概要・あらすじ
関東の田舎に住む富士瀬々は、アイドルを目指して参加したオーディションの最終選考に残り、見事本選出場を勝ち取る。山中のイベント会場で行われるオーディション本選に臨むため、瀬々は親友の田丸律子とともにバスに乗るが、そのバスが事故を起こして崖から転落。命に別状はなかったものの、いつ救助が来るかわからないという状況に陥ってしまう。
そこで瀬々は、同じバスに乗っていた土地勘があるという円谷ハジメを筆頭に、それぞれにさまざまな事情を抱えた三上蓮司、梶真珠らとともに、救助を待たずに自力での脱出を試みる。だが、間もなく道を間違えたことが発覚し、一行は遭難してしまう。行くことも帰ることもままならず状況は悪化の一途を辿るなか、瀬々たちは自分自身と向き合うことになる。
登場人物・キャラクター
富士 瀬々 (ふじ ぜぜ)
アイドルを目指しオーディションを受けた女子中学生。気が強そうに見られることもあるが、実際はまっすぐで単純なわかりやすい性格。関東の端っこの田舎で生まれ育ち、地元ではスタイルが良くかわいいと評判だった。のちに東京の芸能プロダクション「トキ・プロ」に入り、本格的にアイドルを目指すこととなる。
田丸 律子 (たまる りつこ)
富士瀬々の親友の女子中学生。瀬々が出場するオーディションに同行した際、トラブルに巻き込まれる。友人思いの優しい控えめな性格で、瀬々を心から応援している。のちに別れた父親方の祖母の家に世話になりながら富士瀬々と同じ高校に入学し、高校生活を送ることとなる。少々ぽっちゃりしているのがコンプレックス。
三上 蓮司 (みかみ れんじ)
ヘアメイクアーティストの見習いとしてオーディションに参加する予定でバスに乗っていたところトラブルに巻き込まれた、明るく軽いノリの少年。食べることや料理が好きで、きれい好き。筋の通った信念の持ち主で、将来のために精進している。のちに富士瀬々と同じ高校に入学し、クラスメイトとなる。
円谷 ハジメ (つぶらや はじめ)
富士瀬々がオーディションに向かうバスに同乗していた少年。トラブルに巻き込まれた際、土地勘があることを理由に、目的地まで移動することを提案した。しかしその後遭難。何かと謎の多い人物ではあるが、世界に名だたる「丸屋財閥」の大本である円谷一族のひ孫の世代にあたる。のちに富士瀬々と同じ高校に入学し、クラスメイトとなる。
梶 真珠 (かじ しんじゅ)
富士瀬々がオーディションに向かうバスに同乗していた少女。フィギュアスケート選手で、次回のオリンピックではメダルを狙える新人として評判になっている。人生を懸けて、大事な人に会いに行こうとしていたところ、トラブルに巻き込まれた。馴れ合いを嫌い、自分のために生きている孤高の人物。のちに瀬々と同じ高校に入学し、クラスメイトとなる。
羽根 士郎 (はね しろう)
アイドル発掘オーディションで審査員を務めた男性で、芸能プロダクション「トキ・プロ」の取締役。口が悪く、予選時には富士瀬々にさまざまな暴言を吐くが、最終選考終了後には瀬々を認めてスカウトする。その後は、瀬々を住み込みの研修生とし、アイドル教育を開始する。
九条 (くじょう)
芸能プロダクション「トキ・プロ」で、アイドル研修生の教育係を務める女性。非常に厳しいように見えるが、実は研修生が自らやる気を見せ、意見してくることを求めている。誰よりも強い信念を持ち、教育・育成に尽力している。
おトキ
芸能プロダクション「トキ・プロ」で住み込みのアイドル研修生のために身の回りの世話をする女性。主に食事を担当する、お母さんのような存在。
宝田 怪物 (たからだ かいぶつ)
富士瀬々の高校のクラスメイトで、学級委員長を務める男子生徒。イベント好きの熱血漢。クラスを引っ張っていこうと試みるも、さまざまな事情を抱えた生徒たちが集まっている特殊なクラスのため、うまくまとめられず苦悩する。関西弁らしき言葉を使うが、お笑い芸人への憧れからくるもので、偽物である。
ディレクター
「BOX系!」のライブイベントの現場ディレクターを務める男性。プロ意識が強い職人気質だが、あまりにも傍若無人、勝手気ままな采配を見せる円谷ハジメにプロデューサーとしての能力の限界を感じ、部下と一緒に現場を放棄する。決して無責任な人間ではなく、これはハジメに筋を通すことの重要さを教えるための行動であった。
その他キーワード
BOX系! (ぼっくすけい)
世界に冠たる「丸屋財閥」が、21世紀への挑戦として立ち上げたプロジェクト。プロデューサーは円谷ハジメ。「BOX」とは学校を指し、「BOX系」は学生を意味する。学生をターゲットにした商品展開や流通展開を行うもので、そのキャンペーンガールとして富士瀬々と田丸律子、ヘアメイクとして三上蓮司が選出され、3人が中心となって活動することとなる。 プロジェクトテーマは「変化」。