餓狼伝BOY

餓狼伝BOY

夢枕獏の同名小説を原作とする、板垣恵介の格闘漫画『餓狼伝』の主人公の少年時代を描いた外伝作品。一見強そうだが、実は一回も喧嘩をしたことがないというハッタリ屋の不良少年・丹波文七が、真の格闘家としての才能に目覚めるまでを描く。

正式名称
餓狼伝BOY
ふりがな
がろうでんぼーい
漫画
原作
ジャンル
バトル
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概要・あらすじ

ある日、木戸新一の通う中学校に、切雨静という不良教師が赴任して来る。静は、新一の友人である丹波文七が実は喧嘩一つしたことがないハッタリ屋だということを見抜き、新一と文七に転校しろと圧力をかけ、他の生徒たちの前で文七のハッタリのトリックを暴こうとする。ところが文七は、元力士という経歴を持つ巨漢の静に正面から喧嘩を売り、その場を切り抜けることに成功。

そして文七と静は、野川橋の河川敷でタイマンで決着を付けることになる。

登場人物・キャラクター

丹波 文七 (たんば ぶんしち)

中学生の不良少年。喧嘩が強いように見せかけ、学内の一般生徒や他の不良たちを恐れさせているが、実はそれはすべてハッタリであり、実際に人と殴り合いをしたことは一度もなかった。しかし、殺気を発するだけで、友人の木戸新一はおろか、修羅場をくぐり抜けてきた殴られ屋の張矢をも恐怖させるという特殊な能力を持っている。また、野川橋における切雨静との勝負において、自分の拳が砕けるほどの鉄拳を繰り出すなど、戦歴はともかく腕力がないというわけではない。

木戸 新一 (きど しんいち)

中学生の少年で、丹波文七とはひょんなことから街で出会った友人。いわゆる優等生であり、成績は極めて優秀。将来は東京大学法学部に入学し、高級官僚になることを目指している。文七の強さが実はハッタリだということをいつの頃からか見抜いたが、それでも文七に対する友情を曇らせることはなかった。

切雨 静 (きりう しずか)

木戸新一の中学校に赴任して来た、元大相撲力士という異色の経歴を持つ若い男性教員。現役時代の四股名は「華ノ花」で前頭十枚目まで進んだが、稽古場での「かわいがり」と称したシゴキにキレて大関を半殺しにした後に廃業した。女子生徒に手を出すこともある素行の悪い不良教師で、その意図は不明だが丹波文七や新一にも絡んでくる。

山田 (やまだ)

中学生の少年で、丹波文七と同じ学校に通っている。なんの特徴もない凡庸な少年だが、切雨静にそそのかされて、他の生徒たちの前で文七に喧嘩を売る。決着はつかなかったが、強いわけでもない山田と互角ということで、文七の本当の実力について、周囲が疑いの目を向けるきっかけを作った。

張矢 (はるや)

東京新宿歌舞伎町のコマ劇場前で、攻撃は避けるが反撃はしない「殴られ屋」という奇妙な商売をしていた壮年男性。名だたるプロの格闘家たちを相手に、ディフェンステクニックだけを駆使して稼ぎ続けていた。しかし、ある日客となった丹波文七が発する殺気に恐れをなし、つい文七に攻撃を加えてしまう。これを機に自ら「殴られ屋失格」と感じて引退した。

場所

野川橋 (のがわばし)

丹波文七に挑戦状を叩きつけられた切雨静が指定した決戦の場。場所自体はどうということのない河原だが、文七は地元ではそれなりに名を知られた不良であったため、周辺は見物人ですずなりとなった。木戸新一に事情を知らされた張矢も見物に訪れた。

その他キーワード

試割り (しわり)

丹波文七が使う、ハッタリのための手品のようなテクニック。素手で石を割ったり、ビール瓶を断ち切ったりするというもので、それ自体は空手などの世界にも実際にある演武である。ただし文七が行うものはもともと瓶や石に細工がしてあり、同じトリックを使えば女子供の腕力でも真似することができる。

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