ARIA

ARIA

伝統文化の世界に飛び込んだ、新米ウンディーネ(水先案内人)の少女たちによる、温かな交流や成長の軌跡が丁寧に描写されていくヒーリングファンタジー作品。テラフォーミングにより入植可能となった火星という近未来のSF的世界観に、水の都ヴェネツィアをモチーフとした古風な佇まいを残す観光都市というロケーション。一見アンバランスな世界設定が、ハートフルなストーリーと相まって、癒やしをもたらす独自の作品世界を紡ぎ出している。なお、本作のプロトタイプとも呼べる作品『AQUA』が同著者によって刊行されており、人物や世界設定がそのまま踏襲されている。

概要・あらすじ

地球暦2301年。かつて火星と呼ばれた惑星が、人の手でテラフォーミングされてから150年。現在は水の惑星・AQUAと呼ばれるこの星に、地球(マンホーム)からひとりの少女が訪れる。観光都市ネオ・ヴェネツィアの伝統的な水先案内人であるウンディーネを目指す、その少女の名は水無灯里。水先案内人の会社・ARIAカンパニーに弱冠15歳で入社した彼女は、アリシアという優しい先輩の指導のもと、一人前のウンディーネとなるべく努力を重ねていた。

共にウンディーネを目指す仲間との交流や、様々なお客様との新たな出会い、古き良き趣を残した街が見せるふとした情景。その何気ない日常のなかに新鮮な驚きや感動を見い出しながら、灯里は仲間と共に少しずつ成長していく。

登場人物・キャラクター

水無 灯里 (みずなし あかり)

観光都市ネオ・ヴェネツィアのARIAカンパニーで、一人前のウンディーネとなるべく修行に励む、地球(マンホーム)出身の女の子。尊敬する先輩で指導者でもあるアリシアとふたりで会社を切り盛りしており、仕事の合間に彼女から指導を受けている。現在はARIAカンパニーに下宿中で、火星ネコのアリア社長と暮らしている。 素直で明るく前向きな性格で、少し夢見がちだが感受性が強く、日常のなかにある「素敵なこと」を見つけ出すのが得意。また、誰とでもすぐに友達になれるため、街中の多くの人々から親しまれている。

アリシア・フローレンス

ARIAカンパニーの経営およびウンディーネを務める穏やかな女性。後輩として入社してきた水無灯里の指導役も兼任する。その優雅で慈愛に満ちた言動に加え、天才的な操舵技術を持つことから、水先案内人業界のトップに君臨する水の3大妖精のひとりとして讃えられている。プリマ・ウンディーネとしての通り名は白き妖精(スノーホワイト)。

アリア・ポコテン

ARIAカンパニーの社長を務める白くて大きな火星ネコ。鳴き声は「ぷいにゅ」。のんびり屋の雄ネコで、知能が高く人間の言葉も理解している様子を見せる。20年前に会社の創立者であるグランドマザーと出会い、水先案内人業界では青い目の猫を社長に据えるのが習わしとなっていることから、彼が社長として選ばれた。

藍華・S・グランチェスタ (あいか・えす・ぐらんちぇすた)

水先案内人業界の最大手・姫屋カンパニーの跡取り娘で、同会社に所属するシングル(半人前)のウンディーネでもある。会社は違うが年齢や境遇の近い水無灯里やアリス・キャロルとは気が合うらしく、よく3人で一緒に行動している。勝ち気で負けず嫌いな性格だが、涙もろく怖がりな一面も。 また照れ屋さんでもあり、灯里のメルヘンチックな言動に対して、照れ隠しに「恥ずかしいセリフ禁止!」と釘を刺すことも多い。

晃・E・フェラーリ (あきら・いー・ふぇらーり)

業界最大手・姫屋カンパニー所属のウンディーネで、アリシアやアテナと並び水の3大妖精と讃えられるトップ・プリマのひとり。プリマ・ウンディーネとしての通り名は真紅の薔薇(クリムゾンローズ)。サバサバとした男勝りな性格で、自他ともに厳しい女性だが、面倒見の良い芯の通った先輩として、後輩の藍華をはじめとする多くのウンディーネから尊敬を集めている。 なお、アリシアとは幼なじみで、何かとライバル視しがち。

アリス・キャロル

姫屋カンパニーに並ぶ業界最大手・オレンジぷらねっとに籍を置くウンディーネの少女。まだミドルスクールに通う14歳の少女だが、その天才的な実力が評価されスカウトという形で入社する。ペア(見習い)の折からその高い操舵技術により周囲の尊敬を集めていたが、口数少なく無愛想なため敬遠されがちでもあった。 年齢以上に大人びた言動が目立つものの、ときおり子供らしい一面を見せることも。

アテナ・グローリィ

アリスの先輩で、オレンジぷらねっとに所属するプリマ・ウンディーネ。卓越したカンツォーネの歌い手でもあることから、天上の謳声(セイレーン)という通り名を持つ。水の3大妖精のひとりであり、大所帯のオレンジぷらねっとでトップ・プリマとして君臨している。もっとも普段は物静かなうえにドジっ娘で、同室で暮らす後輩のアリスから心配されてしまうほど。 なお、アリシアや晃とは練習生時代からの付き合いで、お互いに多忙ながらも、今でも親友として交流が続いている。

出雲 暁 (いずも あかつき)

水の惑星AQUAの空に浮かぶ浮島で気候を制御するサラマンダー(火炎之番人)の青年。まだ半人前だが、人々が地球と同じ環境で過ごせるよう尽力する自分の仕事に誇りを持っている。アリシアに憧れる一方、水無灯里のことをもみ子と呼んでは、気のおけない友人として交流を深めている。

アルバート・ピット

惑星AQUAの地中深くで重力のコントロールを行っているノーム(地重管理人)の青年。AQUAの重力は地球の3分の1程度だが、彼らの仕事によって地球と同じ1Gに保たれている。地下で暮らす職業柄、少年のように小柄ではあるが年齢は19歳。ノームとしてはまだ半人前だが、学者肌の聡明な人柄で、若者の割には言動が少々オヤジくさい。 なお、暁やウッディーとは同じ浮島出身の幼なじみ。また、藍華とは互いに異性として意識しているようなそぶりを見せることも。

綾小路宇土51世 (あやのこうじうどごじゅういっせい)

エアバイクにまたがり、街の運営維持に必要な物資を配達するシルフ(風追配達人)の青年。通称ウッディー。極度の方向音痴で、シルフという職につきながら、地図がないと配達ができない。そんな少しドジで間のぬけた青年ではあるが、裏表のない無邪気で真っ直ぐな好人物でもある。

グランドマザー

ARIAカンパニーの創立者にして、かつて30年以上にわたり水先案内人業界でトップに君臨し続けたという伝説のウンディーネ。その偉大なる功績から、全てのウンディーネの母にして伝説の大妖精グランドマザーと呼ばれ敬われている。現在は引退しており、日本の古き良き田舎を再現した村で、自然に囲まれながらのんびりと生活。

場所

惑星AQUA (わくせいあくあ)

『ARIA』に登場する惑星。もとは火星と呼ばれる惑星だったが、テラフォーミング(惑星地球化改造)の影響で極冠部の氷が融解し、地表の9割以上が水で覆われてた。そのことから現在は水の惑星・AQUAと呼ばれている。なお、自転周期は地球と同じなので1日は24時間だが、公転周期が地球の2倍であるため、1年が24か月。

ネオ・ヴェネツィア

『ARIA』に登場する都市。21世紀前半まで地球(マンホーム)のイタリアに存在していた水の街ヴェネツィアをもとに、惑星AQUAに建造された港町。サン・マルコ広場やマルコポーロ国際宇宙港といった建造物だけでなく、ボッコロの日や仮装カーニヴァルなど、ヴェネツィアの文化や風習までもが受け継がれている。

その他キーワード

ウンディーネ

『ARIA』に登場する職業。一年中、多くの観光客で賑わう港町ネオ・ヴェネツィアで、水先案内人としてガイドを行う伝統的な舟(ゴンドラ)の漕ぎ手。伝統ある由緒正しい職業ではあるが、華やかな女性たちが務めていることから、街のイメージを代表するアイドル的な側面も併せ持つ。職業階級が三段階に分かれており、見習いのペア、半人前のシングルを経て、プリマになってようやく一人前のウンディーネとして認められる。

書誌情報

Aria 全12巻 マッグガーデン〈ブレイド コミックス〉 完結

第1巻

(2002年11月発行、 978-4901926126)

第2巻

(2003年4月発行、 978-4901926362)

第3巻

(2003年8月発行、 978-4901926713)

第4巻

(2004年3月発行、 978-4861270161)

第5巻

(2004年9月発行、 978-4861270628)

第6巻

(2005年2月発行、 978-4861271106)

第7巻

(2005年10月発行、 978-4861271946)

第8巻

(2006年2月発行、 978-4861272240)

第9巻

(2006年8月発行、 978-4861272820)

第10巻

(2007年4月発行、 978-4861273704)

第11巻

(2007年11月発行、 978-4861274312)

第12巻

(2008年4月発行、 978-4861274824)

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