黒博物館ゴースト アンド レディ

ドルーリー・レーン王立劇場に住まう幽霊グレイは、あるときナイチンゲールと、彼女が絶望したときに取り殺すという契約を交わす。しかしナイチンゲールはどんなときもめげることなく難局にあたり、またグレイはそんな彼女に惹かれていく。やがてナイチンゲールは、当時のイギリスが直面していたクリミア戦争で負傷した兵士たちを救うため戦地へと赴き、劣悪な治療環境を徐々に改善。しかしそうしたナイチンゲールを快く思わない者がおり、その者の傍らにはかつて生前のグレイを殺害した仇敵が侍っていた。藤田和日郎の『黒博物館』シリーズ第2弾となるファンタジーアクション漫画。クリミア戦争の戦場で見つかった、銃の弾丸と弾丸が正面衝突しひとつの塊となった実在の遺物をモチーフに、なぜその遺物が生まれたかが描かれる。またマザーグースの歌が由来とされるサムシング・フォーも物語の重要なキーワードとなる。

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正式名称
黒博物館ゴースト アンド レディ
作者
ジャンル
ファンタジー一般
レーベル
モーニングKC(講談社)

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黒博物館ゴースト アンド レディ(漫画)の総合スレッド
2016.08.04 14:47

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概要

イギリスにあるドルーリー・レーン王立劇場には、灰色の服の男と呼ばれる幽霊が存在した。彼が現れる舞台は成功するというジンクスから、関係者たちからは歓迎される。灰色の服の男がドルーリー・レーン王立劇場にいる理由は、人間の悪意が頭上で形をなす〈生霊〉が、舞台を観ているときだけは大人しく、煩わされないため。

そんな灰色の服の男のもとに、ある日ひとりの女性が訪れる。特大の〈生霊〉を従えた彼女は、灰色の服の男に自分を取り殺すよう請い願うのだった。フロレンス・ナイチンゲール(フロー)なる彼女に、グレイと名乗った灰色の服の男は、なぜ死を望むのか問い質す。するとフローは、「誰のためにも… なんの役にも立たないのなら… …なんにも…ならない」と苦しげに語るのだった。

詳細はわかりかねるグレイだったが、ずっと舞台の観客であった自分が、初めて舞台の役者のように振る舞える好機と捉え、“自分がフローが絶望したと判断したとき”という条件のもとに、フローの願いを聞き入れる。こうしてフローの絶望の瞬間を見届けるため、ともに行動することとなったグレイは、彼女が名家のナイチンゲール家の息女であること、幼いころからいい子であらんために息の詰まるような生活を送ってきたこと、あるとき「神に仕えよ」という啓示を受けたこと、ようやく見つけた看護婦になりたいという夢を家族に反対されていることを知ることに(注:ここには当時のヨーロッパにおいて看護婦はふしだらで酒呑みの女性がなる職業だと一般に捉えられていたという背景がある)。

特に強硬に反対する両親から痛罵される様子を見て、絶望を感じ取ったグレイがフローをその手にかけようとしたとき、これで死ぬと思った彼女は最後に心にためた思いをぶつけたいと願い、初めていい子の仮面を捨てて反論するのだった。

その堂に入った口上を聞き、もう少しフローを見続けたいと考えたグレイは、フローの両親の〈生霊〉を倒すことで彼女に力を貸す。

結果、看護婦として活動するようになったフローの前にはその後もさまざまな困難が待ち受けるが、決して絶望することなく患者のために尽力。やがてフローのもとに、クリミア戦争が行われている戦地にほど近いスクタリの野戦病院に赴任してもらいたいとの依頼がくる。

看護団を結成し、現地を訪れたフローを待ち受けていたのは、あまりにも過酷な現実だった。劣悪な環境に非協力的な軍人たち。しかしそれでも絶望はせず、できることをひとつひとつ行っていくフロー。

少しずつ環境を整えて状況を良くしていくフローは、本国イギリスで名声を獲得するが、それを面白く思わない者も存在していた。その筆頭がスクタリ野戦病院の責任者であるジョン・ホール軍医長官。フローの活躍によって自身の怠慢と無能が明らかになることを恐れたジョン・ホールは、グレイ同様の幽霊で、長く自身と手を組み邪魔者を暗殺してもらってきたデオン・ド・ボーモンにフローの排除を依頼する。

すんでのところで救出に駆けつけたグレイは、デオンと相まみえることでそれまで失われていた過去の記憶が戻り、かつてデオンによって殺害され、幽霊になったことを思い出すのだった。いつしかフローに心惹かれていたグレイは、以降彼女を守るため、かつての仇敵との死闘を繰り広げることとなる。

登場人物・キャラクター

主人公
幼いころドルーリー・レーン王立劇場の前に捨てられていた捨て子で、ジャックと名付けられ養育院・救貧院で14歳になるまで育つ。その後、田舎の地主に、使用人兼息子ウィリアムの剣の練習相手として引き取られた。...
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グレイと同じく幽霊であり、かつ生前のグレイを決闘で葬った相手でもある。息を呑むほどの美貌の持ち主で常に艶やかな衣装を身にまとうが、生前より性別不詳。もともとはフランスの全権大使としてイギリスに派遣され...
クリミア戦争が行われている戦地にほど近いスクタリ野戦病院の責任者である軍医長官。〈生霊〉や幽霊が見える体質の持ち主であり、若かりしころからデオン・ド・ボーモンと手を組み邪魔者を暗殺してもらってきた。2...
イギリスの新聞ザ・タイムズの記者で、世界初の戦場特派員としてクリミア戦争の取材にあたる。戦地での劣悪な医療体制についての暴露記事を書き、それを本国イギリスの戦時大臣シドニー・ハーバートが読んだことで、...
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イギリスきってのフランス料理人として名声を得ていた青年。スクタリ野戦病院の改革において、患者の食事を良くしなければならないと感じたフロレンス・ナイチンゲール(フロー)が本国に対して行った料理人派遣要請...
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その他キーワード

『黒博物館 ゴーストアンドレディ』に登場する設定。他人に悪意を持ったり嫉みの感情を抱いたりしたとき、その者の頭上に〈生霊〉が生じる。基本的にすべての人間が〈生霊〉を宿し、見た目は千差万別だが、化物のよ...