龍馬が戦国をゆく

龍馬が戦国をゆく

「遮那王 義経」シリーズなど歴史漫画を多数手掛ける沢田ひろふみの初の原作付き作品。舞台は戦国時代の日本。慶応3年(1867年)の11月15日、京の近江屋で刺客に襲われた坂本龍馬は、300年前の戦国時代にタイムスリップしてしまう。時代は変われども平和な世を築くため、持ち前の才覚と器量を武器に、織田信長をはじめとする戦国大名たちとかかわり、渡り合っていく龍馬の姿を描いた歴史ifストーリー。各エピソードの最後には、原作者・瀧津孝が手掛ける歴史コラム「(原作者)瀧津孝と戦国をゆく」も掲載されている。マッグガーデン「MAGCOMI」で2022年7月10日から配信の作品。2023年、第7回「さいとう・たかを賞」ノミネート。

正式名称
龍馬が戦国をゆく
ふりがな
りょうまがせんごくをゆく
原作者
瀧津 孝
漫画
ジャンル
幕末
 
転生
レーベル
BLADEコミックス(マッグガーデン)
巻数
既刊2巻
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幕末の志士がタイムスリップ

本作は幕末の志士である坂本龍馬が戦国時代にタイムスリップして活躍する物語となっている。主人公が現代人ではなく、龍馬もまた歴史上の偉人であるところがポイントで、龍馬は武芸や知略に優れてはいるものの、歴史の知識はあくまで幕末の志士レベル。転生ものの定石である、詳細な正しい歴史を知るがゆえに、その裏をかいて歴史を改変していくというかたちではなく、龍馬が己の力一本で純粋に戦国時代を戦っていくという点が、本作の大きな特徴となっている。

女性に振り回され、女性を振り回す坂本龍馬

坂本龍馬は快活で胆力があり、剣の腕にも優れる人物として描かれているが、それゆえに女性から好意を寄せられることが多い。龍馬に思いを寄せるのは、足利義昭の侍女・水乃と織田信長の妹・お市の二人。一方の龍馬も女好きで、綺麗な若い女性が相手となるとすぐに鼻の下を伸ばしがち。本作では、そんな龍馬を巡るラブコメディ的な展開も楽しめるが、実は龍馬の心の中には、タイムスリップしたことで生き別れた妻・おりょうの存在がある。

歴史を変えるごとに龍馬の体は…

坂本龍馬は日本を平和な国にするために戦国時代を奔走するが、それは歴史の改変を伴うものとなる。だが、織田信長の妹・お市と浅井長政の破談や、龍馬を庇ったことによる明智光秀の戦死など、彼がかかわったことであまりにも大きな歴史の改変があった際には、体に激痛が走ったり、時に体の一部が透けてしまったりと、龍馬に異変が起こるようになる。これにより、歴史を変えていく龍馬がどうなってしまうのかという、サスペンス的な要素も楽しむことができる。

登場人物・キャラクター

坂本 龍馬 (さかもと りょうま)

土佐弁で話す幕末志士の青年。慶応3年(1867年)の11月15日に、京の近江屋で刺客の襲撃を受け、今まさに刀が振り下ろされんとした瞬間に、300年前の戦国時代にタイムスリップする。姿を現した越前国一乗谷において、次期将軍候補・足利義昭と知り合う。以後は彼に気に入られ、側近の明智十兵衛光秀、侍女にしてくノ一の水乃らと行動を共にすることとなる。のちに義昭が将軍の座についてからは、部下になることは拒んだものの、助言役として御伽衆(おとぎしゅう)の名目で召し抱えられることになる。鷹揚で楽観的な性格のため、自分の運命を素直に受け入れ、戦国時代での新たな人生を楽しんでいる。北辰一刀流免許皆伝で、その剣の腕は確か。だが、暗殺者が相手であっても、腕や足の腱を切る程度にとどめたりと、むやみに人の命を奪うことをよしとせず、戦国時代の人々からはそれを甘さと見られることもある。実在の人物、坂本龍馬がモデル。

足利 義昭 (あしかが よしあき)

足利第15代将軍を務める青年。当初は各地を追われ、朝倉家の庇護のもと、越前国一乗谷の仮屋敷に身を寄せていた。この場所で刺客に襲撃された際、同時にタイムスリップした坂本龍馬が出現。龍馬の手助けもあって刺客を退けたあとは、彼のことを非常に気に入り、行動を共にするようになる。その立場にかかわらず、心優しく人当たりのいい性格だが、一方で少々臆病なところがある。だが、心の底には熱いものを持っており、日本国を平和にするという龍馬の夢を聞いた際には、その壮大さに笑い飛ばす周囲の者とは異なり、一人心から賛同。以来、龍馬との絆はより強いものとなった。そしてのちに、「天下布武」を掲げて手段を選ばず覇権を握ろうとする織田信長と、敵対する覚悟を固める。実在の人物、足利義昭がモデル。

クレジット

原作

瀧津 孝

書誌情報

龍馬が戦国をゆく 2巻 マッグガーデン〈BLADEコミックス〉

第1巻

(2022-11-15発行、 978-4800012739)

第2巻

(2023-04-10発行、 978-4800013224)

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