いぬかみっ!

有沢まみずの同名ライトノベルのコミカライズ作品。犬神使いの一族に生まれた少年と、自称・犬神の少女。主従の契りを結んだ2人と、その周囲の女性たちが織り成すドタバタ和風ラブコメディ。「月刊電撃コミックガオ!」2005年12月号から2008年4月号にかけて連載された作品。

正式名称
いぬかみっ!
原作者
有沢 まみず
作画
ジャンル
和風ファンタジー
レーベル
電撃コミックス(メディアワークス)
関連商品
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あらすじ

第1巻

犬神使いの一族・川平家の末裔である川平啓太は、子供の頃、犬神と契約を結ぶ際にどの犬神にも選ばれず、普通の人間として暮らしていた。17歳になったある日、啓太は、祖母である川平榧の呼び出しを受け、家の裏山の廃寺に、自分を気に入った犬神がいるという話を聞く。大喜びで犬神のもとへと向かう啓太だったが、その自称犬神のようこは、啓太の手には負えない気まぐれな性格だった。そうと知らず、ようこと「主従の契り」と交わした啓太は、のちにようこの本性を知って後悔にさいなまれつつも、ともに妖怪退治の仕事を始めることになる。

第2巻

川平家では、川平薫犬神の1人であるなでしこを、一時的に預かることになった。可愛らしいなでしことの同居に喜ぶ川平啓太に対し、ようこは自分以外の犬神が啓太のそばにいることが面白くない。そんなある日、ようこは薫の他の犬神であるせんだんたちに声をかけられる。せんだんの話によると、協調性に欠けるなでしこは、薫の10人の犬神たちの中では浮いた存在らしい。せんだんはなでしこを薫のもとから追い出して啓太の犬神にしたいと考えており、その計画の邪魔をしないでほしいとようこに頼む。しかし、ようこはその頼みをはねつけ、さらにたゆねが啓太を侮辱したことをきっかけに、事態は最悪の方向に発展。こうしてようことせんだんたちとの、激しい喧嘩が始まる。

第3巻

川平薫の頼みで、薫の留守を預かり、一時的に薫の家に滞在することになった川平啓太ようこ。啓太とようこは、薫の犬神たちからは相変わらずあまり良く思われていないままだったが、「薫の命令は絶対」というせんだんの言葉から、12人で平和に過ごすことになる。しかし、その場に下着泥棒のドクトルや、邪霊が出現。襲われそうになったいぐさを助けた啓太は、いぐさに慕われるようになる。

第4巻

犬神使いとして依頼を受け、死神「暴力の海」を討伐することになった川平啓太ようこ。「暴力の海」は非常にサディスティックな性格で、人間に死の宣告をしたり、わざと恐ろしい思いをさせたり、プライドを砕いて再起不能にさせたりすることに喜びを感じるのだという。そのため、依頼主・合田剛太郎の主人である進藤ケイは、生まれてからずっと「暴力の海」に苦しめられており、さらに20歳の誕生日に「暴力の海」に殺されることが決まっているらしい。ケイの命を守るため、啓太は「暴力の海」との一騎打ちに臨むことになる。

第5巻

死神「暴力の海」に勝利したものの、死神の呪いで不運を背負わされ、無一文になってしまった川平啓太ようこ進藤ケイは救えたものの、住むところさえ失くしてしまい、川辺でホームレス生活を送っていた。そんなある日、ようこははけに呼び出され、大妖狐を封じ込める結界を持続させる儀式に参加してほしいと頼まれる。本当は犬神ではなく大妖狐の娘であるようこにとっては、それは、自分の父親を封ずる行為であった。しかし、ようこは儀式への参加を決める。

第6巻

川平啓太ようこは、死神「暴力の海」の呪いが薄まるまで、ホームレス生活を続けていた。辛い冬もどうにか乗り越えた2人は、ある日、川平家で行われる宴会に参加することになる。当日、啓太を待つようこのもとに、一匹の蛙が姿を現す。白山名君と名乗るその蛙は、啓太と特別な関係にあるのだという。ようこは白山名君に嫉妬しつつも、白山名君の昔話を聞くことになる。

メディアミックス

TVアニメ

2006年4月から9月にかけて、テレビ東京系にて本作『いぬかみっ!』のTVアニメ版が放送された。監督は 草川啓造。シリーズ構成は玉井☆豪、キャラクターデザインは友岡新平が務めた。キャストは 川平啓太役を福山潤、ようこ役を堀江由衣、なでしこ役を名塚佳織が演じた。

劇場アニメ

2007年4月、劇場版アニメ『いぬかみっ! THE MOVIE 特命霊的捜査官・仮名史郎っ!』が公開された。アニメ版『灼眼のシャナ』『キノの旅』との3本立ての同時上映として公開され、キャストはTVアニメ版同様 川平啓太役を福山潤、ようこ役を堀江由衣、なでしこ役を名塚佳織が演じた。

インターネットラジオ

2006年5月から2007年5月にかけて「スターチャイルド」の公式サイト上にて、インターネットラジオ番組「いぬかみっ! Webラジオ こいぬのじかん」が配信された。パーソナリティは、なでしこ役の名塚佳織と、ともはね役の長谷川静香が務めた。

ゲームソフト

2006年12月、ニンテンドーDS用ゲームソフトとして『いぬかみっ! feat.Animation』が発売された。内容は原作小説をニンテンドーDS上で再現したサウンドノベルで、その他にもミニゲームや、有沢まみずによる書き下ろし小説などが収録された。

登場人物・キャラクター

川平 啓太

代々犬神使いの家系である川平家の末裔の17歳の少年。前髪を目の上で切った、オレンジ色のショートカットヘアにしている。ようことは主従関係で、「主従の契り」を交わした際に使用した首輪を、常に身に着けている。作中では主にカタカナ表記で「ケイタ」と呼ばれることが多いが、なでしこたち川平薫の犬神たちからは「様」付けで呼ばれている。 明るくスケベでいい加減な性格だが、根は面倒見が良く、心優しい。また、機転が利き、いざという時は非常に頼りになる。13歳の頃、犬神たちからの品定めを受け、犬神使いとしてデビューするはずだった。しかしなぜかどの犬神からも選ばれず、一般人として生活していた。17歳になったある日、突然祖母の川平榧に呼び出され、自分を気に入っているらしい犬神ようこの存在を知らされ、契約することになる。 犬神使いになるための修行ばかりの生活をしていたため、女性に縁が薄い人生を送っていたが、実際は大の女好きで、何かと女性にちょっかいを出しては、嫉妬したようこにひどい目に遭わされている。愛煙家で、いつも煙草を吸っている。身長は174センチ。

ようこ

川平啓太と「主従の契り」を交わし、啓太と主従関係になった自称・犬神。正体は「ようこ」の名が示す通り大妖狐の娘だが、犬神でないことが知られると啓太と「主従の契り」ができないと考え、当初は啓太に素性を偽っていた。前髪を目の上で切り、腰まで伸ばした、ふんわりとした淡い緑色のロングヘアの少女の姿をしている。「主従の契り」の際に使った蛙のチャームが付いたシルバーチェーンを、常に身に着けている。 また、お尻には狐の大きなしっぽが1本生えている。気まぐれで自由な性格で、啓太をからかったり、振り回すのが大好き。一方で嫉妬深く、啓太が他の女性にうつつを抜かしていると非常に怒る。妖狐として強大な力を持っており、自分から一定の距離内にあるものを、何でも自分の手元へ移動させる「しゅくち」や、激しい炎を出す「だいじゃえん」といった、多数の霊力を用いる。 また、姿を人間には見えないように消すこともできる。川平家の裏山にある廃寺に長期間隔離され、自力では外に出られない状態で一人暮らしていたところを、啓太と出会い「主従の契り」を交わし、一緒に暮らすことになる。また、それと同時に、犬神使いとその犬神のさだめとして、ともに妖怪退治をすることになる。 食べることとテレビドラマが好きで、苦手なものは犬。啓太と契約するまではずっと廃寺にいたため、世間知らず。身長は162センチで、眠る時は宙に浮いて寝る。文字はひらがなであれば書けるが、字そのものは下手。

なでしこ

川平薫と「主従の契り」を交わした10人の犬神の1人。10人のうちでは序列2位。ピンク色の髪を、前髪は目の上で切り、顔の両脇の髪は肩につくほどまで伸ばし、後ろの髪はショートカットにした髪型をし、頭に白いリボンを付けた少女の姿をしている。お尻には細長い犬のしっぽがあるが、比較的小さいため服の中に隠れている。メイド服を着ていることが多い。 敬語で話す。物静かでおしとやかな性格で、家事が非常に得意な大和撫子。しかし犬神としては400年もの長い間主を決めず「やらずのなでしこ」「いかずのなでしこ」呼ばわりされていた。だが、薫と契約を交わしたのを機に、犬神と犬神使いの関係を学ぶため、一時的に川平啓太とようこの住む家で暮らすことになる。 その際啓太の人柄や、ようことの信頼関係を知り、薫のもとに戻った後も交友を持つようになる。身長は160センチで、胸が大きい。

せんだん

川平薫と「主従の契り」を交わした10人の犬神の1人。10人のうちでは序列1位。暗い赤色の髪を、前髪は真ん中で分け、胸の下まで伸ばしたロングヘアを何本かの縦ロールにし、ハーフアップにしてまとめた髪型の少女の姿をしている。左目の下にほくろがあり、華やかなドレス姿のことが多く、丁寧なお嬢様口調で話す。生真面目でプライドが高く、序列1位でもあることから、薫に仕える犬神たちの中ではリーダー的存在。 そのため、自分たちの同僚でありながらも、協調性に欠けるなでしこのことを快く思っていない。そこで、なでしこを薫のもとから追い出し、川平啓太に押し付ける作戦を考え、ようこに声をかける。結果として作戦は失敗に終わるが、以後も薫の命令により、啓太とようことよく関わるようになる。 ようこのことは好きではないが、薫の命令は遵守している。身長は162センチ。

ともはね

川平薫と「主従の契り」を交わした10人の犬神の1人。10人のうちでは序列10位。前髪を真ん中で分け、オレンジ色のロングヘアを高い位置でポニーテールにした髪型の、幼い少女の姿をしている。明るく素直で単純な性格をしている。せんだんら同僚の犬神たちを大切に想っており、自分たちと折り合いの悪いようこと、その主である川平啓太のことが嫌い。 そのためある日、ようこに意地悪をするため、下剤入りのお菓子を持って川平家を訪れる。しかし、そこで啓太に迎えられ、後からやって来た仮名史郎と3人で川平家の冷蔵庫に起きた怪異を調査する過程で啓太の人柄に触れ、啓太を見直す。以降は「啓太様」と呼び慕うようになる。指輪を用いて、ものを探し当てる特殊能力を持っている。 身長は144センチ。

たゆね

川平薫と「主従の契り」を交わした10人の犬神の1人。10人のうちでは序列4位。前髪を目の上で切り、耳の真上の前髪だけを外側にはねさせた、ショートカットヘアの少女の姿をしている。スポーティで、露出度の高い服を着用することが多い。10人の犬神たちで最もパワーがあるが、直情的で怒りっぽく、けんかっ早いのが玉に瑕。 川平啓太とようこのこともあまりよく思っておらず、攻撃的な態度をとるが、繰り返し顔を合わせるうちに次第に態度が軟化していく。得意料理はカレーで味の評判も高いが、カレー以外の料理はあまり作らず、さらに食事当番の日は一日中カレーにするため、他の犬神たちを困らせることも多い。身長は164センチ。

いぐさ

川平薫と「主従の契り」を交わした10人の犬神の1人。10人のうちでは序列3位。前髪を目の上で切り、胸の下まで伸ばしたロングヘアを2本の三つ編みにしてまとめ、丸眼鏡をかけている。ともはねからは「いぐいぐ」と呼ばれている。物静かで目立たない性格をしている。同人作家として活動しており、主にボーイズラブ小説を執筆している。 しかし、男性そのものは苦手で、会話すら難しい男性恐怖症。そのため、薫が不在の際に川平啓太とようこが留守を頼まれて遊びに来た日も、当初は啓太に非常に怯えていた。しかし邪霊に襲われた際啓太に助けられ、啓太に好意を持つ。だが、愛情表現の仕方が変わっており、なぜか薫と啓太のボーイズラブ小説を執筆することで想いを発散している。 天才的な利殖の才能があり、株の運用で大成功した経験もある。薫たちの住む豪邸も、いぐさが得た資産により購入したもの。身長は164センチ。

ごきょうや

川平薫と「主従の契り」を交わした10人の犬神の1人。10人のうちでは序列5位。前髪を左寄りの位置で斜めに分け、癖のある、ふんわりとした外はねボブヘアに、白衣を着たボーイッシュな少女の姿をしている。髪が短めで、服装も男性的なのに加え、川平啓太に対しては敬語で、普段は男性のような口調で話す。そのため一見性別がわかりにくく、中性的な雰囲気を漂わせている。 医学を志しており、クールで落ち着いた性格をしている。薫の10人の犬神たちの中では、啓太とのかかわりは比較的薄かった。しかし、ある日薫に自分たちの序列を決めて欲しいと頼んだ際「自分では難しいので、啓太に決めてもらうのはどうか」と言われたのを機に、てんそう、フラノ、いまり、さよかの4人とともに啓太のもとを訪れ、直接序列を決めて欲しいとは言わず、自分たちに優劣をつけてもらおうとする。

てんそう

川平薫と「主従の契り」を交わした10人の犬神の1人。10人のうちでは序列6位。前髪を両目が隠れてしまうほど伸ばして切り揃え、腰まで伸ばしたストレートロングヘアの少女の姿をしている。Tシャツにオーバーオールを着て、スケッチブックを抱えていることが多い。非常に物静かな性格で、口数も少ない。絵を描くことが得意で、いぐさの同人誌においてもイラストを担当している。 薫の10人の犬神たちの中では、川平啓太とのかかわりは比較的薄かった。しかし、ある日薫に自分たちの序列を決めて欲しいと頼んだ際「自分では難しいので、啓太に決めてもらうのはどうか」と言われたのを機に、ごきょうや、フラノ、いまり、さよかの4人とともに啓太のもとを訪れ、直接序列を決めて欲しいとは言わず、自分たちに優劣をつけてもらおうとする。

フラノ

川平薫と「主従の契り」を交わした10人の犬神の1人。10人のうちでは序列7位。前髪を真ん中で分け、顎の下まで伸ばした癖のあるボブヘアを、星形の髪飾りをつけてまとめ、巫女服を着た少女の姿をしている。おっとりとした雰囲気で、のんびりした口調で話す。特技は占い。薫の10人の犬神たちの中では、川平啓太とのかかわりは比較的薄かった。 しかし、ある日薫に自分たちの序列を決めて欲しいと頼んだ際「自分では難しいので、啓太に決めてもらうのはどうか」と言われたのを機に、ごきょうや、てんそう、いまり、さよかの4人とともに啓太のもとを訪れ、直接序列を決めて欲しいとは言わず、自分たちに優劣をつけてもらおうとする。10人の犬神たちの中では、容姿は比較的幼い。 しかし、本人は「18禁キャラ」を自称しており、啓太に高い順位をつけてもらおうと、セクシーなアピールをする。

いまり

川平薫と「主従の契り」を交わした10人の犬神の1人。10人のうちでは序列8位で、さよかとは双子。紫色の髪の毛を、前髪は左寄りの位置で斜めに分け、お尻まで伸ばしたロングヘアをくるくるに巻いて、高い位置でお団子を作ってから右側でサイドテールにした幼い少女の姿をしている。左右反転すると、さよかの髪型になる。 明るくにぎやかな性格で、さよかとはいつもセットで行動している。薫の10人の犬神たちの中では、川平啓太とのかかわりは比較的薄かった。しかし、ある日薫に自分たちの序列を決めて欲しいと頼んだ際「自分では難しいので、啓太に決めてもらうのはどうか」と言われたのを機に、ごきょうや、てんそう、フラノ、さよかの4人とともに啓太のもとを訪れ、直接序列を決めて欲しいとは言わず、自分たちに優劣をつけてもらおうとする。 容姿が幼過ぎるせいか啓太の好みのタイプではなく、セクシーなアピールをしてもあっさりあしらわれてしまった。身長は156センチ。

さよか

川平薫と「主従の契り」を交わした10人の犬神の1人。10人のうちでは序列9位でいまりとは双子。紫色の髪の毛を、前髪は右寄りの位置で斜めに分け、お尻まで伸ばしたロングヘアをくるくるに巻いて、高い位置でお団子を作ってから左側でサイドテールにした幼い少女の姿をしている。左右反転すると、いまりの髪型になる。明るくにぎやかな性格で、さよかとはいつもセットで行動している。 薫の10人の犬神たちの中では、川平啓太とのかかわりは比較的薄かった。しかし、ある日薫に自分たちの序列を決めて欲しいと頼んだ際「自分では難しいので、啓太に決めてもらうのはどうか」と言われたのを機に、ごきょうや、てんそう、フラノ、いまりの4人とともに啓太のもとを訪れ、直接序列を決めて欲しいとは言わず、自分たちに優劣をつけてもらおうとする。 容姿が幼過ぎるせいか啓太の好みのタイプではなく、セクシーなアピールをしてもあっさりあしらわれてしまった。身長は156センチ。

川平 薫

川平啓太のいとこで、せんだん、なでしこ、いぐさ、たゆね、ごきょうや、てんそう、フラノ、いまり、さよか、ともはねと「主従の契り」を交わした犬神使いの少年。前髪を目の上で切った、前下がりのボブヘアをしている。中性的な雰囲気の、穏やかな性格。犬神使いとして非常に優秀で、川平家の歴史でも極めて稀な、10人の犬神との同時契約を果たすほどの並外れた実力を持つ。 犬神たちに優劣をつけるのは苦手で全員を大切にしているが、なでしことは特に仲が良い。

はけ

川平啓太の祖母・川平榧と「主従の契り」を交わした犬神。前髪を左寄りの位置で斜めに分け、顎の高さまで伸ばした前下がりボブヘアの青年の姿をしている。主に和服を着ており、右目は前髪に隠れて見えないことが多い。周囲からは「はけ様」と様付けで呼ばれることが多い。穏やかで落ち着いた性格をしている。ようこをはじめとする川平家の犬神たちを見守る立場も担っており、何かと気苦労が多い。 榧のことを非常に大切に想っており、同時に犬神として独占したいと強く願っている。そのため、本来であれば多数の犬神と契約する力を持つ彼女を、他の犬神を排除するという形で他の犬神と契約させず、一対一の関係を続けている。身長は178センチ。

仮名 史郎

川平啓太の知人で、内閣官房室直属の特命霊的捜査官を務めている若い男性。伝説の魔導士「赤道斎(せきどうさい)」の子孫でもある。前髪を上げて額を全開にした撫でつけ髪をしている。主にスーツに手袋、トレンチコートのファッションをしている。苗字の「かりな」を読み間違えられやすく「仮名(かめい)さん」と呼ばれてしまうこともある。 真面目で落ち着いた性格で、非常に仕事熱心だが、ややドジでトラブルに巻き込まれやすい。日本で発生する霊的な事件を調査する仕事をしており、その関係で啓太たちの前にたびたび姿を現す。身長は185センチ。

留吉

渡り猫の男性。二息歩行で、帽子をかぶり服を着て、首にマフラーを巻いた、人間の腰の高さほどの背丈の三毛猫の姿をしている。しっぽが二股であることから一見猫又と誤認識されやすいが、猫又であるのと同時に、定住せずに旅をして生活する「渡り猫」である。先祖の猫が懇意にしていた寺の和尚に恩返しをするため「渡り猫」となった。恩返しとは、和尚が大切に保管していたにもかかわらず散逸してしまった仏像を回収することで、そのうちの1体がホテル「パンタグリエル」にあるという情報を得て、ある日「パンタグリエル」までやって来た。 しかし、仏像は地中に埋まっていることを知り困っていたところを「パンタグリエル」で起きた事件を調査中の川平啓太とようこと知り合う。 そこでようこの「しゅくち」の力を借りる代わりに、事件解決に協力することになる。事件解決後もようこと交流が続いており、一緒に遊ぶ関係になった。

ドクトル

川平薫の家に現れた謎の中年男性。前髪を上げてシルクハットを被り、肩につくほどの長さのボブヘアを後ろに向かってはねさせている。ちょび髭を生やし、マントをまとっている。自分の気配を消し、誰にも気づかれずに闇に潜むことを生きがいにしている。しかし、その存在を時にアピールするため、下着泥棒をすることもある、はた迷惑な人物。 薫が留守のため、一時的に川平啓太とようこが薫の家にやって来た日にも盗みをはたらき、せんだんたちの下着を盗んだところを見つかって追い出された。女性のことは「マドモアゼル」と呼ぶ。

河原崎 直己

川平啓太と同じ高校に通う3年生の男子。前髪を真ん中で分けて目が隠れそうなほど伸ばし、腰まで伸ばしたストレートロングヘアを、頭と首の付け根の高さで1つに結び、眼鏡をかけている。鉢巻を巻き、穴あき手袋をつけ、学ランの下に美少女キャラクターのTシャツを着るという、オタクファッションがトレードマーク。いつ何時でもお気に入りの作品「猫娘変化」に登場する女性キャラクター「こね子」への愛情アピールを欠かさず、学校でも「こね子」のイラストの入った服を着て、教室でも同人誌を読んでいることから「戦うオタク」の異名を持つ。 動物の耳やしっぽのあるキャラクターが大好きで、ある日啓太の忘れ物を届けに高校までやって来たようこと出会い、ようこにしっぽが生えているのを見て一目惚れする。 しかし、ようこには冷たくされてしまい、本来ならそこで日常生活に戻るところを、偶然自分の願望を無意識に叶える怪異に取り憑かれ、啓太とようこのみならず、学校中を巻き込んだ事件を起こしてしまう。

進藤 ケイ

進藤家の当主を務める19歳の少女。前髪を真ん中で分け、腰まで伸ばしたロングウェーブヘアを、頭の左右の高い位置でリボンを付けてまとめている。小柄で可愛らしい容姿から、年齢よりもかなり幼く見える。そのため川平啓太は、実年齢を知るまで進藤ケイを中学生、あるいは小学生だと思い込んでいた。使用人たちからは「お嬢様」と呼ばれている。 クールで突き放したような態度をとるが、本来は心優しい性格。もと武家の家系である進藤家に生まれるが、祖父が経済的困窮を理由に、死神である「暴力の海」と契約したことから、生まれてからずっと「暴力の海」に苦しめられる日々を送っている。契約は、祖父の世代に巨万の富を与える代わりに、子孫も契約を守り続けるよう強いられるというもので、ケイは、毎年誕生日になると「暴力の海」を楽しませるためだけに、死ぬほどの恐怖を疑似体験させられ、さらに20歳の誕生日に「暴力の海」に殺されるという契約を結ばされている。 そのため人生を悲観しており、死を待つばかりの日々を送っていた。しかし執事の合田剛太郎が啓太とようこに依頼したことで、2人と出会い、少しずつ前向きになり始める。 身長は144センチ。

合田 剛太郎

進藤ケイの執事を務める男性。前髪を眉上で短く切った、撫でつけ髪をしている。非常に筋肉質のがっしりした体型で、顔はえらが張っており、顎が2つに割れている。本名とは無関係の「セバスチャン」という名を「執事によくある名前である」という理由から、ペンネームや芸名に近い意図の「職業名」として名乗っている。前職はレスラーで、20年前「暴力の海」に命を狙われるケイの母親を救うための挑戦者として、進藤家にやって来た。 しかしまるで歯が立たず、さらに、ケイの母親よりも自分の命を守ることを優先し逃げ出した自分を嫌悪し、レスラーをやめて執事として進藤家に仕えるようになった。ケイの母親が亡くなり、今度はケイが「暴力の海」に狙われるようになってからも抵抗し「暴力の海」との戦いを続けていたがどうしても勝てず、川平啓太とようこに、「暴力の海」の討伐を依頼する。

暴力の海

かつて進藤ケイの祖父と契約し、以来進藤家を蝕み続けている死神。前髪を目が隠れそうなほど伸ばし、腰まで伸ばしたロングヘアを高い位置でポニーテールにした、ローブを着た若い男性の姿で現れる。一見おちゃらけた雰囲気だが、人間が苦しむ姿を見るのが何よりも好きなサディスト。娯楽のような感覚でケイに死ぬほどの恐怖を疑似体験させたり「20歳になったら殺す」と死の宣告をしたりして苦しめ続けている。 自分に絶対の自信を持っており、誰かと戦う際は、わざと相手の得意分野で勝負して勝つことで、相手のプライドを粉々にすることを喜びとしている。そのため、これまで進藤家の人間を守るために戦いに挑んだ人間たちを、レスリングやボクシングなど、それぞれの得意分野で負かし続けてきた。 ケイの20歳の誕生日の前夜に現れ、依頼を受けてやって来た川平啓太とようこと知り合う。そして、翌日に啓太と一騎打ちをすることになる。

白山名君

川平啓太と契約を結んでいる、神仙の蛙。性別はオスで、容姿は普通の蛙と変わらないが、身体は非常に大きい。また、目が細くたれ目で、いつも笑っているように見える。気弱で控えめだが、勇敢な性格。100年以上前までは天界で暮らしていたが、ある日、些細なドジが積み重なって天界から地上に落とされ、神仙から「落ち仙(おちせん)」と呼ばれる存在になってしまった。 「落ち仙(おちせん)」は、収容先である「猛省蘭土(めいしぇんらんつ)」で刑期を終えるか、あるいは「落ち仙(おちせん)」によるサポートを求めて契約にやって来た「契約者候補」の人間に選ばれれば「猛省蘭土(めいしぇんらんつ)」を脱することができる。だが白山名君は、自分がライバルを差し置いて「契約者候補」たちに選ばれるのは難しいと考え、刑期を終える予定で生活していた。 しかし、5年前に啓太と知り合い、その人柄を買われて啓太と契約を結んだ。契約後は、勉強のために啓太とは離れて生活しているが、霊力を供給する形で啓太をサポートしている。

集団・組織

川平家

川平啓太の家で、代々犬神使いの家系。啓太らの先祖である僧侶「川平慧海(かわひらえかい)」が、犬神の一族とともに川平家の裏山に住み着いた魔物を退治したことから、犬神使いの家系となった。世に仇なす魑魅魍魎を退治することが本懐で、現在に至るまで、同じ目的を持つ犬神と主従関係を結び、協力して戦っている。川平家の人間は、13歳になると犬神からの品定めを受け、合格した場合はその犬神と「主従の契り」を交わし、正式な犬神使いとなる。 その後は魑魅魍魎の退治、つまり妖怪退治稼業が義務付けられ、依頼があれば出動しなくてはならなくなる。啓太も13歳の時に品定めを受けたが、ようこが妨害したために誰からも品定めを受けることができず、17歳になってようこと契約するまでは、一般人と同じように暮らしていた。

犬神

「破邪顕正」の本性を持つ、犬の神様。獣の姿だけでなく、人間に変身する力を持つため「人妖(じんよう)」とも呼ばれる。一部の犬神は、かつて川平啓太の先祖である僧侶「川平慧海(かわひらえかい)」と魔物退治をしたことから、川平家と縁ができ、以来川平家の裏山に住み着いている。川平家の裏山に住む犬神たちは、川平家の人間が13歳になると品定めをし、気に入った場合は「主従の契り」を交わす。 そして、主となった人間とともに、魑魅魍魎と戦う専属の犬神になる。「主従の契り」の際はお互いの持ち物を交換したのち、犬神が人間に「お手」をする行程が必要になる。そのため啓太とようこの場合は、まず啓太の持ち物である蛙のチャームが付いたシルバーチェーンを、啓太がようこのものとして与え、次に、後啓太が別途購入した首輪とシルバーチェーンを交換する形で持ち物交換を済ませ、最後に「お手」をして成立させた。 犬神はまれに感染症にかかる恐れがあるため、川平家の犬神たちは、5年に一度「天地開闢医局(てんちかいびゃくいきょく)」での定期検診が、川平家の宗家により義務付けられている。

クレジット

原作

有沢 まみず

キャラクターデザイン

若月 神無

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