NOiSE

NOiSE

緻密に練りこまれたSF描写が魅力の、二瓶勉による短編。「アフタヌーンシーズン増刊」第2号から第7号にかけて連載された作品。

正式名称
NOiSE
ふりがな
のいず
作者
ジャンル
アクション
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概要・あらすじ

端末なしでネット世界に接続できるほど科学技術が発達した未来世界。警察に所属する裾野結は、相棒のクローサーと共に、児童誘拐事件の捜査に向かう。彼らは事件に巻き込まれた子供たちの遺体を発見したものの、クローサーが何者かに襲撃を受け、行方不明になってしまった。署に戻って報告を済ませた結は、そこで自分がクローサー失踪の参考人となっているばかりか、誘拐事件の現場も綺麗さっぱり処分されていることを知ることとなる。

登場人物・キャラクター

裾野 結 (すその むすび)

警察の児童課に所属する若い女性。相棒のクローサーと共に児童誘拐事件の捜査中、何者かの襲撃を受ける。その後、クローサー失踪の参考人とされ、警察官としての肩書を失うが、クローサーの仇を討つため教団と敵対する。誘拐された子供の変わり果てた姿を見て涙を流し、それでも生きている子供がいないか探すなど優しく正義感が強い性格。

クローサー

裾野結の相棒で、短髪に無精ひげを生やした男性。児童誘拐事件の捜査中、何者かの襲撃を受け、連れ去られてしまう。

武器屋の主人 (ぶきやのしゅじん)

裾野結の管轄下で武器屋を営む老人。首にはめたコルセットとモヒカンの髪型が特徴。結が武器を購入しにきた際にはぶっきらぼうな対応をし、黒い剣に興味を持った結に「触るな」と警告するが、結果的に剣は結の手に渡っている。

山羊頭の教団員 (やぎあたまのきょうだんいん)

クローサーの顔面の皮膚を削り取って裾野結に見せ、接触を図ってきた人物。結を実験所らしき場所に誘い込み、別の生物と化したクローサーをけしかける。

セーフガードの一員 (せーふがーどのいちいん)

教団の珪素生物に襲撃された裾野結を回収し、珪素生物として蘇生を行った。その際、意識のみの世界で結に事件の真相を打ち明け、協力を求める。

集団・組織

教団 (きょうだん)

ネットのカオスを信仰する団体。ネットから生み出したという力を使い、人間を別の人型生物に変貌させる技術を持つ。何らかの理由で裾野結をつけ狙い、排除しようとする。

ネットスフィア

数多くの企業、団体、個人が接続する情報網で、都市エリアの通行許可を出すなどの運営を行なっている。インターネットのようなものだが、意識のみを隔離することもでき、空間として認識できるほどの情報量を持つため、ひとつの世界として存在している。ネットスフィアの中では現実世界のことは「基底現実」と呼ばれる。完全情報管理社会となっており、ネットスフィアがすべての世界を統一した暁には、ネット端末移植を行っていない個体からすべての権利が剥奪されるという。

統治局 (とうちきょく)

個人の市民登録などを管理する組織。役所、及びその上位組織である行政機関に相当する。なお、共通の世界観を持つ『BLAME!』では、ネットスフィアを運営している最上位機関とされている。

セーフガード

ネットスフィア及びネット入会者の安全を守るために新しく組織された団体。一方で、ネット未加入者には一切の権利を与えず、強制的に排除していくという危険な思想を持つ。人間の肉体を珪素器系の物質で再構築する技術を持っている。教団とは敵対している模様。

珪素生物 (けいそせいぶつ)

科学技術によって、肉体を珪素器系に作り替えられた人間。見た目上の特徴として、白い面をかぶったような相貌、黒い骨格、装甲を持つことが挙げられる。銃はもちろん、破壊兵器を含めて通常の兵器での攻撃が一切通用しないほど強靭な防御力を誇る。

場所

都市構造物 (としこうぞうぶつ)

この世界における主な生活空間。中世、近代、近未来風の建物が縦横無尽に重なり合ってサイバーパンクな街並みを構成している。それぞれの構造物が縦に長い構造になっており、下層、最下層などと区分けされ、階層が下にいくほど生活レベルも低くなる。すべての都市構造物がそうであるとは限らないが、裾野結が珪素生物と交戦した構造物は、上部からぶら下がった建築構造になっていたため、切断した後は落下していった。

その他キーワード

(けん)

裾野結が武器屋を訪れた際に見つけた黒い鋼板のような武器。柄の部分にスイッチがあり、押すと光刃をまとう。ただし、発動には一定の条件があるようで、珪素生物に相対した時にしか発動していない。発動時の威力はすさまじく、珪素生物を両断し、都市構造物も丸ごと切断した。威力はある程度制御が可能。刀身の根元に「SG」という表記が見られる。

ネット端末移植 (ねっとせつぞくいんぷらんと)

電子機器や有線接続をすることなくネットに接続できる端末を体に埋め込む技術。手術費は高価で、ある程度の富がないと移植できない。裾野結の推測によれば、教団はネット端末移植を受けていない子供だけを狙い、誘拐していたという。

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