概要・あらすじ
ある日、アーサー・シェルビーの屋敷にボロ布をまとった少女ジュリエットが訪れる。ジュリエットの目的は自らを辱めたウィリアム・ホルム教授への仕返し。そのためにはアーサーの屋敷に放置されている怪人「バネ足ジャック」の遺物が必要だった。気の弱いアーサーはジュリエットに引っ張られる形で仕返しに協力することになる。
登場人物・キャラクター
アーサー・シェルビー (あーさーしぇるびー)
『黒博物館スプリンガルド』に登場するマーガレット・スケールズの一人息子。中流階級には不相応とも思える大きな屋敷に住む。使用人に対しても気さくに接する優しい少年だが、ジュリエット曰く「ジメジメしたコ」で、学校ではイジメの対象にされている。しかし、窮地に陥ると気弱な態度が一変し、母親譲りの行動力を発揮する。
ジュリエット
『黒博物館スプリンガルド』に登場するウォルター・デ・ラ・ボア・ストレイドの姪。侯爵令嬢という高い身分にあり、両親の影響から権威に対する意識が強い。その性格は模範的な貴族のお嬢様とはかけ離れており、口が悪くおてんば。また、思い込みが激しく、催眠や暗示の類にかかりやすいという弱点がある。ウォルターのバネ足を回収する際に、アーサー・シェルビーと運命的な出会いを果たす。
ウィリアム・ホルム教授 (うぃりあむほるむきょうじゅ)
成り上がりの資産家。大学教授という身分から周囲の信頼も厚いが、実際は大勢のならず者を従えた危険人物。自らの屋敷にガラス張りの撮影スタジオを構え、美しい少女を招いては芸術と称して裸体を撮影している。医学を応用した催眠術の心得があり、ジュリエットの精神に強烈なトラウマを植え付けた。
ウォルター・デ・ラ・ボア・ストレイド (うぉるたーでらぼあすとれいど)
ジュリエットの伯父であり、彼女がほのかな憧れを抱く人物でもある。若い頃は権力を利用して放蕩三昧の日々を過ごしていた。かつてロンドンに出没し、妙齢の女性を脅かして回った怪人「バネ足ジャック」の正体も彼である。現在はバネ足と住んでいた屋敷を放棄してアイルランドへと帰郷しており、時折訪れるジュリエットに世界中で見聞きした話を聞かせている。
登場作品
黒博物館スプリンガルド (くろはくぶつかんすぷりんがるど)
藤田和日郎の「黒博物館」シリーズの第一作目。単行本には『黒博物館スプリンガルド異聞マザア・グウス』も同時収録されている。19世紀のロンドンが舞台。3年振りに現れた、伝説的な通り魔バネ足ジャックの謎に迫... 関連ページ:黒博物館スプリンガルド
黒博物館ゴースト アンド レディ (くろはくぶつかんごーすと あんど れでぃ)
藤田和日郎の「黒博物館」シリーズの第二作目にあたる作品。ドルーリー・レーン王立劇場に住まう幽霊グレイは、あるときナイチンゲールと、彼女が絶望したときに取り殺すという契約を交わす。しかしナイチンゲールは... 関連ページ:黒博物館ゴースト アンド レディ
黒博物館 三日月よ、怪物と踊れ (くろはくぶつかん みかづきよ かいぶつとおどれ)
藤田和日郎の「黒博物館」シリーズの第三作目にあたる作品。19世紀のイギリスを舞台に、女怪物のエルシィと小説家のメアリー・ウルストンクラフト・シェリーの奮闘を描いたダークファンタジー。ダンサーのTAKA... 関連ページ:黒博物館 三日月よ、怪物と踊れ