1978年のまんが虫

1978年のまんが虫

『GU-GUガンモ』や『ギャラリーフェイク』など多数のヒット作を持つ細野不二彦の自伝形式の作品。1970年代の東京を舞台に、有名私立大学に通う細納不二雄が複雑な家庭環境に翻弄されながらも、出会った仲間や業界人たちから刺激を受け、やがて趣味だった漫画で真剣にプロを目指す姿を描いた立身出世ドキュメンタリー。「クラッシャージョウ」シリーズの原作者、高千穂遥や『機動戦士ガンダム』の脚本を担当した松崎健一、メカニックデザイナーとして一世を風靡(ふうび)した宮武一貴や河森正治など、スタジオぬえに所属する名だたる作家やアニメーターたちが実名で登場する。また、1970年代に人気を博した漫画やアニメなどのサブカルチャーや、それらが流行した理由も詳しく解説されている。小学館「ビッグコミックオリジナル増刊」で2021年5月号から2022年10月号にかけて連載の作品。

正式名称
1978年のまんが虫
ふりがな
せんきゅうひゃくななじゅうはちねんのまんがむし
作者
ジャンル
自伝・伝記
レーベル
ビッグ コミックス(小学館)
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概要・あらすじ

登場人物・キャラクター

細納 不二雄 (さいの ふじお)

神奈川県の私立丘の上大学に通う青年。年齢は18歳。小太りな体型で、黒縁眼鏡をかけている。アグネス・チャンの大ファンで、部屋に彼女のポスターを張り巡らせている。酒浸りの父親や障がいを持つ弟がいるなど、家庭環境に恵まれていない。細納不二雄自身も、自己肯定感が低いことから学業に対して本気になれず、日頃の鬱憤を趣味である漫画を描くことで晴らしていた。自らの境遇をもどかしく思う一方で家族のことは大切に思っており、漫画家になりたいという願望と家族のために安定した収入を得られる職業に就くべきではないかという思いに苦しんでいる。そんなある日、スタジオぬえの松崎健一から漫画家になりたいという内心を見抜かれたことをきっかけに、本格的に漫画家への道を志すようになる。それからは、尊敬する永井豪や高橋留美子に少しでも近づきたいと努力を重ね、やがて「クラッシャージョウ」シリーズのコミカライズを担当するなど、着々と実力を伸ばしていく。本作の著者で実在の人物、細野不二彦がモデル。

弁士ガンモ (べんしがんも)

本作『1978年のまんが虫』の語り部を務める性別不明の鶏。語尾に「コケッ」と付ける口癖がある。現代の視点から1970年代の出来事や流行を解説しつつ、細納不二雄自身の心の声などを伝える役割も担っている。その立場上、よくも悪くも率直な発言が目立ち、特に細納に関しては辛らつな物言いをすることが多い。細野不二彦の代表作品『GU-GUガンモ』に登場するガンモがモデル。

書誌情報

1978年のまんが虫 小学館〈ビッグ コミックス〉

(2022-12-28発行、 978-4098615582)

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