概要・あらすじ
「洋上の楽園」と呼ばれた豪華客船「Blue Heaven」の船長が、航海で難破した漁船を発見する。社長は救助しないように命ずるが、船長は社長を説得し救助に向かう。漁船内は血塗れの惨状で、たった1人の生存者である李盛龍を助け出すが、彼は殺人鬼のテロリストであった。船に乗り合わせていたガルフ・ジュノーはその状況を船員から伝え聞き、盛龍を狩ることに興味を抱く。
だが盛龍はガルフの息子を殺害してしまう。復讐も兼ねて手段を選ばず盛龍を狩ろうとするガルフ、非情な殺戮を繰り返す盛龍。そして乗客を1人でも多く救おうとする夏川ヨシコらスタッフ。それぞれの思惑が交錯し、闘争が繰り広げられていく。
登場人物・キャラクター
夏川 ヨシコ (なつかわ よしこ)
豪華客船「Blue Heaven」のパーサーで基本的な業務は広報。正義感が強く、細やかな心配りもできると同時に気の強さも持ち、殺人鬼の李盛龍にすら恐れずに立ち向かう。職務には忠実だが実は船が苦手。
李 盛龍 (り せいりゅう)
元々は安価で雇われた殺し屋の少年だったが、中国マフィアのボス殺害に失敗。その際に捕えられ、中国マフィアのボスにテロリストに仕立て上げられた。人間的感情を持たず、相手を殺害するのになんの躊躇も感じない。
ミスター・ジュノー (みすたーじゅのー)
世界的な大富豪。かつて薬害騒ぎを起こしたことがあり、被害者たちに襲撃されて妻を失い、自らも視力を失った。それ以降、車椅子生活を余儀なくされている。常に自らの都合を最優先する非情な性格で、息子であるガルフ・ジュノーにも、その哲学を叩き込んでいる。
ガルフ・ジュノ―
ミスター・ジュノーの息子であり、自らも2人の息子を持つ父親。妻は自殺により亡くしているが、彼女をはじめさまざまな遺体をホルマリン漬けにして保存する趣味を持つ。世の中が自分の思い通りになり過ぎるため退屈に感じ、常に虚無感にさいなまれている。
冬木 淳吾 (ふゆき じゅんご)
豪華客船「Blue Heaven」の機関員を務める青年。一本気な性格で、李盛龍とガルフ・ジュノーによる惨劇が繰り返されるなか、1人でも多くの乗客を救おうと奔走する。夏川ヨシコに想いを寄せている。
佐野 幸信 (さの ゆきのぶ)
豪華客船「Blue Heaven」の警備課長で、生まれたばかりの子供を持つ父親。李盛龍の危険性にいち早く気づくも、常識に基づいて対処しようとしたため、隙を突かれて逆に捕えられてしまう。
場所
Blue Heaven (ぶるーへゔん)
世界最大の豪華客船。艦内にはさまざまな催し物が行われるステージや、カジノ等の数多くの施設が用意されているが、李盛龍とガルフ・ジュノーの抗争によって凄惨な舞台になる。火事が起っても自動的に対処できる防火システムを備えているが、そのスイッチも切られ沈没の危機を迎える。