Cake×Bomb

Cake×Bomb

『仁義なき婿取り』に次ぐ、佐野愛莉の連載作品。「フォーク」と「ケーキ」、そしてどちらにも属さない「ふつうの人間」が存在する世界「ケーキバース」を舞台にしている。フォークの江指白花とケーキの皇寺燈牙を中心に、私立聡明学園の生徒や教師たちの人間模様を描いた捕食系ラブコメディ。小学館「Sho-Comi」2024年9号から連載。

正式名称
Cake×Bomb
ふりがな
けーきばいぼむ
作者
ジャンル
ラブコメ
 
学園
レーベル
フラワーコミックス(小学館)
巻数
既刊5巻
関連商品
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ケーキバースにおける「フォーク」と「ケーキ」の関係性

「ケーキバース」には、ふつうの人間とは異なる特異な体質を持つ「フォーク」と「ケーキ」と呼ばれる人々が存在する。フォークは、ふつうの人間から変化した後天的に現れる種族で、彼らは一般的な食事では味を感じることができず、ケーキに対してのみ強い捕食衝動を覚える。一方、ケーキは生まれつきその体質を持つ先天的な存在であり、捕食者であるフォークに対して本能的な恐怖心を抱いている。社会には「才能豊かな優れた人間がフォークになる」という選民思想が根付いており、これがフォークの傲慢さを助長する一因となっている。この絶対的な力関係から、フォークとケーキのあいだには主従関係や、利害が一致した共生関係が築かれることが多い。フォークがケーキの身体を味わう行為は「捕食」と呼ばれ、秘密裏にケーキが殺害される事件も、稀にではあるが発生している。

苦労人フォーク×俺様系ケーキ

亡き母に代わり、工場を営む父親を支えるため、白花は私立聡明学園に特待生として入学した。しかし、彼女の持ち前の正義感から学園の理事長の孫、皇寺燈牙に逆らった結果、陰湿ないじめの標的となってしまう。ある日、白花は皇寺の屋敷に呼び出され、思いがけない事故で二人とも庭のプールに転落してしまう。意識を失った皇寺を前に、白花はためらいながらも救命のために人工呼吸を試みる。皇寺の唇に触れた瞬間、強烈な甘味を感じ、実は皇寺が捕食者「フォーク」ではなく、捕食される側の「ケーキ」であることを知る。そして、白花自身の身体がフォークに変質していることも理解する。最大の弱みを握られた皇寺は、その秘密を隠すために白花に取引を持ちかける。父の工場への資金援助を条件に、自身の正体を隠すための「専用ケーキ」として彼女に側にいるよう強要する。その後も二人の関係はぎこちないまま続くが、皇寺は次第に白花の前向きな性格とフォーク特有の強い魅力に惹かれていく。

権力といじめが渦巻くエリート校の真実

白花が通う私立聡明学園は、地元で誰もが羨むエリート校として名を馳せている。しかし、その華やかな表面の裏には、歪んだ権力構造と複雑な人間関係が渦巻いていた。学園の頂点に君臨する皇寺は理事長の孫であり、彼自身は家柄を誇示することはないものの、周囲からの過剰な忖度が彼の傲慢さを助長している。特に、自分に媚びない白花に対しては執拗な敵意を向けている。皇寺に従う生徒たちは、白花を集団でいじめ、彼女は陰鬱な学園生活を余儀なくされている。さらに、理事長も実の孫である皇寺に対して威圧的かつ傲慢に接し、彼の力で他者を支配する姿勢が学園全体の歪んだ構造を生み出していた。権力者にへつらい、見て見ぬふりをし、弱者をいじめることを容認する学園の雰囲気は、正義感の強い白花にとって到底受け入れられるものではなかった。

登場人物・キャラクター

江指 白花 (えざし はっか)

私立聡明学園に特待生として通う女子。人間を捕食する「フォーク」と呼ばれる存在。正義感の強い性格で、間違っていることには臆することなく立ち向かう。もとはふつうの人間だったが、聡明学園に入学してから体質が変化し、フォークになってしまう。亡き母に代わり小さな町工場を営む父親を支えるため、猛勉強の末に特待生の座を勝ち取った努力家でもある。入学後も勉学に励んでいたが、学園の権力者である皇寺に逆らったことで周囲から孤立してしまう。そんな中、「フォーク」と名乗っていた皇寺が、実は捕食対象である「ケーキ」であるという重大な秘密を知ったことで、二人の関係は一変。口止めのため、皇寺は白花に自らの「専用ケーキ」として側にいるよう命じ、学園内で一目置かれる存在となった。ほかのフォークとは異なり、ふつうの食事をいっさい受け付けない体質でありながら、ケーキを食べることに強い罪悪感を抱いている。なけなしの小遣いをはたいて食欲を抑える薬を服用し、日々の飢えを必死に凌いでいる。

皇寺 燈牙 (おうじ とうが)

私立聡明学園に通う男子。人間に捕食される「ケーキ」と呼ばれる存在。理事長の孫という血筋を持ち、容姿端麗で成績優秀という完璧なスペックを誇っている。そのため、傍若無人で高圧的な態度にもかかわらず、学園中から羨望の眼差しを集めている。しかし、皇寺自身は家柄によって得た地位を何よりも嫌い、自らの才覚と実力だけで周囲に認められることに執着している。自らがケーキであることに強いコンプレックスを抱き、まるでフォークであるかのように振る舞い、時には味覚がないふりをしたり、ケーキを軽蔑する言葉を口にしたりして、必死にその正体を隠してきた。しかし、その完璧な偽装は、唯一自分に反旗を翻した白花に正体を知られたことで崩れ始める。さらに、親友であるフォークの桟原真叶にもケーキであることを見抜かれ、皇寺が築き上げた絶対的な優位性は、今まさに崩壊の危機に瀕している。

書誌情報

Cake×Bomb 5巻 小学館〈フラワーコミックス〉

第1巻

(2024-07-25発行、978-4098726868)

第2巻

(2024-10-24発行、978-4098727766)

第3巻

(2025-02-26発行、978-4098730018)

第4巻

(2025-06-26発行、978-4098730704)

第5巻

(2025-10-24発行、978-4098732456)

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