概要・あらすじ
篠原一樹、嵯峨遼(トオル)、庵原若菜の3人は表向きこそ探偵事務所の人間だが、裏では除霊などを行う退魔師チーム「阿佐ヶ谷Zippy」として活躍していた。犬神使いの武村恭一朗や便所の守護神である烏枢沙摩明王、別の退魔師チーム「世田谷Stupid」らと出会い、爆笑必死の愉快なドタバタコメディを繰り広げていく。
しかし、明るい日常のなかにあっても、一樹は癒えない心の傷を抱えていた。一樹は2年前、両親を何者かに殺害されており、母親の頭部は未だに見つかっていない。その件で、トオルは情報屋の甲斐史虎に依頼し、一樹の両親の事件を追っていた。しばらくの間、手がかりは殆どなかったが、とある宗教団体同士の抗争をきっかけに、一樹たちは両親の死の真相に近づいていく。
登場人物・キャラクター
篠原 一樹 (しのはら かずき)
嵯峨遼(トオル)の義理の弟。1月25日生まれの17歳。身長は166センチ、血液型はRHマイナスのAB型。歌舞伎町界隈でふらふらしていたところをトオルに拾われ、退魔師チーム「阿佐ヶ谷Zippy」に入った。今はトオルと2人で暮らしている。霊能力は強く、癒しの力も持っているが、本人は無自覚。「阿佐ヶ谷Zippy」ではまだ見習いのへたれであり、チームを組んで除霊する際は主に結界を担当する。 チームの中では唯一、浄霊に向いている人物である。明るく親しみやすいフレンドリーな性格で、人間だけでなく神仏や霊などともすぐに仲良くなれる。桃尻部屋の親方とも仲が良く、桃尻部屋の相撲取りの踏む四股で悪霊を祓ったこともある。戦う際には摩利支天(まりしてん)の真言を唱えることが多く、よく使う武器は摩利支天の神鞭。 実家は下町で和菓子屋を営んでいたが、2年前に何者かの襲撃を受け両親が殺害され、母親である篠原美沙緒の頭部は未だに発見されていない。
嵯峨 遼 (さが とおる)
退魔師チーム「阿佐ヶ谷Zippy」所属の青年。キャリアはチームで一番長い。陰陽師の家系の生まれで、11月3日生まれの24歳。身長は176センチ、血液型はRHマイナスのAB型。わがままで負けず嫌い、人妻好きで気に入った女性がいるとすぐに声をかけるが、飽きたら平気で捨てるような自己中心的な性格。細身のイケメンだが、偏食で食い意地の張った大飯食らい。 庵原若菜以外に友達がいないにもかかわらず、昔から若菜と張り合い、勝負を持ちかけては負けている。勝負に負けるとしばらくの間暗くなり、ぶつぶつと愚痴をこぼしながら悔しがる。熱心な阪神ファンで、阪神が負けると機嫌が悪くなる。下半身に節操がなく、Hなこと以外で体力を消耗したくないという理由で他の退魔師との勝負を避けている。 長生きをするつもりはなく、理想は40歳までに腹上死すること。ツチノコは男のロマンだと思っており、ツチノコを見つけるのが夢。篠原一樹の母親である篠原美沙緒を愛しており、美沙緒亡き後、彼女と交わした約束を頼りに生きている。
庵原 若菜 (いはら わかな)
退魔師チーム「阿佐ヶ谷Zippy」所属の青年。表向きは「庵原探偵事務所」の所長を務めている。5月4日生まれの24歳。身長は178センチ、血液型はO型。人が良く面倒見のいい性格。頭脳明晰で、フランス語をはじめ各種の言語を理解している。召喚師としても天才的で、本来なら魔方陣などを使って異界の物を呼び出すところ、庵原若菜の場合は無造作に異空間に手をつっこんで引っ張り出すことができる。 バロールの化身であるジャンと戦った際には、光の神の武器である魔槍ブリューナクを召喚し、人の身でありながらそれを使用するという天才ぶりを発揮した。嵯峨遼とは私立風の花学園に通っていた頃からの友人である。服部桐子とは兄妹同然に育ったため、実の妹のように可愛がっている。 実家は裕福で、グループ企業を含め50万人の社員を抱えて駄菓子から墓石までを扱う、日本一節操のない、世界三大謎の金持ちシリーズと呼ばれる庵原財閥。若菜は庵原家の三男である。
服部 桐子 (はっとり きりこ)
「庵原探偵事務所」の事務員。おっとりとした天然系美女。3月3日生まれの20歳。身長は158センチ、血液型はO型。特異体質の持ち主で、霊能力を持たない代わりに霊的な影響を一切受けない。そのため霊体の戒狷は見えない。戒狷が実体化すれば姿は見えるが、それでも戒狷の声までは聞こえない。庵原家に代々仕えている忍者の家系で、空蝉の術などが使える。 反面、ビデオの録画の仕方がわからないほど機械に弱い。退魔の仕事には参加しないが、仕事が長引きそうな時には現場に弁当を届けることがある。服部桐子が現場に弁当を届けに行った際、武村恭一朗と出会い、その場で交換日記を申し込まれてこれを快諾。その後も武村との交換日記は続いている。庵原若菜とは兄妹同然に育ち、今は若菜と一緒に住んでいるが、男女の関係にはなく、あくまでも同居人である。 浮気調査をはじめとした探偵の仕事をする際は、尾行などを行うことがある。酒に強く、タルごと飲むことがある。姉が2人、弟が1人いる。
武村 恭一朗 (たけむら きょういちろう)
いざなぎ流裏太夫の犬神使い。シャネルの香水「エゴイスト」の愛用者で呪殺のプロ。8月15日生まれの38歳で、身長は184センチ、体重は75キロ。高知県出身で、今は東中野に住んでいる。好きな食べ物はイカ納豆。無類の小動物好きで、犬や猫やハムスターなどを多数飼っている。陰陽師や召喚師が邪法と忌み嫌っている犬神の血の者の力を証明するため、他の退魔師のシマを荒らしてはストリートファイトをふっかけていた。 当初は退魔師チーム「阿佐ヶ谷Zippy」にケンカを売っていたが、偶然やってきた服部桐子が自らの飼っているハムスターに似ていると感じ、0.235秒で恋に落ちる。その後は桐子と交換日記を続け、「阿佐ヶ谷Zippy」のメンバーとも親しくなっていく。 「竹村あんじゅ」というペンネームでフリーライターもしており、「月刊らぶらぶアニマル」という雑誌で「今日のにゃんこ」というエッセイを連載している。男3人兄弟の真ん中で、次男坊。犬神を家族のように思っていて、犬神や可愛い物を攻撃できないという弱点がある。とある理由で実家から刺客を送られている。
戒狷 (かいけん)
武村恭一朗の犬神。大型犬のメスで犬神となってから400年以上経っている。姉御肌な性格で、本来犬神は主人に対して従順なものだが、主人である武村がバカなことを言った時などは、武村をぶん殴ることがある。戦闘以外でも武村の世話を焼いており、霊力を使ってコーヒーなどを淹れている。実体化して「らぶりードッグ展」に行った時、篠原一樹と共にドッグウェアのコーナーに立ち寄ったが、その際、店員に超大型のコーナーに案内され、ちょっぴり傷ついていた。 戒狷は、本来武村家を継ぐ者だけがその証として使役することを許された犬神であり、家を飛び出した武村に使役の資格はないが、戒狷が自らの意志で武村についていくと決め、行動を共にしている。
甲斐 史虎 (かい ふみとら)
退魔師の業界内で「エンドルフィン」の名で知られる情報屋の召喚師。情報は正確だが、金に汚い守銭奴としても有名。6月6日生まれの24歳。身長は177センチ、血液型はAB型。片目をお札で隠していること以外は、普通の好青年。ただし変態的な一面があり、表面的にはSだが精神的にはドMである。趣味は命がけで嵯峨遼(トオル)をからかうことと、トオルの罵声を浴びること。 トオルを愛していると公言するが、ホモとは違うらしい。しばらくの間、海外に行っていたが、帰国後は情報屋稼業とは別に、阿佐ヶ谷商店街で輸入雑貨店「エンドルフィン」を始めた。情報屋の仕事としては、注文を受けて調査をするか、すでに調査済みのリストの中から欲しい情報を客に選んでもらって売るというシステムを採っている。 情報収集や連絡で使う使い魔は、うさぎや猫、ハムスターなど可愛い小動物の姿をしているものが多い。商品開発もしており、使い魔が見ているものをリアルタイムで画面に映し出す「ピーピングトム君1号」や、霊感のない人間でも霊を見たり声を聞けるアイテムを作り出していた。嵯峨家から依頼を受け、篠原美沙緒の死の真相を追っている。
配島 健司 (はいじま けんじ)
いろいろなアルバイトを掛け持ちしている言霊使いの青年。9月13日生まれの19歳。身長は195センチと長身で、血液型はA型。穏やかで優しい性格。無口なのであまり喋らないが、接客に必要な言葉は、マニュアルにあることに限りすらすら話せる。数年前に父親を亡くしており、現在の家族構成は母親と妹。多額の借金があり、貧乏なアパートで一人暮らしをしている。 物語に直接関わる前にも、宅配便業者や工事現場の作業員など、アルバイト中の姿で作中にはたびたび登場していたという特殊な人物。言霊を使う神道系の術者だが、八握剣を使う時以外はその力が表に出ない。秘密サークル「フォックステイル」という謎の組織に大切なものをタテに取られ、仕方なく従っている。下北沢の教会で武村犬丸と神父たちが対決した際には、死人が出るよりはマシと八握剣で教会を破壊するが、のちに弁償しようと、無記名で1回につき2、3千円程度ずつ教会に寄付をしていた。 ある出来事をきっかけに、篠原一樹を守り始める。
田中 優介 (たなか ゆうすけ)
篠原一樹と仲のいい地縛霊で、阿佐ヶ谷の道路に出没しては車に轢かれている。勘のいい人なら何かを轢いたと気づくが、霊体のためそこに死体などはない。烏枢沙摩明王が阿佐ヶ谷一帯を浄化した際には豊橋まで飛ばされ、しばらくの間さまよえる地縛霊となっていた。方向オンチで、豊橋から阿佐ヶ谷に戻るつもりが仙台に行ってしまい、その後、太宰府にも行っていたが、波長の合う人間の体を借りて阿佐ヶ谷へ戻ってきた。 死んでからしばらく経つが、今でも想ってくれている人がいて、事故の現場にはいつも花が供えられている。生前の勤め先は(株)ヘニックス。好きなアイドルはキャンディーズのスーちゃん。生前は妻と息子がおり、息子の名前は「和希」という。
烏枢沙摩明王 (うすさまみょうおう)
金剛界曼荼羅の一尊で不浄を清浄に転じる力を持つ、密教における便所の守護神。時折実体化して、清掃業者の扮装で人間界のトイレを掃除している。偶然トイレを訪れた篠原一樹に便器の磨き方を教えたことから親しくなり、それ以降一樹たちの前に現れるようになる。その浄化の力はすさまじく、駅前にいた悪霊を一掃した時は、駅周辺どころか阿佐ヶ谷一帯の空気まで清浄にし、呪殺帰りにたまたま近くを通りかかった武村恭一朗や前日に人妻を誘惑していた嵯峨遼も浄化され、己の罪を悔いていたほどの威力を見せた。 神仏としては少々リベラルで、しょっちゅう人間界に入り浸っている。一樹が呼べる唯一の神仏である。
クロウ・クルーウァッハ (くろうくるーうぁっは)
庵原若菜が可愛がっている召喚獣で、ケルト系神話の死の神。本来ならその姿はもにもにとしたスライム状の闇だが、作中のクロウ・クルーウァッハはスライム状の体の先に小さな目が描かれた愛らしい姿で、水を吸ったシップのようにぷにぷにとしている。事務所の机の3番目の引き出しが異空間と繋がっており、その引き出しを開けると出てくる。 相手の生命力を少しずつ奪う力を持ち、しつこい悪霊への対策として丁度いい存在。かつては魔王バロールに召喚され使役されていたが、バロールの化身であるジャンに指摘されるまでその事実を忘れていた。ちなみにクロウの召喚者としては、若菜よりバロールの方が格上である。呼び出された後、暇な時は一人でしりとりをしていたりとお茶目な一面もある。 若菜の修行の成果で、神話の時代に光の神と戦った時の、本当の姿であるドラゴンに変身できるようになったが、もにもにしていないことで篠原一樹にはがっかりされてしまう。
サクラ
庵原若菜の使い魔で、愛らしい小型のサル。呪詛のヒトガタを見つけたり、霊気の流れをたどって呪詛をかけた人物を挑発したりといろいろなことができる。若菜が路面にチョークで魔方陣を描いた際には、自分も描きたいとチョークをねだり、劇画調の上手い絵を描くなど意外な才能を持つ。サクラの言葉は基本的には若菜にしかわからないが、小動物フェチである武村恭一朗にもなんとなく伝わる。 家族が可愛がってくれるからと、しばらくの間、若菜の実家に預けられていたことがある。
ピエール・キャンデロロ (ぴえーるきゃんでろろ)
下北沢にある教会の神父で、東京退魔師組合加盟の退魔師チーム「世田谷Stupid」のリーダー。12月24日生まれで、身長は173センチ、血液型はB型。フランス人だが1/4はイタリア人の血が入っているクォーター。ピエール・キャンデロロ自身は腰が低く気が弱い性格だが、そのなかには気の強い「クロード・キャンデロロ」、女性の「アンリ・キャンデロロ」、凶暴な「ジャン」という3人の魂も同居しており、他人に聞かれることなく脳内で会話することができる。 クロードたちは、ピエールの体から生霊として出て実体化することができる。ピエールとクロード、そしてアンリには、法王庁が公式に認める審査の厳しい超難関の上級職、公式エクソシストになるという夢がある。
クロード・キャンデロロ (くろーどきゃんでろろ)
ピエール・キャンデロロの体の中にある魂のうちの一人。12月24日生まれで、身長は181センチ、血液型はB型。赤毛の美男子で見た目はイタリア系。ピエールと同じ神父で信徒や近所の人々には優しく接しており、主に近隣のおばさま方に好かれている。本来は口が悪くて態度が大きくケンカっ早い。情に厚い性格で、子供の頃はジャンと一番仲が良かったが、ジャンのせいでフランスにいられなくなったため、しばらくの間ジャンを恨んでいた。 裁縫が得意で刺繍なども得意。酔うと泣き上戸になる。
アンリ・キャンデロロ (あんりきゃんでろろ)
ピエール・キャンデロロの体の中にある魂のうちの一人。12月24日生まれで血液型はB型。同じ体を共有する魂の中では唯一の女性で、金髪に巨乳の美人シスター。子供の頃は結婚したいと思っていたが、聖職者は原則独身の上にアンリ・キャンデロロとしての戸籍がないため、結婚は無理だとあきらめている。エッグタルトというお菓子を作るのが得意。 酔うと女王様のように気が強くなる。
ジャン
ピエール・キャンデロロの体の中にある魂のうちの一人。12月24日生まれ。身長は190センチで血液型はB型。ケルト神話系の魔王であるバロールの化身で、額に「邪眼(イービル・アイ)」を持っている。幼い頃はピエールよりも気が弱く、いつもクロード・キャンデロロの後ろに隠れているほど、大人しい性格で引っ込み思案の泣き虫だった。 だが、成長と共にバロールの影響が強くなり凶暴な性格へと変わってしまう。バロールの力の源は「邪眼」で、ジャンの「邪眼」はバロールが人間界に干渉するための窓となっている。庵原若菜の活躍により、ルーの槍であるブリューナクで「邪眼」を貫かれ、ピエールの体の中に封印された。ブリューナクが抜けた後、ピエールの体から抜け出し実体化したが、その時にはバロールと分離していたため、その精神はまだバロールと一体化していなかった子供の頃のままとなる。 ジャンは起きている時しか実体化できず、眠くなると体が次第に消えていく。酒に酔うと笑い上戸になる。
藤井 梓焰 (ふじい しえん)
浄土宗の寺である梵泥寺の僧侶で、東京退魔師組合所属の退魔師チーム「東京ボンデージ」のリーダーでもある。身も心も浄土宗に捧げており、「法然命」と左腕にタトゥーを彫っているほど。阿弥陀信仰のスペシャリストで、優秀な退魔師である。バンド活動も行っており、担当パートはベース。普段は坊主頭にサングラスという姿だが、退魔やバンド活動の時は長髪のかつらを被り、ヴィジュアル系のメイクにゴシック系の衣装を身にまとっている。 退魔の際はベースを弾きながらお経を唱える。高校時代は軽音楽部に入っており、設楽六樹(ロッキー)や安藤琉ともそこで出会った。年齢はロッキーたちの一つ上。
設楽 六樹 (したら りくじゅ)
東京退魔師組合所属の退魔師チーム「東京ボンデージ」のメンバー。バンド活動も行っており、担当パートはギター。普段はとても穏やかな僧侶で、敬語で話しているが、ギターを持つと豹変し、ガラが悪くなって言葉も荒くなる。藤井梓焰と同じく、退魔やバンド活動の際はヴィジュアル系の姿になる。右腕に「南無阿弥陀仏」とタトゥーを彫っている。 得意技は「念珠ピック」「廻向文アルペジオ」など。高校時代は軽音楽部に所属しており、得意な楽器はエレキとアコースティックギターとサックス。安藤琉と同い年である。
安藤 琉 (あんどう りゅう)
東京退魔師組合所属の退魔師チーム「東京ボンデージ」のメンバー。チームではへたれの足手まとい扱いをされている。バンド活動も行っており、担当パートはボーカルで、3オクターブの声を出すことができる。かなりの童顔だが、年齢は27歳。設楽六樹とは同い年で、藤井梓焰の一つ下。藤井と同じく、本業が僧侶で、退魔やバンド活動の際はヴィジュアル系の姿になる。 胸元に「現世利益」のタトゥーがある。高校時代は軽音楽部に入っており、藤井や六樹とはそこで出会った。得意楽器はカスタネット。
長谷川 光男 (はせがわ みつお)
東京退魔師組合の組合長で、退魔師チーム「築地ヤングマン」のメンバー。ちゃきちゃきの江戸っ子で子供の頃からべらんめぇ口調だった。東京生まれ東京育ちだが、昭和18年には空襲を避けて静岡のとある山村に疎開していた。子供の頃は耽美で小悪魔系の美少年だったが、今ではぬらりひょん系の老人である。パソコンが苦手で、組合の雑用などは藤井梓焰に頼んでやってもらっている。
川副 (かわぞえ)
東京退魔師組合加盟の退魔師チーム「蒲田エクソシズム」のメンバーで、地味めな好青年。恋人と共にはまっている「嵐ヶ丘」という小説の登場人物になりきっており、恋人のことを「キャシー」と呼び、恋人からは「ヒースクリフ」と呼ばれているかなりのバカップルである。退魔師チーム「阿佐ヶ谷Zippy」とは、妖怪の生息調査で一緒になったことで知り合う。 嵯峨遼が術を使って呼んだUFOの写真を撮影した際、直後に出現した「MIB(メンインブラック)」という黒ずくめの男たちに連れ去られたが、写真のフィルムを渡したら解放された。その際、花博のグッズやUFO関連のビデオを土産にもらってきた。
キャシー
東京退魔師組合加盟の退魔師チーム「蒲田エクソシズム」のメンバーで、川副の恋人。本名は明かされていない。「嵐ヶ丘」という小説にハマっていて、川副とは互いに「キャシー」「ヒースクリフ」と小説内の登場人物の名で呼び合っている。飛行術が使えるとの触れ込みだったが、その正体はどう見てもジャイアントスイング。川副と組むことにより、「究極奥義嵐ヶ丘雷電撃(ワザリング・ハイツ・サンダー)」という社交ダンスのような動きの必殺技を使う。 これは、悪鬼を除け、場を清める効果がある反閇という一種の霊的歩行法を超高速で行い、敵を結界で縛り、転じて攻撃する技である。のちに「嵐ヶ丘」から「風と共に去りぬ」に鞍替えし、川副から「スカーレット」と呼ばれるようになった。
バロール
ケルト神話系の魔王。クロウ・クルーウァッハを召喚して神々の王を倒したと言われている。妻の名は「カスリーン」。一人娘の名前は「エフネ」。かなりの親バカで、将来自分の孫によって倒されると予言された際、「我をお義父と呼ぶことは死を意味すると思え」と将来エフネの夫となる男性に対して邪眼全開で怒り狂っていた。予言を受けた後は、男性と接触しないよう娘を塔の中で育てた。 自身の化身であるジャンを利用して人間界に干渉しようと企んでいる。
ルー
ケルト神話系の光の神で、バロールの孫にあたる神。女好きの神様で、退魔師チーム「阿佐ヶ谷Zippy」のメンバーの前に現れた際も女連れだった。自身の武器である魔槍ブリューナクは片腕も同然で、ブリューナクを通じてジャンの状況を把握していた。ブリューナクは「貫くもの」という意味で、本来は一種のエネルギーの塊である。 通常は槍の姿をしているが、本来の持ち主であるルーは鞭のように扱うことができる。
愛染明王 (あいぜんみょうおう)
愛欲を悟りに昇華させる力を持つ恋愛の守護神で、嵯峨遼が崇める唯一の神仏である。仕事は、人間たちに清らかな愛を説くことであり、地域も相手も選ばない。そのため、世界中の女性に手を出しては子作りに励んでいる。意外と人間かぶれで、免税店で購入したシャネルの香水をつけている。烏枢沙摩明王に対抗心を燃やしており、烏枢様の方が、背が高いとか、足が速いとか、頭がいいとか、そういう理由で何かにつけてケンカを売っている。
シャックス
大昔、ソロモン王に封印された魔界の72柱の魔王の一人で、鳥に似た姿をしている。退魔師チーム「阿佐ヶ谷Zippy」のメンバーと武村恭一朗がクリスマスパーティで闇鍋をした時に、鍋の中から現れた。シャックスは誰かに召喚されたと思っていたが、実際は力のある者たちが酔っ払って暴走したため妙な磁場ができ、その中心にあった鍋と魔界が繋がった結果、その場に出現してしまっただけだった。 酔っ払ったメンバーたちに絡まれたあげく、酔った嵯峨遼にゲロをかけられ、精神的に大きなダメージを受けて泣きながら鍋の中に帰っていった。魔界に帰った後は「ゲロ魔王」と呼ばれ、子供はいじめられ、妻は子供を連れて実家に帰ってしまう。以後もたびたび登場し、「阿佐ヶ谷Zippy」のメンバーにとっては腐れ縁とも呼べる関係になる。
武村 犬丸 (たけむら いぬまる)
いざなぎ流の裏太夫で、武村家の次期当主。通っている高校では優等生で、生徒会の役員をしている。12月31日生まれの17歳。身長は170センチで血液型はB型。武村恭一朗の弟の息子で、恭一朗にとっては甥にあたる人物。武村家の人間にとって犬神はただの道具だと言い放ち、何匹も犬を無駄に殺して犬神を作っている。緑川夫人に勧誘され、秘密サークル「フォックステイル」に入会する。 初登場時、恭一朗を殺そうと襲い掛かったが、偶然居合わせた篠原一樹に殴り倒された。そのことから一樹を憎んでいる。同じ組織のメンバーである配島まどかのことは友達だと思っている。
琴琥 (ことこ)
武村犬丸の犬神で、アフガンハウンドのオス。年齢は5歳。基本的には犬丸の命令には逆らえず、行動を制限されている。犬丸が精神的に弱っている時、数時間だけ単独行動ができ、その時は自らの意志で戒狷に会いに行った。犬の本能から素晴らしいメスを得たいと戒狷に求愛するも、年齢差がありすぎて戒狷からは可愛いとしか思われていない。 返事はあなたが私より強くなってから、とやんわり断られるも、強くなればいいのだとポジティブに考えている。
緑川夫人 (みどりかわふじん)
秘密サークル「フォックステイル」の幹部の一人。ゴージャスな衣服を身にまとった美女で、二の腕に黒蜥蜴のタトゥーを彫っている。武村犬丸を「フォックステイル」に勧誘した人物であり、篠原美沙緒の死の真相を追っていた甲斐史虎の前に現れ、彼の左目を奪った人物でもある。緑川夫人と名乗っているが、クラウディオ・ロッシからは秘密にしている本名の「雅美ちゃん」と呼ばれている。 麻布十番の豪華なマンションの一室を別宅にしている。美しさを求めて組織に入り、「フォックステイル」の美少年である柊を敬愛している。とある計画のため、狐を多数育てている。
クラウディオ・ロッシ (くらうでぃおろっし)
秘密サークル「フォックステイル」のメンバー。職業は屍霊術師(ネクロマンサー)で、生ける屍である「死刻虫(デス・ウォッチ)計画」の責任者。ちょい悪オヤジ風のイタリア人でフェロモンが濃い。ノリの良い性格で、柊とツルんでいれば面白いからという理由で組織にいる。若者をからかって遊ぶのが好きで、何事も面白い方がいいという考え方をしている。 ツボにハマるとワキ腹が痛くなるほど笑い転げる。元々は錬金術師であり、人造人間(ホムンクルス)の研究を専門的に行っていたが、その過程で死体に興味を持ちネクロマンサーになった。自分の手で最も美しい死体を作り出すことを夢見て、髪の毛一本から材料を選び、屍霊術に錬金術や科学、化学を組み合わせ、長い年月をかけて完成させた。 死体を使って綺麗な人形を作りたかっただけなので、「フォッスクテイル」がそれを使って何をするかには興味がない。研究を専門に行っているため、戦闘には向かない。
柊 (しゅう)
秘密サークル「フォックステイル」の会長。見目麗しい美少年だが、顔や体のあちこちに包帯を巻いている。その体はボロボロで、クラウディオ・ロッシがメンテナンスを行っている。真言宗から派生しながら、その教義の特異さから弾圧され、邪教として歴史の闇に消えていった異端の密教である真言立川流の復興を目指し暗躍している。
早瀬 明彦 (はやせ あきひこ)
「月刊らぶらぶアニマル」という雑誌の編集者で、武村恭一朗の仕事仲間。年齢は29歳。黙っていれば良い男と評されるイケメンだが、ホモであり、女性や女性っぽいおかまにはあまり興味を示さない。男くさい男性が好きで、仕事でオカマバーに来ていた庵原若菜に一目惚れし、会うたびに追いかけ回している。若菜の兄の庵原一葉や庵原二葉は大学時代の友人である。 霊感がなく、霊的存在の否定派で、目の前で超常現象が起きてもまったく信じず、新しいショーだと思っていた。
三田村さん (みたむらさん)
「月刊らぶらぶアニマル」という雑誌の編集者で、武村恭一朗の仕事仲間。三度のメシよりコドモが好きな女王様系の美女。霊感があり、武村、早瀬明彦と共に訪れた「秘密の花園」というオカマバーに幽霊が出た際、はっきりと幽霊の姿が見えていた。当初は副編集長だったが、のちに編集長に昇格する。「フローラ」という名のメスの土佐犬を飼っている。
篠原 美沙緒 (しのはら みさお)
篠原一樹の母親で白祭家の出。白祭家と嵯峨家は先祖が同じであり、男家系で陰陽道の家系の嵯峨家に対し、女家系の白祭家は巫術の家系である。その力を継いだ最後の一人と言われている。平穏な生活を望んでいたため結婚を機に巫女を引退したが、2年前に和菓子工場で殺害されてしまう。殺害された際に頭部が行方不明となっており、現在も見つかっていない。
篠原 和夫 (しのはら かずお)
篠原一樹の父親。生前は下町で和菓子屋を営んでいた。2年前、和菓子工場で妻の篠原美沙緒と共に殺害されてしまう。死後、嵯峨遼(トオル)が何度か浄霊をしているが、まだ話せる状態ではない。トオルが墓参りにきた際、途切れ途切れに地蔵和讃の一節を告げた。だが、それは事件に関係したものではなく、一樹が子供の頃に子守唄として聴いていたものだった。
嵯峨 君江 (さが きみえ)
嵯峨遼(トオル)の母親で、篠原美沙緒のはとこ。美沙緒の死後、篠原一樹を養子として迎え入れ、義母となった。トオルは可愛くない方の息子で、一樹は可愛い方の息子と語っている。なかなか「お義母さん」と呼べない一樹に対して、美沙緒が自分のことを呼ぶ時と同様に「きみちゃん」と呼ぶよう促した。
嵯峨 幸三 (さが こうぞう)
嵯峨遼(トオル)の父親で、篠原一樹の義父。一樹には自分のことを「こうちゃん」と呼んでもらいたい、と頼んでいた。トオルに似てかなりの女好きである。家の裏山に強力な武器を隠してあり、その武器を取りに行くためにトオルが裏山へ入る許可を求めたが、嵯峨幸三はこれを断った。しかし、トオルが女性を紹介すると耳打ちすると、あっさり許可を出す。 もちろんこのことはすぐ妻にバレ、怒られた。裏山は山頂の祠までランダムに敵が現れる仕様になっており、庵原若菜が修行のために裏山を使いたいと申し出た時にはノリノリで裏山の罠を増やしていた。
庵原 一葉 (いはら ひとは)
庵原若菜の兄で、庵原家の長男。弟の庵原二葉とは双子。妻と子がいる。テンションの高い人物で、初登場時には神輿に乗って現れた。客人を必要以上に派手にもてなす傾向があり、その魔の手は家族の友人にまで及ぶ。ちなみに本人は善意でやっており、悪気はまったくない。
庵原 二葉 (いはら ふたば)
庵原家の次男。庵原若菜の兄で、庵原一葉の双子の弟。昼神温泉郷イハラビューホテルの支配人をしている。ほんのりファンキーで、シュールな芸風。そのノリは地球外生命体と評されている。ホテルに怪奇現象が起きたため、若菜に仕事を依頼した。商魂たくましいところがあり、その仕事の途中にホテル内で若菜が行方不明になると、「今仕事に失敗するともれなくなんと宿泊料金5倍」と書かれた看板を掲げて嵯峨遼たちにプレッシャーをかけた。
庵原 春菜 (いはら はるな)
庵原若菜の妹。かなりのブラコンで、若菜のことが大好きな16歳の少女。服部家で忍術を習っている。ちょっぴりお転婆で、登場時に空蝉の術を使って見せた。若菜と仲の良い服部桐子に嫉妬している。
庵原 青葉 (いはら あおば)
庵原若菜の従兄弟で、私立の女子校である庵原学園の理事長をしている。学校に何かが出たため、若菜に除霊を頼みにきた。学校の怪異を秘密裏に調べようと、理事長権限をフル活用して、篠原一樹を女生徒、若菜と嵯峨遼を先生として校内に潜り込ませた。特撮マニアで、理事長室は特撮風の司令室のようなデザインになっている。
庵原 桃子 (いはら ももこ)
服部桐子の一番上の姉で、旧姓は服部。庵原一葉の妻で、子持ちの主婦。 庵原若菜にとっては兄嫁にあたる人物。旦那とは超ラブラブでいつも写真を持ち歩いている。背が低く童顔。中学生くらいに見えるが28歳であり、服部家の長女。若菜と武村恭一朗が桐子をめぐって揉めた際、どちらがよりいい男か勝負して決めればいいと、2人をけしかけた。 酒豪で、三姉妹が一晩本気で飲むと、旅館を貸しきるより酒代の方が高くなる。
服部 桜子 (はっとり さくらこ)
服部桐子の姉で、庵原桃子の妹。服部家の次女である。スキー場のある高原でペンション風のホテルのオーナーをしている。桐子を大人っぽくした雰囲気の落ち着いた大人の女性。庵原二葉と婚約中で、二葉の趣味でペンション風ホテルではメイド服を着用していた。
配島 香織 (はいじま かおり)
配島健司の母親。数年前に夫をクモ膜下出血で亡くしており、今は未亡人である。43歳。阿佐ヶ谷でハイジ食堂という食堂を切り盛りしている。特別な力などはなく、健司が秘密サークル「フォックステイル」の一員として働いていることを知らない。
配島 まどか (はいじま まどか)
配島健司の妹。18歳で家事手伝いをしている。まどかも、友人たちからは兄と同様に「ハイジ」というあだ名で呼ばれている。身長は174センチと兄妹そろって高身長。配島まどかも母と同様に、兄が秘密サークル「フォックステイル」の一員として働いていることを知らない。
集団・組織
阿佐ヶ谷Zippy (あさがやじっぴぃ)
主に阿佐ヶ谷周辺で除霊などを行っている退魔師チーム。メンバーは、庵原若菜、嵯峨遼(トオル)、篠原一樹の3名。東京退魔師組合(東退組)加盟の優良退魔師チームで、安心の良心価格で確かなサービスを心がけている。表向きは、探偵として働いており、阿佐ヶ谷の雑居ビルの3階に「庵原探偵事務所」として事務所をかまえている。 探偵事務所の所長は若菜で、若菜や一樹、トオルは探偵事務所の仕事もしつつ退魔の仕事をしている。服部桐子は事務員のため、退魔の仕事はしていない。探偵事務所の裏サービスとして退魔を行っているので、事務所に直接退魔の依頼が来るか、もしくは東退組を通じて依頼が来ることもある。
東京退魔師組合 (とうきょうたいましくみあい)
東京都にある退魔師の組合。他に大阪や名古屋など全国に退魔師の組合があり、それらの上に全国退魔師組合連合がある。東京退魔師組合には「阿佐ヶ谷Zippy」の他に、下町系の「築地ヤングマン」、ボンデージ系の「東京ボンデージ」、地味系の「蒲田エクソシズム」、ワンレン系の「中目黒退魔会」、下北沢の教会で神父もしている「世田谷Stupid」など、さまざまなチームが加盟している。 東京退魔師組合を通じて、加盟チームに仕事の依頼がいくことがあり、他にも東京退魔師組合に加盟しているチームで持ち回りの仕事などがある。加盟チームのメンバーに統一感はなく、集まると怪しい集団のようだが、公民館の会議室を借りて定例会を開き、さまざまな議題を話し合っている。
築地ヤングマン (つきじやんぐまん)
東京退魔師組合に加盟している退魔師チーム。東京退魔師組合の中でも一番の老舗の実力チームだが、メンバー全員が高齢で、寅吉はギックリ腰、源太郎は高血圧、重三は血糖値が上がって病院で検査中と、長谷川光男以外のメンバーは体に問題を抱えている。メンバーの年齢が高いので、東京退魔師組合の元老院と呼ばれている。
東京ボンデージ (とうきょうぼんでーじ)
東京退魔師組合に加盟している退魔師チームで、メンバーは藤井梓焰、設楽六樹、安藤琉の3名。彼らは全員本業が僧侶で、バンド活動のかたわら退魔もしている。阿弥陀信仰のスペシャリストで、 巣鴨から御徒町あたりでは「東京ボンデージ」に適うチームはないとされている。通常は僧侶の格好をしているが、バンド活動の時と退魔を行う時はヴィジュアル系の衣装とメイクになり、ギターやベースを持っている。 3人とも同じ高校の出身で、高校時代は軽音楽部だった。
世田谷Stupid (せたがやすてゅーぴっど)
東京退魔師組合に加盟している退魔師チームで、下北沢の教会で神父をしている。メンバーのピエール・キャンデロロ、クロード・キャンデロロ、アンリ・キャンデロロの3名は魂こそ別人だが、体は一つである。ピエールたちと体を共有しているジャンが凶悪だった頃、他のチームや依頼人とトラブルを起こしていたため、一時は東京退魔師組合から除名されそうになっていた。
蒲田エクソシズム (かまたえくそしずむ)
川副とその恋人が2人で組んでいる、東京退魔師組合に加盟している退魔師チーム。退魔の際は恋人ならではの息のあった技を繰り出している。かなりのバカップルで、毎回何らかの物語にハマっては互いをその物語の登場人物の名で呼び合っている。
フォックステイル
柊が会長を務めている秘密サークル。緑川夫人とクラウディオ・ロッシが元々のメンバーで、のちに配島健司を無理やり組織に入れ、武村犬丸を勧誘して組織に入れた。生ける屍である死刻虫を使い、新興宗教団体を乱立させた上で宗教団体同士を争わせ、最強の宗教団体を作って真言立川流の受け皿にしようとしている。
その他キーワード
除霊、浄霊 (じょれい、じょうれい)
除霊は霊の意思はどうあれ強制的に排除することで、対する浄霊は霊の意思を尊重して成仏の手伝いをすることである。嵯峨遼や庵原若菜の能力はかなり攻撃的にできており、浄霊が不得意でいつも除霊している。退魔師チーム「阿佐ヶ谷Zippy」のメンバーの中では篠原一樹だけが浄霊に向いている。
犬神 (いぬがみ)
人間が使役するために人工的に作られた悪霊。犬神を作る際は、犬を首だけ出して地面に埋め、エサは決して与えず、届きそうで届かない位置にエサを置いて飢えを増幅させる。極限まで飢えた犬は人間に対して怒り、恨み、やがて発狂し、それらの負の感情が頂点に達したところで首を斬り落とす。その首を、秘術をもって祭り上げることで犬神となる。 犬神は初めから悪霊にするために殺された犬のなれの果てであり、犬神の力の強さは憎悪の強さによって決まる。
八握剣 (やつかのけん)
配島健司(ハイジ)がその体の中に持っている剣。先祖代々長子が受け継ぐ剣であり、ハイジの父親が亡くなった時、受け継いだ。ハイジの父親は自身の母親から受け継いだ。この剣は白祭家に伝わる、秘められた力を持つ人を守るためのものであり、継いでも力を使わずに終わることがある。ハイジの父親も祖母も白祭家の秘められた力を持つ者とは出会わなかったため、使っていない。 役目を果たす時が来れば、その人と出会うことができると言われている。