BM ネクタール

BM ネクタール

食糧危機回避のため作られた、金属やガラス以外のすべてを食料とする食肉用人造生物「B・M」。管理下から放たれ人間を食らいながら繁殖するB・Mに立ち向かう麻綾完をはじめとする仲間たちの活躍を描くパニックホラー。三部構成。第一部は主人公たちが小学生で、地震によって農場から町に解き放たれたB・Mとの戦いを描く。第二部はその三年後、主人公たちは中学生となっており、アメリカから持ち込まれた別タイプのB・M「U・S・B・M」との戦いを描く。第三部はその七年後、主人公たちは成人しており、日本壊滅後九州で生き残った人々の戦いを描く。

正式名称
BM ネクタール
ふりがな
びーえむねくたーる
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
 
アクション
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概要・あらすじ

2002年、悪化の一途を辿るゴミ問題と食糧問題を解決するため、遺伝子工学によって金属やガラス以外のすべてを食料とする食肉用人造生物「B・M」が作り出された。東京都郊外にあるM地区にもゴミ処理施設と一体になったB・M農場が作られ、人々はB・Mの正体を知らないまま、安い食肉として愛用するようになっていた。そんな時、首都直下型の巨大地震が発生。

B・M農場のB・Mが町にあふれ出し、人間を襲い始める。B・Mはすさまじい繁殖速度であっという間に町を覆い尽くした。大阪からの転校生・麻綾完は、クラスメイトでいじめっ子の幡場、委員長のシンゴ、いじめられっ子の少女・香ノ宮と共に学校を脱出、町の外へ危機を伝えようとする。

登場人物・キャラクター

麻綾 完 (まあや かん)

大阪弁の少年。母の離婚により、大阪から東京都M地区に引っ越してきた。転校早々、幡場に冗談半分で喧嘩を売ってしまうが、委員長のシンゴに仲裁される。性格はやんちゃでバイタリティにあふれているが、弱い者いじめを見過ごせない正義感があり、クラスでのけ者にされていた香ノ宮を庇う。あまり頭は良くないため、B・Mとの戦いでは、シンゴが立案した作戦を幡場と共に実行することが多い。

幡場 優

巨漢の少年。乱暴な言動だが、母親思いで根は優しい。大阪から転校してきた麻綾完に喧嘩を売られたと思いもめていたが、シンゴに仲裁される。B・Mに校舎が包囲された後、町を脱出しようとする完と共に行動。完、シンゴ、香ノ宮と共に生き残る。日本壊滅後は、横須賀エリアの自警団団員となる。

東条 神悟 (とうじょう しんご)

クラス委員長を務めている無表情な少年。麻綾完と幡場の喧嘩を止めるなど委員長としての務めは果たすが、正義感というより鬱陶しいものが見たくないというだけの理由で行動している。B・Mの開発者・東条室長の息子であり、B・Mの実態を知っている。B・Mに校舎が包囲された後、町を脱出しようとする完と共に行動。父・東条が人間の生き残りを殲滅させようとしていることを知り、生存のための方法を完たちに伝える。 その後B・M対策の研究者を経て、B・M通商局長官となる。

香ノ宮 真里乃 (かのみや まりの)

クラスでいじめられている少女。何を言っても嘘つきと罵られており、脱走したB・Mを目撃するが信じてもらえなかった。B・Mに校舎が包囲された後、町を脱出しようとする麻綾完と共に行動。完、シンゴ、幡場と共に生き残る。その後、サバイバル的な経験を経て否応なく強く前向きな性格に変わった。日本壊滅後は、横須賀エリアの自警団団長となる。

篠浦 剛士 (しのうら つよし)

第二部から登場。中学1年生男子。幡場の後輩で、ラグビー部に所属している。かつあげを受けるような気弱な性格だったが、幡場に一喝されたことや、香ノ宮に惚れたことから次第に行動的になっていく。U・S・B・Mの試食会場でB・Mが暴走したときは、麻綾完、シンゴ、幡場、香ノ宮と共に戦い、生き残る。日本壊滅後は、横須賀エリアの自警団団員となる。

東条 (とうじょう)

B・Mを開発した遺伝子工学学者。管理面の責任者でもあり、B・M暴走時は鎮圧の指揮をとっている。人類のために開発したB・Mを肯定し続けており、どのような災害が起きても過ちを認めようとしない。B・Mを守るためであれば、人間の命などものともしない冷血漢。息子であるシンゴには多少の情はあるものの、いざとなればいつでも切り捨てることができる。

完の母 (かんのはは)

麻綾完の母親。夫と離婚して完と共に東京に引っ越してきた。スーパーのパートで生計を立てている。容姿が良いため、周囲からやっかまれることが多い。大阪弁。芯の強い性格。町がB・Mに覆われた際は、いち早く車で脱出しようとし、完、シンゴ、香ノ宮、幡場を連れて町を出るが、封鎖部隊の東条に保護を拒まれる。 B・M農場に残っていたB・M処理運送車に完、香ノ宮、幡場を入れた後、外から扉を閉めて死亡する。

バーナード・ドレクス (ばーなーどどれくす)

第二部に登場。U・S・B・Mの開発者である男性学者。日本への正式輸入のための試食会に際し、生体のU・S・B・Mとそれを管理するための米軍特殊部隊を日本政府に申請せず、秘密裏に持ち込んでいた。大佐の心配をよそに、B・Mに対しては見くびった態度を取っていたため、それが惨劇につながってしまう。

大佐 (かーねる)

第二部に登場。米軍特殊部隊の大佐。本名不明。U・S・B・Mの日本試食会のためにバーナード・ドレクスが持ち込んだ生体U・S・B・Mの管理責任者として日本へ秘密裏に入国していた。U・S・B・Mを当初から危険視しており、生体の持込みには反対していた。パニック時においても毅然とした態度の誇り高い軍人。

御嶽ヶ原 留音 (みたけがはら るね)

第二部から登場。登場時6歳の少女。試食会におけるU・S・B・Mの暴走時、両親たちと共に上階に避難したためU・S・B・Mや米軍の掃討を逃れることができたが、シンゴの作戦で国産B・Mを屋上から落とした際、両親や傍にいた人間はみなB・Mに食われてしまう。留音はロッカーの中に隠されていたため助かった。その後麻綾完やシンゴたちに助けられ合流。 第三部では完の父親の養子となっており、苗字が「御嶽ヶ原」となった。

池内 (いけうち)

第二部に登場。B・Mの研究員の男性。東条とは同期で、彼を出し抜こうと目論んでいる。アメリカにB・Mの生体細胞を売り渡すため、U・S・B・Mの試食会に仮死状態にしたB・Mを持ち込んでいた。

ジャン・クローシュ (じゃんくろーしゅ)

第三部に登場。フランスの食料相補佐官。元フランス諜報局日本担当支部長。7年前、彼が生体B・Mを持ち出そうとしたことが、日本壊滅の原因となった。東条をフランスに招き、新世界の神になろうと目論む。

B・M (びーえむ)

2002年に遺伝子工学によって開発された食用の人造生命体。ガラスや金属以外はすべて食べ物とするため、ゴミ処理施設と農場が併設されている。外見は口と四足がついたラグビーボール大のなめくじ。捕食と共に分裂して増殖する。感覚器はないが、超音波によって仲間を呼ぶことができる。直射日光と極度の低温によって行動不能となる。

U・S・B・M (ゆーえすびーえむ)

アメリカが開発したB・M。イソギンチャクのような触手の塊に口がついた外見。国産のB・Mとは異なり、捕食によって分裂はせず、巨大化していく。また、テグスのように細い生体細胞を散布し、呼吸を通じて体内に入り、増殖するという能力を持つ。

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