概要・あらすじ
唐王朝時代の唐、高祖・李淵の後継者争いの際、高祖の次男・李世民は、腹心の房玄齢、杜如晦と謀って玄武門の変を起こし、兄である皇太子の李建成、さらに弟の李元吉を殺害して第二代皇帝太宗となった。李建成の一家も皆殺しにされ、難を逃れたのは娘の李長歌(通称：永寧姫)だけだった。
彼女は幼い頃から眉目秀麗で聡明、また軍学、武術にも優れていた。彼女は身分を隠し長安の都を逃亡していたが、途中で竇という少年に付きまとわれて弟子にする。やがて長安を離れ、竇 と共に朔州へと向かう李長歌は、帝位に就いた太宗(李世民)への復讐を誓っていた。
その後、彼女は、親しい者との辛い別れや捕虜生活など、過酷な運命を辿ることになる。
登場人物・キャラクター
李 長歌 (り ちょうか)
唐を建国した高祖・李淵の孫にあたる。後継者争いが起こった際、父の弟・李世民に一家が皆殺しにされるなか、魏徴らに逃がされて一人生き残った。李世民への復讐を胸に秘め、身分を隠して少年の姿となり弟子・竇と共に長安を離れる。幼い頃から眉目秀麗で聡明、また軍学、武術にも優れていた。 最初に訪れた朔州では、その知謀での刺史(州知事)・公孫恒の軍師となる。突厥との戦いを有利に進めるが、敗れて突厥の捕虜となる。突厥の将・阿史那隼に重用されるが、その後も親しい者との別れなど過酷な運命に翻弄され続ける。
太宗 (たいそう)
実在の唐の皇帝・太宗がモデル。唐の初代皇帝・高祖(李淵)の次男。腹心の房玄齢、杜如晦と謀って玄武門の変を起こし、皇太子である兄の李建成、さらに弟の李元吉を殺害して第二代皇帝太宗となった。李建成の家族に対しても皆殺しを命じたため、唯一生き残った李長歌から仇とみなされる。
尉遅 敬徳 (うつち けいとく)
実在の唐の武将尉遅恭がモデル。敬徳は字。太宗(李世民)の命令によって、李建成の娘・永寧姫(李長歌)を追う。李長歌の武術の師匠でもある。
房 玄齢 (ぼう げんれい)
実在の唐の政治家・房玄齢がモデル。長い白鬚を生やした老人。玄齢は字。唐の二代皇帝・太宗(李世民)の謀臣。太宗の権力奪取に貢献する。李長歌にとっては、軍師としての師匠だった。太宗の命令で李長歌が命を狙われるようになると、敢えてその追及の手を緩めた。 同じく太宗に仕える杜如晦からは密かに「古狸」と呼ばれている。
杜 如晦 (と じょかい)
実在の唐の政治家・杜如晦がモデル。房玄齢と共に太宗(李世民)の謀臣。太宗の権力奪取に貢献する。李建成の娘李長歌死亡の報告を受けるが、信用せずに彼女の跡を追う。
魏 徴 (ぎ ちょう)
実在の唐の政治家・魏徴がモデル。字は玄成。房玄齢と同じく、永寧姫(李長歌)の師匠。玄武門の変で李長歌の父李建成達が暗殺された際、密かに李長歌を逃がした。李長歌の仇・太宗(李世民)に仕えている。
公孫 恒 (こうそん こう)
中国北部に位置する朔州の刺史(州知事)。隋の時代から朔州を治め、外敵を撃退し、農耕を奨励して発展させた。常に突厥との争いに晒されている。少年に身をやつした李長歌を軍師として重用し、突厥との戦を有利に進めるものの、中央の裏切りによって危機に陥る。
竇 (とう)
元は孤児で、長安の老舗菓子屋品香楼で下働きをしていたが、少年に身をやつした李長歌に会い彼女に弟子入りして共に朔州に向かった。後に李長歌の命で秦老(秦古)の下につき、様々なことを学んで成長している。李長歌の仇でもある太宗(李世民)に恨みを持っている。
阿史那 隼 (あしな しゅん)
朔州を攻略する突厥の将。戦いに長け、略奪や無抵抗の民の虐殺も厭わない。一方認めた相手には敬意を表し、味方のためには危険を顧みない面も持ち合わせている。突厥の長・吉利大可汗の養子だが、元は突厥に征服された遊牧民族・契丹の一族。朔州の軍師・李長歌に興味を持ち、自軍の捕虜とした後に重用する。
穆 金 (ぼく きん)
朔州を攻略する突厥の将・阿史那隼の腹心。幼少時から阿史那隼を公私で支えている。頭の回転が速く、常に冷静。朔州の軍師から突厥に招かれた李長歌の能力を認めているが、隠し事があると見て全面的に信用はしていない。
弥弥古麗 (みみくり)
金髪碧眼の少女。突厥に捕えられ、阿史那隼に朔州攻略の褒賞として贈られた、回紇族の少女。阿史那隼の命令で犯され殺されるところを李長歌に助けられた。元は回紇系の小部族の長の娘。突厥軍の中で男性として過ごしていた李長歌が病に倒れた際、彼女が女性であることを知った。 女性としての自覚が皆無の李長歌の諌め役であり、心を許す友人となる。
羅 芸 (ら げい)
元は隋で「軍神」と呼ばれた老将。唐に帰順してからは李芸と名乗り、李長歌の父・李建成と親しくしていた。李世民に叛乱を起こすが敗れ、再挙兵のため突厥と接触を図っていたところで偶然李長歌と再会する。部下に一騎当千の猛将集団燕雲十八騎を従えている。歴史上の実在の人物、羅芸がモデル。
阿史那 社尓 (あしな しゃある)
突厥を率いる吉利大可汗の元で小可汗の地位にある。吉利大可汗の甥にあたる。契丹の出身ながら吉利大可汗の養子となった阿史那隼と敵対し、彼を陥れようとする。
錦 瑟 (きん しつ)
突厥の小可汗・阿史那社尓の傍に仕える女性。元は隋王家に仕えていた一族。密かに隋王家の建成姫の意を受けている。
- SHARE
-
-
- EC
-
