父。丹角先生に錬金術について教えられ、錬金術を成功させるために何年もの月日を費やしている。錬金術を成功させ、自分たちだけでなく子孫が幸福になるようにと望んでいる。
お母ちゃん (おかあちゃん)
三太の母。錬金術の成功とそれがもたらす幸福を信じて疑わず、実験の費用が必要となると、質屋へとでかけるなどしている。錬金術を疑う三太に、「信じるものは救われん」と、バテレンの聖人もおっしゃっていたと諭した。