概要・あらすじ
男子高校生・加賀健司は大地震で命を落としかけた瞬間、召喚に答えよという少女の呼び声を聞く。気を失った健司が目を覚ましたのは、空に月が二つ浮かぶ、砂漠のような土地だった。健司はそこで出会った妖精のような少女・ピクシーと青年・ラデインと共に、世界を救う旅に出る。
登場人物・キャラクター
加賀 健司 (かが けんじ)
剣道部に所属している男子高校生。大地震で起こった列車事故のため命を落としかけた瞬間、少女の声を聞き、ヴェノールへと召喚される。砂漠の真ん中で途方にくれていたところ、聖馬を追いかけていたラデインやピクシーと出会う。世界を救うための鍵となる人物とされるが、ヴェノールでは勝手がわからず足手まといになりがち。 持ち前の前向きで明るい性格で、諦めず旅を続ける。
ラデイン
ヴェノールにある王国・レデアライルの第一王子の青年。ヴェノールを滅ぼすという魔物の一族・壊魔が現れ、崩壊の始まったヴェノールを救うため、壊魔を倒す力を持つという聖馬、聖剣、聖盾の神器を探して旅をしているが、このうち聖馬の居所を示すことができる赤水晶を持っている。母親の出自から、ヴェノールにあるもう一つの王国・デライドの神官の血を引いており、妹・デライド王女はデライドで最高神官を務めている。 5時間おきにティータイムを取る。
ピクシー
背中にトンボのような羽を持つ、人形ほどの大きさの妖精のような少女。ラデインに命を救われたことに恩義を感じ、共に旅をしていたところ、ヴェノールに到着し、途方にくれていた加賀健司を発見。同行するよう誘う。わがままで気が強いところもあるが、右も左もわからない健司を気遣うことができる優しさを持つ。
ベリアル
ヴェノールを滅ぼすという壊魔族の最高神官。長髪で漆黒の長いマントを身につけた若い男性の姿をしている。壊魔を倒す力を持つというラデインと加賀健司の前に現れ、攻撃を仕掛けてくる。ラデインの体を手に入れたいと考えており、度々姿を見せる。
聖馬 (どらごん)
翼を持ち、空を飛ぶことができる白いドラゴン。異世界・ヴェノールに到着し、途方に暮れていた加賀健司の前に現れ、ラデインやピクシーと出会うきっかけを作る。死ぬときに赤水晶と呼ばれる赤い宝石を残すが、これは主人となる人間の力を最大限に引き出し、聖馬の居場所を示すと言われている。
デライド王女 (でらいどおうじょ)
ヴェノールにある王国・レデアライルの王女であり、もうひとつの王国・デライドの最高神官を務める少女。ラデインの妹。壊魔の手に落ちる瞬間、加賀健司を召喚した。
マルショアス
ヴェノールの北の地を守護する魔物。女性のような上半身に、コウモリのような羽、2本のツノ、蛇の尾を持つ。聖馬を探しにやってきた加賀健司を試した。 もと壊魔で、最高神官ベリアルの配下にいたが、謀反を起こし、離反した。
ゼア
ヴェノールにある王国・レデアライルの魔道師。第一王子であるラデインに赤水晶を渡し、ラデインの妹であるデライド王女と世界を救う旅に出るよう促す。またラデインは過去、彼の元で修業をしている。フード付きの長いマントを身につけているため、容姿や年齢の詳細は不明。
シームルグ
数千年の間、森を守護していた巨大な鳥。壊魔に封印され、小鳥の姿にされていた。樹木のような化け物に襲われ、殺されそうになったところを加賀健司に助けられる。
集団・組織
壊魔 (かいま)
ヴェノールに現れた魔物の一族。二千年前、時の君主により封印されたが、双胎世界の境界が歪んだことからその封印が解けてしまい、再び現れる。破壊と残忍性しか持たず、双胎世界の破壊を目的とする、この世を混沌に帰す者たちと言い伝えられている。壊魔がどこからあらわれ、何者なのかは誰も知らないとされる。
場所
ヴェノール
地球の双対世界であるという地。中世ファンタジー風の剣と魔法の世界。加賀健司が召喚され、到着した場所。ラデインの故郷である王国・レデアライルや王城神国デライドといった国がある。壊魔と呼ばれる魔物が現れ、世界が崩壊に瀕している。
レデアライル
ヴェノールにある王国のひとつ。ラデインが第一王子を務める。壊魔が現れ、氷と化してしまう。
王城神国デライド (おうじょうしんこくでらいど)
ヴェノールにある王国のひとつ。ヴェノールの中核を成し、地球とヴェノールのバランスをとるという異境天秤(デライド)の月を守護する。最高神官ともいうべき王女の詠唱により、その力を維持していたが、壊魔の封印が解けたことで危機に瀕している。
その他キーワード
双胎世界 (そうたいせかい)
はるか昔、混沌より形成された姉妹世界。神界の守護の下、物質を司る物質界と気を司る精神界に分かれたというが、このふたつの世界を「双胎」と呼ぶ。物質界と精神界は最高神のもたらす力・異境天秤(デライド)で月を軸として支えられ、その秩序を保っているとされる。加賀健司の住む地球が物質界、ラデインの住むヴェノールが精神界であり、このふたつが双胎世界にあたる。
赤水晶 (あかすいしょう)
聖馬が死ぬ際、赤い水晶に姿を変えたもの。ヴェノールにある王国・レデアライルの王位継承の証。王族以外使用できないとされている。聖馬の居所を示すことができるほか、持ち主の力を最大限にまで増幅すると言われている。