3×3EYES 鬼籍の闇の契約者

3×3EYES 鬼籍の闇の契約者

高田裕三の代表作である『3×3EYES』シリーズの第3作。『3×3EYES』の12年後の世界を描いた『3×3EYES 幻獣の森の遭難者』の直接の続編となっており、藤井八雲とパイがサンハーラより続く因縁に向き合うファンタジーバトルアクション。「eヤングマガジン」2016年52号から2018年45号にかけて配信され、その後、「月刊ヤングマガジン」2019年2月20日号から連載の作品。

正式名称
3×3EYES 鬼籍の闇の契約者
ふりがな
さざんあいず きせきのやみのけいやくしゃ
作者
ジャンル
アクション
 
ファンタジー
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あらすじ

第1巻

サンハーラの眠る地がテロリストによって攻撃されていると連絡を受けた藤井八雲は、現場へと駆けつけた。危なげなくテロリストを鎮圧した八雲は、その地を管轄するスキウロス・ジャードノスチと会うが、彼こそがテロリストを招き入れた黒幕であると看破する。しかしすでに時遅く、スキウロスによってサンハーラは目覚めてしまう。大きな力の鳴動に警戒する八雲だったが、膨れ上がった力はそのまま何処かへと消え去る。同時刻、日本では炎上系動画配信者の鳥谷喜一が自身の飛び降り自殺の生配信をしていた。死に瀕した彼は、死の間際にサンハーラより目覚めた闇と契約し、人外の力を得る。偶然、八雲から逃げ出したスキウロスと出会った喜一は、彼に唆(そそのか)されて最強のであるベナレスを封印。カーリーも追撃して倒そうとするが、八雲の機転によって失敗する。しかし、喜一はスキを突いて三只眼をさらって逃走。そんな中、喜一によりウロボロスと名づけられたサンハーラの闇は、自我を芽生えさせる。

第2巻

自我を目覚めさせたウロボロスは、世界の闇を合一させる事を望み、その対価として人類の願いを叶える事を宣言する。鳥谷喜一はそんなウロボロスに「世界平和」を願う。だが、ウロボロスはその願いを実現するために具体的になにをすればいいのかわからず、喜一と共に世界を回り、死に瀕した若者達を死人として甦らせていく。平和を求めつつも理不尽に殺された者、貧しさの中で死んだ者、さまざまな者達の意見を募るものの、具体的な方針を見つけられないまま喜一達は迷走する。一方、藤井八雲カーリーはウロボロスに対抗するため、アマラに協力を要請する。アマラはかつての仇敵の登場にいきり立つが、ノルマルテ・ウリュプスや八雲の懸命の説得を受けて協力を約束。さらに神山依子の力を借りる事で、八雲はさらわれた三只眼の居場所を探り当て、救出に向けて動き出すのだった。

第3巻

藤井八雲神山依子の力を借り、彼女と共に鳥谷喜一達の拠点であるエディアカラに思念体を飛ばす。集まった死人達の姿を見て、事態が大きくなっている事を察した八雲は穏便に説得しようと試みるが、八雲の言葉に過剰反応をした死人達は能力を暴走させてしまう。乱戦の中、思念体を破壊された八雲は辛うじて三只眼からパイの思念を回収する事に成功する。そしてサンハーラを警戒してエディアカラへと軍勢を差し向ける大国のスキウロス・ジャードノスチの扇動、テロリストの死人であるゲイツの短絡的な行動が重なった結果、喜一達は大国と戦う事となる。「神のごとき力」を振るい、人類を団結させようと考えた喜一は、ウロボロスを巨大な蛇の姿へと変じさせ、アメリカのイージス艦や露西亜の原子力潜水艦を攻撃。一方、八雲と仲間達は喜一達の行動を止めるべく、エディアカラへと急行する。絶大な力を持ちつつも、戦いに慣れていない死人達は八雲達に追い詰められ戦闘不能となる。しかしすべての攻撃を無効化する喜一とウロボロスは止める事ができず、次第に八雲は劣勢に陥るのだった。

第4巻

鳥谷喜一は自らの力を喧伝するため、ワシントンに原子力潜水艦を転位し、世界を混乱に陥れる。藤井八雲に詰問された喜一は、亡き兄への思いを吐露する。そして喜一は自らが感じた思いを全人類が味わうように、「木星の消失」を宣言。ウロボロスの力を使って2週間後に外宇宙に木星を追放すると言うのだった。八雲は喜一を止めるべく、力を振り絞って戦う。あらゆる攻撃を無効化するウロボロスと喜一には為す術なしと思われたが、八雲はウロボロス自身の攻撃を利用する事で彼等にダメージを与える事に成功する。初めての痛みに混乱するウロボロスは八雲を転位して逃げ切り、世界に「木星消失」を予告し、宣戦布告するのだった。ウロボロスの宣言に揺れる世界は、混乱を加速させていく。その中で八雲はウロボロスに対抗するための策を練り、少しずつ反撃の準備を整える。一方、渦中の中にいる喜一は自らの体に起きている異変に戸惑っていた。ウロボロスに異変を相談した喜一は、そこで自分とウロボロスのあいだにあった決定的な思い違いに気づき、ウロボロスを拒絶。そのまま姿をくらますのだった。

登場人物・キャラクター

藤井 八雲 (ふじい やくも)

パイの无。12年前のサンハーラの事件で、光となったすべての人類の魂と融合したため、12年前の人類のすべての個人情報を把握している。その際に、心の一部がどこかへ消失していたが、『3×3EYES 幻獣の森の遭難者』で起きた事件ですべての心を取り戻した。ウロボロスを危険視し、鳥谷喜一を止めようと奔走する。彼等の境遇には同情しており、なるべく事を荒立てずに解決しようと考えるが、それらに目がいき過ぎたあまり、三只眼に起きていた異変を見逃していた。パイを救出する際の三只眼への対応もまずかったため、パイに叱責され、三只眼を助ける事を誓う。ウロボロスとの戦いでは、攻撃が通用しないウロボロスに苦戦するが、ウロボロスの生み出した物質による攻撃が通用する事を発見する。その後、戦いの中でウロボロスの触手を回収し、武器に加工するためネグローニのもとへと届けた。

パイ

三只眼吽迦羅の少女。藤井八雲の主であると同時に彼の妻。自分の中に眠る三只眼を「もう一人の私」と呼んで大切にしており、鬼眼王から流入した三只眼吽迦羅の精神から三只眼を守っていた。三只眼が八雲と自分の幸せのために消え去ろうとしているのに気づいており、何とか彼女を助けようと奔走する。三只眼と共に鳥谷喜一にさらわれたが、八雲が神山依子の力を借りる事で思念体のみ取り返す事を成功する。しかしそれは同時に、三只眼吽迦羅の精神から三只眼を守る者がいなくなるのと等しい意味を持つため、八雲を叱咤した。

三只眼 (さんじやん)

パイの中に存在する三只眼吽迦羅「パールバティⅣ世」としての人格。パイと同じく藤井八雲を愛しているが、子供ができない无と三只眼吽迦羅の宿命に思い悩んでいる。さらに、サンハーラの事件の際に鬼眼王から分離した三只眼吽迦羅達の精神と力が一部流入して来ており、近年は新たな鬼眼王「新鬼眼王」へと変貌しつつある。そのため、八雲とパイの幸せのため自分は身を引き、人化の法を使って自らをカーリーへと融合させ、消滅しようと考えていた。偶然、鳥谷喜一にウロボロスが取り憑くのを目撃し、彼を助けるため駆けつける。喜一を誑(たぶら)かすスキウロス・ジャードノスチを滅しようとするが、三只眼吽迦羅達の精神に邪魔をされて失敗。逆に囚われの身となってしまう。スキウロスによって「ビヨールカ」という拘束具型の闇の怪物に拘束され、身動きできない状態となっている。死人達の境遇には同情しており、彼等に助言をする事で穏便に事件を解決しようと考える。そのため捕虜ながら喜一達からも信頼され、仲間のように扱われている。

ハズラット・ハーン

妖撃社に所属する男性。12年前、サンハーラの事件で藤井八雲と共に戦った仲間の一人。術士で、術に関しては幅広い知識を持つ。事件のあと、戦いの中で出会った綾小路葉子と結婚し、綾小路セツという娘に恵まれた。12年前の戦いの際、一度死亡したが、鬼眼王の術で体の大部分を生き人形として蘇生される。このため、ハズラット・ハーンの体には未だに鬼眼王の精が残留しており、ベナレスはこれを利用して、ハーンにあてたメッセージを残していた。月の龍皇城を訪れた際にハーンはこのメッセージを発見し、ベナレスの幻影に協力を要請される。八雲と三只眼を救うためこれを快諾、自分が戻って来るための命綱を葉子に託し、ベナレスと共に異空間に赴いていった。

綾小路 葉子 (あやのこうじ ようこ)

サンハーラの事件で藤井八雲と共に戦った仲間の一人。ハズラット・ハーンと結婚し、綾小路セツという娘に恵まれた。現在は一児の母として家事をしつつ、有事の際には妖撃社に協力している。三只眼と行動を共にする事が多いため、彼女から自身が新たな鬼眼王になりつつある事を相談される。気が利く女性で、それとなく藤井八雲に三只眼を気づかうよう助言した。月の龍皇城を訪れた際に、ベナレスに協力するため異空間に行く事になったハーンから、彼が異空間から戻って来るための命綱を託される。

綾小路 セツ (あやのこうじ せつ)

ハズラット・ハーンと綾小路葉子の娘。人懐っこい無邪気な性格をしており、パイ、三只眼ともなかよし。両親、ノルマルテ・ウリュプスと共に月の龍皇城の調査に同行。当事者ではないが、12年前のサンハーラの事件について両親から詳しく聞いているらしく、ノルマルテに事件の詳細を教えた。

神山 依子 (かみやま よりこ)

サンハーラの事件で藤井八雲と共に戦った仲間の女性。思念波をあやつる特殊な能力を持つ。現在は区役所勤めをしながら、有事の際には妖撃社に協力している。鳥谷喜一に囚われた三只眼を救おうと考えた八雲の接触を受け、彼の力を増幅して三只眼の居場所を特定したり、自らの能力を介してパイの思念を呼び寄せたりした。乙女を自称するが、特定の相手はおらず、家事能力も絶望的。一人暮らしをしているが、部屋はとんでもない汚部屋と化している。同じ酒好きという点がこうじてゲゲネイス・ド・ギガンテスから気に入られる。神山依子はゲゲネイスの事が気に入らないらしく、彼から名前を呼び捨てにされるが、頑なに名前を呼ぼうとはしない。ウロボロスとの戦いにも同行し、自分をかばってケガをしたゲゲネイスの事を悪態をつきつつも心配した。

アマラ

鬼眼王の母親、ウシャスの无だった闇の怪物。能面のような顔をして角を生やした妖魔で、ウシャスが死した今も彼女への忠誠心を貫き通している。ウシャスの死因となった鬼眼王を憎悪しており、12年前、サンハーラの事件で藤井八雲と共に戦った。現在はラートリーと共に聖地を治めていたが、カーリーに対ウロボロスへの協力を要請される。鬼眼王を受け継いだカーリーにも憎しみの感情を向けるが、八雲とノルマルテ・ウリュプスの仲裁で矛を収め、一行に協力を約束する。ウロボロスの戦いではイローラと共に死人達と戦う。長く生きて来ただけあって博識で、スキウロス・ジャードノスチの正体を見抜いた。

ベナレス

鬼眼王の最強の无。現在は鬼眼王を継いだカーリーに仕え、自らの居城である月の龍皇城で人類に対して静観という立場を取っている。突如、月に現れた鳥谷喜一の転位能力によって異空間に封印され、かろうじてカーリーを逃がすものの消息不明となってしまう。その後、龍皇城に訪れたハズラット・ハーンの前に幻影として姿を現す。実はカーリーが行った秘術によって、襲撃の情報を察知しており、ベナレス自身が不在のあいだの準備を整えていた。ウロボロスの力の謎を解かなければ喜一を倒す事ができないと考えており、ウロボロスの転位能力を利用して、その力の源泉を探っていたのだ。ハズラットに自らに協力する事と藤井八雲への警告を伝え、その後、ハズラットと共に再び異空間の調査へと戻っていった。

鬼眼王 (かいやんわん)

ベナレスの主であり、三只眼吽迦羅達の王。12年前、サンハーラの発動を目論むが、藤井八雲達の活躍とサンハーラの闇という想定外の事態に直面して失敗。その後、消滅しかかるが、カーリーと融合した。鬼眼王の正体は人化の法を使い、多くの三只眼吽迦羅の力と精神が融合した「人格の集合体」。その力と精神のほとんどは新たな鬼眼王となったカーリーへとそのまま受け継がれたが、その3分の1は流出し、三只眼へと取り込まれてしまっている。現在、三只眼は融合した三只眼吽迦羅達の精神の影響を色濃く受けており、新たな鬼眼王へと変貌しつつある。カーリーは自らを「旧鬼眼王」、変貌しつつある三只眼を「新鬼眼王」と呼んだ。

カーリー

現在の鬼眼王であり、ベナレスの主。12年前に鬼眼王と融合したが、その精神と力の一部を流出したため往年の力を失い、鬼眼王としてはかなり弱体化している。また「人格の集合体」である鬼眼王の精神の一部が流出し、三只眼にそれらが取り込まれたため、鬼眼王とも別の存在になりつつある。そのため、三只眼が新たな鬼眼王として目覚めつつあるのもあり、三只眼とは区別して「旧鬼眼王」とも呼ばれる。月の龍皇城にいたが、鳥谷喜一の襲撃によってベナレスが封印されたため、月から逃亡。藤井八雲に協力を要請する。喜一に取り憑いたウロボロスの存在を危険視しているが、同時に自らの失った力を補填するために必要とも考えており、ウロボロスを取り込もうと企てている。実は人格の集合体である鬼眼王の部分が著しくバランスを欠いている状態で、多重人格による内部崩壊寸前の状態。ウロボロスを求めるのは、この人格崩壊を防ぐためだった。聖地にて過去のベナレスに現状を伝えるべく時をさかのぼる秘術を行う。未来の情報を過去の存在に伝えられる術だが、消耗が激しく、使えるのは数年に一度、戻れるのは精神のみでわずかな時間と制限が多い。

ゲゲネイス・ド・ギガンテス

ノルマルテ・ウリュプスと共に九頭龍将の新たなメンバーとなった中年の男性。パリでの戦いぶりがベナレスに認められた。藤井八雲がベナレスに九頭龍将の頭領に勧誘されたため、八雲を頭領と呼んでからかう。月の龍皇城にいたところ、鳥谷喜一の襲撃を受ける。その後、ノルマルテと共に聖地の門を修復し、カーリーのもとへ駆けつける。ウロボロスとの戦いでは、妖撃社の面々に同行し、共闘する。死に場所を求めているのは未だ変わらずだが、豪快な性格から妖撃社の面々ともすぐに打ち解けた。特に酒好きなため、神山依子の事を気に入っている。ウロボロスとの戦いではケガを負いつつも、依子を守りながら戦った。

ノルマルテ・ウリュプス

パリでの戦いで寿命が尽きかけて死亡寸前だった青年。だが、ゲゲネイス・ド・ギガンテスがベナレスに持ちかけた交渉によって治療され、ゲゲネイスと共に九頭龍将の新たなメンバーに認められた。月の龍皇城にいたところ、鳥谷喜一の襲撃を受ける。その後、ゲゲネイスと共に聖地の門を修復し、カーリーのもとへ駆けつける。理知的で落ち着いた性格をしており、呪文式についても詳しい。現在は行方不明になったベナレスの捜索と、ウロボロスに対抗するための準備を行っている。

鳥谷 喜一 (とりたに きいち)

動画配信が趣味の男子高校生。炎上系の動画を配信していたが、閲覧者との口論で自殺騒動を巻き起こす。その際に足を滑らせて絶命したが、ウロボロスに選ばれて死人として蘇生する。自身に起きた異変に最初は気づかなかったが、スキウロス・ジャードノスチに誑かされて、ウロボロスの神のごとき力を思うままに振るう。月にまで一瞬で移動する「転位(フラッシュ・ムーブ)」、任意の物質を消し去る「消失(ディスアピア)」など多彩で強力な能力を、消耗を気にせず無制限にあやつる事が可能。成長したウロボロスに「世界平和」を願い、三只眼や死人達を引き連れて実現のため動く。ウロボロスの力は絶大だが、それを振るう鳥谷喜一自身は年相応の見識と精神しか持たない。そのため世界平和の実現も具体的になにをすればよいのか分からず、当初は迷走していた。実は鳥谷孝一という兄がいたが、死別している。兄の死によって母は廃人のようになり、自身も道を踏み外したため、自分が受けた痛みを全人類に味あわせるべく「木星の消失」を提案、全人類に宣戦布告する。しかし同時期にウロボロスから死人の真実を聞かされたため、ウロボロスを拒絶し、姿をくらませた。

ウロボロス

サンハーラの闇といわれる謎の存在。黒いもやのような姿で、鳥谷喜一と融合。当初はなにもわからない赤ん坊のような存在で、人間へのコミュニケーション方法もわからず、巨大な思念を喜一にぶつけて彼の精神を崩壊させかかった。三只眼の言葉でおとなしくなり、喜一の言動から人間というものを学んでいる。「ウロボロス」という名は喜一が名づけたもので、正式名称は不明。その学習速度は驚異的で、わずかな期間で人間の言葉と思考を学習し、喜一とコミュニケーションを取るようになる。その目的は原初の形に戻るため、世界の闇を統合する事。同時に公平でありたいという方針を掲げており、闇を統合する代わり人類の願いを叶えたいとも思っている。喜一が「世界平和」を願ったため、その願いを叶える事を約束する。しかし、具体的にどうすればよいのかわからないため、喜一達と共に世界を回る事となる。持っている力は「神のごとき」と称されるほど絶大で、あらゆる場所に瞬間移動する「転位」をはじめさまざまな力を持つ。また実体がないためあらゆる攻撃を無効化するが、ウロボロス自身が生み出した物質による攻撃は唯一通じる。

スキウロス・ジャードノスチ

サンハーラの調査基地エディアカラの現場責任者。髪を三つ編みにした中年男性で、オネエ口調でしゃべる。米国と露西亜をたきつけてサンハーラの調査をさせ、テロリストをエディアカラに招き入れた事件の黒幕。サンハーラを復活させ、世を混乱に陥れる事を目論む。実は人間ではなく闇の怪物。力は強くないため権謀術数を張り巡らし、相手が自滅する方法と取る事を好む。鬼眼王やベナレスには絶対勝てない事を自覚しているため、ウロボロスを使い、彼等を殺そうと目論む。鳥谷喜一に近づき、彼に舌先三寸で取り入り、月の龍皇城へと攻め込むように仕向けた。感情の機微が理解できていないウロボロスも言葉巧みに騙し、己の目的のために利用している。その正体は『3×3EYES 外伝』にて登場したニイスホッグと共にユグドラシルで暮らしていたリス。強大な闇の怪物が跋扈するユグドラシルで、肩身が狭い思いをしながら暮らしていたところ、偶然目にした虐げられる人間の姿に暗い愉悦を覚える。ニイスホッグをけしかけて人間の絶望する姿を見るのを楽しみにしていたが、パイにそれを奪われたため、己の手で人類を絶望させる事を誓った。

エネバ

死人の一人。色黒の肌をした少女で、ゲリラに殺される。その後、サンプルを探していたウロボロスに蘇生され、死人となる。ふだんは穏和な物腰だが、幼い頃からゲリラに家族や故郷を奪われ続けた過去があるため、ゲリラに関する事では苛烈な姿を見せる。死人達の中ではウロボロスの力をあやつる鳥谷喜一を神と崇め、彼の言葉をすべて受け入れる立ち位置を取っている。ただし喜一を神と崇める余り、時に彼の意志を無視して暴走する事もある。ウロボロスから得た力は肉体を変貌させる能力で、戦いでは左手を中心に自らの体を異形の存在へと変身させて戦う。

キーファ・シュタイゲル

死人の一人。ドイツのライプツィヒで暮らしていた長髪の青年。病気がちな姉がいるが、母親は家庭を捨て、父親は酒に溺れて仕事をしないため、自らが勤労に励む日々を送っていた。日銭を手に入れるため低賃金でも文句を言わず働いていたが、ロボットによる自動作業化に伴って失業。路頭に迷っていたところ、テロリストに目をつけられる。仕事がもらえると騙されて彼等のアジトに向かったところ、丁度、警察の捜査が始まり、テロリストの爆弾に巻き込まれて死亡。サンプルを探していたウロボロスに蘇生され、死人となる。目覚めた当初は、混乱して暴れたが、本来は仲間思いのまっすぐな性格をしており、事情を知ったあとは鳥谷喜一に謝罪した。働いてばっかりいたため学がなく、ヴィエーラ・V・ツヴィチェーニィからはよくその事を突っ込まれる。ただし人柄はいいため、彼女からも信頼されている。ウロボロスから与えられた力は身体強化と電磁場を放つ能力。強力な磁石のような使い方をして鉄の塊を作り出して敵を攻撃する事ができる。

ゲイツ

死人の一人。カナダでテロ活動を行っていた強面の青年で、警察官に射殺される。死亡後、サンプルを探していたウロボロスに蘇生され、死人となる。貧しい国の出身で、内戦で家族を失い、復讐のため大国に属して反政府組織として政府と戦った。しかし、戦いが終ったあと大国から用済みとして捨てられ、テロリストとして全世界で指名手配を受けてしまう。それらの経験から大国を強く憎み、敵意を向けている。そのため、死人達の中でも特に殺人を忌避しない好戦的な性格をしており、ウロボロスの力を手に入れた際も、襲いかかって来た軍人を殺している。ウロボロスから得た力は錨のような形をした刃物を生み出す能力で、これを飛ばして攻撃する。刃物は大抵の物は一刀両断する威力があり、また複数同時に生み出して放つ事も可能。暫定的に鳥谷喜一をリーダーとして認め、彼の命令通り人殺しは避けるようになったが、リーダーに相応しくないと考えたら見限ると、堂々と宣言している。

ニック・パールマン

死人の一人。オーストラリア人の大柄な青年で、森林火災に巻き込まれて死亡。サンプルを探していたウロボロスに蘇生され、死人となる。環境保護団体に加盟しており、自然保護を訴える活動をしていた。ただし所属していた環境団体は黒い噂のある怪しい組織で、ニック・パールマン自身、二人の兄の奨学金の借金で経済難なのもあり、少なくない資金を受け取っていた模様。環境保護を訴えるが、それ以外は戦いを好まず、死人達の中では穏健的な立場を取る。ウロボロスから得た力は、肉体の鋼鉄化。身体能力も強化されるため、単純に硬くて強くなる。また体の水分もなくなるため、凍結にも耐性を得るが、体が重くなるため海に沈められると無力化される。

ヴィエーラ・V・ツヴィチェーニィ

死人の一人。ウクライナで起きたデモに参加した若い女性。軍事衝突に巻き込まれて死亡した。サンプルを探していたウロボロスに蘇生され、死人となる。頭がいいがために、潔癖症で他者にまで正しさを求める気質を持つ。ふだんは理知的に相手と対話するが、相手が一定以上を踏み越えると一転してヒステリックになり、他者を否定する言動を取る。戦いは好まないが、デモに参加して殺された経験から国に頼らない方針を掲げる。実は過去にロシア系の男性と付き合っていた際に、弄ばれて捨てられた過去を持つ。その際の情報はネットに残っているため、それを知られるのをひどく嫌うが、アレックス・ターナーに暴露された。ウロボロスから得た力は熱波を生み出す能力で、生み出す熱は対象を一瞬で炭化させるほどである。

アレックス・ターナー

死人の一人。でっぷりとした体型のアメリカ人の男性。情報漏えいの常習犯で、ハッキングして機密情報を覗き見して、ネットにリークするのが趣味。それらの犯行が警察にバレて、捜査の手が及んだところ、日頃の不摂生が祟って闘争中に高所から転落して死亡。サンプルを探していたウロボロスに蘇生され、死人となる。情報通なため死人達の中ではクレバーで中立的な意見と立場を取るが、他人の意見を否定する事が多い。一方、頭に血が上り過ぎると、他人の後ろめたい過去を暴露したりするなどデリカシーに欠ける行動が目立つ。ウロボロスに与えられた力は電子機器をあやつる能力を強化するもので、これによって地球上のあらゆるコンピューターにアクセスできるようになった。

鳥谷 孝一 (とりたに こういち)

鳥谷喜一の6歳年上の兄。文武両道の優秀な人物で、動画投稿が趣味。彼の作る動画はかなり出来がよかったらしく、閲覧数が100万を突破していたほど。流星を飲み込む事で地球を守る木星を守護者を称え、家族を守る「木星になりたい」が口癖だった。喜一はなにをしても兄に敵わなかったが、そんな兄の存在が誇らしく、彼にとっての理想の存在となっていた。しかし大学生になった頃、参加したサークル行事で泥酔した状態で溺れて死亡。葬式も責任を擦り付け合う醜いものになったため、喜一と母親の心に深い傷を残した。

その他キーワード

サンハーラ

鬼眼王が人類の意志を一つにするため行った秘術。現在は、術を行った神殿が抜け殻のように南インド洋の底に沈んでいる。鬼眼王は人類の意志が光となって自身と融合すると考えていたが、実際に現れたのは闇。それによって儀式は失敗し、鬼眼王の野望は崩れ去った。サンハーラ神殿は新種の鉱物でできているらしく、各国のさまざまな思惑が重なって調査の対象となっている。サンハーラの最寄には海上基地「エディアカラ」が建造され、日夜、サンハーラの監視と調査を行っていた。しかし、テロリストの攻撃によってサンハーラは起動、ウロボロスが現れてしまう。その後、紆余曲折の末にエディアカラは鳥谷喜一達に占拠され、彼等の拠点となる。

(うー)

三只眼吽迦羅が生み出す不死身の従者。一人の三只眼吽迦羅に対して一人のみ任命する事が可能で、无となった者の額には「无」の文字が浮かび上がる。任命される側は人間、闇の怪物を問わず、任命された時点で年齢が固定されて不老不死となる。小さなケガ程度なら時間をおかず再生する事ができ、全身を粉々にされても時間をかければ元の状態へと復元できる。このため「不死人(アンデッド)」とも呼ばれる。三只眼吽迦羅によって不老不死を与えられた存在であるため、任命した三只眼吽迦羅が死ねば无としての力を失う。そのため、无には三只眼吽迦羅を守る義務が存在する。また三只眼吽迦羅が危機に陥った際、无には「無限の力」が発現する。無限の力を発動させた无は、再生能力が強化されてあらゆる傷や損壊を一瞬で復元し、無尽蔵の精で無制限に術をあやつる無敵と言える存在へと化す。このため无が側にいる三只眼吽迦羅を殺そうとするのは至難の業で、三只眼吽迦羅を傷つけずに无や三只眼吽迦羅の力を消耗させる持久戦になる事が多い。

三只眼吽迦羅 (さんじやんうんから)

額に第三の眼がある種族。人間に近しい姿をしているが、超常の力をあやつる闇の化け物で、妖怪達からも畏怖される存在となっている。不死身の従者である无を生み出す事ができるため、不老不死を与える存在と認識している者達も多い。「人化の法」を使えば人間になれるとされているが、これは実は二人の三只眼吽迦羅の力と精神を一人に集めるというもの。力を失った三只眼吽迦羅はただの人間になるが、二人分の力と精神を吸収した三只眼吽迦羅はより強大な存在へとなる。鬼眼王はこれを利用して同胞から力を奪い、自らの力を高めていたが、人化の法を使いすぎた事で吸収した人格に自らの人格が押しつぶされ、「人格の集合体」といえる存在へと変貌してしまった。

死人 (しびと)

ウロボロスが復活させた人間の総称。ウロボロスが関知した瞬間に絶命した人間の中で、最も相性のいい者として鳥谷喜一が選ばれた。その後は、喜一が「世界平和」を願った事で、それを実現するためのサンプルになる人物達が選ばれ転生された。死人になった際に、その間際に負っていたケガや損壊は修復され、さらに日本語をはじめとした必要な知識を脳に直接インストールされている。またウロボロスの力の一部を引き出して使う事も可能となっており、それぞれが転位や肉体強化の力をあやつる。ウロボロスが存在する限りどれだけ肉体を損壊されても死なない、无に近しい存在へと変貌している。実は死人になって以降も、ウロボロスによる肉体の変貌は継続しており、少しずつ闇に近しい存在へとなりつつある。闇に近づくたびに、肉体の一部が黒く変色しており、一番侵食の激しい喜一は体の大部分が黒くなっている。また肉体の闇化に伴って脳も変化しており、思考能力に変化が見られる。ウロボロスは全員が死なないようにするために「善意」でこれらを行っており、最終的に死人はすべて闇と融合して思考は消え去ると語った。

ベース

3×3EYES (さざんあいず)

インド神話を中心に、チベット密教やエジプト神話等の要素も取り入れた伝奇長編マンガ。ヒロインはインド神話における女神パールヴァティ四世の別名を持つ三つ目の少女で、彼女の力によって不死の体を持つことになっ... 関連ページ:3×3EYES

前作

3×3EYES 幻獣の森の遭難者 (さざんあいず げんじゅうのもりのそうなんしゃ)

高田裕三の代表作『3×3EYES』の続編。不老不死の術を持つ聖なる魔神の一族・三只眼吽迦羅(さんじやんうんから)の少女・パイと、その不死身の守護者・无(ウー)となった少年・藤井八雲の新たなる戦いを描く... 関連ページ:3×3EYES 幻獣の森の遭難者

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